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4. ディオニソス劇場(Theatro tou Dionysou)
ギリシャ語で「高い所にある都市」という意味を持つアクロポリス。
その名の通り、古代ギリシャ時代に丘の上に建てられた都市国家のことを指します。
神殿を中心に、多くの建造物が加えられながら次第に出来上がっていった集団社会です。
各地に数多く残るアクロポリスの中で最も有名なのが、ギリシャの首都アテネにあるもので、このアクロポリスは歴史的観点だけでなく建築学的にも大変重要視され、ユネスコ世界遺産に登録されています。
アテネのアクロポリスは、古代ギリシャ時代の中で最も完成度の高い国家都市で、高さ156mの丘に170m×350mの敷地を利用して街づくりがなされました。
もともとこの地には、紀元前4000年から3000年に人々が住んでいたという形跡があるものの、現存する最古の遺跡は、紀元前13世紀に作られた要塞の壁です。
その後、時代の移り変わりとともに、ギリシャ神話に影響を受けながら街が存続。
女神アテネがこの街の守護神として讃えられると、紀元前5世紀後半頃からアテネは繁栄の一途をたどることになりました。
当時ペルシア人との戦いに勝利し権力を強めだし、政治家ペリクレスの指導のもと民主主義を確立し権力と支配力を強めていくとともに、独自の建築様式を開花させ、アクロポリスにパルテノン神殿、エレクティオン神殿を始め多くの美しい建造物を作り上げていったのです。
しかし、世界で最も文明の先端を行っていたギリシャ人達が、この素晴らしい建造物を一体どのようにして作ったかは今もなお解明されていません。
1年中観光は可能ですが、ベストシーズンは秋または冬の終わりから早春。
夏も観光はできるものの、日中はかなり暑くなるため早朝または夕刻の観光をおすすめします。
歩きやすい靴を履き、水を持参することをお忘れなく。
ギリシャの首都アテネまでは、現在日本からの直行便はありません。
ヨーロッパ、中東、アジアなどの乗り継ぎ便の利用となります。
ギリシャ入国に際しては、観光目的の90日以内滞在ならビザ(査証)は不要です。
ただし、入国時3カ月+滞在日数以上有効なパスポートが必要なのでチェックしておきましょう。
<バス>
到着ロビー階の出口4と出口5の間から出発。行き先は4つ、24時間運行。大人6ユーロ、子供3ユーロ
-X93 キフィソス(Kifissos) KTEL 長距離バスステーション 所要65分
-X95 シンタグマ(Syntagma) 所要70分
-X96 ピレウス(Piraeus)港 所要 90分
-X97 エリニコ(Eliniko)メトロ駅 所要100分
<メトロ>
Line3がシンタグマ(Syntagma)など市内各所に停車します。
6:30〜23:30まで30分ごとに運行。所要40分。大人10ユーロ、子供5ユーロ
バスおよびメトロ3日間チケットは、大人用のみ22ユーロで空港往復も利用可能で便利です。
<タクシー>
定額料金制度で、市内まで38ユーロ(5:00〜0:00)、54ユーロ(0:00〜5:00)。
荷物が多い場合や、ホテルまで直接行きたい&早めに行きたい方は、ちょっと高くてもタクシーが便利です。
<徒歩>
シンタグマ(Syntagma)広場から徒歩15分
プラカ(Plaka)から徒歩5〜10分
<メトロ>
赤ライン(Line2)のアクロポリス(Acropolis)駅を降りるとすぐ外は博物館。
そこから徒歩10〜25分ほど。
<バス>
シンタグマ(Syntagma)広場やパネピシティミオ(Panepistismio)からバス#230でアクロポリス下車。
バス#1、5、040、230、A2、A3、B2でマクリギアニ(Makrigiani)下車して徒歩10分ほど。
ピレウス(Piraeus)港からバス#X80でアクロポリス(Acropolis)下車。
年間を通じて、下記の指定日はアテネの全博物館や遺跡が無料になります。
3月6日、4月18日、5月18日、9月の最終週末、11月から3月の間の各月第1日曜日
これ以外の日はチケットが必要です。
チケットはアクロポリスのみと、市内7か所の見学ができるコンビネーションの2種類。
アクロポリス単体だけでも大人20ユーロなので、他の観光予定がある場合はコンビネーションがお得な上に、各所でチケットを買う手間も省けるためおすすめです。
アクロポリスでの購入は行列が出来ている場合もあるので、穴場なのは空いている「ハドリアン図書館」での購入です。
パルテノン神殿やエレクティオン神殿を含むシタデル(古代要塞)エリアおよびオデオンやディオニソス劇場など
4月1日〜10月31日 大人 20ユーロ、子供(18歳未満) 10ユーロ
11月1日〜3月31日 大人 10ユーロ、子供(18歳未満) 5ユーロ
アクロポリス、ハドリアン図書館、古代アゴラ、リケイオン遺跡ローマン アゴラ、ケラメイコス墓地など計7か所
大人 30ユーロ(4日間有効)
アクロポリスには2つの入り口があります。
メインの入口は西側、もうひとつは南側です。
ほとんどの旅行者はメイン入口(西側)から入場しますが、南側の入口は離れたところにあるため、メイン入口に比べて空いている場合があります。
ここでは、アクロポリスの主要な建造物と、麓にある博物館をご紹介します。
ペリクレスによって紀元前5世紀に建てられらたパルテノン神殿は、知恵の女神アテナに捧げるために建設されました。
土台は石灰岩、柱は大理石を使用して幅31m、奥行き69mのドリス様式で、古代ギリシャ時代の代表的な建造物となっています。
ペルシャとの戦争の勝利に感謝し、金と象牙で作られた高さ12mの女神アテナの像を祀るために作られたものです。
パルテノン神殿には正面に8つの柱、側面に17の柱があり、縦横の比率は9:4。
この数字はこのあと作られる建造物のお手本となっています。
時代が流れ、古代ギリシア時代が衰退し、ローマ帝国が猛威を振るい出した6世紀には、ギリシャ正教会によりマリア聖堂と名を変え、祈りの場となりました。
その後、15世紀にオスマントルコ帝国が支配するようになってからは、イスラム教のモスクとして利用されるとともに弾薬庫として利用されました。
しかし、1687年ベネチア軍が攻撃を始めると弾薬庫が爆破して、パルテノン神殿の多くの部分が破壊することとなりました。
20世紀になり長年の修復作業の結果、ようやく現在の姿となりました。
実物のほとんどはロンドンの大英博物館に展示されていますが、古代からこの地で繰り広げられた歴史を想像しながら見学すると、より一層感慨深く感じることでしょう。
半神半人、神格化された英雄と言われるアテナイの王エレクティオンの名を持つ神殿です。
この神殿の1番の特徴は、なんと言っても神殿の南側を支える6人の美しい女人像柱。
女神像すべてはレプリカですが、本物は5体が新アクロポリス博物館に、もう1体がロンドンの大英博物館に保管されています。
ギリシャ神話によると、アテネの街をかけて知恵の神アテナと海の神ポセイドンの決戦が行われました。
この戦いで女神アテナがこの地に平和の象徴オリーブの木を植えたことにより、勝利を得ることになったと伝えられています。
以降、オリーブの木はそれ以降ギリシャ人の生活の必需品に、なくてはならない存在となりました。
神殿の敷地内でもたくましく生き続けるオリーブの木々を見ることができます。
勝利の女神ニケを祀る神殿で幅5.4m、奥行き8.3m。
美しい大理石で作られたこの神殿は、小さい建物のため両側に4本ずつの柱があるのみ。
イオニア様式の上品な風格の建物は「アクロポリスの真珠」とも呼ばれています。
勝利の女神ニケには羽根があるのですが、このニケには羽根が付いていません。
一般的に「翼のないニケ」と呼ばれるこの女神に羽根が付いていないのは、勝利の女神がアテネからどこかに飛んで行ってしまわないようにと、アテネ市民がわざと羽根を付けなかったのだろうと言われています。
ちなみに、勝利の女神ニケとはローマ字で書くとNike。
スポーツ用品メーカー「ナイキ」はこの女神から名前をとったそうです。
アクロポリスの丘の南側の麓、ディオニソスの聖域となる場所に劇場が作られています。
酒と演劇の神ディオニソスに捧げたこの劇場は17,000人収容可能で、観劇は古代ギリシャ人たちにとって最大の娯楽でした。
毎年春になると行われるディオニソス祭では、4日に渡り悲劇や喜劇を上演しディオニソスを盛大に祝ったと言います。
その後、ローマ時代には石板で客席と劇場が仕切られ、剣闘士競技や水を使った催しものでの娯楽が行われ、座席も貴賓席として大理石で背もたれ付きのものまで作られ始めました。
舞台後方あたりには、ディオニソス神話の物語がレリーフとなって飾られています。
この劇場は、近くにあるもっと小さいオデオン イロドィオ アティコス音楽堂とよく 間違えられますのでご注意ください。
最後に一番の高台まで行くと、アテネ市街が一望できる展望所があります。
意外に住宅が密集しているのが良くわかりますね。
ギリシャ語名 :ἀκρόπολις
住所 :Acropolis, Dionysiou Areopagitou street, Athens
マップ: Googleマップ
アクセス :
地下鉄M2線のアクロポリ(Akropoli)駅下車
詳しい行き方については本文中に記載
電話番号 :0210-9238647
定休日 :1月1日、3月25日、5月1日、復活祭の日曜日、12月25日、12月26日
営業時間 :8:00〜20:00
料金 :
4月1日〜10月31日 大人 20ユーロ、子供(18歳未満) 10ユーロ
11月1日〜3月31日 大人 10ユーロ、子供(18歳未満) 5ユーロ
公式URL : ἀκρόπολις
アクロポリス観光の仕上げに訪れていただきたいのが「アクロポリス博物館」です。
2007年に再建されたアクロポリス博物館は、25,000平方メートルの敷地内に14,000平方メートル以上という広大さ。
この広い空間を利用して、アクロポリスに関する様々なものがとても見やすく展示されています。
展示品は発掘場所によって区分されており、パルテノン神殿、エレクティオン神殿、アテナ ニケ神殿はもちろんのこと周辺地域のものまで揃っています。
大理石の彫刻とは思えないようなしなやかな曲線を描く像や、乳白色に輝くレリーフなど美しい傑作ばかり。
2,000年以上も前に作られた芸術作品が目の前にずらりと並んでいるなんてとても贅沢ですよね。
アクロポリスを見学したあとに、実際に発掘された現物、本物をじっくりと鑑賞するという順番がおすすめです。
アクロポリスを眺めながらのお食事やティータイムはいかがでしょうか。
アテネ市内には、アクロポリスを望むレストランがいくつもありますが、味に定評があり、雰囲気も抜群なのが博物館2階にあるレストラン。
博物館レストランとして世界のベスト5に選ばれたほどの人気店で、ギリシャの伝統料理が味わえます。
金曜日の夜ならジャズを聞きながらスペシャルグルメメニューと夜景が楽しめるとあって人気。
興味がある方は、 こちら からメニューなどをチェックしてみてくださいね。
1階のカフェでは、軽食やデザートが手軽な値段で楽しめるので、見学の休憩におすすめです。
ギリシャ語名 :Μουσείου Ακρόπολης
住所 :15 Dionysiou Areopagitou Street,Athens
マップ: Googleマップ
アクセス :地下鉄M2線のアクロポリ(Akropoli)駅から徒歩3分。
電話番号 :0210-9000900
定休日 :1月1日、復活祭日曜日、5月1日、12月25日、12月26日
営業時間 :
4月1日〜10月31日
月曜日 8:00〜16:00
火〜日曜日 8:00〜20:00
金曜日 8:00〜22:00
11月1日〜3月31日
月〜木曜日 9:00〜17:00
金曜日 9:00〜22:00
土〜日曜日 9:00〜20:00
料金 :大人 5ユーロ、子供(18歳未満) 3ユーロ
公式URL : Μουσείου Ακρόπολης
アクロポリスを実際に訪れ、偉大な建築物を目の当たりにすると、当時の人々の暮らしぶりや栄光、繁栄などを感じ取ることができます。
古代ギリシャの世界をじっくりと味わうには駆け足ではもったいない。
たっぷりと時間をかけて、遺跡の隅々まで堪能してくださいね。
また、アテネ市内には他にも魅力ある観光スポットがたくさんあるので、ゆったりとした行程でギリシャの旅を楽しんでください。