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アンダルシア地方の一都市であるコルドバ。
世界でも類を見ないタイプの建物「メスキータ」を一目見たいと世界中の観光客が訪れる町です。
町自体は小さいので、急いでいる方は1日あれば観光可能です。
時間があれば、最低1泊はしてローマ橋のライトアップや、コルドバ名物の料理を食べてのんびりとしてください。
コルドバからは、セビージャ、グラナダまでのバスのアクセスも良いので、マドリードからコルドバ、そしてセビージャからグラナダ(もしくはその逆)とアンダルシア地方を旅するのがおすすめです。
首都マドリードのアトーチャ駅からは、スペイン国鉄が誇る新幹線AVEが1日平均24便、45分間隔で運行しています。
所要時間は最速便で1時間40分なので、どうしても時間がなければ日帰りも可能です。
1等車は1-2配列、2等車は2-2配列で、1等車には機内食のような食事サービスがついています。
ハイシーズンには、良い時間帯や安い2等車が先に売り切れになる場合もあるので、事前に オンライン購入 をするのがおすすめです。
早期購入の割引があるため、予定が決まり次第、早めにチケット購入しておくとお得で安心ですね。
マドリードからコルドバへのバス会社は Socibus が一般的ですが、ホームページがスペイン語のみなのがちょっと残念。
もう一社、 Comes もあり、こちらは英語版もあります。
1日8便、所要時間は4時間15分~4時間50分で、17.70ユーロから24.70ユーロとかなりリーズナブルです。
コルドバ鉄道駅とバスターミナルはほぼ同じ場所にあり、主要観光地であるメスキータまでは歩くと30分ほど。
街歩きが好きな方は、メスキータの塔を目標にしながらブラブラ歩くのも良いですね。
荷物があったり、歩くのは大変という方は、3番と5番の市バスが所要時間約15分~20分で近くまで行きます。
コルドバを訪れたら外せない観光スポットをご紹介します。
イスラム統治が始まった時、当時のカリフ、アブデルラフマン一世は、西ゴート族が使用していた聖ビセンテ教会を買い取り、モスクの建設をスタートさせたのが785年のことでした。
イスラム教徒が増えるにつれ手狭になってきたので、後のカリフの時代にどんどん拡張を繰り返し、10世紀末には2万5千人が礼拝できる規模のモスクになっていました。
一番最初に建設された部分は、中に入るとすぐにわかります。
建設費用を抑えるために、放置されていたローマ時代の神殿の柱を使っていたので、デザインも色合いもバラバラですが、しっかりと台座があり、柱頭にも飾りがついているのが特徴です。
天井を支えるために、綿密に計算されて作られた2重のアーチは、白い石灰岩と赤レンガの組み合わせ。
150年後の大拡張の時には、とにかく急いで大きく広げる必要があったので、オリジナルの雰囲気を壊さない工夫はされているものの、簡素な感じは否めません。
時は流れ、イベリア半島全域に巻き起こったキリスト教徒による国土再征服運動、レコンキスタ。
コルドバは、1236年にキリスト教徒の手により奪回され、イスラム統治の時代を終えます。
当初はイスラム教徒とキリスト教徒は共存し、モスクの中に造られた礼拝堂で、日曜日はキリスト教徒が礼拝をし、金曜日にはイスラム教徒が集団礼拝をするという時代もありました。
ところが、カトリック両王と呼ばれたイザベル女王とフェルナンド王の時代になると、ユダヤ人は追放、イスラム教徒は改宗を迫られ、多くの人がアフリカ大陸に逃げ渡ったのです。
16世紀に入り、このモスクを取り壊して大聖堂を作る計画が持ち上がりました。
これに反対したのは、コルドバ市民。
この芸術的価値の高いモスクを取り壊すのは勿体ないと反対運動を起こしましたが、当時の国王カルロス一世は建築許可を出します。
そして、モスクのど真ん中の柱を壊し大聖堂を作らせたのです。
後にこの地を訪れたカルロス一世は、このちぐはぐな建物を見て、「どこにでも作れる物のために、どこにもない物を壊してしまった。」と後悔する発言をしたと言われています。
この他には例を見ない特異な建物のおかげで、多くの人が訪れるようになったコルドバ。
メスキータはその歴史的な価値から、1984年に世界遺産に登録されています。
スペイン語名 :Mezquita
住所 :Calle Cardenal Herrero 1, Cordoba
マップ: Googleマップ
アクセス:コルドバ駅からバス3番でトリウンフォ下車すぐ
電話番号 :(957)470512
定休日 :無休、不定休有
営業時間 :
月〜土曜10:00~19:00(11~2月は~18:00)
日曜・祝日8:30~11:30、15:00~19:00(11~2月~18:00)
料金 :大人:10ユーロ、 子供:5ユーロ、 子供料金10~14歳(10歳未満無料)、ミナレット(鐘楼)は別途2ユーロ
公式URL : メスキータ
※合わせて読みたい: スペイン世界遺産「メスキータ」を徹底解剖!コルドバの観光スポットや郷土料理もご紹介。
メスキータを見学したら、すぐ近くにある愛称「花の小径」に行ってみましょう。
アンダルシア地方の家屋の特徴である、パティオと呼ばれる中庭のある建物があり、お土産屋さんになっています。
何という事はない小さな路地に多くの人が訪れる理由は、振り返ってみるとわかります。
写真のように、路地の合間からメスキータの「アミナールの塔」がキレイに見えるポイントなのです。
アミナールの塔は、モスクの時代には礼拝時間を呼びかけるミナレットと呼ばれる塔でしたが、大聖堂が出来てからは上部に鐘が取り付けられ、教会の鐘楼になりました。
高さは54m、塔に登ることが出来るので、時間がある方はぜひ登ってみてください。
スペイン語名 :Calleja de las Flores Alley
住所 :Calleja de las Flores, 1, 14003 Cordoba
マップ: Googleマップ
古代ローマ時代には要塞があった場所で、イスラム統治時代には庭園や浴場が作られ、宮殿として使用されていました。
グラナダがレコンキスタによりキリスト教統治となったのち、14世紀に入りアルフォンソ11世の命によって再建されました。
当時流行していた、ムデハル様式と呼ばれるイスラム美術をふんだんに取り入れた建築様式で作られています。
カトリック両王と呼ばれたイザベル女王とフェルナンド王は、最後のイスラム王国だったグラナダを陥落させるための攻略拠点として、アルカサールに滞在していました。
グラナダ陥落後は、キリスト教徒以外を裁判にかけるための異端審問所として使用しています。
スペイン内戦時にも要塞として使われ、近年までは刑務所として使用されていましたが、1955年から一般公開されるようになったという歴史を持っています。
アルカサールは、1994年にメスキータを含むコルドバ歴史地区の建物として、世界遺産に登録されています。
イスラム美術の特徴である幾何学模様の装飾や、キリスト教的なモザイク画が入り混じっているのが特徴ですが、調度品が残されている宮殿とは違うので、内部はそれほど見どころはありません。
その代わりに、庭園や高台からの景色は美しく見応えがあります。
夏季は平日は午後3時、日曜は午後2時でクローズするのでご注意ください。
スペイン語名 :Alcázar de los Reyes Cristianos
住所 :Plaza Campo Santo de los Mártires, Cordoba
マップ: Googleマップ
電話番号 :(957)420151
定休日 :月曜日、12/25、1/1、1/6
営業時間 :
9/16~6/15は火~金曜8:30~20:45、土曜8:30~16:30、日・祝日8:30~14:30
6/16~9/15は火~土曜8:30~15:00、日・祝日8:30~14:00
料金 :大人4.5ユーロ/学生2.25ユーロ/14歳以下無料
公式URL : アルカサル
メスキータからすぐ、グアダルキビール川にかかる美しい橋が「ローマ橋」です。
その名の通り、古代ローマ時代から、西ゴート時代、イスラム時代、カトリックの時代から現代までずっとこの場所にあり、重要な役割を果たしてきました。
現在の橋は16世紀に架けられたものですが、2008年に大修復が行われたので、まるで新しい橋のような雰囲気ですね。
まずは長さ331mの橋を対岸まで渡ってみてください。
メスキータやアルカサールがある旧市街の撮影スポットとして人気です。
渡った側に建つのが12世紀、イスラム統治時代に作られたカラオーラの塔です。
内部は現在アンダルシア博物館になっていて、メスキータの成り立ちやコルドバの歴史に関する品が展示されています。
写真の通り高い塔ではないですが、塔の上からは眼下にローマ橋、目を移すとコルドバ旧市街が見渡せて絶景です。
この塔からしか見ることが出来ない景色なので、ぜひ見学してください。
スペイン語名 :Puente romano de Cordoba
住所 :Puente Romano s/n Plaza Santa Theresa, Cordoba
マップ: Googleマップ
アクセス :メスキータからすぐ
定休日 :無休
営業時間 :
5~9月10:00~14:00、16:30~20:30
10~4月10:00~18:00
料金 :4ユーロ
公式URL : カラオーラの塔
ビアナ宮殿は、1492年にフィゲロア家の邸宅として建てられました。
その後様々な貴族が自分の好みに装飾したり、拡張したりしながら住み、最後には名前にもなっているビアナ公爵夫人が1980年まで住んでいました。
現在、宮殿内部と12の中庭(パティオ)が公開されており、歴代の貴族たちの生活を垣間見ることができます。
夏の暑さが厳しく陽射しが強いアンダルシア地方では、細い道の両側に家と家をくっつけて建て、お互いの建物で日陰を作り合うのが伝統的な家屋のスタイルです。
そのため、庭は必然的に建物に囲まれた内部、つまり中庭になるわけです。
中庭なら外から遮断されているので、食べ物を貯蔵したり、好きな格好でウロウロ出来たり、テーブルを出して食事をしても誰に見られることもありません。
ビアナ宮殿には様式の違うパティオが12もあり、それぞれに名前が付けられています。
外の喧騒から離れて静かでリラックスできる場所であるパティオは、植物やタイル、噴水などで飾られています。
なお、宮殿の内部は、ガイドツアーで見学することが出来ます。
豪華なシャンデリアや陶磁器など、中世の絵画や装飾品に興味がある方は必見です。
スペイン語名 :Palacio De Los Marqueses De Viana
住所 :Plaza de Don Gome 2, Cordoba
マップ: Googleマップ
アクセス :メスキータから徒歩20分
電話番号 :(957)496741
定休日 :月曜日、1/1、聖週間の金曜日、12/25、祝日
営業時間 :10:00~19:00(土・日曜と祝日は~15:007・8月は9:00~15:00)
料金 :大人:8ユーロ(庭園のみは5ユーロ)10歳以下は無料
公式URL : ビアナ宮殿
最近スペイン各地に増えてきているガストロメルカド。
市場のスペイン語、メルカドと、ガストロミーを合わせた造語で、市場としての買い物もでき、食べて飲んで楽しむことが出来る場所です。
マドリードのサン・ミゲル市場も2009年に大リニューアルされて、今や若者にも大人気のガストロメルカドとなっています。
コルドバのヴィクトリア市場は、アンダルシア地方初のガストロメルカドとして2013年にオープンしました。
メスキータからは徒歩15分ほどのヴィクトリア庭園内にあり、天井が高くて明るく、観光客にとっても訪れやすい雰囲気です。
約20店舗と規模はあまり大きくはありませんが、散策ついでに食べ歩きするのには十分なラインナップ。
スペインでバル巡りをしてみたいけど、地元の人が多くて入りにくい、1軒ずつ巡ると時間がかかりそう、最初から色んなお店の物をちょっとずつ試してみたい、そんな方にピッタリです。
生ハムやチーズといったスペインの定番から、コルドバ名物の冷製スープ「サルモレホ」の専門店もあり、イワシやイカ、エビのフライといったアンダルシアらしいメニューもずらり。
ショーケースに並んでいる物も多く、スペイン語が分からなくてもオーダーできるのも嬉しいですね。
スペイン語名 :Mercado Victoria
住所 :Paseo de la Victoria, 3, 14004,Cordoba
マップ: Googleマップ
電話番号 :+34 957 29 07 07
定休日 :無休
営業時間 :日~木:10:00~0:00、(6'月15日~9月15日までは~1:00)金土:10:00~2:00
公式URL : ヴィクトリア市場
メスキータの周辺には、バルからレストランまで食事できる場所が沢山あるため、食べるのには困りません。
どのお店も甲乙つけがたいので、中でも評判が良いレストラン・バルをご紹介します。
営業時間を見ていただくと分かるのですが、スペインのレストランはほとんどが2部制で、ランチ営業のあと一旦閉まります。
次に開くのが、スペインらしいディナータイムの20:00以降です。
人気のあるレストランは予約をするのがベスト。
筆者が初めてのレストランでよくするのは、ランチタイムで下見に行き、良さそうならばディナーの予約をするという方法です。
スペインのレストランにはほとんどバルコーナーがあるので、ランチ代わりにタパスを軽くつまんで食べたり、コーヒーを飲んだりして味と雰囲気を確かめるのもおすすめ。
お店の人とも顔見知りのような感じになれますし、実際に地元の人が多くて美味しそうかを目で確かめられますし、電話での行き違いも無いので安心です。
スペイン人はランチをしっかり食べて夜は軽めにというスタイルが多いですが、観光スケジュールを考えると逆の方が効率的。
何よりもランチにスペイン料理をしっかり食べると、(美味しすぎて)まったりしてしまい、食後の観光意欲を失う恐れがあります。
「Taberna Luque」はこじんまりとしたレストランですが、いつも予約で満席状態なので、予約は必須です。
ご夫婦での経営で、ご主人がホール担当、奥様が調理というスペインレストランに良くあるパターン。
そしてこのパターンは、かなりの高確率で美味しいレストランです。
コルドバ名物の冷製スープのサルモレホや、生ハムとチーズを一緒に巻いて揚げたロールカツ、フラメンキン、さくっと揚げたイカフライ、プリプリの海老のアヒージョなど、どれをとっても上品な味で食べやすいと評判です。
ミルクしか飲んでいない仔羊のグリル、チュレータ・デ・コルデロ・レチャルもぜひ味わっていただきたい一品。
ご主人の、料理を楽しんで欲しいという気持ちが表れている丁寧な接客にリピーター続出の人気店です。
日曜日、月曜日と連休なのでご注意ください。
住所 :Calle Blanco Belmonte 4, 14003 Cordoba, Spain
マップ: Googleマップ
アクセス :メスキータから徒歩5分
電話番号 :+34 699 80 65 60
定休日 :日曜日、月曜日
営業時間 :13:00~16:00/20:00~23:00
公式URL : Taberna Luque
ボデガとは酒蔵のこと。
1908年創業の老舗レストランで、元酒蔵だった場所を改装していますが、酒樽が残されていて雰囲気抜群。
地元の人の結婚式のパーティなどにも利用される人気店です。
コルドバの名物料理である、ラボ・デ・トロ(オックステールシチュー)も、ちょっとオシャレな感じで登場します。
全体的にやや塩味が濃いのと、一皿のボリュームがあるため、注文時にはご注意ください。
日本人2人なら、サラダ、生ハムかコロッケの前菜、メインのオックステールをシェアといった感じで十分かもしれません。
住所 :Los Lineros 32
マップ: Googleマップ
アクセス :メスキータから徒歩10分
電話番号 :95-7497500
定休日 :日曜日の夜
営業時間 :13:00~16:00/20:30~23:30(バルは12:00~23:30)
公式URL : Bodegas Campos
メスキータのすぐそばですが、細い道を入った奥にあるので、ちょっと見つけにくいかもしれません。
1階はカジュアルな雰囲気で、2階席はちょっとあらたまった雰囲気。
ガイドブックに必ず出ているお店なので、各国の観光客でいつも賑わっています。
写真はコルドバの名物料理ラボ・デ・トロ(オックステールシチュー)で、かなり大きめサイズです。
フライドポテトがどっさりついてくるので、さらにボリュームアップ。
アンダルシアの夏には欠かせない冷製スープのガスパチョも美味しいと評判なので、ぜひオーダーしてみてください。
住所 :Cardenal Herrero 28
マップ: Googleマップ
アクセス :メスキータから徒歩1分
電話番号 :957-475375
定休日 :1/1 、12/24
営業時間 :13:00~16:30 /20:00~24:00
公式URL :El Caballo Rojo
小さな街だからこそ、街歩きが楽しいコルドバ。
特にメスキータ周辺の旧市街は、道が細く入り組んでいて、歩いていてちょっとワクワクします。
「迷ったかな?」と思ったら、メスキータの塔を目指して戻れば大丈夫です。
スペイン旅行にはコルドバをはじめ、セビージャ、グラナダなどのアンダルシア地方は欠かせません。
ぜひスペイン旅行のプランに加えてくださいね。