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日本人に人気がある中国の観光地として、成都はまだメジャーな存在ではないかもしれません。
その名前を初めて聞いた人も少なくないと思います。
そんな成都は、知れば知るほど行ってみたくなる魅力的な都市です。
成都は、中国西南部に位置する四川省の省都・最大の都市です。
周囲を急峻な山岳地帯に囲まれた「成都平原」に位置しています。
亜熱帯の温暖な気候にあり、古来から豊かな農作物に恵まれたことから「天府の国」として知られてきました。
成都の歴史は古く、紀元前2000年前に栄えた「長江文明」にまで遡ると言われます。
太古から要衝の地として重視されてきましたが、最も繁栄したのは「三国時代」に蜀漢の都となった時代です。
劉備(161-223)によって建国された蜀漢は、42年間この地に君臨しました。
現在の成都もまた、中国西南地区における政治、文化、商業の中心地として繁栄を謳歌しています。
太古からの豊富な歴史的遺産と、魅惑の街並み。
美しい自然に恵まれており、観光地としても充実した街です。
また、「九寨溝」や「峨眉山」「楽山大仏」など四川省内の景勝地や、チベット方面への旅行のゲートウェイとなっています。
「天府の国」・成都は、散策するだけでも楽しい街ですが、予め基礎知識を持って訪ねたらより面白くなります。
三国志は、今から2000年近く前(日本では弥生時代頃)の中国大陸を舞台にした物語です。
漢王朝の衰退によって新たに勃興した「魏」「呉」「蜀」の三国の興亡を、登場人物の人間模様を中心に活き活きと描かれています。
三国すべてについて公平な立場で描いてありますが、やはり一番人気があるのが「蜀」の登場する場面でしょう。
流浪の貴公子・劉備を慕って集まった関羽・張飛・趙雲・諸葛亮ら豪傑・知将の建国までの大活躍と、劉備亡き後に遺訓を守り通した諸葛亮の忠義はとても感動的です。
もちろん中国でも非常に人気があり、かつての蜀都・成都は三国志ファンにはたまらない聖地です。
その愛らしい姿から絶大な人気を誇るジャイアントパンダ。
現在では生息数が激減してしまい、中国でも四川省周辺の限られた場所にしか棲んでいません。
成都ではパンダの保護に取り組む施設があり、自然環境に近い状態で、たくさんのパンダと触れ合うことができます。
中国4大料理のひとつ・四川料理は、日本でも馴染みの深い中国料理です。
香辛料の生産量が豊富で、季節による温度差が激しい四川では、「ピリ辛(麻辣味)」の味付けが特徴で、主な料理としては担々麺や麻婆豆腐が知られています。
辛さだけでなく、厳密には酸(酸味)・辣(辛味)・麻(しびれ)・苦(苦味)・甜(甘味)・香(香り)・鹹(塩味)の7つの味で成り立っています。
省都・成都では、本場の四川料理が楽しめる店がたくさん存在します。
中国の奥部にある成都ですが、日本からのアクセスは良好です。
旅の基本情報をまとめて紹介します。
成田と関西空港から成都までの直行便が運航されています。
成田~成都間は、5〜6時間、関空からだと4〜5時間程度のフライト時間となります。
中国国内で乗り継ぐ場合、北京や上海からは約2時間20分かかります。
日本からの旅行者は、15日間以内の観光であれば査証は不要です。
日本と1時間遅れです。
中国の通貨は人民元で、レートは2019年4月現在、1人民元=16.74円です。
太古からの要衝の地、天府の国として栄えた成都の街には、貴重な歴史的遺産が溢れています。
中でも絶対見ておきたい必見スポットを紹介します。
都江堰(とこうえん)は、成都中心部から北西60kmに位置する古代の灌漑施設です。
古代の灌漑施設といっても遺跡ではなく、今も現役で活躍しているというから凄いですよね。
その技術の高さから、2000年にはユネスコ世界遺産に指定されました。
都江堰の治水工事が始まったのは、紀元前256年の秦の時代だと言われています。
四川省の太守に任命された李冰により開始されました。
岷江の水不足や氾濫に悩まされていた農民を救うための工事でしたが、当時の技術では途轍もない難事業でした。
李冰の死後も息子の李二郎によって工事は継続され、その完成によって四川の地は穀物が豊かに実る「天府の国」となったのです。
のちの蜀の時代、丞相・諸葛亮は何度もこの場所を訪れ、その技術を絶賛したといいます。
都江堰周辺は、灌漑施設を囲むように自然公園として整備されています。
美しい吊り橋「安潤橋」や、秦の時代に造られた水利施設「魚嘴」など見どころがいっぱいです。
住所 : 中国・四川省成都市都江堰市西侧的岷江上
マップ: Googleマップ
アクセス : 成都市内の茶店子バスターミナルから1時間20分
都江堰から北西に10kmの地点に位置する山岳景勝地が「青城山」です。
その名前は、四季を通じて木々が青々としており、36の峰々が城郭のように連なっている姿から名付けられたと言われます。
主峰の老霄頂は標高1600m、霧が深くて幽玄な雰囲気が漂います。
青城山は前山と後山に二分されています。
前山は中国の伝統宗教である「道教」発祥の地と言われ、多数の道教の寺院、文化施設が建ち並んでいます。
緑と霧に囲まれた中国風の寺院の姿は、神々しいまでの美しさです。
後山は大自然に囲まれた景勝地です。
前山よりも深山幽玄で、多くの渓谷美を楽しめます。
特に5匹の神龍が隠れていた伝説が残る「五龍溝」は必見の観光スポットです。
青城山も先述の「都江堰」同様に、ユネスコ世界遺産に指定されています。
住所 : 中国・四川省成都青城山镇
マップ: Googleマップ
アクセス :
成都市中心部から高速鉄道・成灌線にて青城山駅まで30分
駅から徒歩20分
諸葛亮(181-234)の名前より字(あざな)の「諸葛孔明」の方が知られていると思います。
中国だけでなく、日本でも絶大な人気を誇るヒーローです。
軍師として「三顧の礼」をもって劉備に迎えられて以来、劉備を助けて蜀建国に貢献、主君亡き後は、遺訓を守って蜀による祖国統一に尽力した「忠義」の人。
また、中華まんを考案した人としても知られています。
その諸葛亮を祀った祠堂が「武侯祠」です。
武侯祠は中国全土に存在しますが、こちらは総本山的な存在となっています。
創建は223年と1800年以上の歴史がある祠堂であり、諸葛亮のほか主君である劉備も祀っていて、劉備の墓も敷地内に安置されています。
諸葛亮や劉備のほか、関羽、張飛、趙雲、馬超や黄忠ら蜀の英傑の塑像が50体近く勢揃いしており、三国志ファンにとってはたまらない場所です。
近くには、呉によって殺された関羽の死を嘆いた劉備が泣き顔を洗ったと伝えられる「洗面橋」もあり、一帯が三国志の聖地となっています。
住所 : 成都市武侯祠大街231号
マップ: Googleマップ
アクセス : 成都市中心部からバス「武侯祠」下車すぐ
電話番号 : +86 28 8712 0836
定休日 : なし
営業時間 : 7:30〜21:00
料金 : 大人60元 小人(120cm以下)無料
公式URL : 成都武侯祠
中国の郷土宗教・道教は、日本ではあまり馴染みがないかもしれません。
風水や占いの世界で、少し紹介される程度だと思います。
先に紹介した青城山は道教発祥の地とされているため、御膝元の四川省では今でも道教が盛んに信仰されています。
青羊宮は、成都最大にして最も由緒のある道教寺院(道観)です。
創建はとても古く、2500-3000年位昔の周の時代に遡ると言われています。
過去に何度か焼失しましたが、清朝の時代に再建されて現在に至ります。
12万km2という広大な敷地内に、「八卦亭」や「三清殿」など貴重で美しい建造物が整然と配置されています。
青羊宮の名前は、かつて道教の聖人である老子が、青い羊に乗って現れて教えを説いたという故事に由来するものです。
青羊宮の境内は見どころが多く、ゆっくり見学すると半日くらいの時間を要します。
日本にはない道教の聖地で、初対面の神様に願い事をしてみるのも楽しいです。
住所 : 成都市一環路西二段9号
マップ: Googleマップ
アクセス : 成都中心部からバス「青羊宮」下車
電話番号 : +86 28 8776 6584
定休日 : なし
営業時間 : 8:00〜18:00
料金 :大人10元 小人(120cm以下)無料
歴史が古い成都にあり、最も古い時代を体験できるスポットが「金沙遺址博物館」です。
何といっても3000年以上も昔に栄えた「金沙遺跡」の跡は、実在が確認されている最古の王朝・殷の時代というから古いです。
2001年、道路工事中に偶然発見されました。
最終的に発掘されたものは、動物の骨数千片、象牙約1t、青銅器約1200点、玉器約2000点、金器約200点等、空前の大発見でした。
この遺物は、殷朝末期から春秋戦国時代までの長期間にわたる都市遺跡のものであることが判明しています。
総面積は約5㎢を超える広大な遺跡です。
現在は遺跡全体が公園となっており、発掘された遺跡自体を展示する「遺跡館」と、出土品を展示する「陳列館」に分かれています。
遺跡館は、大型祭祀場跡を巨大なドームで覆って展示しており、その迫力には圧倒されます。
2007年にオープンした陳列館は、地上2階、地下1階の建物で、純金で作られた金面具をはじめ、金器、青銅器、玉器など豊富な出土品を鑑賞することができます。
中でも代表的な遺物は、外径12.5cmの「太陽神鳥金箔」で、成都市の市徽のデザインに起用されています。
住所 : 成都市金沙遺址路2号
マップ: Googleマップ
アクセス : 地下鉄901路バス停・「金沙遺跡」下車すぐ
電話番号 : +86 28 8730 3522
定休日 : なし
営業時間 : 8:00〜18:00
料金 :大人80元 小人(120cm以下)無料
公式URL : 金沙遺址博物館
成都を旅行する楽しみは、歴史的遺産だけではありません。
歩いているだけでワクワクする街並みや、自然豊かな公園。
成都はショッピングやグルメを満喫できるスポットもたくさんあります。
成都を観光する一番の楽しみといったら、やはりパンダに会えることでしょう。
「成都パンダ繁殖研究基地」は、日本の動物園では考えられないような頭数のパンダに出会うことができます。
成獣から幼獣、そして本物を見る機会のない「赤ちゃんパンダ」まで、あらゆる世代のパンダを観察できる夢のような場所です。
この施設は、1987年に絶滅の危機にあるジャイアントパンダの生態を科学的に調査、研究し、保護や繁殖に生かすことを目的として設立されました。
開園当初は保護されたパンダ6頭だけでしたが、地道な研究の結果、現在では170頭以上のパンダの繁殖に成功しています。
当園ではジャイアントパンダだけでなく、生息地が重なるレッサーパンダも飼育・研究されています。
ちなみに、中国語でジャイアントパンダは「大熊猫」、レッサーパンダは「小熊猫」と表記します。
成都パンダ繁育研究基地は、パンダの生息地である四川省奥地の環境に合わせて整備されています。
広大な敷地内には、「成年エリア」「亜成年エリア」「幼年エリア」「レッサーパンダエリア」など、いくつかのエリアに分かれています。
じっくり観察すれば3時間くらいのルートになります。
幼パンダが木にぶら下がって休んでいる姿は、とても可愛らしいです。
また、「白浜アドベンチャーワールド」など日本生まれのパンダに再会できるかもしれません。
名称 : 成都大熊猫繁育研究基地
住所 : 成都市成華区外北三環熊猫大道1375号
マップ: Googleマップ
アクセス :
地下鉄3号線・「熊猫大道」駅下車、バス乗換にて「大熊猫繁育研究基地」下車
成都市中心部からバスで90分
電話番号 : 028-8351-0119
定休日 : なし
営業時間 : 7:30〜18:00
料金 : 55元
公式URL : 成都大熊猫繁育研究基地
「望江楼公園」は、成都市に中心部を流れる錦江のほとりに位置しています。
この公園の魅力は、中国で随一と言われるほど品種が豊富な竹にあります。
100種類以上の竹林と池や建物の調和が見事で、安らげる公園です。
この公園は、唐の時代に活躍した女流詩人・薛濤(せっとう)を偲んで、清朝の光緒15年(1889年)に造られました。
薛濤は貧しい家に生まれながら才能を開花し、当時の一流詩人だった元槇、白居易、杜牧から絶賛された人物です。
園内には薛濤を記念して造られた楼閣「望江楼」を中心に、清の時代の歴史的な建造物が点在しています。
公園に竹が多いのは、薛涛が竹をこよなく愛したためです。
住所 : 成都武侯区望江路30号
マップ: Googleマップ
アクセス : 成都市中心部からバス「望江楼公園」下車すぐ
定休日 : なし
営業時間 : 6:00〜21:00(文化財保護区は8:00〜18:00)
料金 :
無料
文化財保護区は有料:大人20元 小人(120cm以下)無料
武侯祠のすぐそばにある「錦里古街」は、そのレトロな雰囲気がたまらない商店街です。
もともと錦里地区は、古くは秦・漢・三国(蜀)の時代から知られた商店街でした。
近年の再開発に伴い、明や清の時代の建築様式を再現した建物が立ち並ぶ「錦里古街」として再出発しました。
道幅4m足らずの狭い通りですが、道の両側には本格四川料理の店、お土産屋、バーなどが所狭しと並んでいます。
古い時代にタイムスリップしたような感覚で、食べ歩きやショッピングを楽しむことができます。
特に夕暮れ時から夜にかけては、街中の提灯に灯がともり、幻想的な雰囲気に包まれます。
住所 : 成都市武侯祠大街231号附1号
マップ: Googleマップ
アクセス : 成都市中心部からバス「武侯祠」下車
錦里古街が旧時代の建物を復元した通りなのに対して、寛窄巷子(かんさくこうし)は、古い建物がそのまま残る通りです。
清朝の時代に造られた街並みがそのまま残っており、その時代の建物をオシャレに改修して、レトロかつモダンな通りとなっています。
寛窄巷子は三つの巷子(横町)から構成されていて、それぞれ寛巷子、窄巷子、井巷子の旧街道とこの街道の間に区切られた四合院(古民家)から成り立っています。
「古代蜀文化」をテーマとした複合型カルチャー商店街をテーマとして、地元の人ばかりでなく観光客にも大人気のエリアです。
この通りの四合院は、南方中国の風情を保ちながら、北方の満洲文化の影響を受けた建築様式です。
18世紀の清・康熙帝の時代に、この地に派遣された満州族の駐屯地として開発された歴史があるからです。
現在も45棟の四合院がほぼ無傷で残されており、後から建設された西洋風の建物や庭園式ホテルと、抜群の調和を保っています。
古いものと新しいものがミックスした街並みは、どこも絵になる景観を醸し出しています。
所々に配置されている銅像もユニークで、ショッピングや食べ歩きをしながら楽しく散策することができます。
住所 : 成都市青羊長順上街127号
マップ: Googleマップ
アクセス : 地下鉄・天府広場駅から車で5分
長い歴史を誇る成都の街は、中国でも有数の近代都市でもあります。
高層ビルが立ち並ぶ夜景の美しさは圧巻です。
その抜群の眺望を一望できるスポットが、「四川広播電視塔」です。
塔の高さは339mで、東京タワーより6m高く、中国西部で最大の大きさを誇ります。
218mの地点にある展望台は、屋外にあって開放感抜群。
心地よい風を感じながら眺望を楽しめます。
展望フロアの床の一部はガラス張りとなっており、スリル満点で高度恐怖症の人には怖いかもしれません。
しかし、360℃の大パノラマで眺望する成都の街は、絶好の旅の思い出となるでしょう。
住所 : 成都锦江区猛追湾街98号
マップ: Googleマップ
アクセス : 春熙路駅から15分
電話番号 : +86-28-84357888
営業時間 : 9:00〜22:00(最終入館21:30)
成都市内だけでも見どころがたくさんありますが、どうせなら周辺の絶景を楽しんでみたいものです。
四川省内には、既に紹介した「都江堰・青城山」を含めてユネスコ世界遺産に指定されている景勝地が5つ存在します。
成都からのアクセスも良好なので、時間があれば訪れてみましょう。
九寨溝は、四川省北部・アバ・チベット族チャン族自治州にある景勝地です。
標高2,000〜3,000mの高地にあり、原生林の生い茂る峡谷に大小100以上の湖沼や瀑布が点在しています。
湖底に沈んだ倒木がくっきり見えるくらい透明度の高い湖は、息を呑むほどの美しさです。
中国でも屈指の人気観光地であり、成都市内からは国内線で1時間、長距離バスで8時間位の場所にあります。
峨眉山(最高峰3099m)は後漢時代から続く仏教の聖地であり、一帯には26の名刹を有しています。
古来より「峨眉天下秀」と称されるほどの景勝地であり、5000以上の植物が生息している自然豊かな山です。
峨眉山から40kmほど離れた場所に位置する「楽山大仏」は、高さは約71mあり、世界で最も高い石刻大仏とされています。
河の氾濫や水難事故を鎮める目的で、713年の着工から約90年の歳月をかけて造営されました。
奈良の大仏の5倍近い大きさがあります。
成都市内から峨眉山まではバスで2時間、楽山大仏まではバスで3時間の道程です。
「ピリ辛」な味付けが特徴の四川料理は、日本でも人気のある料理です。
日本国内でも深く浸透しており、誰もが一度は食べたことのある四川料理の逸品を、ぜひ本場で味わってみましょう。
日本でも根強い人気がある中国料理・麻婆豆腐は、清朝の時代に成都で誕生しました。
成都で定食屋を営んでいた「陳おばさん」が考案したと言われています。
その美味しさは大評判となり、「陳麻婆豆腐」とよばれる成都の名物料理となりました。
ちなみに、麻婆の「麻」はあばたを指し、陳おばさんの顔にあばたの跡があったため、あばた顔のおばさんが作る豆腐という意味になります。
日本で普及しているピリ辛風味の麻婆豆腐とは違い、本場の麻婆豆腐は痺れるような辛さが特徴です。
その辛さは、山椒の一種・「花椒」をふんだんに使用していることによるもので、色合いも黒っぽく見えます。
また、スパイスに八角を使用しており、旨味の後に、じわっとした辛さが広がります。
今や国内各地のB級グルメに登場するなど、すっかり市民権を得た担担麺も成都発祥の料理です。
「担担」とは天秤棒のことで、清朝の1841年、陳包包という人が天秤棒を担ぎながら売り歩いたことが発端とされています。
天秤棒を担いで販売したことから、本来は「汁なし担担麺」が基本です。
そのため、成都市内で担担麺を注文すれば、日本で一般的になっている麺は出てきません。
成都の担担麺は、挽肉や搾菜の細切りを具材とし、花椒と辣油、醤油をベースにしたタレを混ぜて食べるスタイルです。
後味が残る辛さが特徴です。
棒棒鶏(バンバンジー)の名前は、蒸して硬くなった鶏肉を、棒で叩いて柔らかくしたことから命名されたと言われます。
日本では、夏場に食べたくなる爽やかなメニューとして有名で、さっぱりとしたゴマダレをかけて食べます。
しかし、ルーツは辛口の四川料理で、本場の棒棒鶏は日本で見かけるものと全く違います。
本場の棒棒鶏は、鶏肉以外の具材をほとんど使用しません。
鶏肉を、砂肝や手羽先、豚耳やモツなどで長時間煮込み、唐辛子の効いた辣油のタレで食べます。
舌が痺れるような辛さが特徴で、一度食べたら病みつきになる食感です。
「中華料理」の看板を掲げているお店があります。
中国料理が基本的に中国で食べられている料理なのに対して、中華料理は日本人の舌に会うようにアレンジした料理であると言われます。
これから紹介する回鍋肉もまた、代表的な中華料理として普及しています。
回鍋とは、一度調理した食材を再び鍋に戻して調理することを指し、調理した豚肉を鍋に戻すから「回鍋肉」となります。
成都では一番人気のある家庭料理のひとつです。
日本ではキャベツを具材に使用した甘辛風味が定番ですが、本場ではキャベツの代わりに「葉にんにく(蒜苗)」を使用します。
豆板醤を多めに使っており、スパイスの効いた辛口料理です。
知る人ぞ知る四川料理の絶品グルメです。
茹でた鶏肉を冷やしてスライスし、香辛料や薬味がたっぷり入ったタレをかけて食べる冷菜のことです。
この料理の名前を聞いただけで「よだれ」が出てしまうほど美味なことから、奇妙な名前が付いたと言われます。
口水鶏の美味しさの秘訣は、四川料理の中でも屈指と言われるほど激辛なタレにあります。
本場の口水鶏は、豆板醤や辣油、花椒、香菜、ニンニクをふんだんに使用したタレを使用します。
激辛でありながら箸がすすむ、不思議な魅力のある料理です。
古き良き中国の文化・伝統を色濃く残る成都は、とてもエンターテインメントな街です。
『三国志』も、パンダも、そして絶品グルメまで満喫できる成都に、一度足を運んでみませんか?
最終更新日 : 2021/07/21
公開日 : 2019/05/05