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白川郷は、岐阜県北部にあたる飛騨地方にある大野郡白川村を中心とする地域のことです。
日本の美しい原風景と、歴史的な建築物である「合掌造り」の集落が評価され、1976年に重要伝統建造物群保存地区として選定されています。
1995年には、富山県の五箇山と一緒に「白川郷・五箇山の合掌造り集落」としてユネスコの世界文化遺産に登録されました。
日本の昔ながらの田園風景が広がり、日本の農村の文化や昔の人々がどのように暮らしていたのかを感じることができる場所となっています。
合掌造りとは、日本の伝統的な住宅建築様式の1つです。
豪雪地帯に建築されていることが多く、冬季になるべく屋根に雪が積もらないようにするため、屋根が急勾配になっていることが特徴です。
その急勾配の屋根が、まるで手を合わせた「合掌」をしているように見えることから、「合掌造り」という名前が付きました。
屋根の長さがとても長く、屋根が家全体をすっぽり覆うような形は、建築に詳しくない素人が見ても印象的な形をしています。
屋根の素材には茅を使用しています。
この茅葺き屋根も、合掌造りの特徴の1つです。
屋根を茅葺にすることで、瓦屋根よりも雪や雨水の流れがよくなります。
豪雪地帯であり、雨が多いこの地域の特徴を活かした家となっています。
屋根は「人」という字のように、山形にお互いがよりかかるような構造になっているため、屋根部分に余計な骨組みがありません。
そのおかげで、他の建築構造である数寄屋造や書院造よりも、屋根裏の部分も幅広く生活スペースとして利用することができる構造になっています。
屋根部分には、雪の重みなどに柔軟に耐えることができるように、釘は一本も使わず全て丈夫な縄で固定しています。
この構造は世界的に見ても珍しく、建築学的にもとても評価が高い建築物となっています。
さらに、建物は南北に面して建てられていますが、これは白川村の気候を考慮しての設計となっています。
南北に面して建てることで、風が強く吹く白川村の風の抵抗を減らし、屋根にあたる日照量を調整し、夏は涼しく、冬は暖かい構造になっているのです。
白川郷は山奥にあるため、アクセスはとても良くありませんでした。
しかし、世界遺産登録後は様々な交通整備がされ、アクセスも改善されてきています。
東京方面から車で行く場合、まずは中央自動車道で岡谷ジャンクションまで目指しましょう。
岡谷ジャンクションで長野自動車道へ乗り換え、40分ほどで松本ICに着くので、国道158号を経て、東海北陸自動車道へ乗り換えます。
そのまま白川郷ICで高速道路を下り、国道156号を通れば5分ほどで到着します。
大阪方面から行く場合は、まずは名神高速道路に乗りましょう。
2時間ほど走ると一宮ICに着くので、東海北陸自動車道に乗り換え、荘川ICで高速道路を下ります。
そこから国道158号、156号を通り、45分ほどで到着します。
名古屋方面から行く場合は、東海北陸自動車道を使って荘川ICへ、金沢方面から行く場合は、北陸自動車道を使って白川ICへ行きましょう。
東京方面から行く場合は、北陸新幹線で富山駅まで行きます。
富山駅からは、バスで白川郷まで行くことができます。
所要時間は約1時間半ほどで、始発は8時50分から出ています。
金額は1,730円となっており、座席は予約制なので、予定が決まったら早めに予約するようにしましょう。
バスは富山駅のバスターミナルの1番のりばから出ています。
大阪方面からは、JR特急の「サンダーバード」が出てるので、サンダーバードに乗って金沢駅まで行きましょう。
金沢からもバスが出ているので、バスで白川郷まで行きます。
こちらも所要時間は1時間半ほどとなっています。
運賃は2,000円で、金沢駅の東口2番のりばから出ています。
こちらのバスも座席は予約制なので、予定が決まったら、埋まってしまう前に早めに予約しましょう。
名古屋方面から行く場合は、JR特急ワイドビュー飛騨が1日に何本も出ているので、ワイドビュー飛騨に乗って高山駅まで向かいます。
高山駅からは、白川郷行きの高速バスが出ているので、所要時間50分ほどで白川郷バスターミナルに到着します。
名古屋方面からで乗り換えがめんどくさい場合は、名鉄バスセンターから白川郷行きの高速バスが出ています。
荷物がある場合はそちらの方が楽ですよ。
飛行機で行く場合は、「小松空港」に向かいます。
小松空港からは、リムジンバスを利用して所要時間40分ほどで金沢駅まで行けます。
金沢駅からは高速バスが出ているため、高速バスを利用しましょう。
白川郷は、春夏秋冬でそれぞれ違った日本の田園風景を見せてくれるので、通年を通して楽しめる観光スポットです。
中でも季節ごとに様々なイベントを行なっているため、せっかくならそのようなイベントがある時に行くのがおすすめ。
ここでは、白川郷で行われるイベントについて解説します。
田植え祭りは、毎年5月下旬に行われるイベントです。
名前の通り、白川郷の早乙女が田植えをするイベントです。
早乙女達が横一列に並び、田植えの唄を歌いながら田植えをします。
イベントは昔の風景を再現しており、早乙女達は伝統の紺色のモンペに赤いタスキ、ヒノキ笠を被り、腰には苗を入れるためのカゴを持っています。
そんな早乙女達が、合掌造りを背に「ちょぼん、ちょぼん」と田植えの唄と言われる唄を歌いながら横一列に田植えをしていく姿は、とてもノスタルジックな風景です。
中には田植えに慣れていない早乙女もいるので、歩きにくい田んぼの泥に足を取られて尻餅をついてしまうことも。
普段はあまり考えることはありませんが、お米を作ることの大変さを実感させられます。
どぶろく祭りは、5月に植えた稲を9月に収穫したあとに、五穀豊穣・家内安全・里の平和を山の神様に祈願するイベントです。
当日は、白川郷を獅子舞などの神輿行列が練り歩き、白川郷各地の神社で民謡や舞踊などの神事が執り行われます。
そして「どぶろくの儀」によって、どぶろくを神社に奉納します。
「どぶろく」とは、粟などの雑穀類で作った地酒で、もろみを漉していないため濁っていることが特徴です。
太古の昔から、祭礼として使われていたお酒です。
どぶろくは神聖なものであるため、神社の酒蔵で作られます。
そんな神聖などぶろくを、イベント当日は観光客にも振舞ってくれるのです。
気候的にも過ごしやすい時期なので、毎年このイベントには多くの観光客が訪れます。
注意点として、白川郷には車で行く方が多いと思いますが、どぶろくを飲んでしまうと飲酒運転になるためご注意ください。
白川郷で毎年秋に行われるのが「一斉放水」です。
白川村の建物は合掌造りをはじめ、ほとんどの家屋が木造建築で、合掌造りは茅葺き屋根のため燃えやすいです。
1軒で火事が発生した場合、その日が移ってしまい大災害になりかねません。
そのため、白川村の中にはいたるところに放水銃が設置され、その数は合計59基にも上ります。
空気が乾燥し、火事が起きやすくなる前の毎年10月末〜11月頭に、その放水銃の点検と避難訓練も兼ねて放水銃から一斉に水を発射します。
白川郷のあちこちから生まれる水柱はとても幻想的です。
時期的に紅葉とかぶることもあり、紅葉の時期にはライトアップも行われるため、この時期には毎年多くの観光客が訪れます。
ライトアップ自体は紅葉の時期にもありますが、白川郷でライトアップといえば1月〜2月のライトアップのことを指します。
白川郷といえば、雪が降り積もる合掌造りの家をイメージする人も多いのではないでしょうか。
雪をすっぽりかぶった合掌造りは、日本昔ばなしに出てきそうな風景で綺麗です。
そんな白川郷を、近年は完全予約制でライトアップを見て回る見学ツアーがあります。
ライトアップされた白川郷でまずチェックすべきなのが、逆さ合掌造りです。
白川郷の合掌造りは、田んぼなどのすぐ近くにある場合が多いのですが、ライトアップされることによりはっきりと田んぼに映し出されます。
窓が光っている合掌造りはとても趣があり、ノスタルジックな雰囲気です。
さらに、ライトアップされた集落を展望台から俯瞰的に見ることもできます。
ライトアップされた合掌造りの集落はとても幻想的で、まるで童話の世界に迷い込んだかのような景色です。
集落にはかまくらや雪だるまも飾られ、例年1月と2月の週末、6回ほどしか見るチャンスはないので、ぜひ見に行ってください。
注意点として、真冬の白川郷の夜間のイベントになるためとても寒いです。
集落ではあま酒やどぶろくなど、体が暖まるものも販売していますが、防寒対策はかなり気合いを入れていきましょう。
ライトアップの日程は、毎年夏頃に発表されます。
その日程に基づいてバスなども埋まっていくので、ライトアップを見に行きたい場合は早めに予約をするようにしてください。
白川郷には様々な文化的なものが残されています。
ここでは、そんな白川郷の見どころをご紹介します。
であい橋は、駐車場と集落を結ぶように庄川にかかっているため、白川郷に行った場合は必ず通ることになります。
駐車場は現代感満載のコンクリートですが、このであい橋を渡るとすぐに合掌造りの集落になるので、まるで現代から過去にタイムスリップする橋のようです。
全長は107mもあり、多くの人が歩くので揺れますが、庄川を見渡すことができることから絶好の写真スポット。
このような橋の場合、通常は真ん中が高くなっているアーチ型になることが普通ですが、であい橋はその逆で、両端が高く、真ん中が低くなるような造りになっています。
両岸からケーブルで引っ張って橋を固定しているのですが、このデザインは自然に溶け込みとても斬新なため、土木学会デザイン賞を受賞している建築物としても素晴らしい橋です。
住所:岐阜県大野郡白川村荻町
マップ: Googleマップ
入場料:無料
休館日:なし
白川郷のメインとなる萩集落で最大の民家が「和田家」です。
和田家は300年以上も前に作られた合掌造りで、国の指定重要文化財にもなっています。
白川村の有力な一族で、江戸時代から名主や番所の役人などを勤めていました。
現在も住居として利用していますが、あまりに大きく家の半分ほどを観光客用に解放しているので、入場料を払えば家の中を見学可能です。
家の中では、実際に昔和田家で使用されていた食器や鍋などが保管されています。
2階建てになっており、1階部分は生活スペースで、囲炉裏を見学したり、縁側でのんびりと庭園を眺めることもできます。
2階では養蚕の際に使用していた道具や、ワカンなどの雪装備が当時のままで展示されています。
住所:岐阜県大野郡白川村荻町997
マップ: Googleマップ
入場料:
大人300円
小人150円
営業時間:9:00〜17:00
休館日:不定休
白川郷にある4階建ての大きな合掌造りの家が、旧遠山家民族館です。
和田家と並ぶ白川郷を代表する合掌造りのこの家は、1827年(文政10年)頃に建てられました。
200年近く経った今でも、4階建てのどっしりとした佇まいは圧巻です。
白川村は平地が少なく、家を建てることや田んぼを拓く土地があまりないので、分家が難しい場所でした。
そのため、この遠山家では数十人の大家族が住んでいたと言われています。
家もとても広く、日本の大家族形態の生活を偲ぶことができます。
住所:岐阜県大野郡白川村御母衣125
マップ: Googleマップ
入場料:
大人300円
小人150円
営業時間:10:00〜16:00
休館日:水曜、年末年始
集落を見渡すことができる展望台は2つありますが、その1つがこちらの天守閣展望台です。
ここからは白川郷のメインの場所となる、荻町全体と白山連邦を一望することができます。
パンフレットにもよく使われる写真なので、見たことがある方も多いと思います。
この展望台から見ると、合掌造りが全て同じ方向を向いているのがよくわかります。
まずは集落内を散策し、合掌造りの細部を確認してから、全体をみるために訪れるのがおすすめです。
天守閣展望台のところには、お土産を販売していたり、食事ができる施設があります。
飛騨の名産である飛騨牛や朴葉味噌、自家製の石割豆腐などを販売しています。
天守閣展望台には、100台収容可能な駐車場があるので、ライトアップが開催されている時期を除き、車で行くことができます。
しかし、世界遺産となり大人気の白川郷では、100台収容の駐車場は小さく渋滞になることもしばしば。
そのような場合は、片道200円で展望台シャトルバスが出ているので、そちらを利用しましょう。
また、徒歩でも20分ほどで行けるので、のんびりと周辺を散策しながらいくのもおすすめです。
1つ注意点として、雪が降っている時期の展望台からの眺めはとても綺麗ですが、足元が悪くなります。
高台で傾斜もそれなりにあるので、自分の体力や靴はしっかり考えてから行きましょう。
「天守閣」という名前が付いた展望台ではありますが、天守閣があるわけではないので気を付けてください。
住所:岐阜県大野郡白川村荻町
マップ: Googleマップ
駐車料金:無料
アクセス:
合掌造り集落から徒歩20分
シャトルバス10分
天守閣展望台から少し上がったところにあるのが、荻町城跡展望台です。
断崖絶壁の台地となっており、典型的な山城の跡です。
天守閣展望台とは、また少し違った景色を楽しむことができます。
荻町城跡展望台の特徴は、一般観光客が三脚を使用できる場所があること。
天守閣展望台では三脚の利用はできないので、三脚を利用したい方はこちらの展望台を訪れましょう。
こちらの展望台も、小さいですが駐車場があるため車で行くことができます。
また、和田家東方から歩いて行くことも出来ますし、シャトルバスで行くこともできます。
荻町展望台では三脚の使用はできますが、どこでも三脚を使用できるわけではなく、三脚の利用できるスペースは限られています。
三脚を利用したい方は、午前中に行って場所の確保が必要なので注意してください。
住所:岐阜県大野郡白川村荻町
マップ: Googleマップ
駐車料金:無料
アクセス:
合掌造り集落から徒歩20分
シャトルバス10分
明善寺は、白川郷にある1748年に創建された浄土真宗のお寺です。
白川郷ではお寺も合掌造りになっており、住職やその家族が住むスペースである庫裡は、白川村最大の合掌造りとなっています。
鐘楼門は白川郷のシンボルで、1階にひさしがあり、屋根は茅葺き屋根というとても珍しい造りです。
貴重な建築物であることから、岐阜県の指定重要文化財になっています。
建物の内部は郷土館となっており、見学することもできます。
囲炉裏には防虫効果もあるため、夏でも毎日火入れを行なっています。
ノスタルジックな気分を味わうことができるので、ぜひ訪れてみてください。
住所:岐阜県大野郡白川村荻町679
マップ: Googleマップ
入場料:
大人300円
小人100円
営業時間:
4月〜11月 8:30〜17:00
12月〜3月 9:00〜16:00
休館日:不定休
白川村周辺には、合掌造り集落以外にもその自然の美しさを体験できる様々な観光スポットが点在します。
ここでは、合掌造りに訪れたらぜひ一緒に行きたい、おすすめの観光スポットをご紹介します。
白水湖は、富山県、岐阜県、石川県、福井県にまたがる白山国立公園内にある、大白川ダムの建設に伴ってできた人口の湖です。
人口湖というと何ともないような印象を受けますが、この湖の最大の特徴はその湖水の色です。
湖周辺は温泉地として知られ、湖ができる前はここも温泉が湧き出ていました。
そのため、白水湖の湖水には温泉の成分である硫黄が含まれているため、水は美しいエメラルドグリーンとなります。
周りの大自然の景色も相まって、とても神秘的な絶景が広がります。
アクティビティをしたい方は、「白山湖ラフトクルーズ」もできます。
穏やかな湖をボートで進み、湖畔からは見れない景色を見ることができますよ。
白川郷の荻集落から車で30分ほどでこれる場所ですが、10月下旬から6月上旬は冬季通行止になってしまうため、夏〜秋までしか見ることができません。
新緑との景色も良いですが、10月になると紅葉も始まってくるので、紅葉とエメラレルドグリーンのコントラストは息を飲むほどの景色なので、おすすめです。
住所:岐阜県大野郡白川村平瀬大白川
マップ: Googleマップ
入場料:無料
「白水湖の絶景を眺めながら温泉に入りたい…」と思う方も多いのではないでしょうか。
そんな夢のようなシチュエーションを叶えてくれるのが「大白川露天風呂」です。
森の中にひっそり佇む大白川露天風呂は、内風呂などはなく、脱衣所と男女別の露天風呂があるだけのまさに秘湯です。
アクセスはとても悪く、いつ熊がでてきてもおかしくない、ガードレールもないような林道を10km以上も行かなければいけませんが、それだけの価値はある絶景が広がります。
料金も350円とお手頃なので、白川郷に車で行った際はこの絶景の秘湯まで足を伸ばしてみてください。
住所:岐阜県大野郡白川村平瀬大白川
マップ: Googleマップ
入場料:
大人350円
小人200円
営業時間:8:30〜17:00(夏期〜18:00)
営業時期:6月上旬〜10月下旬
国道156号線から白水湖方面へ向かう県道451号線の途中に、名瀑布の呼び声高い「白水の滝」があります。
高さ72m、幅8mの白水の滝は、流れ落ちる水が乳白色に見えることから、その名前で呼ばれています。
展望台は滝から少し距離はありますが、水量も申し分ないので、水が勢いよく落ちる音が響き渡り迫力があります。
こちらも10月下旬以降は見ることができなくなってしまうため、ぜひ滝が見られる時期に雄大な自然を感じてください。
白水の滝は、白水湖の少し手前にある駐車場から、森の中を5分ほど歩いたところにあります。
夏場は虫が出るので、虫除けスプレーを持参するようにしましょう。
住所:岐阜県大野郡白川村平瀬大白川
マップ: Googleマップ
営業時期:6月上旬〜10月下旬
白川郷のある飛騨地方は、様々な郷土料理がある地域です。
ここでしか食べられないものなど、飛騨地方を代表するグルメを紹介します。
飛騨地方のグルメとして外すことはできないのが、全国的にも有名な飛騨牛です。
飛騨牛は、岐阜県内で14ヶ月以上飼育されていて、日本食肉格付協会の格付で肉質等級が3以上、歩留等級がAもしくはBを満たす黒毛和牛のことです。
そんな厳選された飛騨牛は美しい脂の筋が入っています。
脂が豊富なことからとても甘く感じるお肉です。
白川郷では、そんな飛騨牛の焼肉はもちろん、ローストビーフや飛騨牛のひつまぶしなど、様々な形で提供しているお店があります。
本場の飛騨で、日本最高級の牛肉の柔らかさと甘みを体験してみてください。
日本三大清流の長良川をはじめ、木曽川や揖斐川など、清流が多い岐阜県では、色々なところで川釣りをしている人をよく見ます。
白川郷でも、すぐ近くを庄川が走り、集落の中にも小さな小川が網目のように張り巡らされています。
小川は真夏でも冷たい湧水が流れているので、魚の身は引き締まっていて美味しいです。
白川郷の集落内には、自家養殖の川魚を注文が入ってから池から引き上げて調理する「ます園 文助」などのお店もあります。
ぜひ白川村の雄大な自然で育った川魚を食べてみてください。
朴葉(ほおば)味噌は、飛騨地方に古くからある郷土料理です。
秋に落ちた朴葉を拾い集め、その朴葉の上に自家製の味噌を乗せて刻んだネギやキノコ、肉などを焼きながら食べる料理です。
飛騨の味噌は、濃い色をしていますが塩分は控えめで、麹の甘みが効いた味噌です。
一般的に、朴葉味噌はご飯にかけて食べることが多いですが、個人的にはお酒のおつまみとしても良く合います。
白川郷では、朴葉味噌に飛騨牛を乗せて提供するお店があります。
地方の名産と郷土料理のタッグは、まさにここでしか食べることができない逸品です。
朴葉味噌をお家の晩食のお供にしたい場合は、お土産用の朴葉味噌がお土産やさんで販売していますよ。
飛騨地方の郷土料理の1つに、「漬物ステーキ」というものがあります。
豪雪地帯の飛騨地方では、漬物は冬に食べることができる貴重な保存食の1つでした。
しかし、あまりの寒さに漬物が凍ってしまうことも多く、凍ってしまった漬物を溶かすために囲炉裏で焼いたのが始まりです。
また、漬物を焼くことには、熟成しすぎて酸っぱくなってしまった漬物を美味しく食べるためという意味合いもあります。
近年ではそれが少しアレンジされ、漬物を炒めてから卵でとじ、鰹節やネギをトッピングするものが主流です。
全国的には有名ではありませんが、飛騨地方の居酒屋では人気の定番メニューです。
鶏ちゃん(けいちゃん)は、白川郷から少し南にある南飛騨地方や、奥美濃地方で伝統的に食べられている郷土料理です。
名前からもわかる通り、鶏肉を使った料理です。
料理はとてもシンプルで、味噌や醤油をベースとしたタレに漬け込み、キャベツや玉ねぎなどの野菜と一緒に焼くだけです。
お酒のおつまみにしても、ご飯と一緒に食べても美味しい料理です。
鶏ちゃんは、お店によって独自の様々な味付けがあります。
下呂温泉をはじめとする南飛騨地方では醤油味が主流で、郡上市をはじめとする奥美濃地方では味噌ベースが主流です。
店舗によっては鶏の内臓を入れるもの、皮を入れるもの、タレにニンニクや玉ねぎをすりおろすものなど多種多様。
ぜひ自分好みの鶏ちゃんを見つけてみてください。
白川郷は、都会にいると忘れてしまう日本の原風景を思い出させてくれる場所です。
合掌造りの縁側に座り、ただ景色を眺めているだけでとてもリラックスできます。
北陸新幹線の開通により、東京からのアクセスも改善されました。
都会の喧騒に疲れたら、ぜひ白川郷まで足を伸ばしてみてください。
最終更新日 : 2022/02/25
公開日 : 2020/12/21