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2. ジョサイア・コンドル設計の文化財「撞球室(ビリヤード場)」
旧岩崎邸庭園は、上野からも近く、国内外から多くの人が訪れる観光名所です。
2020年時点で現存するのは、洋館・和館・撞球室の3棟です。
木造2階建、地下室付きの大きな洋館を設計したのは、欧化政策の一貫として建てられた名建築「鹿鳴館」の設計も手掛けたジョサイア・コンドル。
日本の近代建築史に名を残すコンドルによって設計された西洋木造建築は、国の重要文化財に指定されています。
敷地内には、撞球室や和館大広間など洋館の他にも数々の重要文化財があり、都市化の中で残された貴重な建築に触れられます。
建築の他に、四季折々の自然が織りなす景色をはじめ、歴史・文化・自然を体感することもできます。
1896年に岩崎家の第三代当主、久彌の本邸として建てられた邸宅です。
洋館の設計は名建築家のコンドル、和館の施工は名棟梁大河喜十郎によって行われました。
同時期に建てられた西洋建築と異なり、和の繊細さを感じさせるデザインが特徴です。
洋館の隣には、当時の日本では珍しかったスイスの山小屋風の木造建築、撞球室(ビリヤード場)も建てられています。
1952年には国有財産に、1961年には洋館と撞球室が重要文化財に指定されました。
その後も敷地内のさまざまな施設が重要文化財に指定されています。
2001年に都立公園として開園、2003年から修復が完了した洋館内部の通年公開がされています。
住所 : 東京都台東区池之端1-3-45
マップ: Googleマップ
電話番号 : 03-3823-8340
定休日 : 年末年始(コロナウイルスに関わる定休日は HP にて)
営業時間 : 9:00~17:00(入園は16:30まで)
料金 : 一般400円、65歳以上200円(都民の日、みどりの日は無料公開)
公式URL : 旧岩崎庭園
岩崎邸は、年末年始を除き、通年観光を楽しめる都立公園です。
平日は、個人の利用に限り洋館内の写真撮影等が可能で、混雑が予想される土日祝日等は撮影禁止となっています。
館内には、ランチの前後に利用しやすいお茶や茶菓子を楽しめるカフェレストランも完備されています。
レストランの営業は、9:00~17:00です。
年間パスポートの値段は、一般が1,600円、65歳以上が800円となっています。
旧岩崎邸庭園は東京メトロ湯島駅から徒歩3分ほど、その他にもJR・大江戸線等、さまざまな路線からアクセスしやすい観光名所です。
湯島駅や上野駅方面から向かう際は、岩崎邸周辺にある案内板を目印に向かいましょう。
駐車場は完備されていないため、公共交通機関を利用してください。
車で向かう場合は、周辺の有料駐車場を利用しましょう。
徒歩5分圏内に「上野公園大駐車場」や「タイムズ 湯島天神第1」といった駐車場があります。
歴史・文化・自然を兼ね備えた都立公園・旧岩崎邸庭園の見どころを紹介します。
大河ドラマの「龍馬伝」に登場したことで、グッと注目を集めた旧岩崎邸庭園。
歴史に名を残す建築家・コンドルが手掛けた繊細さと華やかさを併せ持つ建築をはじめ、緑豊かな庭園を散策してみましょう。
岩崎邸観光のメインスポットが、庭園内の中央にそびえ立つ洋館です。
1896年に、名建築家の英国人ジョサイア・コンドルによって設計され、建てられました。
洋館までの道のりには、花や木々が咲き誇り、季節ごとの景色を楽しめます。
力強い重厚感や家具に細工が施されている、17世紀の英国で主流となったジャコビアン様式の装飾が随所に見られます。
イギリス・ルネサンス様式やイスラーム風まで、さまざまな様式を折衷したかのようなデザインを館内で楽しめます。
館の主だった岩崎久彌の留学先、ペンシルヴァニアのカントリーハウスのイメージも取り入れられた建築です。
洋館の南側は、列柱が並んだベランダとなっています。
1階の列柱は、古代ローマ時代からのトスカナ式、2階は古代ギリシャから用いられるイオニア式を採用。
多様な様式を用いている上に、隣接する和館とのバランスも取れた、世界的にも希少な建築です。
2Fのベランダからは、広々とした庭園の景色を鑑賞できます。
邸宅として利用されていた時期は、岩崎家の集まりをはじめ、外国人や客人を招いてのパーティーに使われていたそうです。
洋館から少し離れた場所に、別棟として建てられているのが「撞球場(どうきゅうじょう)」です。
ジャコビアン方式の洋館とは異なり、当時の日本で珍しかったというスイスの山小屋のような造りになっています。
邸宅として利用されていた当時は、洋館から繋がる地下道で撞球場まで移動していたようです。
開放感のある「撞球場」は、ビリヤードを楽しむための施設です。
現在は内部を見学することが出来ませんが、大きな窓や入り口から館内の様子を鑑賞できます。
完成当時は550坪にもおよび、洋館を遥かに凌ぐ規模を誇っていた和館。
書院造を基調とした和館は、洋館と結合されているため、洋館と合せて内部を鑑賞できます。
2020年時点で残るのは、冠婚葬祭に使われていた大広間のみです。
和館を建てた大河喜十郎は、政財界の大物たちの屋敷の建設を手掛けた名棟梁。
床の間や襖には、幕末から明治時代にかけて活躍した狩野派の絵・・橋本雅邦が下絵を書いたと言われる日本画や障壁画が残っています。
過去には、大広間の他に子供部屋・主人部屋。台所といった生活空間が広がっていたそうです。
釘隠しをはじめ、各所に三菱家の家紋である三階菱が見られます。
旧磐崎庭園の庭は、江戸時代の榊原氏、明治時代には牧野氏の屋敷でした。
大名庭園の形式を一部踏襲しつつ、建築様式同様に和洋併置式の近代的な庭園となっています。
初期の近代庭園に見られる芝生の庭では、小さな子どもたちが伸び伸びと遊ぶ姿も見受けられます。
岩崎邸のすぐ隣りにある「国立近現代建築資料館」は、近現代建築にまつわる資料の保管・収集をしている施設です。
2013年に開館した資料館では、建築資料に関する企画展が常時開催されています。
湯島地方合同庁舎正門から、もしくは岩崎庭園内から入館可能です。
企画展は年に数回内容が入れ替わり、基本的に無料で鑑賞できます。
筆者が訪れた2019年には「「吉田鉄郎の近代 モダニズムと伝統の架け橋」が開催されていました。
企画展示の内容については 公式HP を随時確認してください。
住所 : 東京都文京区湯島4-6-1
マップ: Googleマップ
電話番号 : 03-3812-3401
定休日 : 企画展示により異なる
営業時間 : 10:00~16:30
料金 : 無料(旧岩崎邸庭園の入園料のみ)
公式URL : 国立近現代建築資料館
ここでは、旧岩崎邸と合わせて立ち寄りたい観光スポットを紹介します。
JR上野駅から徒歩1分の「上野恩賜公園」は、上野の森とも呼ばれる都立公園です。
開園から140年以上経つ歴史ある公園には、博物館・動物園・美術館など、数々の文化施設があります。
日本さくら名所100選にも選定されている、都内でも屈指の桜の名所です。
旧岩崎邸庭園があるのは、上野恩賜公園内にある「不忍池」のそばです。
雄大な景色を楽しめる池の畔には、江戸時代から昭和時代中期の下町文化に触れられる「下町風俗資料館」もあります。
広大な上野恩賜公園の中には、10を超える美術館や博物館があります。
世界でも類を見ないほどの、芸術を楽しめる施設があつまる上野恩賜公園。
日本で最初の博覧会である内国勧業博覧会を開催し、その流れを受けて、動物園や博物館が創設されたのがはじまりと言われます。
公園内の美術館では、ゴッホやピカソ、フェルメールなど、世界的画家の作品を楽しめます。
いくつかある美術館を巡ったり、博物館で歴史を学んだりと、文化に触れられる公園です。
谷中・浅草・アメ横商店街など、下町情緒ある場所に、上野恩賜公園から足を伸ばしてみるのもおすすめです。
住所 : 東京都台東区上野公園 池之端三丁目
マップ: Googleマップ
アクセス : JR上野駅公園口から徒歩1分、東京メトロ上野駅から徒歩2分、京成本線 京成上野駅から徒歩1分
電話番号 : 03-3828-5644
定休日 : 年中無休
営業時間 : 入場自由
公式URL : 上野恩賜公園
※合わせて読みたい: 上野公園の楽しみ方を解説!自然に美術に動物園まで、上野公園の見どころを徹底網羅
湯島駅から徒歩3分、岩崎邸から徒歩5分の場所に「湯島天神」があります。
正式名称を「湯島天満宮」という神社の祭神は、学問の神様と言われる菅原道真です。
学問の神様を祀る湯島天神には、学問成就や合格祈願のために、連日多くの受験生や学生が訪れています。
各地から多くの学生が訪れる神社内では、山のように掛けられている絵馬を見ることも。
合格祈願以外の楽しみ方としては、敷地内にある沢山の碑を巡ったり、春には梅を鑑賞したりすることができます。
東京都指定有形文化財に指定されている「銅製の銅鳥居」は、見逃しがちな名所です。
湯島天神内にある「撫で牛」は、祭神の菅原道真が深く牛を愛していたことに由来します。
自分の遺体を人ではなく、牛にひかせ、牛が止まった所を墓所としてほしいとの遺言を残したとも言われています。
撫で牛は、自分の体調が悪い部分と同じ部分を撫でるとご利益があるそうです。
背中や鼻がテカテカになっている牛の姿を見ると、多くの人がその体を撫でたことを感じられます。
住所 : 東京都文京区湯島3-30-1
マップ: Googleマップ
アクセス : 東京メトロ湯島駅から徒歩4分、東京メトロ上野小広路駅から徒歩5分、JR御徒町駅から徒歩8分
電話番号 : 03-3836-0753
定休日 : 年中無休
営業時間 : 参拝自由
料金 : 無料
公式URL : 湯島天神
JR上野駅から徒歩2分の「国立西洋美術館」。
フランス政府から寄贈された印象派画家たちの作品を中心とした絵画から、著名な彫刻家ロダンが作った彫刻まで、西洋の芸術に触れられます。
建物の設計をしたのは、20世紀を代表する建築家といわれるル・コルビュジエです。
1959年に建てられた歴史ある施設は、1998年地域に根ざした優れた施設として「公共建築百選」に選定。
2007年には、国の重要文化財に指定されています。
2016年には、ル・コルビジェの建築作品として、他の16作品とともに世界文化遺産に登録されています。
段差が少なくフラットな造りで、多目的トイレまで完備され、幅広い世代の方が楽しめる美術館です。
国立西洋美術館には、館内のカフェ名にもなっているモネの「睡蓮」、ピカソの「男と女」など、世界的に知られる画家の作品が所蔵されています。
常設展示のワンコーナー、定期的に展示が入れ替わる少企画展では、テーマごとに入れ替わる作品を楽しむことも。
世界各地の美術館のコレクションや人気画家の絵を集めた、期間限定の企画展も人気です。
館内には絵画の他に、宝石やロダン作の「考える人」をはじめとする彫刻も見られます。
筆者のおすすめは、毎月第2・第4土曜日と金・土曜日の17時以降に開催されている、入場無料のナイトミュージアムです。
旧岩崎邸庭園をはじめ周辺スポットを観光した後、無料で充実した展示を鑑賞することができますよ。
住所 : 東京都台東区上野公園7番7号
マップ: Googleマップ
アクセス : JR上野駅公園口から徒歩1分、東京メトロ上野駅から徒歩3分、京成本線 京成上野駅から徒歩7分
電話番号 : 03-3828-5131
定休日 : 月曜日(月曜日が祝日の場合その翌日が休館日、2020年4月時点、コロナウイルスによる臨時休業中)
営業時間 : 9:30~17:30(金曜日・土曜日・特定の期間は延長有)
料金 : 常設展示 大人500円 大学生250円(企画展はその都度異なるのでHPで確認)
公式URL : 国立西洋美術館
※合わせて読みたい: モネにゴッホ!ピカソまで!国立西洋美術館の著名な名画や見どころを紹介!
今回は旧岩崎邸庭園をはじめ、周辺の観光名所を紹介しました。
上野や浅草を観光する際の参考にして頂けると幸いです。
公開日 : 2020/04/21