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平安貴族たちの癒しの地(別荘)として古くより親しまれてきた、京都・宇治。
10円硬貨や1万円紙幣のデザインとしてお馴染みの平等院および鳳凰像、高級茶として知られる宇治茶など、全国的な知名度を誇ります。
千年の時を超えて育まれた豊かな歴史と文化は、現代においても独特な存在感を放ち、今もなお多くの人々を魅了して止みません。
京都といえば、平安京より明治にいたる1869年まで都が置かれたことでお馴染みの古都。
平安時代には平等院や醍醐寺をはじめとする建造物が築かれるほど隆盛を極めました。
宇治上神社の本殿が建立されたのは、今から約960年以上前まで遡ります。
近年行われた年輪年代測定によると、本殿は1060年、拝殿には1215年頃の木材が使用されていることが明らかになりました。
平安時代編纂の延喜式神名帳にも記される大変格式高い神社であり、なおかつ神社建築として日本最古の歴史を誇ります。
宇治上神社は「古都京都の文化財」の構成遺産の1つとして、ユネスコの世界文化遺産に登録されています。
この神社は金閣寺や清水寺、二条城などの名だたる建築物と並ぶ、我が国の歴史を語る上で欠かせない存在です。
世界遺産ではありますが、そこは古来より人々が篤い信仰を寄せる神聖な場所。
京都に旅行するなら、日本人として1度は参拝しに訪れてみたいものですね。
住所 : 京都府宇治市宇治山田59
マップ : Googleマップ
アクセス :
電話番号 : 0774-21-4634
定休日 : 年中無休
営業時間 : 9:00~16:30(季節により変更あり)
料金 : 無料
駐車場 : なし
公式サイト : 世界遺産 宇治上神社(京都府ホームページ)
そもそも、宇治の歴史はどれくらいあるかご存知でしょうか。
この地は古事記や日本書紀にも記されており、古くより重要な役割を果たしてきました。
政治の拠点としては勿論のこと、水陸交通の要衝、そしてある時は重要拠点をめぐる戦乱も繰り広げられました。
宇治は時代の流れと共に、現在の日本の礎となる文化の発展に大きく貢献しました。
源氏物語(宇治十帖)をはじめ、万葉集や平家物語などの文学作品の舞台になっています。
宇治上神社の本殿が11世紀中頃の建立であれば、紫式部も宇治上神社を参拝したかもしれません。
なんだか、とてもロマンがありますよね。
ここでは、宇治上神社への行き方をご紹介します。
宇治と聞くと、京都・奈良の中間というイメージを抱いてしまうかもしれませんが、JRを利用すれば京都駅から片道20分ほどでアクセスできます。
ちなみに、宇治上神社が鎮座しているのは宇治川の東岸に位置する朝日山の麓です。
東岸に鳥居が面する宇治神社とは異なります。
宇治上神社は宇治神社の西側に延びる「さわらびの道」を200〜300mほど上った先にあるので、お間違いなく。
宇治上神社の最寄り駅はJR宇治駅(徒歩17分)または京阪宇治駅(徒歩10分)です。
駅から徒歩で移動する場合の所要時間はそれぞれ5〜10分程度ですが、アクセスする方面によって利用すべき路線が異なります。
ご自身のスケジュールや予算に応じて適切な路線を選ぶようにしましょう。
JR奈良線「宇治駅」南口より17分
京都駅から向かう場合は8〜10番線ホームを出発するJR奈良線「普通列車」または「みやこ路快速」にご乗車ください。
駅前からタクシーを利用する場合の所要時間は約5〜6分、乗車料金は540円程度が目安となります。
京阪電鉄・宇治線「宇治駅」から宇治上神社までの距離は、約700m。
徒歩10分ほどでアクセスできるので、神社からなるべく近い路線を利用するなら京阪電鉄がおすすめ。
京都または大阪方面からお越しで伏見・宇治エリアを訪れる際は、京阪電車『 宇治・伏見1dayチケット 』の購入が便利です。
大人900円(子ども 450円)で京阪電車の指定区間が1日乗り放題になりますよ。
京滋バイパス(国道1号)・宇治東ICより府道7号経由で約5分
駐車場はございませんので、最寄りの有料駐車場をご利用ください。
宇治上神社には「応神天皇・仁徳天皇・菟道稚郎子(うじのわきいらつこ)」の三神が御祭神として祀られています。
菟道稚郎子は、宇治にゆかりのある古代日本の皇族です。
宇治という地名は、かつて「菟道」と書いて『うじ』と読んでいました。
これは菟道稚郎子が河内の国からこの地へと向かう際、道に迷った時に一羽のうさぎが目の前に現れて何度も振り返りながら安住の地へと導いた伝説に由来しているのだとか。
菟道稚郎子は、応神天皇(第15代天皇)の皇子のうちの1人です。
幼い頃から学問に秀で、経典をはじめとする様々な事柄に精通する博識聡明なお方でした。
その才能は父である応神天皇も認めるほどで、2人の兄を差し置いて皇太子に冊立されました。
しかしながら、菟道稚郎子は応神天皇が崩御されたことを機に、兄に天皇の位を譲りその身を引いたと伝えられています。
後に即位することとなる仁徳天皇は菟道稚郎子の異母兄です。
宇治上神社では、才能に優れた菟道稚郎子の有難い御神徳を授かることができます。
古くより学問の神として信仰されており、学業成就や合格祈願をしにお参りされる方が多いです。
また、縁結びや安産、勝負運、商売繁盛にも御利益があるそうなので、ぜひ参拝しに訪れてみてください。
冒頭でもお伝えした通り、宇治上神社の本殿は平安時代に建立されたもので、宇治上神社の本殿は平安時代に建立された日本最古の神社建築です。
実際に訪れてみると、意外とこぢんまりとした印象を抱くかもしれませんが、かつては宇治神社と二社一体でした。
明治時代に分離するまでは「離宮社」という名で親しまれ、河岸から山裾にかけて広がる敷地全体が神社とされていたのだそう。
離宮という名が付くのは、かつてこの辺りに菟道稚郎子の宮居が存在したとされているためです。
二社を結ぶさわらびの道を歩くと、心身が次第に浄化されていくのを感じるでしょう。
ここでは、宇治上神社の魅力をより詳しく解説していきます。
御朱印や御守もご紹介しているので、ぜひ最後までご覧ください。
参拝に訪れる者をまず最初に出迎えるのは、こちらの建物。
鎌倉時代前期にあたる建保3年(1215)に築かれたとされ、国宝に指定されています。
この建物は「拝殿」と呼ばれるもので、祭典や御祈祷を行うための場所です。
初めて参拝する方はこちらが本殿であると勘違いするかもしれませんが、本殿は拝殿の後方に位置しています。
拝殿は、鎌倉時代のヒノキを使用した寝殿造り。
よく見ると、柱の数など左右非対称な部分がございます。
拝殿は左右の用途に応じて、それぞれ構造が異なるのだそう。
当時の優れた建築技術を象徴する優美な佇まいは必見です。
拝殿の前には、「清めの砂」と呼ばれる砂が対を成す形で盛られています。
これらは境内をお清めするものであり、土地の神様を鎮める効果があるとされています。
宇治上神社では毎年9月1日に催される八朔祭に氏子さんたちによって奉納され、1年間盛られ続けたのち、正月やお祭りなどの大切な日に境内に撒いてお清めを行うそうです。
清めの砂は、授与所で購入することも可能です。
敷地に結界を張り、災厄が入り込むのを防ぐ役目があるそうなので、この機会にぜひお清めを行ってみてください。
ここからは、拝殿に向かって反時計回りで境内を歩いていきます。
拝殿のすぐ右手に位置するのは、高さ約27m・幹回り約4.8mのケヤキ。
これは樹齢330年以上の御神木で、「宇治名木100選」に選ばれています。
思わず見上げてしまうかもしれませんが、足元をしっかりと見て歩くようにしましょう。
木の根を踏んだり、樹皮に触れてしまうと植物が傷んでしまうので、少し離れた場所からご覧ください。
御神木の左隣には、浄化の力が宿る水が湧き出ています。
宇治上神社の湧き水は「桐原水」と呼ばれ、かつて『宇治七名水』の1つに数えられました。
日本有数のお茶どころとして名高い宇治ですが、やはり良質なお茶の栽培には美味しい水が欠かせません。
宇治は、元々水が豊富に湧き出る土地として知られています。
桐原水は各地に点在する水源の中で、唯一現存する「宇治七名水」の湧き水です。
宇治上神社では、参拝者が手を清めるための手水として使用されています。
現代において天然の湧き水で禊(みそぎ)を行うのは、大変貴重な体験です。
石の階段を降りた先に柄杓が掛かっているので、御手を清める際にご利用ください。
拝殿の裏手に位置するのは、宇治上神社の御祭神を祀る本殿です。
既に述べたように、こちらの建造物は平安時代後期に建立されたもので、現存する神社建築としては最古とされています。
本殿は石段の上に築かれており、拝殿に比べて少しだけ小さい造りをしているのが特徴です。
内部は一間社流造りの三殿からなり、一列に並ぶような構造をしています。
拝殿と同じく、これらの形状も1つずつ異なるのだとか。
御祭神は、向かって左から仁徳天皇・応神天皇・菟道稚郎子命の順に祀られています。
「二拝二拍手一拝」の作法で心を込めて祈りましょう。
本殿の東側には、ご覧のような大きな石があります。
これは、かつてこの場所にお社があったことを示す標です。
神聖な場所を敬うための慣わしなのだとか。
確かに、大きな岩があれば私たちが気付かずに踏んでしまうのを避けられますね。
筆者も思わず「なるほど」と独り言を呟いてしまいました。
宇治上神社の境内には、境内社が5つあります。
本殿の東側に鎮座しているのは春日神社の摂社。
御祭神は「建甕槌命(たけみかづちのみこと)」と「天児屋根命(あめのこやねのみこと)」の二柱です。
拝殿よりも少し後である鎌倉時代後期に建立されたもので、国の重要文化財に指定されています。
その他にも「住吉社・香椎社・厳島社・武本稲荷社」という4つの末社があるので、合わせてお参りください。
宇治上神社の御朱印は、墨書きに「菟道稚郎子」「菟道離宮(うじのりきゅう)」および「世界文化遺産」の朱印を施したものが一般的です。
ご自身の御朱印帳を持参する場合は、写真の右側にある白地の御朱印をいただくことになります。
金字の御朱印は書き置き、もしくは宇治上神社で新たに御朱印帳を購入する方のみを対象として授与しています。
こちらは、実際に筆者がいただいた冬限定の「雪うさぎ朱印」です。
白地の和紙に金墨汁と鮮やかな朱印が映える上品な御朱印は、何度も見返したくなるほどの美しさ。
その他にも、季節ごとに限定の御朱印があります。
書き置きの御朱印にも素敵な色合いの和紙を使用しているので、参拝に訪れる際はお見逃しなく。
「日本人で知らない人はいない」と言っても過言ではないのが御守です。
その起源は縄文時代まで遡るそうで、人々が魔除けとして勾玉を身に付けていたのが始まりと言われています。
御朱印は大人になってから知ったという人が多いかもしれませんが、御守は私たち日本人にとって物心がついた頃から馴染みのある存在です。
宇治上神社で授与されている御守は、学業成就・開運厄除・交通安全・縁結び・安産など様々。
中心には宇治上神社を象徴するうさぎの御紋が施されています。
カラーバリエーションも豊富なので、好みの色が選べますよ。
既に他の神社の御守をお持ちの方は「複数の御守を持つと神様が喧嘩してしまうのでは?」と疑問に思われるかもしれませんが、宇治上神社いわく "御守は何体持っていても大丈夫" だそうです。
神様を敬う気持ちを忘れず、大切に保管しましょう。
最後にご紹介するのはこちら。
実は、宇治上神社の境内には私たちが神社でよく目にする「絵馬」がありません。
その代わり、この神社で祈願を行う際は「願い人形」を使います。
見慣れぬ姿かたちではありますが。「人形(ひとかた)」または「形代(かたしろ)」と呼ばれ、古くから親しまれているものです。
多くの神社では、6月の大祓(おおはらえ)で目にするのではないでしょうか。
宇治上神社では「源氏物語・宇治十帖」の舞台の地にふさわしく華やかなデザインが施されています。
ちなみに、祈願する際は願いごとを1つだけ書くのがポイントです。
日本ならではの文化と伝統が息づく宇治には、歴史的な見どころが多く点在しています。
万葉集や平家物語をはじめ、あの源氏物語にも登場した名作の舞台・宇治。
せっかく宇治上神社を訪れるのであれば、周辺にある観光スポットにもぜひ立ち寄ってみてください。
平安時代に全盛を誇った藤原道長の息子・頼通(よりみち)によって建立された阿弥陀堂。
10円硬貨に描かれている「鳳凰堂」や1万円札の図柄として採用されている「金銅鳳凰」など、国宝に指定されている見どころが多いのが特徴です。
宇治上神社とは、宇治川を挟んで反対岸に位置しています。
創建は平安時代後期にあたる天喜元年(1053)で、寺院そのものは「平等院」が正式名称なのだそう。
皆さんお馴染みの「鳳凰堂」という名は、江戸時代頃から呼ばれるようになりました。
その名の通り、屋根の上に1対の鳳凰像が据えられていることに由来しているのだとか。
美しい池に囲まれた朱色の建造物は、地上の楽園そのもの。
まさに「現世の極楽浄土」と呼ばれるに相応しい存在です。
期間限定で行われる夜間特別拝観の時期は、建物や庭園が美しくライトアップされ幻想的な趣を醸し出します。
開催日程などの詳しい情報は こちら をご確認ください。
住所 : 京都府宇治市宇治蓮華116
マップ : Googleマップ
アクセス :
電話番号 : 0774-21-2861
営業時間 :
料金 :
公式サイト : 平等院
日本文学の最高傑作「源氏物語」の世界を再現した公立博物館。
幻の写本と呼ばれる「大沢本」をはじめ源氏物語に関する資料のほか、物語の魅力やあらすじを映像などを用いてわかりやすく紹介しています。
物語に登場する牛車など数々の調度品を再現しているので、小説の世界をより身近に感じることができます。
源氏物語を読んだことがない人でも楽しめると評判の施設です。
住所 : 京都府宇治市宇治東内45-26
マップ : Googleマップ
アクセス :
定休日 : 月曜日(祝日の場合はその翌日)・年末年始
電話番号 : 0774-39-9300
営業時間 : 9:00~17:00(入館は16:30まで)
料金 : 大人 600円/ 小人300円
公式サイト : 宇治市源氏物語ミュージアム
日本最古の神社建築で知られる世界遺産「宇治上神社」をご紹介しました。
京都は千年余りの歴史を誇る古都で、神社仏閣が至るところにあります。
時代は移ろうものですが、人々が抱く信仰心は今も昔も変わりません。
平安時代から今日に至るまで、私たちに受け継がれている貴重な文化。
これからも変わらず後世に受け継いでいきたいものですね。
源氏物語の舞台「宇治」を訪れる際は、ぜひ宇治上神社にお参りください。
最終更新日 : 2023/03/03
公開日 : 2022/02/18