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下呂温泉は、兵庫県の 有馬温泉 、群馬県の草津温泉と共に「日本三大名泉」の1つに数えられます。
その歴史は古く、平安時代にはすでに温泉地として有名であり、戦国時代には織田信長が湯治を楽しんだと言われています。
徳川家康から4代徳川家綱まで使えた儒学者・林羅山によって日本三大名泉と紹介されたことにより、江戸時代には年間3万人が訪れる温泉街となりました。
温泉街には、合掌造りを見学できる施設や温泉について学ぶことができる博物館、最近人気のスイーツなど、多くの観光スポットがあります。
それらが全て徒歩圏内にあるため、車がない方でも周ることができる、コンパクトな温泉街となっています。
8世紀の頃、現在の下呂市があるところに「下留駅(しもどまりえき)」という駅がありました。
駅という名前ですが、現在のような電車の駅ではなく宿場町のことです。
「しもどまり」は長くて読みにくいため、人々は徐々に「下留」を「げる」と呼ぶようになりました。
「げる」から音が派生して「げろ」と呼ばれるようになり、当て字として「下呂」という漢字が使われるようになったと言われています。
下呂温泉はアルカリ性単純温泉です。
アルカリ性が強い温泉の場合、ぬるっとした泉質になりますが、下呂温泉はそれほど強くないアルカリ性のため無色透明で、肌への刺激が少ないのが特徴です。
入浴すると血行が良くなり、筋肉痛や関節痛、神経痛などに効果が期待できます。
また、アルカリ性単純温泉は肌の角質を取る効果があるため、入浴後は肌が絹のようにスベスベになります。
そのため、下呂温泉は別名「美人の湯」と呼ばれています。
下呂温泉では、その良質な温泉を求め旅行客の増加に伴い、旅館の数も増えました。
旅館が増えたことにより、一時期は温泉の使用量が温泉の噴出量を上回ってしまいました。
そこで考案されたのが「温泉集中管理システム」です。
このシステムにより、下呂温泉にあるいくつもの源泉井戸の温泉を一度貯湯タンクに集め、各旅館に効率的に配湯できるようになりました。
このおかげで使用していた湯量を下げることに成功し、全ての加盟旅館で、美肌効果の高い同じ泉質の温泉に入ることができるようになったのです。
下呂温泉は徒歩で周ることができます。
電車とバスで行った場合も、現地で不便になるということはありません。
公共交通機関を使うか、車を使うか、自分の好きな手段で行きましょう。
下呂温泉は、岐阜県の中部・南飛騨地方にあります。
東京から公共交通機関を使って行く場合は、直接下呂温泉に行くことはできないので、まずは名古屋駅を目指します。
名古屋からは、JR高山本線の特急列車「ワイドビューひだ」で下呂駅に向かいます。
下呂駅から下呂温泉の温泉街までは400mほどなので、徒歩で行くことができます。
「ワイドビューひだ」を使った場合、名古屋駅から下呂駅まで4,100円と少し高いですが、名古屋から1時間40分ほどとこの方法が一番早く到着できます。
「時間はかかってもいいから値段を抑えたい!」という場合は、名古屋からバスに乗るという方法もあります。
下呂温泉からは、下呂温泉旅館協同組合が運営している下呂温泉直行バスが1日1本のみ出ています。
名古屋駅でバスに乗れば、乗り換えもなく下呂温泉まで連れて行ってもらえるので非常に楽です。
ただ、完全予約制となっており、乗車の3日前までに電話予約する必要があります。
電話予約は2ヶ月前から受け付けているので、旅行日程が決まったら早めに予約しましょう。
車で関東方面から下呂温泉へ行く場合は、中央自動車道の中津川ICで下り、国道257号線を通っていきましょう。
中津川ICから下呂温泉までは、1時間程度です。
関西方面から行く場合は、東海環状自動車道の富加関ICから国道58号線、41号線を通るルートです。
富加関ICからは1時間程度で下呂温泉に着きます。
北陸からの場合は高山IC。
上信越方面からは松本ICから向かいましょう。
遠方から飛行機で行く場合は、中国際空港へ行き、そこから名古屋駅で「ワイドビューひだ」に乗り、下呂駅まで行きましょう。
下呂温泉には「湯めぐり手形」システムがあります。
将棋の駒のようなこの手形には、裏側に「湯」「名」「人」というシールが付いています。
この3枚のシールを使用することで、3ヶ所の日帰り温泉に入ることができます。
湯めぐり手形の販売価格は1,300円と、お得に温泉に入ることができるシステムです。
通常、湯めぐり手形1枚で大人1人の入浴しかできませんが、4歳〜12歳の子供の場合、1枚の手形で大人と子供の入浴が認められています。
使い切れなかった場合も、有効期限は半年間あるので安心です。
湯めぐり手形は加盟旅館や下呂温泉街のコンビニ、観光案内所や土産物店で購入することができます。
湯めぐり手形で入浴できる温泉は20ヶ所以上あります。
それぞれの温泉で入浴できる時間が違うので、効率よく回るためには入浴可能時間を確認し、スケジュールを立てましょう。
湯めぐり手形を購入した際に、手形が利用できる施設の一覧とマップ、入浴可能時間帯の表がもらえます。
下呂温泉に行く前にスケジュールを組みたい場合は、公式サイトに手形で入浴できる温泉が載っているので、サイトを参考にスケジュールを立てるのがおすすめです。
なお、湯めぐり手形で入れる日帰り温泉は、タオルのレンタルを行なっていない場所が多いので、タオルやバスタオルは持参しましょう。
下呂温泉のおすすめ観光シーズンは3つあります。
南飛騨地方の桜のシーズンは、4月初旬から4月下旬頃です。
この時期は下呂温泉でも桜が咲き誇り、旅館によっては桜が見える部屋をリクエストすることも可能です。
温泉街と桜の相性は抜群なので、桜と温泉両方を満喫しましょう。
下呂温泉では、7月下旬〜8月下旬まで夜市が開催されます。
温泉街の阿多野谷沿いで開催されるこの夜市は「いでゆ夜市」と呼ばれ、期間中の毎週土曜日19時〜22時まで開催されます。
夜市では、地元の特産品や陶器、木製品などの屋台が並びます。
特設ステージでは、ジャズ演奏やダンスなどイベントも盛りだくさんです。
下呂温泉では、毎年1月から3月の期間、毎週土曜日の20時30分から花火が打ち上げられます。
花火は毎回同じ花火を打ち上げるのではなく、健康祈願、成人祝い、バレンタイン、お雛様など、それぞれ異なったテーマで打ち上げるため、毎回違った演出を楽しむことができます。
下呂温泉には、おすすめの宿泊施設がいくつかあります。
ここでは、その中でも厳選した宿をご紹介します。
1948年創業の「小川屋」は、飛騨川を望む絶景のロケーションが有名な下呂温泉の老舗旅館です。
8階建のこの旅館には、様々な地酒を集めたナイトラウンジや、天然温泉成分に炭酸泉を融合させたスパ「汕」、カラオケルームや卓球ルーム、図書室や麻雀ルームまで完備されています。
そんな小川屋の1番の名物は、畳と温泉を融合させた100畳もの大きさを誇る畳風呂です。
その他、プライベートに温泉を楽しみたい方向けに9つの貸切風呂も完備しており、様々なスタイルで下呂温泉を楽しむことができます。
住所:岐阜県下呂市湯之島570
マップ: Googleマップ
電話番号:0576-25-2118
アクセス:下呂駅から徒歩10分
営業時間:
チェックイン 15:00
チェックアウト 11:00
予約サイト: じゃらん
「水明館」は、1万坪余りの敷地に3つの館と離れがある老舗旅館です。
館と離れには、それぞれ特徴があります。
茶室や日本庭園により和をイメージした数寄屋造りの「青嵐荘」や、和と洋の良さを融合させた「飛泉閣」など、湯治客の好みに合わせた部屋を用意しています。
館内にはプールやエステもあり、自分好みの時間を過ごせる旅館となっています。
住所:岐阜県下呂市幸田1268
マップ: Googleマップ
電話番号:0576-25-2801
アクセス:下呂駅から徒歩3分
営業時間:
チェックイン 14:00
チェックアウト 11:00
予約サイト: じゃらん
「ホテルくさかべアルメリア」は、下呂温泉の高台にあるリゾートホテルです。
客室は和室や洋室はもちろん、アジアンリゾートタイプや檜露天風呂付きのスイートルーム、露天ジェットバス付きのスイートルームなど、様々な客室を取り揃えています。
高台にあるため、下呂温泉を一望できる総ヒノキ造り大展望露天風呂は、アルメリア自慢の露天風呂となっています。
ビューレストランからは、下呂温泉の夜景を一望しながら食事を楽しむことができますよ。
エンターテイメントも充実しており、専用のシアターで上映される本場タイ人によるニューハーフのショーは、ここの名物となっています。
住所:岐阜県下呂市幸田1811ホテルくさかべアルメリア
マップ: Googleマップ
電話番号:0576-24-2020
アクセス:下呂駅まで無料送迎バスあり
営業時間:
チェックイン 15:00
チェックアウト 10:00
予約サイト: じゃらん
下呂温泉には、徒歩で行くことができる場所にいくつも観光スポットがあります。
他の温泉街にはない、下呂温泉ならではの観光名所をご紹介します。
白川郷が有名ですが、下呂にも合掌造りの家があります。
それが、下呂温泉合掌造村です。
合掌村は、下呂温泉で1番規模の大きい観光施設となっています。
村内は「合掌の里」と「歳時記の森」のゾーンに分かれています。
「合掌の里」には、白川郷や五箇山などから移築された合掌造の家10棟が展示されています。
中には重要文化財となっている「旧大戸屋住宅」も含まれており、飛騨地方の民具の展示も行なっています。
「歳時記の森」では、様々な野草が植えられ、飛騨の自然を感じることができます。
また、和紙の絵漉き体験や陶器の絵付け体験ができます。
絵漉き(えすき)とは、和紙の原料となっているクワ科の植物「こうぞ」で絵を描くことです。
所要時間は30〜40分ほどで、ハガキや色紙に自分で好きなように描くことができますよ。
陶器の絵付けも、マグカップや皿、湯飲みなどに自分好みに絵を描くことができます。
自分だけのオリジナルマグカップを作るのも良いでしょう。
住所:岐阜県下呂市森2369
マップ: Googleマップ
電話番号:0576-25-2239
営業時間:8:30〜17:00
定休日:年中無休
入場料:
大人:800円
小人:400円
下呂温泉の名物となっているのが「噴泉池」です。
噴泉地は、下呂温泉街の中央を流れる益田川の河川敷にある混浴露天風呂となっています。
河川敷にある石を組んで露天風呂が作られているだけなので、一切の囲いはありません。
すぐ隣には川が流れ、囲うものが一切ない温泉は開放感抜群です。
脱衣所はなく、現在は水着着用での入浴が義務付けられています。
なお、こちらの温泉は毎日朝7〜8時頃に清掃しています。
清掃後にお湯が溜まるまで少し時間がかかるため注意してください。
住所:岐阜県下呂市幸田河川敷
マップ: Googleマップ
アクセス:下呂駅より徒歩3分
定休日:年中無休
入場料:無料
下呂温泉街のほぼ中央にあるのが、下呂発温泉博物館です。
下呂発温泉博物館は、全国的にも珍しい温泉を科学・文化の両面から紹介した温泉専門の博物館です。
下呂温泉だけでなく、温泉に関する資料を幅広く展示しています。
博物館内では、温泉を科学的視点から見たコーナーとして、温泉の湧き出す仕組みや温泉の泉質、効能などを紹介しています。
文化的視点からとしては、歴史から見た温泉や温泉の発見伝説。
江戸末期や明治の温泉番付などの資料を紹介しています。
他にも、温泉の塩分やPHを調べる体験コーナーなど、温泉ファンだけでなく、温泉好きや子供まで楽しめる博物館です。
住所:岐阜県下呂市湯之島543-2
マップ: Googleマップ
アクセス:下呂駅より徒歩10分
定休日:木曜日
営業時間:9:00〜17:00
入場料:
大人:400円
小人:200円
下呂温泉は温泉だけでなく、飛騨地方の郷土料理やスイーツなど、様々な人気グルメがあります。
ここでは、下呂温泉に行ったら食べたいおすすめグルメを紹介します。
下呂温泉がある南飛騨地方を代表するグルメといえば、飛騨牛は外せません。
飛騨牛とは、岐阜県内で14ヶ月以上肥育され、日本食肉格付協会の格付で肉質等級が3以上、歩留等級がAもしくはBを満たす黒毛和牛のことです。
これら全ての要件を満たす牛肉を飛騨牛と呼び、等級が基準外の場合は飛騨和牛(ひだわぎゅう)と呼びます。
飛騨牛の特徴は、やはりその美しい霜降り。
肉質はとても柔らかく、脂が多いため、とても甘いです。
まさに口の中でとろけます。
下呂温泉では、そんな飛騨牛を味わえるお店がいくつもあります。
旅館やレストランはもちろん、温泉街を歩いていれば、飛騨牛の串焼きや飛騨牛を肉まんに入れた飛騨牛まんなど、様々な飛騨牛グルメがありますよ。
鶏ちゃん(けいちゃん)とは、下呂温泉がある南飛騨地方や、郡上市がある奥美濃地方で伝統的に食べられている郷土料理です。
名前に鶏という文字が入っている通り、鶏肉を使った料理となります。
とてもシンプルな料理で、味噌や醤油をベースとしたタレに漬け込み、キャベツや玉ねぎなどの野菜と一緒に焼くシンプルな料理。
お酒のおつまみにしても、ご飯と一緒に食べても美味しいです。
鶏ちゃんはお店により味が少し異なるため、ぜひ食べ比べしてみてください。
下呂プリンは、2019年3月にオープンし、最近話題となっている下呂温泉のスイーツです。
下呂温泉の「ゲロ」とカエルの鳴き声の「ゲロ」をかけて、カエルをモチーフにした店舗になっています。
店内のイートインスペースには、レトロなマッサージチェアや昭和の扇風機などが置かれています。
さらに、店内には多くのケロリン桶が置いてあり、イートインで注文した場合には、プリンの容器をケロリン桶に入れて提供してくれることもインスタ映えするとして人気となっています。
そんな下呂プリンですが、プリンの味も本物です。
パステルの「なめらかプリン」の生みの親であるパティシエが監修したプリンは、滑らかで濃厚なプリンとなっています。
その秘訣は、地元の新鮮な下呂牛乳と高級バニラビーンズ。
牛乳は飛騨地方で育った乳牛の生乳を殺菌処理のみ行い、成分の調整を一切行なっていません。
そこにマダガスカル産の高級ビーンズを合わせ、1つ1つビンに詰めて焼き上げます。
種類も抹茶やコーヒーゼリー、メロンソーダなど色々な種類がありますので、ぜひ温泉上がりに濃厚滑らかな下呂プリンを食べてみてください。
古くから日本を代表する下呂温泉。
日本三大名泉と讃えられた泉質はもちろん、飛騨伝統の文化やグルメも楽しめます。
ぜひ日本を代表する温泉と文化を体感してみてください。
最終更新日 : 2022/02/28
公開日 : 2020/11/13