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ウラジオストクとは、ロシア語で「東方を征服せよ」という意味です。
帝政ロシア時代、不凍港を持つウラジオストクは、東方政策の重要な拠点として栄えました。
ウラジオストクは日本との関係も深く、シベリア出兵から1922年に日本軍が撤退するまでの間、市内には多くの日本人が居住していました。
ソ連時代になるとそれまでの国際色豊かな都市とは一変し、外国人の立ち入りが禁じられた閉鎖都市となります。
ソ連崩壊後、再び開放されたウラジオストクは、アジア太平洋地域との交流の拠点となっています。
亜寒帯冬季少雨気候に属するウラジオストクは、札幌と同じくらいの緯度に位置し、一年を通して冷涼な気候です。
最も暑い8月の平均最高気温は23℃、最も寒い1月の平均最低気温はマイナス13℃で、特に冬の冷え込みは厳しくなります。
そんなウラジオストクの春の訪れは遅く、5月半ば。
7月中旬までは気温自体は過ごしやすくなるものの、霧や小雨の多い日が続きます。
その後の7月下旬~8月にかけてが、ウラジオストク観光のベストシーズン。
太陽が輝き、海辺には海水浴客が押し寄せます。
また、秋も観光にはおすすめのシーズンです。
肌寒くなりますが、空気がキリっと澄み渡り、紅葉は息をのむような美しさです。
11月にもなると、ウラジオストクの長い冬が始まります。
2019年7月現在、ウラジオストクへは成田空港、関西国際空港、新千歳空港から直行便が出ています。
フライト時間は2時間~2時間半です。
航空運賃の相場は3万円台~6万円台。
ベストシーズンである8月のお盆でも、5~6万円ほどで航空券が取れるので、穴場の旅行先と言えるでしょう。
ロシアのビザの取得は非常に手間がかかり、今までは旅行会社に依頼して取得してもらうことが一般的でした。
しかし、2017年から電子ビザの発給が始まり、比較的容易に自宅から申請が行えるようになりました。
以前より簡単になったビザの発給ですが、いくつか注意点があるため事前にご確認ください。
ウラジオストクの空港は、市内から40km程離れたアルチョム市にあります。
空港からはアエロエクスプレスという電車が走っていますが、一日の本数が5本と少なく、最終便の時間も早め。
日本からの飛行機は夜着の便が多いので、タクシーの利用がおすすめです。
市内までは所要約1時間、1500ルーブルが相場です。
ウラジオストクの町は小さく、中心部は徒歩で観光することが可能です。
少し離れた鷹の巣展望台やマリンスキー劇場へ行く場合には、バスかタクシーを利用しましょう。
特におすすめなのが、uberのようなタクシー配車アプリのgett(ゲッティ)です。
流しのタクシーは料金交渉制なので、ロシア語の出来ない観光客にとってハードルが高いですが、配車アプリを使えば料金も明瞭です。
ウラジオストクの中心街はとってもコンパクト。
観光スポットの多くは中心街にあるため、ほぼ徒歩で見て回ることが出来ます。
ウラジオストクの街並みは、日本に一番近いヨーロッパと言われるだけあって異国情緒たっぷり。
特別なことをしなくてものんびりと、ただ歩き回るだけでも楽しめますよ。
市内は坂道がとっても多いので、歩きやすい靴で出かけましょう。
ウラジオストクで最も賑わいのある通りが、アドミラーラ・フォーキナ通り(通称:噴水通り)です。
市内中心部を通るこの道には噴水が沢山あり、両脇にはヨーロッパ風の建物が立ち並んで華やかさが感じられます。
歩行者天国なので、お店を眺めながらゆっくり散策するのにもぴったりです。
噴水通りをずっと進んでいくと、海水浴客が集まるスポーツ湾に辿り着きます。
噴水通りを進んだ先のスポーツ湾沿いは、ウラジオストクの人々に人気の明るい遊歩道です。
海岸沿いに遊園地やカフェが立ち並び、余暇を楽しむ人々に溢れます。
「カルセリ」という昔懐かしい雰囲気の小さな遊園地は、ノスタルジックな雰囲気で写真映えも抜群。
日本では考えられないですが、ここの観覧車はガラスに囲われておらず、開放感満点です。
時間があったら是非乗ってみてください。
ロシア語名 : Карусель
住所 : Батарейная ул., 1, Владивосток, Приморский край, 690091
マップ: Googleマップ
公式URL : 海岸通り遊園地(カルセリ)
シベリア鉄道の終着駅として知られているウラジオストク駅。
1894年に竣工した駅舎は、1912年に古代ロシアの宮殿を思わせるデザインに改築され、現在に至っています。
駅の中に入ると、あちこちにロシア民話を題材としたレリーフがあり、特に待合室のモスクワとウラジオストクの風景が描かれた天井画は必見です。
ホームの奥に進むと「モスクワより9288km」と書かれた石碑があり、遥か彼方モスクワへの旅情を誘います。
ロシア語名 : Железнодорожный вокзал г. Владивостока
住所 : Владивосток,Алеутская, 2
マップ: Googleマップ
帝政ロシア最後の皇帝ニコライ2世が、ウラジオストクに立ち寄った記念として建てられました。
この凱旋門はロシア革命の際に一度破壊されてしまいましたが、2003年に再建されました。
ロシアらしい雰囲気のある建物なので、ロシア人カップルの写真スポットとしても人気です。
ロシア語名 : Николаевские триумфальные ворота
住所 : Владивосток,Петра Великого, 2
マップ: Googleマップ
金と青の玉ねぎ型の屋根が美しい、ロシア正教の教会です。
1902年に建造されましたが、ソ連時代になると宗教の信仰が禁止され、教会も破壊されてしまいました。
ソ連崩壊後、ロシア各地で教会再建の動きが起き、2003年にパクロフスキー教会も再建されました。
内部には美しいイコンがあり、人々がイコンにろうそくを捧げています。
日曜日8時からはミサが行われ、教会は荘厳な雰囲気に包まれます。
信仰の場なので、内部の写真撮影は禁止です。
入口でスカーフの貸し出しを行なっているため、女性は髪を隠すようにしましょう。
ロシア語名 : Покровский храм
住所 : Владивосток, Океанский проспект, 44
マップ: Googleマップ
定休日 : 無休
営業時間 : 8:00~19:00
料金 : 無料
グム百貨店は、帝政ロシア時代に建てられたウラジオストクを代表する歴史的建造物です。
ソ連時代に百貨店を意味する「グム」と呼ばれるようになり、長らく町一番の良いものが買えるお店として愛されてきましたが、現在ではZARAなどが入居するテナントビルとなっています。
人気なのは、グム百貨店そのものよりも「グム裏」と呼ばれるエリア。
れんが倉庫の壁のアート、おしゃれなカフェにセレクトショップが揃い、活気に溢れています。
ロシア語名 : Большой гум
住所 : Владивосток, Светланская, 35
マップ: Googleマップ
定休日 : 無休
営業時間 : 10:00~20:00
公式URL : グム百貨店
金角湾大橋のたもと近くにある、ソ連の主力潜水艦C-56の内部を見学できる博物館です。
現役時の姿を留めるC-56は全長77mと迫力満点。
博物館内にはロシア海軍の歴史や第二次世界大戦当時の写真等が飾られ、軍港として発展したウラジオストクの歴史を振り返ることができます。
ロシア語名 : Мемориальная гвардейская краснознаменная подводная лодка С-56 (Mузей)
住所 : Владивосток, ул. Светланская, 66
マップ: Googleマップ
定休日 : 無休
営業時間 : 10:00~18:00
料金 : 100ルーブル
公式URL : 潜水艦C-56博物館
「浦潮」と呼ばれ、19世紀後半から20世紀前半にかけて、数多くの日本人が暮らしたウラジオストク。
町の中には、現在でも当時の日本の足跡が残されています。
代表的な建物は「旧日本国総領事館」「旧東洋学院」「旧日本人学校」「旧堀江商店」など。
現在、建物は失われてしまいましたが、西本願寺の海外拠点だった「浦潮本願寺」の記念碑は残されています。
建物は市街地中心に点在しているので、散策の合間に訪れてみましょう。
旧日本国総領事館: Владивосток,Океанский проспект, 7
旧東洋学院:Владивосток,Пушкинская, 10
旧日本人学校:Владивосток,Фонтанная, 21
旧堀江商店:Владивосток,Алеутская, 39
浦潮本願寺跡:Владивосток,Алеутская, 57
旧朝鮮銀行:Владивосток,Океанский проспект, 9/11
旧浦潮日報編集部:Владивосток,Океанский проспект, 13
市の中心部から徒歩で20~30分、ウラジオストクを一望する高台に設けられた展望台です。
眼下には金角湾大橋を中心に、ウラジオストクの全景が広がります。
地元では結婚式の撮影の定番スポットになっているため、運が良ければロシアの花嫁さんに出会えるかもしれません。
ロシア語名 : Видовая площадка<Орлиное гнездо
住所 : Vladivostok 28-13, Russia
マップ: Googleマップ
2012年に、ウラジオストクでロシア初のアジア太平洋経済協力会議(APEC)が開催されました。
APEC開催にあたりウラジオストクでは空港、橋、鉄道などの大規模なインフラ整備が行われ、その一貫として開通したのが金角湾大橋です。
橋脚の高さは225メートル、全長は1388m。
現在歩行者は渡れないので、渡る場合にはタクシーかバスを利用しましょう。
ロシア語名 : Золотой мост
住所 : Bridge across Goldern Horn Bay, Vladivostok, Russia
マップ: Googleマップ
金角湾の入り口に立つ、真っ白な美しい灯台です。
冬は周りの凍った海の上を歩いて、灯台まで渡ります。
夏の満潮時には道が海に沈み、渡れなくなってしまうので要注意。
アクセスは悪く、ウラジオストク駅からバスで20分、終点から徒歩30分かかりますが、ここから眺める金角湾は格別です。
ロシア語名 : Токаревский маяк
住所 : Tokarevsky Cape, Vladivostok 690065, Russia
マップ: Googleマップ
ロシアはバレエがとても盛んな国。
特に名門として名高いのが、世界五大バレエ団の一つであるサンクトペテルブルクのマリンスキー劇場で、「くるみ割り人形」や「白鳥の湖」の初演でも知られています。
そんな一流バレエが格安で楽しめるのもウラジオストクの魅力の一つ。
金角湾大橋のたもとには、2012年に完成したばかりのマリンスキー沿海州劇場があり、一年を通して公演が行われています。
ロシア語名 : МАРИИНСКИЙ ТЕАТР Приморская сцена
住所 : Владивосток, Фастовская, 20
マップ: Googleマップ
定休日 : 無休
切符売り場の営業時間 : 10:00~19:00
公式URL : マリンスキー劇場
ウラジオストクの南に浮かぶ美しい島・ルースキー島。
ソ連時代は太平洋艦隊の基地となり閉鎖地域となっていました。
その影響で、現在でも手つかずの自然が残されています。
プーチン政権下でリゾート開発が始まり、ネイチャーウォッチングや要塞跡地巡りなど、今やウラジオストク市民に人気の日帰り観光地。
2012年にはAPECの舞台にもなりました。
島内には、ヴァロシロフスカヤ砲台や沿海州水族館があります。
※ヴァロシロフスカヤ砲台は2019年2月より閉鎖中。
ルースキー島に新しくオープンしたロシア最大の水族館です。
世界一とも言われる規模の館内を見て回るには、最低2時間が必要。
アムール川やバイカル湖、日本海等の水中生物の展示はもちろん興味深いのですが、ロシアらしいスケールの大きなジオラマの数々にも注目です。
他にも長い海中トンネルの展示等、見どころが盛りだくさんの沿海州水族館。
観光開発途上のウラジオストクの中ではボリュームのある観光スポットなので、是非訪れたいところです。
ロシア語名 : Приморский океанариум
住所 : Владивосток, о. Русский, ул. Академика Касьянова, д.25
マップ: Googleマップ
アクセス : 市内から15番のバスで約60分
定休日 : 月曜日、水曜日
営業時間 : 9:00~19:00(チケット販売は18:20まで)
料金 : 大人1000ルーブル、子供500ルーブル
公式URL : 沿海州水族館
日本からのアクセスの良さと、ノスタルジックな雰囲気で人気を集めるウラジオストク。
田舎町なので基本的に治安も良く、レトロで可愛い写真スポットも盛り沢山です。
ウラジオストクで、気軽な週末ヨーロッパを楽しんでみてくださいね!
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最終更新日 : 2023/06/14
公開日 : 2019/07/24