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アメリカ生まれのアウトドアザック専門ブランド「OSPLEY(オスプレー)」
アメリカのアウトドアザックブランド「OSPLEY(オスプレー)」。
本格仕様のアウトドアリュックブランドで、特に背負い心地に定評があるブランドとして知られています。
背負い心地が良いザックといえば「 GREGORY(グレゴリー) 」というイメージの方も多いと思いますが、オスプレーはそれと並んで称されるアウトドアザックメーカー。
分厚いショルダーベルトとヒップベルト、背面に入ったフレームで、身体全体で荷重を支える構造になっています。
本記事では、そんなオスプレーのザックのポイントやおすすめモデル、フィッティングやメンテナンス方法、そして気になるライバル「GREGORY(グレゴリー)」との比較など、盛りだくさんの内容でお贈りします!
オスプレーは、1974年にアメリカ・カリフォルニア州サンタクルーズで生まれたメーカーです。
ブランド名の由来は「オスプレー」という名の鳥で、ブランドロゴのモチーフにもなっています。
創業者はマイク・プフォテンハウアー氏。
美大出身というキャリアと、自身の趣味であった登山を活かして「オスプレー」ブランドをスタートしたザック職人です。
プフォテンハウアー氏を語るときに欠かせないのが、その品質に対するとてつもないとまで言えるこだわり(クラフトマンシップ)。
当初オーダーメイド制作だったリュックの生産が追いつかなくなると、手先の器用さに評判のあったコロラド州の先住民族ナバホ族を雇い、技術を一から教えて大量生産を行いました。
また、グローバル化とともにアジアに工場を作る必要があるとなると、家族ともどもベトナム・ホーチミンに移り住んで自ら手本となって縫製を行っていたのです。
こういった「こだわり」を紹介しだすと、枚挙にいとまがないプフォテンハウアー氏。
次からは、そうしたこだわりが生んだザックの魅力に迫ります。
特に登山やバックパッキングなど、長時間・長い距離にわたって重い荷物を背負って移動するアクティビティにおいて、靴の次に大切なのが「ザック」です。
ザックが体に合っていないと、荷重が極端に肩にかかって疲れたり、身体に擦れて痛めたりしてしまうこともあります。
また、ポケットの位置も重要で、小分けできるポケットがザック背面に付いていたりすると、いちいちザックを下ろしてアクセスしなければならず、面倒に感じてしまいます。
すぐに取り出すドリンクやスマートフォンを収納できるポケットなど、使いやすい仕様のものを選ぶようにしましょう。
アウトドアザックは一度購入したらそうそう壊れることがないため、保存状態が良ければ5年以上に渡って使い続けることができます。
セール品につられて購入してしまうと、買い替えなければならなくなってしまうことも。
そのため、ザックは妥協せずに選びたいのです。
オスプレーをはじめとしたしっかりした登山用ザックはメンテナンス次第で長く使い続けることができます。
普段から心がけたいのが下記の3点です。
現在の登山用リュックは、ほとんど防水のためのポリウレタンコーティングが施されています。
ポリウレタンコーティングは湿気を含んだままにしてしまうとベタつきが出て、次第にぼろぼろと劣化してしまうという特徴があります。
これを加水分解といい、現代のリュックが避けて通れない運命なのです。
加水分解を防ぐ(=遅らせる)には、弱点である湿気からできるだけ遠ざける以外にありません。
そのため、汚れを落としたら、できるだけ湿気のたまらない環境を作ってしまうことが大切です。
定番である「押し入れに入れる」という収納方法は、実は最悪の保管方法なのです。
オスプレーのザックには、S・M・LまたはS/M・ M/Lといったサイズ分けがあります。
背面長によって個人に適するサイズは異なるので、購入の際にはきちんとフィッティングをしてから購入するのがオススメです。
オスプレーのリュックには背面長を調節できる機構が備わったモデルも多いので、おおまかに自分の背面長に合うモデルをチョイスしたら、背面長を調整して身体にきちんとフィットさせるのがベスト。
ショルダーベルトが背中から肩、脇にかけてスキマなく接しており、ショルダーベルトの末端が脇の下5〜8cmに位置していることを確認したら背面長の調整は完了です。
また、しっかりとストラップを締めることで、フィッティングは完了となります。
ストラップは以下の手順で調整してください。
しっかりとしたフィッティングを行わないとオスプレーの良さである「背負い心地の良さ」が発揮されないため、購入時または購入直後にしっかりと行っておきましょう。
オスプレーのザックはある程度の重さはありますが、それを感じさせない背負い心地の良さが魅力です。
背面にしっかりと沿うフレーム構造、ヒップベルト・ショルダーベルトをつけたときに感じるフィット感は素晴らしいものがあり、荷重を身体全体で支えるため長時間あるいても疲れにくいのがポイント。
また、背面のメッシュパネルは熱を逃がす構造になっており、激しいハイクアップなどでも背中が蒸れて不快に感じることはないのです。
ちなみに、現在の多くの登山用ザックにはこの背面メッシュパネル構造が採用されていますが、オスプレーがこの仕様を採用したのはなんと1970年代。
創業者、プフォテンハウアー氏の先見の明が見てとれますね。
細かい工夫が多く、とても使いやすいのがオスプレーのザックのポイントです。
背面長を細かく調整できる背面調整パネルや、メインコンパートメントとは別に独立したハイドレーションのためのパックなど、派手さはないのですが「あったら便利」な機能が満載なのです。
また、トレッキングポールのアタッチメントやマットを固定できるストラップをはじめ、拡張性能が多いのもポイントです。
登山は意外とお金のかかるアクティビティ。
特に装備は、全て揃えるとかなりの額になってしまいます。
そうとはいえ、登山においてリュックは妥協できないもの。
背負い心地が悪いと非常に疲れますし、肩を痛めてしまうこともあります。
その点、オスプレーは初心者の方におすすめしたいアイテム。
なんと言っても、オスプレーはコストパフォーマンスの高さにも定評があるのです。
エントリーモデル「ケストレル38」は、日帰り登山から山小屋泊登山などにまで対応できるオールラウンダーなベストセラーアイテムですが、価格は19,440円!
例えば、ライバルブランド「グレゴリー」のエントリーモデルである「ズール40」は、定価25,920円という価格に設定されています。
少しでも出費を抑えたい、けど背負い心地は妥協したくない、そんな方にとってオスプレーは最適のチョイスなのです。
オスプレーとよく比較されるのが、「バックパック界のロールスロイス」とも称されるグレゴリー。
筆者はそんなグレゴリー愛用者で、もう8年にもわたりグレゴリーを愛用してきています。
この度、友人からオスプレーの定番ザック「ケストレル」というザックを借りることができたので、比較してみることにしました。
ちなみにこのケストレル、2016年にアップデートされまして、このモデルはその以前に販売されたモデル。
基本的な機能は現代のモデルとは共通しています。
グレゴリーユーザーの目線から、オスプレーのザックを検証していきます。
ちなみに、今回比較するグレゴリーのザックは「z35」というモデル。
2014年ごろ購入したモデルになっており、旧モデル同士の比較なので、参考程度の比較にはなりますが、お付き合い頂ければ幸いです。
まずは外観から比較していきます。
スタイリッシュなグレゴリーと比較して、オスプレーのモデルはゴツゴツして無骨な印象。
このあたりは好みが分かれるところかと思いますが、個人的にはグレゴリーが勝利です。
チェストストラップのバックルがホイッスルになっているのがオスプレーの細かな工夫の一つです。
遭難用ホイッスルを持ち歩く必要がなくなるので、荷物を一つ減らせますね。
こちらはグレゴリーには採用されていません。
メインコンパートメントへのアクセス方法として、グレゴリーは背中側にジップを搭載しているのに対して、オスプレーは下から。
どちらも使いやすい仕様になっており、このポイントは引き分け。
レインウエアを入れられる背面ポケット。
ただポケットになっているだけのグレゴリーに対し、伸縮性の素材を用いていて様々なアイテムに対応できるオスプレーの勝利です。
オスプレーは背面のパネルと背面が密着するのに対し、グレゴリーは完全に離れている仕様。
登っているときの通気性はグレゴリーの方が高いですが、身体から荷物が離れてしまう分、安定性を犠牲にしてしまうことになります。
オスプレーには、背面と背面パネルを完全に話した「ストラトス」もラインナップされていて、好みを選択できるため、このポイントは引き分け。
オスプレーには様々な工夫が施されています。
チェストベルトにはベンチレーションのための穴が空いており、通気性を確保してくれます。
トレッキングポール・ピッケルなどを固定できるストラップも付属しています。
オスプレーのリュックの代表的機能である「ストウアンドゴー」も搭載しています。
ショルダーベルトから腰にかけて、いわば「脇差」のようなスタイルでトレッキングポールを携帯できるのです。
背面パネルが独立しており、背面長を微調整できる機能が付いています。
また、ハイドレーションポケットはメインコンパートメントから独立しているのもポイントです。
水の補給の際、メインコンパートメントを開ける必要がないというのはとても役立つ機能です。
以上のような比較から、細かな機能性はオスプレーの圧勝。
グレゴリーファンの筆者としても、オスプレーにこれほどまでの機能が搭載されているのは正直驚きました!
実際に背負って比較してみると、両者のフィット感は互角。
グレゴリーの方が後ろから抱きつかれているようなフィット感なのに対して、オスプレーはバランスよく荷重を分散させている感覚でした。
個人差もあると思うので、この点は引き分け。
以上、デザイン、細かな工夫、背負い心地と見てきました。
また機会があれば、ぜひ最新モデルでも検証記事をお届けしたいと思います。
さて、ここからはオスプレーの定番ザックをご紹介していきます。
「最高傑作」「バックパックの完成形」とまで称される「ケストレル」から、ウルトラライトな「レヴィティ」、長期縦走やバックパッキングにおすすめの「イーサーAG」まで、豊富な種類のザックがラインナップされています。
オスプレーの数あるラインナップの中で「最高傑作」と言われているのが、この「ケストレル38」(女性モデルは「カイト」)です。
まず挙げられる「ケストレル38」の特徴は、背負い心地がとても良いこと。
背面パネル「エアスケープバックパネル」は、背中から出た蒸気が放射状に広がった溝を通って効率的に蒸発するように工夫されており、蒸れて不快に感じることがありません。
ショルダーベルト・ヒップベルトともに分厚いスポンジ素材でクッション性が高く、いわば「高級車のシート」のような背負い心地を提供してくれます。
また、背面のパネルは上下に調整可能なのも嬉しいポイント。
S/M/Lのサイズに加えて個人のサイズに合わせて微調整できます。
この他、他ブランドのバックパックが取捨選択して付けている様々な機能を、いわば「全部盛り」のようにたくさん盛り込んでいるという特徴も、このバックパックが「最高傑作」と言われる所以です。
ハイドレーション用の独立したコンパートメント、トレッキングポールを固定するためのバンド、マットを固定するループなど、たくさんの工夫を紹介するとキリがないほど。
その上、サイズ感も38Lと絶妙で、日帰り登山はもちろん山小屋泊のアルプス、またコンパクトにパッキングすればテント泊だって行けてしまうちょうどよい容量。
少し容量が自分の使い方と合わないかなという方には、28リットル、48リットルのモデルもラインナップされています。
これだけの機能・性能を持っていながら、2万円を切る価格設定というのですから驚き。
これから登山を始めるという初心者の方にはまずおすすめしたいアウトドアザックです。
初心者向け登山ザックを探していると、オスプレーのザックの中で、立ち位置がイマイチわかりにくいのが「ストラトス」(女性用モデルは「シラス」)。
重量は約1.5kg、背中にはフレームが入っており背負い心地は快適と、前述した「ケストレル」とかなり似た特徴を持つモデルです。
この「ストラトス」、「ケストレル」との大きな違いは「背面パネル」の仕様。
背面はメッシュになっていながらも、背面パネルと身体との距離が近い「ケストレル」に比べ、「ストラトス」の背面パネルはメッシュが大きくガバっと空いており、通気性が良い仕様となっています。
これは「ケストレル」が背負い心地を追求しており、「ストラトス」は快適性に特化したモデルとも言えます。
夏山で背中が蒸れるのが気になるという方はストラトスを、より楽に荷物を背負いたいという方にはケストレルがおすすめです。
いずれにせよ、この部分は好みによるところも多いので、詳細が気になる方はぜひ店頭で試着してみるのが良いと思います。
オスプレーの長期縦走用大型バックパックが「AITHER(イーサー)AG」です。
AGというのは、「ANTI-GRAVITY サスペンション」システムのこと。
背面パネルがヒップベルトまで続くシームレスなメッシュで覆われているほか、しっかりと取り付けられたショルダーベルトによって、身体に吸い付くようなフィット感があるのが特徴です。
熱成形によって形を変えることができるヒップベルトや、「ケストレル」と同様調整可能な背面長パネルなど、個人の体型にフィッティングが可能なのもオスプレーらしいこだわりです。
また、オスプレーのザックらしく細かな機能が満載なのがイーサーのポイント。
歩きながらにしてトレッキングポールを収納可能な「ストウオンザゴー」、トップの天蓋がリュックになり取り外し可能な機能など、ユニークな機能を採用しています。
もちろん、メインコンパートメントに正面からすばやくアクセスできるジップや、ボトムに寝袋などを収納可能な2気室構造、ボトルを収納可能なジップポケットなど、大型ザックに欠かせない機能も持ち合わせています。
60リットルという大容量なので、テントを担いだ長期縦走のほか、バックパッカーの方にもおすすめのモデルです。
オスプレーのリュックは、快適性を追求しているがゆえ、全般的に軽いとはいえない仕様になっています。
例えば、先ほどご紹介した最高傑作とも言われる「ケストレル」は約1.4kgとあって、重さが唯一の弱点とも言えます。
これは、重い荷物を背負って長距離を歩くロング・ディスタンス・ハイクをターゲットにしているため。
はなからウルトラライト(UL)を想定していないので、仕方ないこととも言えます。
そんなオスプレーですが、昨今のULブームもあり、2018年に満を持してウルトラライトなバックパックをリリースしてきました。
それが、重量800gの中型ザック「レヴィティ」。
レヴィティの特徴は、軽量ザックでありながら、背負い心地を追求しているということ。
ULザックとしては珍しく、背中にフレームが入ったメッシュ構造を採用しており、背中からかいた汗が抜けるのがポイント。
背中に汗がたまってしまうと体温を奪う原因となるので、ここを外さないのはさすが快適性に定評のあるオスプレーといったところです。
例えばULザックの定番「グラナイトギア」の「ヴァーガ 54」は、54Lの容量を持ちながら540gと圧倒的な軽さを誇る名品。
しかし、背中にフレームが入っておらず、パッキングで工夫するなど上級者向けの一面を持ちます。
この点、「レヴィティ」はパッキングもしやすく、適当に詰めても形が作れるのが嬉しいポイント。
カラーはホワイトを採用しておりスタイリッシュでかっこよく、登山用リュックにもULザックにもあまりないユニークなデザインに仕上がっています。
容量20Lの小型ザック「タロン」。
「ケストレル」ほどの汎用性はないものの、気軽なハイキングから日帰り登山までカバーできるので、初心者の方におすすめのザックと言えるモデルです。
800gという軽量なザックながら背面メッシュ、このクラスにしてはしっかりしたショルダーベルトなどを採用しており、クオリティにもしっかりとこだわった一品。
さらに嬉しいのが10,000円程度で購入できるという価格設定。
気軽な登山から始めてみたい、という方にぴったりのモデルです。
「キャンバー」はバックカントリースキー・バックカントリースノーボードに特化したモデル。
背面にスキー板やスノーボードを収納できるのはもちろん、ヘルメットの収納スペースや、安全のためのアバランチギアのポケット、スキーグローブをしたまま開閉しやすいバックルを採用しています。
ユニークなのが、メインコンパートメントが背面パネル側からオープンする機能。
パック正面にスキー板などをつけることが多いバックカントリーにおいてはとても便利と言えます。
「キャンバー」はまさにバックカントリー用のギアを運ぶために生まれてきたザックなのです。
登山はもちろん、バックカントリー、クライミング、さらには沢登りなど、様々なアクティビティに対応できるのが「バリアント」というモデル。
オスプレーのアイデンティティ「背負い心地の良さはもちろん、トレッキングポールやピッケル、スキー板やヘルメット、スノーシューを収納できる仕様になっており、まさに「オールマイティ」に仕上がっています。
登山を軸として、これから少し手を伸ばして色んなアクティビティに挑戦してみたいという方にうってつけのザックと言えるでしょう。
本格的な登山!というよりも、ハイキングやトラベルユースにおすすめなのが「デイライト」。
13リットルという最低限の荷物をパッキングするのに使いやすいサイズ感でありつつも、背面パネル構造や、ショルダーベルトをメッシュにして通気性を確保するなど、オスプレーらしさは健在するモデルです。
容量20Lの「デイライト プラス」もラインナップされています。
主に登山用のザックを製造している「オスプレー」についてご紹介してきました。
お好みのモデルは見つかりましたでしょうか。
オスプレーの魅力は、荷重を分散する構造を持っており背負いやすく、ポケットやその他の細かい機能が充実しており非常に使いやすいという点。
また、それを低価格で実現しているのも嬉しいポイントですね。
その機能性・コストパフォーマンスの高さから、「今から登山を始めるんだけど、おすすめブランドある?」と聞かれたら、まずご紹介したいブランドです。
公開日 : 2019/03/01