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イギリス(ユナイテッド・キングダム) のあるグレート・ブリテン島。
その横に浮かぶアイルランド島の北部に位置するのが、北アイルランドです。
ベルファストは、その北アイルランドの首都であり最大の都市。
人口は約35万人、都市面積は約130㎢と、東京都の16分の1ほどしかない小さな都市です。
なお、アイルランド島南部は アイルランド共和国 という別の国。
国境は繋がっているものの、北アイルランドはイギリスに属しています。
もともとカトリック教徒の国だったアイルランド。
12世紀頃イギリスのプロテスタント教徒が移住しはじめ、17世紀にプロテスタントにカトリックが敗北すると、アイルランド全域はイギリスの支配下となりました。
長きに渡る戦争の結果、南側はアイルランド共和国として独立・北アイルランドはイギリス領と二つに分断。
その後も1920年頃から1989年まで、アイルランド併合派のカトリックとイギリス在籍派のプロテスタントが争う”北アイルランド紛争”が続いていました。
その紛争の中心地だったベルファスト。
多くの人が亡くなった歴史の跡が街のあちこちに残っています。
ベルファストは、都会的な街並みと自然が共存する街です。
市内中心地は、カフェやパブ、ウォールアートなどオシャレでアーティスティックな雰囲気。
少し外れると、公園や海岸など緑の島・アイルランド島らしい豊かな自然が楽しめます。
また、北アイルランドは妖精の国とも呼ばれ、ファンタジックな雰囲気をまとっています。
それ故、世界を熱狂させたドラマ・ ゲームオブスローンズ(Game of Thrones) の撮影は主に北アイルランドで行われ、シリーズ完結後も世界中からファンが訪れているほど。
ベルファストは、実はナルニア国物語誕生、タイタニック造船・出航の地でもあるのです。
日本〜ベルファスト間は残念ながら直行便がないため、乗り換え便を使用します。
空港はベルファスト国際空港・ベルファストシティ空港と2つありますが、市内に近くアクセスしやすいベルファストシティ空港に着く便がおすすめです。
空港なら市内へはシャトルバスが出ており、ほんの10分足らずで市内まで出ることができます。
国内のように、気軽に行けるわけではない海外旅行。
しっかり下調べをして、慎重に決めたいところですよね。
ここでは、ベルファストの気になる治安や観光のベストシーズン、観光日数についてまとめてご紹介します。
1990年頃まで紛争のあったベルファストは、治安が悪いイメージを持っている人も多いのではないでしょうか。
しかし、今は治安もかなり改善されているため、安心して観光することができます。
もちろん他のヨーロッパ同様、スリや置き引きには注意。
お金を持っていそうな格好では狙われやすいので、カジュアルな服装がおすすめです。
昼間は女性一人旅であっても問題ありませんが、夜間の散歩や危なそうなエリアは男女問わず避けましょう。
ベルファスト観光のベストシーズンは、5月下旬から8月中旬にかけて。
アイルランド島は夏が短く、9月に入る頃には日も短くなり気温がぐっと下がります。
特に秋から冬は雨量が多く、どんよりとした天気の日が多いです。
また、アイルランド全域は一日の中で天気が変わりやすい国です。
通り雨が多く、強い風をともなうことが多いため折りたたみ傘が使えないこともあります。
レインコートやフード付きのパーカー・ジャケットがあると、雨よけに加えて夜の冷え込み対策になりおすすめです。
ベルファスト市内は小さいので、ぐるっと巡る場合は2泊3日でも十分に満喫することができます。
軽く見て回りたい・雰囲気を味わいたいという人は1泊でも楽しめるでしょう。
北アイルランドには、他にも有名な観光地がたくさんあるので、ベルファスト単体よりも併せて回る人がほとんどです。
その場合は、3日から5日ほど見ておくと良いでしょう。
ここからは、ベルファストのおすすめ観光スポットをご紹介!
絶対見逃せない定番スポットを中心に、 歴史的名所やお城などを厳選してお送りします。
不運を遂げた豪華客船・タイタニック号が生まれた街・ベルファスト。
市内からバスで15分ほどの港にある「タイタニック・ベルファスト」(別名・タイタニック博物館)は、ベルファスト旅行では必見のスポットです。
現代アートのような外観の建物内部では、ベルファストの歴史やタイタニック誕生の経緯から沈没までのストーリーをパネル展示や映像で伝えています。
また、生存者の声を聞くことができるオーディオ展示や、楽しく学べるライドアトラクションもあり見所が満載です。
博物館以外にもタイタニック号が作られたドックを見たり、タイタニック号造船会社が持つ船の中で唯一現存する船・SSノマディック号に乗船することもできます。
また、タイタニック号が設計された旧製図事務所を改装したタイタニック・ホテルへの宿泊も人気が高いですよ。
住所 : 1 Olympic Way, Queens Road, Titanic Quarter, Belfast BT3 9EP, Northern Ireland
マップ : Googleマップ
アクセス : Titanic Quater駅から徒歩4分、ベルファスト中心部より徒歩25〜30分
電話番号 : +44 28 9076 6386
定休日 : 12月24〜26日、閑散期は火・水休み(詳細は公式サイトへ)
開館時間 : 9:00〜19:00(時期による変動あり)
料金 : 大人21.50£/子ども(5歳~15歳)10£/5歳以下 無料
公式サイト : タイタニック・ベルファスト博物館
ベルファストの中心街・ドネガル広場に建つバロック様式の建造物、ベルファスト市庁舎。
美しい緑色のドーム型の塔は、この街のランドマーク的な存在です。
1906年に作られた建物は市議会が今も実際に使用していますが、1時間ほどの無料見学ツアーで館内を見て回ることもできます。
内部には、ステンドグラス窓や大理石の大階段、豪華なインテリアのある舞踏室など見所がたくさん。
説明はすべて英語ですが、ガイドさんの話を聞きながら見るとまた深く楽しめるでしょう。
また、建物の東側はタイタニック・メモリアル・ガーデンがあり、命を失った人々を追悼する記念碑が建てられています。
公園のような広いスペースで、ベルファスト市民の憩いの場となっています。
天気が良ければコーヒーを買って、地元の人にまぎれて芝生に寝転がってみるのもおすすめです♪
住所 : Donegall Square N, Belfast BT1 5GS, United Kingdom
マップ : Googleマップ
アクセス : May Street City Hall駅から徒歩2分
電話番号 : +44 28 9032 0202
定休日 : 土日祝日
営業時間 : 8:30〜17:00
料金 : 無料
公式サイト : ベルファスト市議会
ハリーポッターとならんで日本でも有名な児童文学「 ナルニア国物語 」の作者・C.S.ルイス(Clive Staples Lewis)は、実はベルファスト出身。
ベルファストには、C.S.ルイスの生まれた家の跡地や通っていた学校、作中に出てくる街灯のモデルなど、ナルニアファンには嬉しい観光スポットがたくさんあります。
その中でも、C.S.ルイス広場(C.S.Lewis Square)は必見!
ベルファスト市内からバスで15分ほど離れた公園の中には、ナルニア国のキャラクターの像が7体。
特にライオンのアスラン像は3メートルもの大きさで、近くで見ると圧巻です。
また、近くには1998年に生誕100年を記念して建てられたC.S.ルイスの銅像も。
今まさにナルニア国への扉であるクローゼットを開けようとしている様子で、ナルニアファンに人気の撮影スポットです。
住所 : 402 Newtownards Road EastSide Visitor Centre, Belfast BT4 1HH
マップ : Googleマップ
アクセス : バス停Ribble Streetから徒歩2分
電話番号 : +44 28 9046 3820
営業時間 : 24時間
料金 : 無料
公式サイト : VisitBelfast
北アイルランド紛争の歴史に関心がある人におすすめなのが、ベルファスト各地にある「ピース・ウォール(peace walls)」です。
ピースウォールは、カトリックとプロテスタントの居住区が分かれているベルファストで、双方の衝突を抑えるために建てられた”平和の壁”のこと。
長いもので全長5km高さ8mある壁もあり、近くで見るとその重厚感のある雰囲気に圧倒されてしまいます。
特に、ベルファスト西部のシャンキルロード・フォールズロードの間にある壁には様々なアートが描かれており、観光地としても有名です。
年々増えていったこの平和の壁は、2017年時点でなんと97地点に及ぶほど。
紛争がなくなり穏やかさを取り戻したベルファストでは、2023年までに平和の壁を撤去することを目標に掲げています。
住所 : 15 Cupar Way, Belfast BT13 2RX
マップ : Googleマップ
アクセス : バス停Twin Spiresから徒歩8分
電話番号 : +44 75 9217 3372
営業時間 : 24時間
料金 : 無料
公式サイト : PeaceWall Archivement
ヨーロッパといえば古城巡りが人気ですが、ベルファストでももちろん美しいお城が見られます。
ベルファスト北部郊外に位置する「ベルファスト城(Belfast Castle)」は小高い丘の上にあり、ベルファストの街からその美しい姿を目にすることができます。
もともとはベルファスト市庁舎の近くに12世紀末頃建てられたものの、18世紀に全焼。
その後、現在の郊外に新しく再建されました。
お城の内部は一般公開されており、豪華な内装や展示のほか、地下に併設されたレストランで郷土料理を楽しむこともできます。
クリスマスシーズンになると、夜間のライトアップが行われることもあります。
光に照らされたスコットランド貴族様式のお城は、とてもロマンティックです。
住所 : Antrim Rd, Belfast BT15 5GR
マップ : Googleマップ
アクセス : バス停Gray's Laneから徒歩13分
電話番号 : +44 28 9077 6925
定休日 : 不定休(詳細は公式サイトへ)
営業時間 : [火〜土] 9:00〜22:30、[月・日] 9:00〜18:00
料金 : 無料
公式サイト : ベルファスト城
もう1つ、ベルファストで有名なお城が「キャリック・ファーガス城(Carrickfergus Castle)」。
ベルファスト中心街からはバスで40分ほどの距離にある、ベルファスト湾沿いにたたずむ古城です。
アイルランドの中でもっとも保存状態の良いお城の1つで、12世紀に築城されたようには見えないほど風化・傷みのない元気な姿を見ることができます。
アイルランドを侵略する上で非常に重要な位置にあった、キャリック・ファーガス城。
イギリス・フランスなど侵略者からアイルランドを守った要塞で、当時実際に使われていた大砲が今も設置されています。
内部を見学できるガイドツアーは有料ですが、大人でも約5ポンドとリーズナブルに歴史を知ることができます。
住所 : Marine Hwy, Carrickfergus BT38 7BG
マップ : Googleマップ
アクセス : Carrickfergus駅から徒歩4分
電話番号 : 44 (0) 28 9335 1273
定休日 : 月曜
営業時間 : [火~日] 9:30~16:30
料金 :
公式サイト : Mid&East Antrim
北アイルランドの魅力は、ベルファストだけにはとどまりません。
ベルファスト以外にも、世界遺産登録地など有名な観光地がたくさんあるので、ぜひ一緒に訪れたいところ。
ここでは、その中でも特に人気の高いおすすめな都市・観光地をご紹介します。
北アイルランドに来たなら絶対に外せないのが、「ジャイアンツ・コーズウェイ(Giant's Causeway)」。
アイルランド島の最北部に位置し、1986年に世界遺産に登録された自然保護区域です。
”巨人の石道”という名の通り、ケルト神話の巨人が戦いに向かうために作った道と言われています。
火山活動によってできた、4万もの石の柱が連なる景色は圧巻!
人の手ではなく、自然によってつくられたということが驚きですね。
一つ一つの柱がとても大きくまるで小人になったような感覚が味わえます。
入場料は無料ですが、さまざまな展示のあるビジターセンターの利用は有料です。
ビジターセンターでは、オーディオガイドの貸し出しも行われています。
ベルファストからのアクセスは、車で1時間15分ほど。
周辺にも見所が複数あるので、レンタカーを借りて回るかバスツアーに参加するのがおすすめです。
バスツアーは、ベルファストを出発してジャイアンツ・コーズウェイと周辺観光地を回るツアーや、海外ドラマ「ゲームオブスローンズ」の聖地巡礼ツアーなどがあります。
住所 : 44 Causeway Road, Bushmills, County Antrim, BT57 8SU
マップ : Googleマップ
アクセス :
電話番号 : +44 28 2073 1855(ビジターセンター)
定休日 : 不定休(詳細は公式サイトへ)
営業時間 : 夜明けから日没頃まで(ビジターセンターは9:00〜17:00)
料金 : 大人 13£/子ども 6.5£
公式サイト : ナショナルトラスト
ジャイアンツコーズウェイとセットで回りたいのが、「ダークヘッジ(The Dark Hedges)」と呼ばれる木のトンネルです。
大きなブナの木で覆われた並木道は、まるで異世界へとつながる道のよう。
神秘的な雰囲気漂う道には、「グレイ・レディ」という幽霊が度々目撃されているとか。
妖精の国・アイルランドらしい、ファンタジックな世界が楽しめます。
こちらの並木道もまた、ゲームオブスローンズに度々登場したことでさらに人気となりました。
住所 : Bregagh Rd, Stranocum, Ballymoney BT53 8PX
マップ : Googleマップ
アクセス : Clintyfinnan駅から徒歩20分
電話番号 : +442827660230
営業時間 : 24時間
料金 : 無料
公式サイト : Discover NorthernIreland
ジャイアンツコーズウェイから海岸を車で8分ほど走らせると、断崖の上に見えるのが「ダンルース城(Dunluce Castle)」。
13世紀頃に建てられた城は、難攻不落の要塞として使われてきました。
廃城となってからは、波風などの風化によって現在のような朽ち果てた姿となりましたが、それが一層迫力のある美しさを醸し出しています。
ゲームオブスローンズ撮影地、ナルニア国物語に登場する城のモデルとしても使われ、人気のある観光地です。
住所 : 87 Dunluce Rd, Bushmills BT57 8UY
マップ : Googleマップ
アクセス : バス停Dunluce Castleから徒歩4分
電話番号 : +44 28 2073 1938
定休日 : なし
営業時間 : 9:30〜17:00
料金 : 大人5.65£、子供3.75£
公式サイト : Discover NorthernIreland
もっとアイルランドの歴史を深く学びたい人におすすめなのが、北アイルランド2番目の都市「ロンドンデリー(Londonderry)」。
北西部に位置するこの街は、アイルランド島で唯一城壁が完全な形で残っています。
また、「ロンドンデリーの歌(Londonderry Air)」というアイルランドの民謡を聞いたことのある人もいるでしょう。
ちなみに、正式名称のロンドンデリーはイギリスによって後からつけられたもので、現地を訪れる際は従来の名前”デリー”を使うことをおすすめします。
ベルファスト同様ロンドンデリーには、痛ましい傷跡を刻み平和を願うウォールアートが多く存在します。
これは、北アイルランド紛争中にこの街で起きた”血の日曜日事件”によるもの。
1972年、自治権を求めたデモ中の市民をイギリス軍が発砲し、罪のない14人が亡くなった場所なのです。
未だカトリックとプロテスタントの住む地域が分かれているデリーの街ですが、今では”ピースブリッジ”と呼ばれる橋によって行き来が可能となり、平和な街へと変化しています。
平和の象徴である銅像や、紛争や歴史を学べるミュージアムなどの他、デリーはハロウィンの街としても有名です。
もともとアイルランドのケルト文化発祥のハロウィン。
10月31日のデリーでは、世界最大規模のハロウィンイベントが街全体で行われています。
街の人々の仮装を楽しみに、訪れるのも良いですね。
北アイルランドの首都・ベルファストは一見地味な都市ですが、深く知れば知るほど見所のある街です。
重く悲しい歴史の跡を残しつつも、平和のために立ち上がる人々の強さやたくましさ、前向きさを肌で感じられる知的な旅となることでしょう。
同時に、自然や建物の美しさをゆったりと楽しめる都市でもあります。
落ち着いた大人旅がしたいという人に、胸を張っておすすめできる都市です。
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最終更新日 : 2021/11/04
公開日 : 2021/11/01