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モンゴルの首都、ウランバートル(Ulan Bator)。
日本から直行便が就航しており、成田空港からは片道5時間30分。
東南アジアの人気観光地でおなじみのハノイやバンコクでも最短6時間半から7時間前後かかるところ、モンゴルなら比較的短い時間でアクセスできます。
そうとは言え、日本から訪れる旅行者はまだまだ少ないのが現実。
他の国に比べると情報が圧倒的に少ないため、観光地としてのイメージはあまり湧かないかもしれませんが、「マイナーな国だからこそ訪れてみたい」という意見も聞かれます。
筆者もそんな思いを抱えていた旅人の1人で、遂に2023年4月に念願のモンゴルを訪れました。
10日ほどウランバートルに滞在したので、その期間に体験した出来事を交えて皆さんに情報をお届けします。
ウランバートルはモンゴルのほぼ中央に位置する、モンゴル最大の都市。
この街には総人口の半分以上にあたる約145万人が居住し、その割合は現在も増加傾向にあります。
モンゴルといえば草原のイメージが強いかもしれませんが、中心部はかなり都会なので正直あまりモンゴルに来たという気分は味わえません。
やはり、壮大な自然を味わうなら少し足を延ばして国立公園を訪れるのがおすすめです。
中国とロシアという2つの大国に挟まれたモンゴルは、これらの国々の特徴を兼ね備えながら、どちらでもない不思議な魅力を持ちます。
特に首都ウランバートルにある建物の多くは、社会主義時代の影響を強く感じさせます。
街全体には旧ソ連の面影が色濃く残るなか、一部の地域にはチベット仏教の寺院が集う。
この街に漂う絶妙なアンバランス感は、不思議と旅人を魅了します。
建物自体はそれほど古くはありませんが、歴史ではなく「時代」を感じさせるものばかりです。
モンゴル国内はお世辞にも、公共交通機関が発達しているとは言えません。
それでも、ウランバートル中心部に限っては路線バスが街のほぼ全体を網羅しているため、それほど不便に感じることはないでしょう。
Google Mapで行き先を入力すれば自分が乗るべきバスの系統はしっかりと表示されますし、なにより1乗車あたり20円という運賃の安さが魅力。
時刻表はあくまでも目安なので、バス待ちの際はなるべく時間に余裕を持って行動するようにしましょう。
正規のタクシーは存在するのですが、中心部で見かけることは滅多にありません。
モンゴルでは未だに白タクが主流なので、乗車前の料金交渉は必須です。
ただし、現地のドライバーはほとんど英語が通じないので、粘り強く交渉する必要があります。
Uberのような配車アプリも存在するのですが、筆者が訪れた際は設定言語に英語がなく、非常に困りました。
ウランバートル市内は渋滞も酷いため結局バスに乗った方が早い...なんてことも日常茶飯事です。
ここでは、ウランバートルを訪れる前に知っておくと便利な情報をご紹介します。
カラコルムやゴビ砂漠などモンゴルを代表する観光地を訪れる場合も必ず経由する都市なので、少なくとも1泊は滞在するのが理想です。
旅行を計画する際はぜひ参考にしてみてください。
ウランバートルは緯度が高く、標高1,350mに位置することから「世界で最も寒い首都」の一つに数えられています。
典型的な大陸性気候で知られ、夏でも朝晩の気温差が激しいのが特徴です。
降水確率は日本に比べると4分の1程度なので雨季はありませんが、代わりに長い冬があるため、観光に適した時期は一年を通じて3〜4ヵ月に限られます。
湿度が低く乾燥しているので、旅行の際は保湿用のスキンアイテムが手放せません。
ウランバートルを訪れるなら、夏の時期(6〜9月)がおすすめです。
この時期は日中の最高気温が25〜30度前後で、周辺の国立公園も鮮やかな緑に覆われ「これぞモンゴル!」と言えるような絶景を楽しむことができます。
市内中心部だけを観光するのであれば、4月から10月頃まで可能ですが本格的な冬の装いが必須となります、
筆者が訪れた際は4月末にも関わらず、夕方の気温は氷点下でした。
夏でも朝晩はとても冷えるので、防寒着は忘れずに持参するようにしましょう。
市内中心部は意外とコンパクトで、主要な見どころが集中しているため観光しやすいでしょう。
本記事で紹介する観光スポットだけなら、2泊3日あれば十分回れます。
テレルジ国立公園やチンギスハーン像テーマパークは郊外に位置しているので、事前にツアーを手配しておくと便利でしょう。
これらはどちらかと言うと空港寄りなので、到着時に迎えに来てもらって直行するのが最も効率的な観光ルートとなります。
観光時に外を歩く際は、スリに注意してください。
モンゴルではひったくりや強盗、殺人といった凶悪犯罪は滅多に発生しませんが、スリは地元の人でも被害に遭うほど頻繁に起きています。
現地に住むモンゴル人いわく、最も危険なのはバスの車内と信号待ちのタイミングだそうです。
モンゴルは貧困率が高く、生きるためにやむを得ず盗みを働く人も存在します。
なかにはアルコール中毒者と見られる人も紛れているため、路上を歩く際に少しでも違和感を感じる場合はそういった人達からなるべく離れるようにしてください。
幸運なことに、筆者は滞在中嫌な思いをすることはありませんでしたが、スリだけは本当に気を付けてほしいと思います。
ここからはウランバートル観光に欠かせない見どころを紹介していきます。
入場料は現金払いが主流なので、事前の両替をお忘れなく。
それぞれの観光スポットはスフバートル広場を中心として近い順に並べているため、モデルコースとしても活用いただけます。
多くの施設は18時閉館なので、一日だけ観光するという方はしっかりと計画するようにしましょう。
ウランバートル市内中心部に位置する大きな広場。
中央にはモンゴル人民革命の父として親しまれる国民的英雄・スフバートルの騎馬像が安置されています。
この広場は、1921年に中国からの独立宣言が行われた場所なのだそう。
銅像の台座には独立宣言時の発言が刻まれています。
正面の政府宮殿に鎮座するのは、チンギス・ハーン像。
日没後はライトアップが施され、日中とは異なる雰囲気が楽しめるので時間に余裕のある方はぜひ2度足を運んでみてください。
住所 : Peace Ave, Ulaanbaatar, Mongolia
マップ : Googleマップ
アクセス : チンギスハーン国際空港から車で35分
営業時間 : 24時間常時開放
料金 : 無料
チンギス・ハーン広場から徒歩5分ほどの場所には、モンゴル帝国の歴史に関する国立博物館があります。
2022年10月にオープンしたばかりの新しいスポットで、国内最大級のミュージアムとして話題を呼んでいます。
この国はかつて世界の半分あまりを征服したといわれ、その歴史は2000年におよびます。
館内の収蔵数は1万点以上を誇り、常設展のほかARなど最新技術を駆使したユニークな展示が注目を集めています。
筆者も実際に訪れてみたのですが、モンゴルの歴史にあまり詳しくない自分でも楽しめました。
モンゴル各地を周遊するなら、出発前に訪れてモンゴル史を予習しておくとさらに理解が深まるでしょう。
住所 : J.Sambuu St, Ulaanbaatar 15141 モンゴル
マップ : Googleマップ
アクセス :
電話番号 : +976 7021 2222
定休日 : 火曜日
営業時間 : 9:00~17:00 ※季節により閉館時間が異なることあり
料金 : 大人 30,000₮、高校生以下 15,000₮ (モンゴル国民の場合は16歳以下は無料)
備考 : ロビーや一部の展示物以外は基本的に写真撮影不可
公式サイト : チンギス・ハーン国立博物館
チンギス・ハーン広場の北西側には、博物館がもう1ヵ所あります。
モンゴル国立民族歴史博物館は今から約100年前に誕生した、国内初のミュージアムです。
館内のコレクションは5万点近くあり、歴史だけでなく民族の伝統衣装や遊牧民の生活など多岐に渡ります。
チンギス・ハーン国立博物館はモンゴル史に重きを置いた展示内容ですが、こちらは総合的に楽しめるのが特徴です。
入口付近にはミュージアムショップも入居しているので、お土産を探している人はぜひ立ち寄ってみてください。
住所 : 1 Tourist Street, 14201 Ulaanbaatar, Mongolia
マップ : Googleマップ
アクセス :
電話番号 : +976 7011 0911
定休日 : 日曜・月曜
営業時間 : 9:00〜18:00(最終入場17:00)
料金 : 大人10000Tg、学生2500Tg、小人1000Tg ※写真撮影は別途10000Tg
チンギス・ハーン広場のすぐ目の前には、ウランバートル市内を東西に横切る大通りがあります。
ノミンデパートはこの通り沿いに位置する、モンゴル最大のデパートです。
前身は国営デパートなので、社会主義時代の趣たっぷり。
デパートと言ってもそれほど規模は大きくありませんが、当時にタイムスリップした気分を味わうなら十分です。
地下1階にはスーパーマーケット、5階には広々とした土産物コーナーがあるのでモンゴルらしい商品をお探しなら訪れる価値あり。
4階ではSIMカードも格安で購入可能です。
住所 : Номин Юнайтэд Хан-Уул дүүрэг, Чингисийн өргөн чөлөө Улаанбаатар 17042, Монгол Улс, 210136, Ш/Ч-2316
マップ : Googleマップ
アクセス : チンギス・ハーン広場から徒歩15分
電話番号 : +976 7577 8888
定休日 : なし
営業時間 :
公式サイト : ノミンデパート
ガンダン・テクツェンリン寺院は、モンゴル最大のチベット寺院。
モンゴルの宗教といえばイメージが湧きにくいかもしれませんが、国民の多くはチベット仏教を信仰しています。
創建されたのは18世紀後半、現在見られるのはソ連時代に破壊されたのち1996年に再建されたものです。
高さ25mのご本尊「観世音菩薩像」は、この世のあらゆる災難から身を守るご利益があるといわれています。
周囲を囲むマニ車は回転させると徳を積める大変縁起の良いものなので、参拝に訪れるついでに回してみましょう。
住所 : Gandan Monastery District, Ulaanbaatar 16040
マップ : Googleマップ
アクセス : 市内循環バス・ガンダン寺北停留所下車徒歩2分
電話番号 : +976 11 36 0354
定休日 : なし
営業時間 : 9:00~17:00
料金 : 観音堂4000Tg、写真撮影7000Tg
備考 : 露出の高い服装での入場は厳禁
市内中心部の南側には、モンゴル最後の君主が冬の宮殿としていた建物があります。
この宮殿は1893年から1905年にかけて築かれたもので、現在は複合美術館として公開されています。
ボグド・ハーンはかつて4ヵ所の宮殿を所有していましたが、そのうち3ヵ所はソ連および中国共産党の軍によって破壊されてしまいました。
市内には当時の様子が伺える建物がほとんど残されていないため、このような場所は大変貴重です。
宮殿は美しい建築もさることながら、美術品のコレクションも非常に見応えがあります。
筆者は個人的にウランバートル市内でこの博物館が一番好きです。
住所 : Bogd Khaanii Ordon, Ulaanbaatar, Mongolia
マップ : Googleマップ
アクセス :
電話番号 : +976 11 34 2195
定休日 : 無休(冬期は火・水曜日)
営業時間 : 9:00〜18:00(冬期は10:00〜17:00)
料金 :
ボグド・ハーン宮殿博物館の約1.5km南にある小高い丘。
頂上には1971年に建設された第二次世界大戦における戦勝記念碑があります。
モニュメントの内側にはナチスドイツと大日本帝国にソ連・モンゴル両軍が協力して打ち勝ったという壮大なプロパガンダのモザイク画があります。
こちらは見晴らしがよく、ウランバートル市内が一望できるので、時間がある方はぜひ足を延ばしてみてください。
ここから眺める夜景も素敵なので、夜に訪れても楽しめますよ。
街を見渡せば、ウランバートルの大きさを改めて実感します。
住所 : Khan-Uul District, 11th khoroo, Dunjingarav 14 Ulaanbaatar, Mongolia
マップ : Googleマップ
アクセス :
営業時間 :
料金 : 無料
中心部の東側にはローカル感たっぷりの青空市があります。
社会主義時代には闇市として発展した場所ですが、今でも変わらぬ賑わいを見せています。
市場では衣類や雑貨、カーペットに家具までありとあらゆるものが販売されています。
ゲルや騎馬遊牧民の長靴など、モンゴルならではの日用品もここなら全て手に入ると言っても過言ではありません。
一部の情報によるとボッタクリがあるそうですが、筆者的にはそんなことが全く気にならないほど安い印象を受けました。
現地の人と英語でコミュニケーションするのは少しハードルが高いですが、スマホの計算機を出せば皆さん快く対応してくれます。
とにかく色々な物が揃う場所なので、お買い物目的でなくても楽しめること間違いなしです。
住所 : Narantuul Market Khoroo 14, Ulaanbaatar, Mongolia
マップ : Googleマップ
アクセス : チンギス・ハーン広場より車で20分弱
電話番号 : +976 7711 7711
定休日 : 火曜日
営業時間 : 9:00~19:00
モンゴルは日本に比べると物価の安い国ですが、正直なところホテルの宿泊料金はそこまで変わりありません。
もちろん安いところもありますが、基本的にクオリティーは価格に比例すると考えてください。
ここでは筆者は実際に滞在した2つのホテルをご紹介します。
どちらも清潔かつリーズナブルで日本人旅行者でも安心して泊まれる宿なので、ぜひチェックしてみてください。
スフバートル広場から約1.4kmの場所にある「 ミレニアムプラザモール&ホテル 」は、4つ星ホテル。
ウランバートルのホテルは5つ星でも古かったり必ず残念なポイントがあるのですが、こちらの客室はモダンで水回りも清潔な印象です。
筆者が宿泊したのは広さ28平米のデラックスツイン。
ベッドは程よい弾力で寝心地抜群、客室には大きめのデスクも備えられているためデスクワークも快適です。
宿泊者は朝食が無料で楽しめるので、朝食付を条件にホテルをお探しの方は必見ですよ。
住所 : Bayanzurkh district, 3rd khoroo, Tokyo St, Ulaanbaatar, モンゴル
マップ : Googleマップ
アクセス :
電話番号 : +976 7730 5599
営業時間 : チェックイン 14:00~/チェックアウト ~12:00
予約サイト : Booking.com Hotels.com Trip.com
節約派の旅行者におすすめなのが ザヤ ホステル 。
コンビニと最寄りのバス停まで徒歩1分、デパートまで2分という神ロケーションながら1泊 5,000円前後で泊まれる穴場のホテルです。
ホステルという名ではありますが、ドミトリーはなく全て個室となります。
オーナーは気さくで、まるで友人の家を訪ねているかのようなアットホームな雰囲気です。
各地へのバスチケットやツアー、空港送迎も安く手配してくれます。
共同キッチン完備なので、自炊したい人にもおすすめですよ。
住所 : 25/4 Chingeltei District, 3rd khoroo, Chingeltei, Ulaanbaatar
マップ : Googleマップ
アクセス :
電話番号 : +976 9908 9478
営業時間 : チェックイン 24時間可能/チェックアウト 10:00~11:00
予約サイト : Booking.com
モンゴルの首都ウランバートルにあるおすすめの観光スポットとホテルをご紹介しました。
この街は各地への観光拠点として便利なだけでなく、歴史や文化にまつわる見どころが盛り沢山。
1〜2泊あればひと通り回れるくらいのコンパクトな街なので、旅行の際はぜひ立ち寄ってみてください。
※モンゴルの観光関連記事: 大草原の国・モンゴルのおすすめ観光スポット18選!知られざる絶景からユニークなアクティビティまで厳選
最終更新日 : 2023/08/25
公開日 : 2023/08/24