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神奈川県南西部に位置する真鶴町(足柄下郡)は、小田原市と湯河原町に囲まれた、総面積約7㎢の小さな町です。
神奈川県下にある33の自治体のなかで第32位と、開成町(足柄上郡)に次いで2番目に小さな自治体となります。
その領域は、相模湾に突出した「真鶴半島」という小さな半島と、その付け根部分から里山に延びる「岩」エリアで構成されています。
温暖な気候と、豊かな海や山の自然に恵まれているうえ、南欧の有名景勝地に似た素晴らしい景観が満喫できることから、「日本のリビエラ」と絶賛されることもある街です。
コンパクトな町域には、三ツ石や琴ケ浜など海岸線の絶景スポットをはじめ、由緒ある神社や史跡、美術館や古森林など多くの観光資源が点在し、満足度の高い滞在を楽しむことができます。
真鶴は、箱根や熱海といった全国的に知られる観光地の間近に位置しながら、観光地化されていない素朴な佇まいに特徴があります。
昔懐かしいのどかな港町…この雰囲気を守っているのは、町が独自に制定した「美の基準」条例によるものです。
要約すれば、町にある建造物や装飾、芸術などは、真鶴の自然環境や生活環境、歴史環境と調和したものにしなければならないということ。
この条例が制定されたのは平成5年(1993年)、真鶴の大型リゾート地化に反対する、町長をはじめとした住民の意見が反映したものでした。
条例制定によって多くの開発計画が白紙に戻され、昔ながらの景観が残されることになったのです。
真鶴への旅は、景観だけでなく美味しいグルメも期待することができます。
真鶴漁港を中心に、地場で水揚げされた新鮮な海の幸を楽しめるお店が軒を連ね、比較的リーズナブルな価格で味わえる店舗が多いことも嬉しいところです。
ほかにもお洒落なカフェや洋風レストランも点在しているので、デートや女子旅にもぴったりですよ。
真鶴は温暖な気候を利用した柑橘の栽培が盛んなエリアでもあるので、シーズンには特産のみかんやオレンジもぜひ味わってみてください。
真鶴の玄関口は、JR東海道本線の「真鶴駅」です。
都心方面からのアクセスも良好で、東京駅からは直通で最速90分で到着することができます。
真鶴駅から町内の各観光スポットまでは、「伊豆箱根バス」や「真鶴町コミュニティバス」などバス路線が充実しているため安心です。
お散歩しながら徒歩で観光した場合、真鶴駅から真鶴半島の先端(真鶴岬)までは約1時間の所要時間となります。
駅前から半島を周遊する一本道(真鶴半島公園線)が通っているので、多少のアップダウンがありますが迷うことはありませんよ。
東京方面からマイカーを利用した場合、東名高速・厚木ICより小田原厚木道路を経由する方法が最短です。
小田原厚木道路の石橋ICを降りて国道135号線に合流、真鶴道路(旧道)を進めば真鶴駅方面に到着します。
有料の真鶴ブルーライン(真鶴道路新道)を利用して訪れる方法もありますが、時間が変わらないためメリットは少ないかもしれません。
なお、夏期などのトップシーズンと一部施設を除けば、観光スポットにあるほとんどの駐車場は無料開放されているのは嬉しいですが、台数が少ないことが難点です。
相模湾に張り出した小さな半島・真鶴半島。
総面積約140ヘクタール、歩いて周遊しても2~3時間程度の領域ながら、ほぼ全域が「神奈川県立真鶴半島自然公園」に指定されている大自然の宝庫です。
沿岸部だけでなく、内陸部にも豊かな自然が残されており、三ツ石海岸や琴ケ浜、「お林」の散策路など、真鶴を代表する観光スポットが集中しています。
また、美術館や史跡など見どころも点在しており、満足度の高い滞在が楽しめます。
新鮮な海の幸が味わえるグルメスポットも豊富にあるので、お腹を空かせて出発しましょう。
真鶴半島の先端に位置する「真鶴岬」は、景勝地・真鶴を代表する人気観光スポットです。
特に沖合に浮かぶ「三ツ石」は、真鶴のシンボルとして、真鶴観光には欠かせない存在となっています。
真鶴岬の観光拠点となるのが、高台に聳える町営ドライブイン「ケープ真鶴」で、こちらのすぐ近くから三ツ石海岸に続く散策コースが設置されています。
ケープ真鶴は、レストランと土産店、観光案内所などを備えた真鶴町営のドライブインです。
2階建ての2階部分は後述する「遠藤貝類博物館」というユニークな博物館になっています。
キャッシュバック特典のある有料駐車場(1回1,000円)を併設していますが、すぐ近くに無料の「お林駐車場」があるので、空きがあればこちらを利用することをおすすめします。
ケープ真鶴まで歩いて2分くらいの場所にありますが、知っている人が多いようでほぼ満車になっていました。
ケープ真鶴にある芝生広場からの眺望は抜群です。
眼下の相模湾の彼方には、伊豆半島の山肌がくっきりと確認できました。
この場所からは、ほかにも伊豆七島のうち、大島や三宅島など5島が眺望できるそうですよ。
芝生広場に設置されている複数のオブジェのなかでも、一番人気を誇るのが「Find happiness」とよばれる2人乗りブランコです。
令和2年のホワイトデーに設置されたもので、真鶴町のグランドコンセプト「幸せをつくる真鶴時間」を肌で感じられる設備となっています。
海からの潮風や小鳥のさえずりに幸せを感じながら、愛する人との時間を過ごしてみましょう。
「わが立てる 真鶴崎が二つにす 相模の海と伊豆の白波」
明治の歌人・与謝野晶子は度々真鶴の地を訪れ、この場所で三ツ石を眺めながら上記の歌を詠んだそうです。
芝生広場には、この歌を刻んだ歌碑が建てられています。
芝生広場で真鶴岬の絶景を堪能したあとは、お待ちかねの三ツ石海岸まで足を運びましょう。
海岸に向かって急な階段を降りていきます。
辿りつくまで大変そうですが、青く澄んだ相模湾の眺めが勇気を与えてくれますね。
途中にはおしゃれなカフェがありました。
こちらで休憩して、絶景を眺めながらコーヒータイムを楽しむのも素敵な時間ですね。
さらに、急な階段が続きますが、待望の三ツ石とのご対面まで今少しの辛抱です。
三ツ石海岸に到着しました。
足元はゴツゴツした岩場になっているので、足を挫かないよう注意して歩くようにしてくださいね。
三ツ石海岸は海水浴には不向きですが、カニやヤドカリ、小魚などが多数生息し、磯遊びを楽しむには最適の環境です。
こちらの海岸から望む伊豆半島の眺望も素晴らしいですね。
岩場が多い三ツ石海岸では、レジャーシートを広げる場所がほとんどありません。
長時間滞在する予定なら、このようなワンタッチ式のテントを持参すると重宝しますよ。
その形状から「笠島」とも呼ばれる三ツ石は、海岸から沖合200mに浮かぶ、3つの巨大な岩からなる岩礁域です。
岸から向かって右側にある大岩の頂上付近に祠があり、左右の大岩がしめ縄で繋がれているのが特徴となっています。
約15万年前に噴出した溶岩によって形成されたものなんだそうです。
神奈川を代表する初日の出スポットとして、また夕照の絶景スポットとしても知られています。
普段は沖合に浮かんでいる三ツ石ですが、大潮の干潮時など条件があえば、歩いて渡ることもできるそうです。
タイミングはなかなか難しそうですが、渡ることができたら幸せになれそうな気がしますね。
住所 : 神奈川県足柄下郡真鶴町真鶴1175
マップ : Googleマップ
アクセス :
電話番号 : 0465-68-2500
定休日 : なし
営業時間 : 日暮れまで
料金 : 無料
備考 : 駐車場150台あり(1回1,000円)
真鶴半島の大部分は鬱蒼とした原生林に囲まれており、地元の人から「お林」として親しまれています。
域内にマツやクスノキなどの巨木が生い茂る光景は、昼間でも薄暗く、ある意味神秘的にすら感じられます。
神聖な場所として立入が禁止された時期もありましたが、今では林内に遊歩道も整備され、誰でも気軽に足を運べるようになりました。
樹齢300年以上と言われるお林のルーツは、江戸時代初期の頃。
江戸幕府が、明暦の大火(1657年)からの復興策として、真鶴を統治していた小田原藩に植林を命じたのがはじまりとされています。
明治維新後は一般人の立入が禁止された「皇室御料林」として時期もありましたが、明治37年には地元の漁業を支える「魚つき保安林」に指定されることになりました。
その後は国有林時代を経て、昭和27年に真鶴町が管轄することになったのです。
お林を有する真鶴半島自然公園内には、現在4つの遊歩道が整備されており、それぞれ特色のある散策を楽しむことができます。
海岸線を通る「番場浦遊歩道(450m)」「潮騒遊歩道(700m)」と、原生林を突き抜ける「お林遊歩道(300m)」「森林浴遊歩道(850m)」です。
今回はアクセスもしやすく、初めての方にもおすすめの「お林遊歩道」を実際に歩きながら、その魅力をご紹介します。
距離は一番短いのですが、真鶴の豊かな大自然をたっぷり満喫できるコースとなっています。
お林遊歩道の入り口は、「お林展望公園」から真鶴岬方面へ少し進んだ場所にあります。
公衆トイレのある公園「石の広場」が道路を挟んだ真向かいにあるので、こちらを目印にするとわかりやすいですよ。
多少のアップダウンがありますが、遊歩道は整備されていて歩きやすいです。
火気厳禁や柵外への立入禁止、ゴミの投げ棄て禁止などのルールが決められているので、必ず守るよう注意してくださいね。
お林内は樹々だけでなく、足元までが多くの植生で覆いつくされています。
真鶴の豊かな大自然を実感させられますね。
爽やかな空気を吸い込みながらの散策はリフレッシュ効果抜群!
時折聞こえてくる鳥のさえずりにも癒されます。
遊歩道の中盤に分岐路があって、「森林浴遊歩道」に合流することもできますよ。
車道が見えてきたら遊歩道のゴール地点です。
この車道は、「森林浴遊歩道」入り口を通過しながら、真鶴岬まで繋がっています。
わずか5分程度の散策時間ですが、太古の森のなかにタイムスリップしたかのような非日常感が味わえますよ。
貝殻の展示に特化した、とってもユニークなミニ博物館です。
展示されている貝殻類を収集・寄贈したのは、真鶴町出身の貝類研究家・遠藤晴雄さん。
そんな遠藤さんが生涯をかけて収集した貝殻の標本4,500種、50,000点を所蔵している博物館で、そのうち5,000点を一般公開しています。
公開している貝殻は、相模湾・真鶴産の貝から日本各地に棲息する貝、世界の貝までの驚くほど豊富なラインナップ。
特に深海に棲息する古代貝の仲間「オキナエビスガイ」は、全世界で知られている30種のうち27種を展示しているそうです。
遠藤貝類博物館は、真鶴岬のドライブイン「ケープ真鶴」の2階フロアにあります。
観覧料は大人300円(JAF会員は200円など各種割引あり)で、水・木曜日は連休となります。
展示室は常設の3室と、通路に設置された企画展コーナー(第4展示室)で構成されています。
第1展示室では、地元真鶴および相模湾に棲息する貝殻の標本と海辺のジオラマが展示されていました。
ドーム型の展示コーナーには、サイズが小さめの貝が大量に展示されています。
貝類の知識がない筆者にとってはもちろんのことですが、初めて名前を聞くような貝もたくさんありました。
次は日本各地に棲息する貝を展示している「第2展示室」。
当博物館のメイン展示でもある「オキナエビスガイ」も、こちらで展示しています。
オキナエビスガイは水深200~300mの深海域に棲息している古代貝の一種で、4億年以上前から姿を変えていない「生きた化石」なんだそうです。
世界中の海から収集した貝を展示しているのは「第3展示室」です。
色鮮やかな南方性の貝や、オウムガイやシャコガイなどお馴染みの大型貝類も展示されています。
アンモナイトなど化石貝類もあり、こちらの展室も見応えたっぷりですよ。
マニアや専門家向けのハードルが高い博物館のような気がしますが、親しやすい展示方法で誰もが楽しめるミュージアムです。
貝類の前知識がなくても、館内を見て回るだけで、不思議と貝に興味が湧いてくる感じがします。
それにしても、個人の力でここまで多くの貝を収集するとは、遠藤さんって貝に対する愛着がとっても強いんですね。
入り口から各展示室に繋がる通路にも展示コーナーが設けられています。
主に相模湾に棲息する甲殻類や海藻の標本、クジラの骨格などが展示されており、海洋生物についての知識を学ぶことができます。
なお、1階の「ケープ真鶴」のお土産コーナーでは、様々な貝殻が販売されているので、気になった貝殻があったら購入して、自分だけのコレクションを始めてみるのも楽しいですよ。
住所 : 神奈川県足柄下郡真鶴町真鶴1175
マップ : Googleマップ
アクセス : 「ケープ真鶴」バス停下車すぐ
電話番号 : 0465-68-2111
定休日 : 水曜・木曜(祝日の場合は開館、翌金曜が休館)、12月28日~1月3日
営業時間 : 10:30~15:30(最終入館15:00)
料金 : 大人 300円、小~高校生 150円
公式サイト : 真鶴町立遠藤貝類博物館
真鶴で一番活気があるスポットといえば、こちらの「真鶴港」が真っ先に挙がることでしょう。
真鶴の地場産業である漁船や石材運搬船などの拠点になっている港であり、観光の拠点にもなっています。
真鶴半島を周遊する遊覧船の出向地でもあり、地域を代表する祭りである「貴船まつり」も真鶴港で開催されます。
食事処や土産店も多く点在し、周囲には貴船神社やしとどの窟などの見どころが集中するなど、真鶴を観光するには欠かせない場所です。
真鶴駅から真鶴港まではバスが運行されていますが、歩いても10分程度の道のりとなります。
マイカーで訪問する場合にも、所々に無料駐車場が点在しているので安心です。
筆者が訪問したのは土曜日の昼頃でしたが、港周辺はこのように長閑な雰囲気でした。
時間があれば、岸壁で釣りを楽しむのも最高ですね。
「真鶴半島遊覧船」は、真鶴港を出港して三ツ石を海上から鑑賞する、所要時間30分のクルージングコース。
基本的には1時間毎(1日7便)の出航スケジュールで、乗船料は大人1,500円です。
船上からカモメに餌をあげたり、陸上からは見られない海上からの景色を楽しめるなど、貴重な体験ができますよ。
真鶴の台所・町営真鶴魚市場の様子です。
すでに市場の業務は終了しておりましたが、この魚市場の周りには、朝獲れの新鮮な地魚が味わえる、美味しいグルメスポットが豊富にあります。
魚市場の2階にある市場食堂「魚座」では、相模湾の海の幸がたっぷり味わえる、こだわりの定食が人気です。
ほかにも丼物や一品料理、海鮮バーベキューなど、メニューが豊富に用意されていますよ。
魚座の駐車場を挟んだ真向かいの建物にも、美味しいグルメスポットが終結しています。
「宵」や「海まんま おとと」などランチタイムなら2,000円以下で味わえるお店があります。
こちらの建物の一番左にあるのが、不定期で開店する「漁協直売所」。
その日に水揚げされた鮮魚のみを販売し、水揚げが少ないとお休みになります。
アジやカマス、サバなど馴染みの深い魚だけでなく、時にはマンボウやウツボ、エイなどの変わり種が店頭に並ぶこともあるそうです。
筆者も期待して訪ねてみましたが…閉まっていました。
ユニークなスポットが満載の真鶴港ですが、できれば午前中のうちに訪問することをおすすめします。
市場など昼前に終わってしまうスポットがあり、数量限定の朝食・ランチメニューは早い時間で品切れになってしまうことが多いからです。
ちょっと早起きして、活気ある真鶴港の様子を確認してみましょう。
治承4年(1180年)、源氏再興を掲げて挙兵した源頼朝でしたが、すぐさま石橋山の合戦で平家方に大敗北を喫してしまいます。
戦場から逃れた頼朝一行は、とある洞穴のなかに身を潜めますが、あっけなく敵方の有力武将に発見されてしまい絶体絶命のピンチ!
しかし、頼朝が隠れていると知りながら見逃すという敵将の計らいによって、頼朝は危機を脱することに成功しました。
この武将こそ、のちに頼朝の側近として鎌倉幕府を支えることになる梶原景時…小説やドラマでも有名なエピソードですね。
この歴史に残るエピソードの舞台となった洞穴が「しとどの窟」です。
しとど(鵐)とはホオジロという野鳥の古称で、追手が洞穴を覗いた時に、しとどが急に飛び出してきたことから名付けられたと言われています。
追手は、しどどがいるなら洞穴に人はいないだろうからと立ち去ったとも伝わり、先ほどの景時の美談とは異なるような気がしますが、真相はどちらかわかりません。
また「しとどの窟」は、真鶴と湯河原の2か所存在しますが、頼朝が隠れていた窟はいったいどちらなのかも不明です。
今では頼朝が複数の洞穴に身を隠しながら脱出を図ったという説が有力となっているので、両方とも頼朝ゆかりの史跡といえるかもしれませんね。
さて、真鶴にある「しとどの窟」ですが、真鶴港近くの幹線道路沿いにあります。
海を望む明るい空間で、山中にあって不気味な雰囲気が漂う湯河原のそれとはまったく違います。
元々は海に面した崖にあって、高さ2m、深さ10m以上あったと推定されますが、波の浸食や関東大震災における隆起、石の発掘事業などにより大幅に縮小してしまったそうです。
窟の前には、頼朝と窟にまつわる石碑が建てられていましたが、かなり古いものらしく解読できません。
こちらが頼朝が身を潜めていたと伝わる「しとどの窟」です。
中に入ることはできませんが、とっても狭いですね。
大人ひとりでもきつそうなのに、伝承では頼朝主従7騎が潜んでいたとか?
かつては大きな洞穴だったという話を聞けば納得できますね。
風情のある赤い太鼓橋を渡ると、「頼朝観音堂」に到着します。
この堂には、観音信仰が篤かった頼朝ゆかりの前立観音と聖観音の2体が祀られており、自由に拝観することも可能です。
ところで、真鶴には「青木さん」「五味さん」「御守さん」の姓が多いそうです。
この姓の由来は、頼朝がしとどの窟に身を隠していた際に、手助けをしてくれた地元の人へのお礼として与えたものだと伝わっています。
例えば、青木さんは木の枝で窟の入り口を隠してくれた人たちの子孫だとか。
850年近い年月を超えて、頼朝と現在の真鶴が繋がっているなんて面白いですね。
住所 : 神奈川県足柄下郡湯河原町鍛冶屋
マップ : Googleマップ
アクセス :
電話番号 : 0465-63-2111(湯河原町観光課)
定休日 : なし
営業時間 : 24時間見学自由
料金 : 無料
意外に思われるかもしれませんが、真鶴は日本におけるダイビング発祥の地。
この記念すべき舞台こそ、真鶴半島東部にある「琴ケ浜海岸」です。
1950年代後半に、横須賀の米兵がこの海岸でファンダイビングを楽しんだのがはじまりと言われています。
今でも関東・伊豆エリア有数のダイビングスポットとして知られていますが、気軽に磯遊びやシュノーケリングを楽しめる行楽スポットとして、小さな子供がいる家族連れにも大人気です。
琴ケ浜海岸の魅力は、透明度の高い海と棲んでいる海洋生物の多さにあります。
首都圏にある神奈川の海ながら、チョウチョウウオやルリスズメダイ、タツノオトシゴなど亜熱帯の魚たちも間近に観察することができます。
深場で楽しむダイビングでなくても、岸近くでシュノーケリングや磯遊びをしながら多くの魚に出会えますよ。
琴ケ浜海岸は、真鶴港から歩いて10分程度の場所にあります。
海岸そばに駐車場がありますが、早朝から満車になることが多いので、マイカーでの訪問を予定している人は早めの行動を心がけましょう。
貴船神社の近くから海岸沿いの遊歩道が設置されているので、のんびり海を眺めなら散策してみるのも楽しいですよ。
こちらは琴ケ浜海岸の全景です。
緑豊かな真鶴岬を眺望する絶好のロケーションですね。
コバルトブルーの海も絵になります。
海岸はこのように岩場がほとんどです。
歩く際には岩につまづいたりしないよう足元に注意してください。
岸に近い浅瀬も海洋生物の宝庫です。
岩に囲まれた潮だまりにも魚が多く棲息し、水中観察を楽しめますよ。
ある小さな潮だまりのなかを撮影しました。
光が反射してわかりづらいのですが、石のまわりにある影は魚の群れです。
琴ケ浜海岸は、年齢を問わず贅沢なマリンレジャーを楽しめる真鶴観光の必見スポットです。
真鶴港を見下ろす高台に鎮座する「貴船神社」。
地元で1,200年以上も敬愛されている真鶴地域の鎮守です。
主祭神は大国主(オオクニヌシ)・事代主(コトシロヌシ)・少彦名(スクナヒコナ)の3神で、縁結びや家内安全・大漁祈願などあらゆる願い事にご利益があると言われています。
毎年7月下旬に開催される「貴船まつり」は、日本三大船祭りのひとつに数えられ、真夏の真鶴を盛大に盛り上げます。
貴船神社の縁起は、平安時代の寛平元年(889年)に遡ると伝えられています。
笠島(三ツ石)の沖合に海面を照らす不思議な光が現れたので、平井翁という人が近付いてみると、木像12体が乗った楼船だったそうです。
船のなかには書状もあり、「この神をお祀りすれば村の発展がある」とのお告げが書いてあったとのこと。
やがて翁の夢枕に神が現れ、「大国主神」であることを告げたことから、大国主を祭神として社を建てたのが、貴船神社のはじまりとされています。
明治元年(1868年)に「貴宮大明神」から現在の「貴船神社」に改称しましたが、京都にある貴船神社とは関係がないそうです。
境内に入ってすぐ右側にある大きな石は「頼朝腰掛石」です。
伝承では石橋山の合戦に敗れた源頼朝が、安房に逃れる途中に、この石で休憩したものと伝えられています。
元々は頼朝が隠れていた「しとどの窟」近くにあった巨石でしたが、真鶴港の改修工事に伴い、昭和9年(1934年)に移築されました。
縦置きの石碑状に建立していますが、本来は水平に置かれていたそうです。
本殿を参拝するには、この長い長い「大石段」を登らなけれななりません。
この石段は仏教の煩悩の数と同じ108段から成り、別名「清めの石段」とも呼ばれる修行道と言われています。
真鶴で産出される特産の小松石のなかでも、最高級とされる「青」という石で造られているそうです。
上を見上げると気が重くなりますが、修行だと思って頑張りましょう。
貴船神社境内には、様々な神様を祀った境内社が複数鎮座しています。
こちらの「貴船稲荷社」は、古くからあった社内の稲荷と真鶴の各家庭で祀っていた稲荷を合祀したものだそうです。
近年になって京都の伏見稲荷からも分霊を勧請したとのことで、鳥居の奥にあるたくさんの祠が印象的ですね。
大国主命が鎮座する本殿に到着しました。
白亜の本殿建物は、関東大震災後に鉄筋で再建されたものです。
御神徳はとも言われていますので、心を落ち着かせて願い事を祈願しましょう。
本殿から大石段を見下ろした光景です。
見晴らしも最高で、かなりの高台に鎮座しているのがわかりますね。
今度は108段の下りが待っているので、もうひと踏ん張りです…!
住所 : 神奈川県足柄下郡真鶴町真鶴1117
マップ : Googleマップ
アクセス : 「宮の前」バス停より徒歩6分(真鶴駅よりバスで5分)
電話番号 : 0465-68-0066
定休日 : なし
参拝時間 : 24時間参拝自由
公式サイト : 貴船神社
中川一政画伯(1893~1991)は、文化勲章を受章した実績を持つ日本洋画壇の重鎮です。
97年という長い生涯のなかで創作した作品は、専門の洋画のみならず水墨画や書、陶芸など多岐に渡ります。
そんなマルチな才能を発揮した画伯と真鶴との繋がりは、昭和24年(1949年)に中川画伯が真鶴にアトリエを構えたことからはじまります。
以降真鶴を拠点に多くの名作を発表し、やがてはじめての真鶴名誉町民に選出されるなど、真鶴町とは縁の深い関係になりました。
「真鶴町立中川一政美術館」は、画伯から町に寄贈された作品約823点をベースに展示公開する真鶴町立の美術館です。
そのうち常設展示やテーマ展示を含めて、油絵や水墨岩彩、書など多ジャンルに及ぶ約90点あまりの作品を鑑賞することができます。
そんな中川一政美術館は、お林の樹木に囲まれた大自然のなかに佇んでいます。
平成元年(1989年)に開館した美術館の建物は、優れた建築物に認められる「吉田五十八賞」や「公共建築百選」を受章しているほどの傑作です。
美術館は2階建て構造で、作品ジャンル毎に分けられた5つの展示室と、茶室、ロビーが設置されています。
入館料は大人600円(JAF会員は500円など各種割引あり)で、開館時間は10:00~16:00(入館は15:30まで)です。
休館日は不定休(基本水・木曜日)となっていますので、予めホームページなどで確認しておきましょう。
展示室は広々とした空間で、ゆっくりと美術鑑賞を楽しむことができます。
筆者もそうですが、中川一政画伯のことをほとんど知らない人でも、「中川ワールド」作品の魅力に引き込まれてしまいます。
中川画伯の希望で設置された、和風情緒たっぷりの茶室です。
画伯は生前、こちらの茶室に自作の茶道具を持ち込んで茶会を開いたりもしたそうです。
壁には画伯の書作品「気宇如王」が展示されています。
このように真鶴町立中川一政美術館は、巨匠の名作に気軽に触れることができる貴重な美術館です。
真鶴観光の際にはぜひ足を運んでみましょう。
住所 : 神奈川県足柄下郡真鶴町真鶴1178-1
マップ : Googleマップ
アクセス : 「中川一政美術館」バス停より徒歩1分
電話番号 : 0465-68-1128
定休日 : 不定休
営業時間 : 10:00~16:00(最終入館15:30)
料金 : 大人 600円、高校生以下 350円
公式サイト : 中川一政美術館
真鶴の観光スポットは真鶴半島に集中していますが、半島の付け根部分・岩エリアにも見逃せないユニークなスポットが点在しています。
真鶴唯一の海水浴場があったり、絶景を満喫しながらフルーツ狩りが楽しめる観光農園など、定番の真鶴観光とは違った体験ができること必至です。
時間があれば、ぜひ足を運んでみてください。
真鶴の海といえば、すでにご紹介した三ツ石海岸や琴ケ浜など、岩場の浜が中心です。
そのため、真鶴には砂浜でのんびりと海水浴を楽しめる海岸はないと思われがちですが、たった1か所だけ海水浴場が開かれるビーチがあるんです。
小田原市に近い「岩海岸」は小規模ながら真鶴で唯一の砂浜があり、夏期シーズンには近隣からの多くの海水浴客で賑わいます。
また、岩場や堤防もあるので、磯遊びや釣り、シュノーケリングまで楽しむことができるという、マリンレジャーを満喫するには最高の楽園です。
アクセスは決して良好とは言えませんが、ファミリー層を中心に人気の高い穴場ビーチとなっています。
真鶴駅から岩海岸までは約1km、徒歩20分程度の道程ですが、急な坂道や狭い住宅街のなかを経由する道となります。
マイカーを利用した場合も同様で、標識通りに進んでいるのに、本当に正しい道なのか心配になるほどです。
海に近付くに連れて民宿やダイビングショップの看板が増えてきましたが、シーズンオフのせいか観光客らしき人影はまばら。
海岸沿いの狭い道路の突き当りは、「岩漁港」という小さな漁港になっていました。
岩海岸の砂浜部分はわずか50m程度、思ったよりもずっと小規模です。
奥に見える橋は真鶴道路新道(ブルーライン)の「岩大橋」で、全長605m、その華麗な姿は「かながわの橋100選」のひとつに選ばれています。
手前にある小さな島は「弁天島」で、岩肌に建つ赤い鳥居と松の木が特徴です。
ともに岩海岸のシンボル的存在となっています。
岩海岸は長い歴史を持つ貴重なスポットでもあります。
岩地区は、約22~18万年前に起こった火山活動の結果造られたもので、岩海岸の崖(海食)も溶岩の堆積物から形成されているそうです。
崖付近を観察すれば、では荒々しい溶岩の節理や縞模様を間近に確認することができます。
また、治承4年(1180年)、石橋山合戦で大敗した源頼朝が巻き返しのため安房に向けて船出したのも、こちらの岩海岸からだと伝えられています。
入り江になっている岩海岸は波も穏やかで、小さな子供連れでも安心して滞在することができます。
水質もトップクラスのAAランクを誇るとのこと。
訪れる人も決して多いとは言えないので、プライベート感もたっぷりです。
筆者が訪れたのは10月初旬の三連休、よく晴れた日の午後だったもの関わらず、海岸はこんな様子でした。
シャワー設備も兼ねた、清潔なトイレがすぐ近くに設置されていることも嬉しいですね、
小規模ながら、のんびりとたバカンスを楽しめるおすすめビーチです。
住所 : 神奈川県足柄下郡真鶴町岩
マップ : Googleマップ
アクセス : JR真鶴駅より徒歩20分
電話番号 : 0465-68-1131
定休日 : 海水浴場は夏季営業のみ
営業時間 :
真鶴がある神奈川県西湘地域は、古くからみかんなどの柑橘類生産が盛んなエリアです。
「西湘みかん」の特産地としては、お隣の湯河原町や小田原市が有名ですが、こちら真鶴も例外ではありません。
小田原に近い岩地区の高台に、みかん狩り体験だけでなく、ドッグランやウォーキングまで楽しめる観光農園があるとのことで、さっそく足を運んでみました。
明治22年創業の「松本農園」は、真鶴を代表する老舗柑橘生産農園で、みかん狩りのピーク時(10~12月)には1日500名以上の来客で賑わうそうです。
松本農園までのアクセスはちょっぴり不便です。
公共交通機関を使って訪問する場合は、真鶴駅からタクシー(6分)か、コミュニティバスを利用して最寄りのバス停から7分程度歩くことになります。
みかん狩りシーズンの平日に限っては、真鶴駅から農園までの送迎サービスがあるそうです。
筆者はマイカーで訪れましたが、狭くて急な坂道を延々と登ることになりました。
ようやく農場の入口に到着しました。
偶然にも、みかん狩りシーズンの初日(10月7日)ということもあって、園内には食べごろのみかんがたくさん実っているとのこと。
期待を胸に入場券(550円)とお持ち帰り用袋(1,080円)を購入して入園しました。
みかん狩りは時間指定なしの食べ放題!
食べ終わった皮を入れるビニール袋ともぎ取りハサミを渡されます。
当日は「極早生みかん」のみとのことで、そちらのコーナーに案内されました。
約5ヘクタールにも及ぶ広大な農園内には、4,000本以上のみかんの木が栽培されているとのこと。
みかんの種類も様々で、シーズンの最初は甘酸っぱい「極早生」や「早生」からはじまり、次第に甘みの濃い温州みかん(中生)に代わるそうです。
木によっても味が異なるそうなので、食べ比べてみるのも楽しいですね。
なお、シーズン中盤の11月頃には、早生みかんと温州みかんの両方を楽しめるとのことです。
色づき始めたみかんを探して収穫します。
極早生は甘酸っぱいみかんと聞いていたけれど、ジューシーで甘みがたっぷりでした。
こちらの農園では、除草剤を一切使用せず、低農薬・ワックスや着色なしの環境で栽培しているとのことなので、品質も安全性も折り紙付きです。
お土産用に、収穫したてのみかんを袋いっぱい詰めました。
袋に入れられる量なら個数制限はないとのこと。
20個くらいで約4kg程度のボリュームとなります。
この量で1,080円なんて、とってもお得な価格設定ですね。
みかんのシーズン以外にも、春先(3~4月)の 甘夏雑柑狩りや、冬(12~1月)の水仙花摘み等のイベントが開催されます。
「 甘夏雑柑狩り」は、甘夏のほかニューサマーオレンジ、金柑やレモン狩りなどが楽しめるうえに、お持ち帰り袋(1,080円)購入すれば、大人5名までは入場料無料とのことです。
高台にある農園はロケーション抜群!
眼下に雄大な相模湾を一望できますよ。
水平線の彼方に江の島が望めました。
みかん狩りを楽しんだあとには、コースに沿って園内を散策してみましょう。
散策コースのほか、ドッグランコーナーやバーベキュー場、クロスカントリーコースまで設置されています。
犬を連れていない人には、何と犬のレンタル(90分 1,500円)まで対応してくるそうですよ。
広大な散策コースには、竹林まであります。
変化に富んだお散歩が楽しめますよ。
ほどよい起伏がある散策コースは、一周すればかなりの運動量になります。
ビタミン補給に、もう一度みかん狩りをしたくなりますね。
住所 : 神奈川県足柄下郡真鶴町岩898
マップ : Googleマップ
アクセス :
電話番号 : 0465-68-0330
定休日 : 不定休
営業時間 : 9:00~16:30
料金 :
公式サイト : 松本農園
都心から1時間30分ほどで行ける別世界・真鶴。
「幸せをつくる真鶴時間」のコンセプトどおり、のんびりとした幸せな滞在を楽しめます。
手つかずの大自然、素朴な街並み、温かい人情…
真鶴への旅が、あなたの気持ちをほっこりさせてくれることでしょう。
初めて訪問してもどこか懐かしく、再び訪れたくなる町・真鶴で、日ごろの疲れを癒してみませんか?
最終更新日 : 2023/10/20
公開日 : 2023/10/20