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吉野ヶ里歴史公園とは2001年に開園した歴史公園です。
「環壕集落ゾーン」「古代の原ゾーン」「古代の森ゾーン」「入口ゾーン」という4つのゾーンから成り立っています。
一般的にイメージされやすいのは、竪穴住居や高床倉庫、物見櫓などの見学ができる環壕集落ゾーンです。
今回筆者は3時間かけて各ゾーンを徒歩で回ってきました。
ちなみに、公園内はバスも通っています。
住所:佐賀県神埼郡吉野ヶ里町田手1843
マップ: Googleマップ
入園料:大人(15歳以上)460円 ※中学生以下は入園無料
開園時間:9:00〜17:00 ※6月~8月は18:00まで
環壕集落ゾーンは、吉野ヶ里歴史公園のメインとなる遺跡ゾーンです。
弥生時代の建物が多数復元されているほか、保存された発掘調査現場を見学することができます。
弥生のテーマパークと言っても良いくらい広大で迫力があるので、弥生時代にタイムスリップしたような感覚になります。
まずは環壕集落ゾーンの中の南内郭に行ってみました。
支配者層が生活していた場所と考えられているエリアです。
南内郭に入ってまず目に入るのは物見櫓です。
近くで見ると高くて驚きます。
兵士が周囲を見張るためのものだったと言われているのですが、どうやってこんなものを作っていたのでしょう…
物見櫓の中には、階段があって登れるようになっています。
実際に物見櫓の上に登ってみました。
物見櫓の中はあまり広くはありませんが、しっかり安全が確保されており、安心して風景が楽しめます。
物見櫓からは公園内や周囲の街を一望できます。
高い建物が全く見当たらないのどかな風景と青空に癒されました。
それぞれの竪穴住居は中に入って見学をすることができます。
竪穴住居にはそれぞれ細かな設定があり、どんな背景の人が住んでいる家なのか解説がなされています。
竪穴住居の中にお邪魔すると、弥生時代の生活イメージを膨らませてくれる蝋人形が展示されていました。
筆者が足を運んだ日は気温が30度近くあり、かなり暑かったのですが、竪穴住居の中はひんやりしていました。
空調が入っているのかと思うほど涼しかったです。
竪穴住居の中の温度差や屋根の雰囲気など、実際に体感することができるのが魅力です。
このような竪穴住居がいくつもあるので、それぞれを見て回るだけでも結構楽しめるのではないかと思います。
弥生時代と言えば、竪穴住居のほかにも高床倉庫も有名ですよね。
吉野ヶ里遺跡では、復元された高床倉庫の中も見学できます。
高床倉庫に登ると、弥生土器や籠が置かれていてとてもリアルでした。
弥生人の生活をのぞき見しているようで面白かったです。
その他にもさまざまな建物の中を見学できます。
こちらは王や大人の食事をつくる煮炊屋という建物。
中には食事を作るための道具が揃っており生活感があります。
こちらの大きな建物は「集会の館」と呼ばれる建物です。
この建物の中では、王や大人たちが集まって儀式や話し合いをしていたそうです。
ちなみに、吉野ヶ里遺跡の中は広大なので、いくつか竪穴住居型の休憩所があります。
中にはベンチがあり、竪穴住居の涼しい空間の中で一休みできるようになっています。
竪穴住居と自動販売機のギャップが何とも言えず、良い味を出していますね。
雰囲気を壊さないように茶色に塗られていました。
南内郭をある程度見学した後、佐賀県立博物館が運営している展示室に入ってみました。
思いのほか中は広く、弥生土器や甕棺が展示されていました。
吉野ヶ里遺跡では甕棺が多く出土されており、成人用や小児用などさまざまな甕棺を見学することができます。
興味深かったのは、頭蓋骨のない人骨が出土された状況のレプリカです。(甕棺は本物)
こちらは戦いによって頭部をなくしてしまった人骨ではないかと言われているものです。
本物の弥生土器に触れられるコーナーもあります。
なかなか本物の弥生土器を触る機会はないのではないでしょうか。
吉野ヶ里歴史公園は、このような歴史を体感できる仕組みが色々とあるのも魅力と言えます。
環壕集落ゾーンの中には、弥生時代の暮らしを体感できるコーナーがありました。
南内郭内にあったこちらのテント内では、磨製石器のレプリカを手に取ってみることができます。
磨製石器は、主に稲を刈り取るのに使われていたようです。
このテントの中では、磨製石器をつくる様子を見学することもできました。
ガリガリガリと音をたてながら削られていく様子を見学することができ、どのように石器をつくっていたのかよくわかりました。
他にもテント内には機織りの道具が展示されていました。
見て回るだけでも興味をひくものばかりで面白いです。
また、「弥生人になって写真を撮ろう」というコーナーもありました。
手作りの盾や剣などをもって、写真を撮ることができるというものです。
筆者も試しに撮影してみました。
子ども用の小さいサイズもあります。
子どもに着せてあげると、きっと喜んでくれるのではないでしょうか。
意外とおしゃれな模様の防具を付けていたんですね。
さらに、園内には匂玉づくりや火おこしの体験コーナーもあります。
興味のある方はぜひチャレンジしてみてください。
北墳丘墓は、この集落の歴代の王が埋葬されている特別なお墓と考えられています。
北墳丘墓の内部の甕棺の出土状況はそのまま保存されており、誰でも見学が可能となっています。
建物内は湿度管理が徹底され、保存状態が悪くならないように配慮されています。
生々しい出土状況をそのまま見学でき、考古学のロマンを肌で感じられる施設です。
北墳丘墓内部は、入園した人なら誰でも入ることができて追加の入館料はかかりません。
吉野ヶ里歴史公園は、吉野ヶ里遺跡だけの公園だと思っていませんか?
実はたっぷり遊べる公園で、中でも特に遊べるエリアが「古代の原ゾーン」です。
ここでは、古代の原ゾーンでどんな遊びができるのかを紹介します。
遊びの原には、子どもが夢中になって遊べる巨大な遊具が置かれています。
登る部分も滑り台もたくさんあり、筆者の息子と来たら1日中ここにいるんじゃないかと思うほどです。
近くに吉野ヶ里歴史公園があれば、間違いなくこの遊具を目的に何度も通うだろうと思います。
ボルダリングのようなものもありましたし、トランポリンやふわふわドームなど、様々な遊具が揃っています。
これほどの遊具が揃っている公園はなかなかないのではないでしょうか。
芝生広場の中で下記の使用が可能な野外炊事コーナーがあります。
公園では道具の貸し出し等は行っておらず、すべて持ち込むことになります。
手ぶらでバーベキューをしたい方は、公園で指定業者の案内を行っているので、そちらを利用すると良いでしょう。
野外炊事コーナーについて、詳しくは 公式サイト をご覧ください。
弥生の大野は、ただひたすらに広大な芝生広場です。
ボール遊びやフリスビーなど、さまざまな遊びが楽しめます。
なお、大玉ころがしに使うようなビッグボールの無料貸し出しを行っています。
ディスクゴルフとは、フライングディスクを使って遊ぶゴルフです。
芝生の上にいくつかあるゴールにフライングディスクを投げ入れて遊びます。
フライングディスクの貸し出しは無料で行っており、スコアカードとペンと一緒に借りることができます。
グラウンドゴルフは、ゴルフとゲートボールをアレンジした競技です。
各ホールポストの輪に何打で入れることができるのかを競うゲームです。
公園内でもたくさんの方々がプレーを楽しんでいました。
グラウンドゴルフも無料でクラブやボール、スコアカード、ペンの貸し出しが行われています。
もちろん持ち込むことも可能です。
古代の森ゾーンは12ヘクタールもの広大な敷地を持ち、「古代植物の森」「甕棺墓列」「古代植物館」などがあります。
「生体移植工法」という方法で草木や土壌生物を含む表土ごと移植し、弥生時代に近い植生の森を再現した森です。
周囲は草原が広がり、ウォーキングが楽しいエリアになっています。
途中でガラス張りのおしゃれな休憩スペースもいくつかあるので、休みながら散策すると良いでしょう。
古代の森の一角には、甕棺が大量に出土した状況を復元したエリアがあります。
吉野ヶ里遺跡から発掘された約3000もの甕棺墓のうち、約1000の甕棺墓が古代の森ゾーンから出土されたそうです。
全長300メートル・約500もの甕棺が復元されており、見ごたえ十分です。
古代の森の中にはさまざまな体験ができたり、出土した植物や木製具などの展示が行われている「古代植物館」という建物があります。
館内では植物を使った様々な体験ができるようになっています。
子どもと一緒に何かつくってみるのも面白そうですね。
古代の植物に関する展示も充実していました。
高床倉庫に入るために使われていた「刻み梯子」も展示されていて印象的でした。
実際に弥生時代の人たちがこの木に足をかけて登っていたのだと思うと感慨深いものがあります。
古代植物館には、想像の卑弥呼の衣装も展示されていました。
想像とは言え、おしゃれで可愛いですね。
この人形が結構今風な美人さんでしばらく見とれてしまいました。
古代植物館は、しっかり見て回ると意外と楽しめて面白かったです。
最後にショッピングやランチが楽しめる入口ゾーンをご紹介します。
入口ゾーンにある売店では、吉野ヶ里歴史公園限定のお土産が多数販売されています。
吉野ヶ里歴史公園オリジナルのバタークッキーも販売されていました。
吉野ヶ里歴史公園のお土産だけでなく、佐賀のお土産がいろいろと揃うので、観光客には便利なお店です。
営業時間は9:00〜7:00(6~8月は18:00まで)となっています。
レストランは2019年2月にリニューアルオープンしました。
吉野ヶ里ならではの地元食材を使ったヘルシーな料理が楽しめるようになっています。
「古代貝汁御膳」という吉野ヶ里歴史公園ならではのメニューがありました。
赤米を使ったメニューが豊富なのも、気分を盛り上げてくれますね。
もちろん、600円のざるそばといった基本的な食堂メニューも取り揃えています。
営業時間は10:30〜17:00(6~8月は18:00まで)で、閉店1時間前にオーダーストップとなっているためご注意ください。
座席は約90席あり、食事や弁当の予約のほか、団体(10名)の予約も受け付けています。
詳しくは 公式サイト をご覧ください。
筆者吉野ヶ里歴史公園に対して、これまで「弥生時代の遺跡」というイメージしかありませんでした。
しかし、今回の取材を通じ、広大な敷地の中で思いっきり遊べる自然公園だということがよくわかりました。
今度は家族みんなで思いっきり遊びに行ってみたいと思います!
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公開日 : 2019/06/07