top > 東アジア・中国・台湾 > 日本 > 神奈川 > 湘南
本ページに掲載のリンク及びバナーには広告(PR)が含まれています。
テレビ番組のロケ地などで使われる「大磯ロングビーチ」があることでも、全国的に知名度が高い神奈川県大磯町。
相模湾に面した神奈川県南部、湘南海岸の西側に位置する小さな町です。
町域は東西約7.6km、南北約4.1kmと細長く、面積は約17.23㎡と神奈川県にある33自治体のうち27番目となっています。
海のイメージが強いですが、町のほとんどが丘陵地帯となっており、コンパクトな町域ながら海・山の自然と身近に接触できることも魅力です。
古来より風光明媚な景勝地として知られており、しばしば和歌や浮世絵の舞台としても登場してきました。
江戸時代には東海道の宿場町として栄えましたが、明治を迎えると有力政財界人向けの保養地・別荘地として知られるようになりました。
明治18年(1885年)、軍医総監・松本順の発案により、日本最初の海水浴場が開かれたのも大磯の海岸です。
やがて伊藤博文や大隈重信、吉田茂ら明治から昭和にかけての大政治家もこぞって別荘を構え、大磯は「政界の奥座敷」とも呼ばれるようになりました。
今も別荘跡の一部は現存し、大磯町の主要な観光資源となっています。
長く穏やかな海岸線、高麗山や鷹取山など丘陵地域、要人の別荘跡など、観光資源も豊富な大磯町。
大規模な観光地化はされておらず、観光客で混雑することもほとんどないので、のんびりと自分のペースで散策できる点も魅力的です。
大磯だけでも充実した観光を楽しめますが、二宮・平塚などの近隣エリアまで足を延ばせば、さらに旅を満喫できることでしょう。
また、個性的でお洒落な外食店も多いなど、グルメスポットも豊富にあるので、どこのお店に入ろうか迷ってしまうほど。
観光エリアもコンパクトに集中しているので、徒歩やレンタサイクルでも周遊観光を楽しめことも魅力です。
大磯の玄関口は、キュートな三角屋根が特徴の小さな駅、JR東海道本線の「大磯駅」となります。
町内唯一の鉄道駅となりますが、東京駅から直通で約1時間、横浜駅からも35分とアクセス良好。
大磯駅から町内各観光スポットまでは神奈川中央バスの路線が充実しておりますが、ゆっくりとお散歩してみるのもおすすめですよ。
都心方面からマイカーで訪問する場合は、東名高速道路(厚木IC)から小田原厚木道路に合流し、大磯ICで降りるのが最短です。
神奈川県内各所からは、国道1号線や134号線、「西湘バイパス」など複数の経路があります。
大磯駅周辺には、この街を代表する観光スポットが集中しています。
明治の元勲や財界人、文化人が暮らした邸宅跡などの史跡が豊富に残り、充実した周遊観光を楽しむことができます。
海岸までも徒歩圏内で、グルメやショッピングが期待できる大磯港や、日本初の海水浴場など、大磯の海の魅力をたっぷり満喫できますよ。
景勝地・湘南平に続く高麗山も駅から気軽に行けるハイキングコースです。
町の南側がすべて海に面している大磯ですが、灯台が設置されている防波堤を挟んで、東側と西側では雰囲気が異なります。
まずは大磯海水浴場と大磯漁港のある東側の海岸域からご紹介しましょう。
大磯駅から徒歩10分、国道1号線を渡ると「大磯照ケ崎海水浴場」入口の石碑が見えてきます。
この道をまっすぐ進めば、東西海岸を隔てる防波堤に到着します。
その前にちょっと寄り道!
この石碑と道を挟んで真向かいにあるのが、明治期の教育者で同志社大学創設者・新島襄終焉の地の記念碑です。
明治23年(1890年)、この場所にあった百足屋という旅館で亡くなったそうですが、大磯って著名人の史跡が豊富ですね。
防波堤の手前には、大磯を日本で初めての海水浴場に指定した松本順(良順)を顕彰する「謝恩碑」が建てられていました。
江戸幕府の軍医として仕えた松本は、戊辰戦争中も幕府軍軍医として従軍した熱血漢で、戦後は新政府の陸軍軍医総監にまで出世した人物です。
明治18年(1885年)に大磯での海水浴場開設を指導しましたが、当時は行楽目的ではなく、医療目的の潮湯治場だったとか。
防波堤のすぐ隣は大磯漁港です。
休日ということもあり、釣りを楽しんでいる人が大勢いました。
大磯港内の商業施設「OISO CONNECT」です。
1階は地元大磯で収穫された野菜や朝どれの魚、加工品などを販売する物産コーナー、2階はレストランになっています。
品揃えも豊富なので、お土産を購入するのにはおすすめですよ。
漁港の向こう側にある砂浜が「大磯北浜海岸」です。
夏期は「大磯海水浴場」が開設される海岸で、大磯の新年行事「左義長」もこちらの浜で開催されます。
左手の西湘バイパス橋脚下には、地元の人たちによる壁画が描かれているので、鑑賞してみるのも楽しいですよ。
シーズンオフの海水浴場は、多くのサーファーで賑わっていました。
海中に浮かぶ岩は、北浜海岸のシンボル「かぶと岩」です。
砂浜の監視塔に上ってみました。
シーズンオフは眺望抜群の展望台になっています。
こちらは漁港方面の景観。
堤防に囲まれ、波も穏やかですね。
続いて海水浴場方面の景観です。
遠くに江の島の島影も確認できました。
大磯の東海岸は、賑やかな大磯の海を満喫できるエリアです。
住所 : 神奈川県中郡大磯町大磯1398-6
マップ : Googleマップ
アクセス :
電話番号 : 0463-20-8237
定休日 :
営業時間 :
公式サイト : OISO CONNECT
温暖な気候と風光明媚な景観に恵まれ、明治以降は多くの政財界人らの邸宅・別荘地として繁栄した大磯。
特に東海道松並木とこゆるぎの浜に挟まれた一帯は、伊藤博文をはじめ著名政治家の邸宅・別荘が集中していたエリアです。
このエリアを再整備し、かつての大磯別荘文化も楽しめる公園として一般開放したのが「明治記念大磯邸園」。
まだ整備途中のため、庭園跡など一部しか開園されておりませんが、優雅な庭園内散策を満喫することができます。
明治記念大磯邸園の敷地内には、かつて伊藤博文・大隈重信・陸奥宗光・西園寺公望ら大物政治家と古河財閥の別邸がありました。
旧鍋島邸があった区域を挟んで、伊藤・西園寺邸があったエリアと大隈・陸奥・古河邸があったエリアと分かれていますが、開園しているのは後者のみ。
さらに、改修中のため大隈別邸と陸奥別邸の建物内は見学できず、令和6年(2024年)1月現在、入園できるのは庭園部分だけです。
大隈重信は4年間、陸奥宗光は1年程度しか別邸を使用せず、やがていずれも古河財閥に譲渡されることになりました。
当時からの建物は現存していますが、改修中とのことでシートで覆われ、外観も確認することができませんでした。
しかしながら庭園内には見どころが点在しており、当時の政治家たちの生活の様子を垣間見ることができます。
旧大隈邸の前に展示してあった五右衛門風呂です。
大隈の風呂好きは有名だったらしく、当時はテロで右脚を失っていましたが、左脚に下駄をはいて湯あみを楽しんでいたんだとか。
続いて旧陸奥邸前にある果樹園です。
和歌山出身の陸奥は、地元紀州名産である柑橘を植えて故郷を懐かしんでいたのかもしれませんね。
後ろの木にはミカンがたわわに実っていました。
古河別邸時代のバラ園です。
古河家はバラの花を愛し、東京の駒込にある古河庭園と同じ頃に造ったものだといわれています。
今でも多くの種類のバラを鑑賞することができます。
庭園の後ろには広大な松林が広がっています。
林内に設けられた散策路を散歩すると心身がリフレッシュした気分になってきますよ。
明治の政治家たちも同じように散歩しながら、日頃のストレスを発散していたのかもしれません。
住所 : 神奈川県中郡大磯町東小磯295
マップ : Googleマップ
アクセス : JR大磯駅より徒歩13分
電話番号 : 0463-61-0101
定休日 : 月曜、年末年始(月曜祝日の場合は営業、翌日が休園)
営業時間 : 9:00~16:30(最終入園16:00)
料金 : 無料
公式サイト : 明治記念大磯邸園
「鴫立庵(しぎたつあん)」は、江戸時代から300年以上続く現役の俳諧道場です。
多くの貴重な文化財が安置された庭園は一般開放され、俳諧関係者以外でも入園することができます。
また「湘南」という名称は、この庵から始まったとも伝えられ、「湘南発祥の地」を示す史跡も残されています。
敷地は決して広いわけではありませんが、和風情緒たっぷりの庭園散策を楽しめるスポットです。
”心なき身にもあはれは知られけり鴫立沢の秋の夕暮れ”
平安末期の歌人・西行法師が大磯の海岸を吟遊して詠んだ歌だとされています。
江戸時代初期の慶安4年(1664年)、小田原の崇雪という人が、上記西行の歌に因んで、この地に草庵を結んだことが「鴫立庵」のはじまりです。
やがて著名俳人の大淀三千風が初代庵主として入庵して以降、日本三大俳諧道場のひとつに数えられるまでに発展し、現在に至っています。
鴫立庵は、大磯町役場近い国道1号線沿いの「鴫立沢」交差点そばにあります。
西行の歌をオマージュした創設者の崇雪が、景観のよいこの場所を歌に登場する「鴫立沢」として標石を建てたことが地名の由来。
なお、中国・南湘江地方の景勝地に因んで、標石に「著盡湘南清絶地」と刻んだことが「湘南」のはじまりといわれています。
鴫立庵の前には「湘南発祥の地」の記念碑が建てられているので、こちらも必見ですよ。(オリジナルは鴫立庵内に安置されています)
鴫立庵の中庭は一般の人向けに有料開放されており、入庵料は大人310円(大磯町民は110円)です。
園内にある石碑や文化財を紹介したパンフレットがもらえます。
園内で一番大きな茅葺屋根の建物が「俳諧道場」です。
京都の「落柿舎」、滋賀の「無名庵」とともに日本三大俳諧道場に数えられています。
俳諧のほか、各種イベントの会場として利用されており、筆者が訪れた際にも茶会の催しが行われていました。
道場の軒下には、季節のイベント「吊るし雛飾り」が飾られており、情緒たっぷりですね。
等身大の西行法師座像が安置されている「円位堂」。
この堂は元禄時代に建てられたままの状態で保存されているそうです。
創設者の崇雪が草庵を結ぶ際に、最初に運び入れたと伝わる「五智如来像」です。
最初は俳諧道場ではなく、この石仏を御本尊として寺を建立する予定だったとか。
鴫立庵の庭園内には、80個以上もの石造物が安置されています。
西行や芭蕉、曽我兄弟ゆかりの虎御前や軍医の松本順まで、登場人物はバラエティ豊かです。
なかでも必見なのが、湘南発祥のルーツとなった「鴫立沢標石」。
裏面に刻まれている「著盡湘南清絶地」は、「清らかで清々しくこのうえもない所、湘南とは何と素晴らしい」という意味があるそうです。
この句から相模の南を意味する「相南」から「湘南」に代わったんだとか。
ユニークなカエルのオブジェも必見です。
「蛙鳴蝉噪(あめいせんそう)の蛙」という名前で、大磯出身で第15世庵主だった原昔人が制作したものが原型。
俳人であると同時に鋳金家でもあった昔人は、高さ7cmのカエルの置物を自ら鋳造して、親交があった病床の正岡子規に贈ったそうです。
この贈り物に対して子規が詠んだ句が「蛙鳴蝉噪彼モ一時ト蚯蚓鳴ク」、オブジェの難しい名前の由来となっています。
このオブジェは、そんなルーツ持つ置物を、高さ1m大に拡大復元したものです。
西行の歌を象ったピラミッド型のオブジェも見逃せません。
こうしたユニークなオブジェは、他にも旧島崎藤村邸や旧吉田茂邸などの文化施設に設置されているので、周遊しながら探してみましょう。
住所 : 神奈川県中郡大磯町大磯1289
マップ : Googleマップ
アクセス : JR大磯駅より徒歩7分
電話番号 : 0463-61-6926
定休日 : 年末年始(12/29~1/3)
営業時間 : 9:00~16:00
料金 : 大人 310円、小人 160円(町内在住者は割引あり)
公式サイト : 鴫立庵
代表作『千曲川のスケッチ』や『夜明け前』『破戒』などで知られる文豪・島崎藤村。
故郷である信州のイメージが強いのですが、晩年の2年間を大磯で暮らすなど、大磯にもゆかりのある人物です。
その藤村が生活し、最期を迎えた旧宅跡が大磯駅近くに保存されています。
入場無料で一般公開されており、文学好きの人にはたまらない必見スポットとなっています。
旧島崎藤村邸宅は、大磯駅から徒歩5分程度の住宅街の中にあります。
邸宅内には入ることはできませんが、庭から邸宅内の一部を見学することができますよ。
昭和16年(1941年)、藤村は郷土の祭典「左義長」を見学するために大磯を訪れましたが、この地の居心地の良さに感動して居住する決意をしたそうです。
わずか三間の小さな平屋ですが、藤村はいたく気に入り、2年後の昭和18年8月に亡くなるまでこの邸宅で過ごしました。
公開されている広縁には、藤村夫妻の写真や、藤村が手掛けた「東方の門」というペーパークラフト作品などが展示されています。
昭和18年(1943年)8月22日、藤村は脳溢血のため、この邸宅内で死去しました。
最期の言葉は、庭の風を感じながら呟いた「涼しい風だね」。
庭には、この辞世の言葉を象ったキューブ型のオブジェが展示されています。
住所 : 神奈川県中部大磯町東小磯88-9
マップ : Googleマップ
アクセス : JR大磯駅より徒歩5分
電話番号 : 0463-61-4100
定休日 : 月曜日、年末年始(12/29~1/3)
営業時間 : 9:00~16:00
料金 : 無料
平塚方面から国道1号線経由で大磯町に入ると、右手に見えてくるこんもりとした山が「高麗山(こまやま)」です。
歌川広重の浮世絵『東海道五十三次』の平塚宿でも描かれており、昔からこの地域のランドマークとなっていたことが伺えます。
名前のルーツは古代朝鮮半島にあるとされ、高句麗が滅亡した際に亡命した人たちが、この地に移住して周辺の開拓をしたことが由来だそうです。
豊かな原生林が残り、「21世紀に残したい日本の自然100選」に選ばれているほか、山頂一帯は公園として整備され、景勝地「湘南平」としても知られています。
高麗山ハイキングコースの起点は、山麓に鎮座する「高来(たかく)神社」となります。
その前に、すぐ近くにある「旧東海道(化粧坂)松並木」に寄り道してみましょう。
東海道の宿場町として栄えた大磯宿の風情を残す、風情たっぷりの並木道です。
歌川広重の浮世絵『東海道五十三次・大磯宿虎ケ雨』の舞台になった場所とされ、説明板と一緒にその浮世絵が紹介されていました。
ほかにも虎御前ゆかりの「化粧井戸」や大磯八景「化粧坂の夜雨」などの史跡・見どころが豊富にありますよ。
高来神社は、初代神武天皇の御代に創建されたと伝わる歴史の古い神社。
高句麗の王族が大磯に亡命した際に「高麗神社」となり、やがて「高麗寺」という寺院になったそうです。
鎌倉幕府や江戸幕府の保護を受けた名刹でしたが、明治にあると高麗寺は廃寺となり、もとの高麗(高来)神社に戻ったとのこと。
今はひっそりと佇む小さな神社となっていますが、早朝から地元の人らしい参拝者が訪れていました。
高来神社の裏山が「高麗山県民の森」ハイキングコースです。
ハードな「男坂」と比較的登りやすい「女坂」に分かれていましたが、筆者は迷わず側の女坂を選びました。
女坂も急坂の山道の連続で、決して楽なコースではありません。
うっかりすると滑落する危険があるので、足元には注意してください。
高来神社からわずか0.2kmしか進んでいませんが、かなりの体力を消耗しました。
高麗山の山頂までは0.5km、湘南平までは1.7kmもあるとのことで、気が滅入りますね。
まずは全体マップの中心にある「大堂」を目指します。
地図上では濃い緑色になっている上のほうで、こちらが高麗山の山頂だそうです。
しかし、薄緑エリアの左側にある「じごく沢」は気になりますね。
険しい山道が続きますが、女性だけのグループを含む多くのハイカーとすれ違いました。
中には地元の人なのか、犬の散歩に来ている人もいたのは驚きです。
豊かな原生林が残る「県民の森」には約500種もの植物が植生しているとか。
エリアによって異なる植生を楽しむことができるそうです。
標高167.3mの高麗山山頂(大堂)に到着しました。
かつては高麗権現社という神社が鎮座していたそうですが、今では原っぱになっていて、小さな祠跡とベンチがあるだけです。
高来神社から高麗山山頂までの所要時間は約30分かかりました。
こhしらは下山の途中に眺めた眼下の眺望です。
光り輝く相模湾と大磯の街並みが素敵ですね。
昭和期の大政治家・吉田茂の邸宅跡を含んだ「城山公園」は、敷地も広大なうえ自然豊かな絶景スポットです。
古代から景勝地とて知られた「こゆるぎの浜」やアオバトの群生地をとして有名な「照ケ崎海岸」など、大磯らしい海岸線も必見。
有名なレジャースポット・大磯ロングビーチもこの西部エリアに存在します。
大磯駅から少し離れていますが、優雅な大磯ステイを満喫できることでしょう。
大磯と聞いて真っ先に思い浮かべる人も多い「大磯ロングビーチ」。
大磯プリンスホテルに併設し、大磯の海岸線沿いに約1kmに渡って広がる巨大なリゾート施設です。
創業は昭和32年(1957年)と70年以上の歴史を誇り、親子三世代に渡って楽しんだ経験がある人も多いはず。
屋外施設のため夏期シーズンのみの営業となりますが、ひと夏の思い出にぜひ訪れておきたいおすすめスポットです。
老舗施設のため設備の老朽化が気になるところですが、そんな心配も無用なほど楽しいアトラクションが豊富に用意されています。
プールという枠組みを超え、夏のバカンスを満喫できるリゾート施設という形容がぴったりです。
入場料は大人1日券4,300円と割高の設定ですが、カップルでも友人同士でも、また家族連れでも一日中遊べる充実したスポットとなっています。
こちらが大磯ロングビーチの中心にある「流れるプール」。
1周500mもあり、流れに身をまかせてのんびりと寛いでみましょう。
スリル満点のダイビングプールは水深5m!
飛び込み台は1m、3m、5m、10mと4つの高さがありますよ。
全長140mのウォータースライダーも、ハラハラ・ドキドキです。
ロングビーチの一番奥にある「波のプール」です。
波の高さは0.3m~0.8m、本格的な海の気分が味わえますよ。
大磯ロングビーチの営業期間は、例年7月から9月上旬までとなります。
シーズンオフには各種イベントの会場として利用されることが多いそうです。
筆者が訪れた12月初旬の日曜日は冬の風物詩「湘南国際マラソン」のメイン会場として全面開放されていました。
毎年25,000人近いランナーが参加する大会で、普段は静かな大磯に、1年で一番多くの訪問客が殺到する巨大イベントです。
住所 : 神奈川県中郡大磯町国府本郷546 大磯プリンスホテル内
マップ : Googleマップ
アクセス :
電話番号 : 0463-61-7726
営業期間 : 例年7月~9月中旬まで
定休日 : 公式サイトにてご確認ください
営業時間 : 9:00〜17:00
料金 : 1日券 大人4,200円 中高生2,800円 小学生・シニア2,200円
公式サイト : 大磯ロングビーチ
著名人の別荘地だった地区を公園として一般開放しているのは、先にご紹介した「明治記念大磯邸園」だけではありません。
明治記念大磯邸園から西へ約1.5km移動した場所に位置する「大磯城山公園」もまた、有名財閥および有名政治家の別荘跡地を整備開放した公園です。
別荘の元所有者は、戦前の日本経済を牽引した旧三井財閥と、戦後日本の復興に尽力を尽くした吉田茂元首相というVIPな顔ぶれ。
広大な敷地を有する大磯城山公園は2エリアに分かれており、無料で入園することができます。
大磯城山公園は総面積約10ヘクタールに及ぶ広大な公園です。
国道1号線を挟んで山側の「旧三井別邸地区(7ヘクタール)」と海側の「旧吉田茂邸地区(3ヘクタール)」に分かれて開園しています。
同じ公園とはいえ、それぞれの地区は分割独立した公園となっており、道路を渡らないと行き来することはできないんです。
両地区とも個性的で異なった魅力があり、充実した滞在を楽しむことができますよ。
旧三井別邸地区は、旧三井財閥当主の別邸跡を整備したエリアです。
森林に囲まれた緑豊かな公園で、高台にあがれば眼下の相模湾や伊豆半島、富士山などが一望できる絶景を楽しむことができます。
かつては贅を極めた別邸「城山(じょうざん)荘」や国宝の茶室「如庵」など多くの建造物が点在していましたが、今はほとんど残っておりません。
園内には展望台や古墳、茶室のほか大磯町郷土資料館などが設置され、見どころも充実しています。
大磯駅から城山公園までは神奈川中央交通バスが運行していますが、歩いても30分程度です。
マイカーで訪れる人向けに駐車場も完備しており、第1駐車場の土日祝日は有料(1時間300円)ですが、平日と第2駐車場は終日無料開放されています。
園内は思っていた以上に広大!
案内標識が随所にありますが、園内マップがないと場所を確認するのも一苦労です。
場所によっては別邸跡とは思えないほど険しい山道もありますよ。
展望台のある高台に向かいます。
高台の展望台入口には、このような趣のある門が残されていました。
別邸時代には「六窓堂」という東屋があったようですが、今は更地になっています。
園内の至るところに同様の説明板が設けられているので、当時の写真と見比べながら面影を辿ってみるのも楽しいでしょう。
展望台から望む相模湾の眺望です。
別の角度からは、大磯の街並みや遠く箱根連山が一望できました。
滝が流れる日本庭園もあります。
この先にある池の周辺にはモミジが植樹され、紅葉シーズンにはライトアップされた幻想的な光景を楽しめますよ。
旧三井別邸地区の主要観光スポット「大磯町郷土資料館」です。
「湘南の丘陵と海」をテーマに、考古・歴史・民俗・自然の4分野の常設展示と年数回の特別展を開催しています。
入館無料で見学することができますよ。
大磯ゆかりの政治家の遺品や土器などの出土品、浮世絵や古い絵画など展示品も充実しています。
大磯に棲んでいる動植物の紹介コーナーもあり、大磯町の自然の豊かさを実感します。
戦後まもなく首相に就任し、新憲法の発布やサンフランシスコ講和条約の締結など、戦後日本の礎を築いた吉田茂。
旧吉田茂邸地区は、吉田が終戦直後の昭和20年(1945年)頃から亡くなる昭和42年(1967年)まで過ごした邸宅跡です。
再建された旧宅を中心に広大な庭園が広がっており、こちらも入園無料で散策を楽しむことができます。
この邸宅は、元々は吉田の養父で、横浜の実業家だった吉田健三が購入した土地に建てられたもの。
過去には皇太子御夫妻や国内外の要人が招かれ、吉田の政界引退後も多くの政治家が「大磯詣」するなど歴史の舞台にもなった場所です。
入口の駐車場付近にあるバラ園は、バラの花を愛した吉田が、生前最も自慢にしていたスポットのひとつです。
皇太子(現上皇)ご成婚を記念して贈られた「プリンセスミチコ」発祥の地であり、現在も鑑賞することができます。
元首相とはいえ、園内は個人所有の邸宅とは思えないほどの広さがあります。
昭和36年(1961年)頃に完成した日本庭園は、中心となる心字池を邸宅の正面に配置した、池泉回遊式の本格庭園。
再整備し、昭和40年代当時の景観を復元したそうです。
「七賢堂」は、吉田のほか伊藤博文や大久保利通、木戸孝允など7人の大物政治家を祀ったもの。
扁額は佐藤栄作元首相によるもので、国の登録有形文化材に登録されています。
海を望む高台には、和服姿の吉田茂銅像が建っています。
日米講和条約締結の地であるサンフランシスコの方角に顔を向けているそうです。
銅像からの眺望は抜群で、このエリア随一のビュースポットとなっています。
吉田茂が暮らしていた当時の邸宅を再現したものです。
大正時代に建てられた「旧館棟」と昭和20~30年代に増築した「応接間棟」と「新館棟」で構成されています。
平成21年(2009年)に火災で全焼してしまいましたが、平成28年(2016年)にほぼ焼失前の状態に再建されました。
旧吉田茂邸は一般向けに有料開放され、内部を観覧することができます。
観覧料は大人510円です。
旧館1階の「楓の間」は応接間として使われた場所で、吉田愛用の執務机やソファーセットが展示されています。
壁側にも吉田愛用の遺品が飾られていました。
こちらはローズルームと名付けられた食堂です。
応接間棟には吉田の私的に使っていた書斎がありました。
掛け軸は吉田茂直筆のものだそうです。
愛読書もずらり保管されています。
応接間棟には浴室もありました。
最期は豪華な新館棟です。
吉田が居間として使用していた「金の間」と寝室の「銀の間」の2部屋…名前も豪華ですね。
その名前の通り、黄金色に輝いている「金の間」は、賓客をもてなす応接間としても使われたそうです。
この部屋からの景観も素晴らしいですね。
続いて寝室の「銀の間」です。
昭和42年10月20日、吉田茂はこの部屋で89年の生涯を閉じました。
再建されたばかりなので、ほとんど新築のような内観でしたが、元首相・吉田茂の生活ぶりを垣間見ることができますよ。
ここにも大磯名物の立体オブジェが2つ、バカヤロー解散に因んだ「バカヤロー」キューブと愛用のタビが展示されているのでお見逃しなく。
住所 : 神奈川県大磯町国府本郷551-1
マップ : Googleマップ
アクセス :
電話番号 : 0463-61-0355
定休日 : 年末年始
営業時間 : 9:00~17:00
料金 : 無料
公式サイト : 大磯城山公園
大磯海岸を東西に隔てる「西防波堤」上の遊歩道です。
漁港側から見て、この防波堤の反対側が大磯西海岸となり、照ケ崎海岸から「こゆるぎの浜」と繋がります。
遊歩道上から眺める富士山の眺望が抜群ですね。
遊歩道の手前にある「ポートハウスてるがさき」は、トイレ、シャワー等を完備したレストハウスです。
夏期シーズンにはプールも楽しめます。
「照ケ崎」の名前の由来は、太古の昔「蛸之丞(たこのじょう)」なる漁師が、海中で光り輝くタコを釣り上げたことに由来するそうです。
このタコはやがて千手観音に姿を変え、高麗寺の御本尊として地元民に崇められることになったとか。
なお、この観音像は高麗時が廃寺になった後、大磯にある慶覚院というお寺に安置されているそうです。
照ケ崎はタコにゆかりが深いということで、タコの足を象った「結蛸(むすびたこ)」なるモニュメントが設置されていました。
このモニュメントに「願いフダ」を奉納すると、願い事が叶うそうです。
モニュメントは「松本謝恩碑」の隣りに設置されており、願いフダは大磯駅前にある観光案内所で500円で販売されていますよ。
照ケ崎海岸といえば、忘れてはならない存在が「アオバト」。
この海岸一帯は「アオバトの集団飛来地」として知られ、神奈川県の指定天然記念物に指定されています。
例年5~11月頃の早朝、丹沢山系に棲んでいるアオバトの群れが、海水から塩分やミネラルを補給するため飛来してきます。
多い時で一日2,000羽近くを確認できるそうで、全国での有数の飛来地となっているそうです。
そんなアオバトって、普段見慣れているドバトとは違い、全身がオリーブ色の美しい鳥です。
大磯町のマスコットキャラクター「いそべえ」「あおみ」のモデルになっているほど、大磯町民には身近な存在となっています。
筆者が訪れた時は飛来シーズンではなかったためアオバトを確認できませんでしたが、その素晴らしい景観は健在です。
コバルトブルーからエメラルドグリーンまでのグラデーションに彩られた海の美しさは、関東の海とは思えないほど。
「日本の渚100選」に選出されている理由も頷けますね。
人も少なく、潮騒の音色だけが周辺を優しく包みます。
照ケ崎海岸の先に続く、長く穏やかな砂浜が「こゆるぎの浜」です。
古代から「こよろぎの磯」ともよばれ、万葉集や古今和歌集、拾遺和歌集などの歌にも詠まれてきました。
こちらの海岸も静かで、歩いていると心が洗われる気がします。
砂浜というよりも小石が多い「こゆるぎの浜」ですが、江戸時代には優れた玉石が取れる海岸としても知られていました。
カラフルで綺麗な小石を拾い、盆栽などに入れて楽しんでいたそうです。
今でも海岸域を歩いていると、可愛らしい小石がたくさん転がっているのを目にします。
先人に倣って、小石集めをしてみるのもおすすめですよ。
大磯町西部、二宮町との町境に近い国府本郷に鎮座する六所神社は、神奈川県下でも最大級のパワースポットです。
元々祀っている神様のほか、旧相模国の格式高い5社の神様を合祀しているから、そのパワーの強さは計り知れません。
六社の神様を祀っているので「六所神社」、相模国の総社として古くから篤い崇敬を受けている神社です。
相模国に古代から鎮座している、格式高き神社は以下の通りです。
どの神社も地名の由来や現存する地名として残っているものばかりですね。
こちらの4社に、下記1社を加えて5社となります。
六所神社では、この神社本来の御利益のほかに、この格式高い5社の御利益も期待できるんです。
六所神社の創建は、およそ2,100年前の崇神天皇の御代に遡るとされています。
出雲地方より移住してきた氏族が、祖神である櫛稲田姫命、素盞嗚尊、大己貴尊(大国主命)を守護神として祀り、社殿を築いたのが始まりだそうです。
大化の改新後に「相模国総社」に定められて上記5社の御分霊が合祀され、6社の大神を祀ることから名前も「六所宮」と呼ばれるようになりました。
平安時代の頃には、この地が相模国の国府となり、「相模国府六所宮」として最も権威のある神社の地位を確立することになりました。
この伝統は今も続き、毎年5月5日には大磯の神揃山で「国府祭」が斎行され、6つの神社が集結して天下泰平・五穀豊穣を祈る祭典が開催されます。
国道1号線沿いにある六所神社の大鳥居です。
本殿が鎮座している境内は、この大鳥居のある場所から少し離れており、地下道を経由して5分程度歩きます。
六所神社に到着しました。
マイカーで参拝に訪れる人は、入り口右手に無料の大型駐車場が完備されているので、こちらを利用してください。
境内はそれほど広くはありませんが、主祭神のほか複数の神様を祀っている境内社も鎮座しています。
一緒にお参りすれば、ご利益が倍増しますよ。
境内に入ってすぐ右手にある境内社が「六所ひぐるま弁天社」です。
「千両の池」という池の中に鎮座し、橋を渡って参拝します。
弁財天を祀っており、財運や豊穣、芸能上達などの御利益が高いそうです。
「六所龍神大神社」もまた「万両の池」という池の中に鎮座している境内社です。
主祭神である櫛稲田姫命が出雲より鎮座した際に、一緒に連れてこられた神様だと伝わっています。
雨水を司る神様で、五穀豊穣・災難除けのほか、財運向上・出世開運・良縁・健康長寿など多くの御利益が期待できるそうです。
宇迦之御魂大神を祭神として祀る「六所稲荷大明神」。
六所神社創建の頃より鎮座していたと伝えられ、商売繁昌・社運隆昌・事業発展・家内安全・心身健康・心願成就など多くの御神徳を持ちます。
櫛稲田姫命・素盞嗚尊・大己貴尊の「柳田大神」、および相模5社の分霊を祀る「御本殿」。
源頼朝や小田原北条氏、徳川家康ら有力者に篤い信仰を受け、こちらの本殿と石垣も北条氏綱によって寄進造営されたものだと伝わっています。
これだけの霊験あらたかな神様が守ってくださるのだから、御利益の大きさは計り知れないほどでしょうね。
なお、本殿の大しめ縄は、御祭神が出雲と縁があることから、出雲大社の大しめ縄と同じものを使っているんだそうです。
重量約250kg、長さ約4.3mの堂々たる風格があるので、ぜひ間近で鑑賞してみてください。
六所神社参拝のあと、国府祭(こうのまち)が開催される「神揃山」まで足を運んでみました。
神社からは徒歩で15分くらいの場所にありますが、住宅街のなかに佇んでおり、とても神域とは思えないほど。
階段で上までのぼってみましょう。
毎年5月の国府祭当日には、この原っぱに六社神社をはじめ相模6社の神輿が集まります。
寒川神社と川匂神社が席次争い問答をする「座問答」など、この場所で祭事が盛大に行われるそうです。
筆者が訪れた際には山には誰もおらず、ひっそり静まり返っていました。
6社の神体石が安置されていますが、比々多神社の神体石が遠く離れているなど、その配置は今だ謎だということ。
さすが「神揃山」というだけあって、静けさのなかにも神秘的なオーラに包まれていました。
住所 : 神奈川県中郡大磯町国府本郷935
マップ : Googleマップ
アクセス : 「国府新宿」バス停より徒歩5分
電話番号 : 0463-71-3737
定休日 : なし
営業時間 : 24時間参拝自由
公式サイト : 六所神社
大磯だけでも素晴らしい観光を期待できますが、少しだけ足を運べば、さらに素敵な絶景に巡り会えます。
湘南地区随一のビュースポットとして知られる「湘南平」と360度のパノラマ絶景が楽しめる「吾妻山公園」は、大磯のすぐ近くにあります。
「湘南の山」が誇る絶景スポットを一緒に満喫してみましょう。
大磯町と平塚市に跨る高麗山周辺は「高麗山県民の森」に指定され、大磯駅からも気軽に行けるハイキングコースとなっています。
その高麗山と泡垂山の山頂付近一帯は通称「湘南平」と呼ばれ、湘南地区を代表する絶景観光スポットとして知られています。
そんな湘南平は平塚市の市域となっていますが、大磯を訪れたらぜひとも足を運んでおきたいおすすめの場所です。
湘南平までのアクセスは、平塚駅からバスが運行していますが、大磯方面からのバスはなく、徒歩または車での訪問となります。
徒歩では大磯駅からハイキングコース経由で約60分、車では県道609号線(公所大磯線)の高根交差点から南下するコースが最短です。
山頂付近には無料の駐車場が完備されており、駐車場から湘南平までは約2分で到着します。
湘南平の正式な名称は「高麗山公園」。
標高180mと決して高くはないのですが、視界を遮るものがないため眺望は抜群です。
眼下の相模湾はもちろんのこと、富士山や箱根山塊、三浦半島などの景観を圧巻のパノラマビューで楽しむことができます。
「かながわの景勝50選」や「かながわ未来遺産100選」「夜景100選」など、数多くの賞賛を受けている理由が頷けますね。
湘南平の高台からは、どの角度から眺めても素晴らしい景観が期待できます。
こちらは眼下に広がる相模湾ですが、水平線の彼方まで見渡せます。
レストハウスの展望台にも足を運んでみましょう。
3階建ての高さから眺める眺望は、湘南平で一番の素晴らしさを誇ります。
テレビ塔展望台(改修工事中)越しに拝む相模湾は、息を吞むほどの絶景です。
「恋人の聖地」としても有名な湘南平のシンボル・「愛の南京錠・ainowa」です
恋人同士が永遠の愛を誓う「愛の南京錠」は、実は1980年代に湘南平で始まったのがルーツなんだとか。
レストハウスの2階部分に設置されています。
気になる南京錠は、レストハウス内のガシャポンで販売されていますよ。
湘南平で楽しめる絶景パノラマビューは、海側だけではありません。
山側にも素晴らしい眺望が待っています。
こちらは山側に向いた小さな展望台です。
この展望台からは大山や丹沢山系の雄大な眺望を確認することができます。
なお、湘南平は素晴らしい夜景を楽しめるスポットとして知られていますが、夜道は暗くて急なので、くれぐれも運転には気を付けてくださいね。
住所 : 神奈川県平塚市万田790
マップ : Googleマップ
アクセス : 「湘南平」バス停より徒歩すぐ
電話番号 : 0463-31-6722(高麗山公園レストハウス管理事務所)
定休日 : なし
営業時間 : 公園は24時間開放(レストハウスは9:30~21:30)
料金 : 無料
東の「湘南平」と肩を並べる絶景スポットが、大磯の西隣りの二宮町にあります。
「吾妻山公園」はJR二宮駅のすぐ近く、標高136.2mの吾妻山山頂を整備した町立公園です。
この公園から望む景観は絶景で、富士山や丹沢・箱根山系、眼下の相模湾や伊豆大島などが360度パノラマビューで楽しむことができます。
また、花の名所としても知られていますが、とりわけ菜の花が咲き誇る厳寒期の景観が素晴らしく、吾妻山公園のシンボルとして親しまれています。
吾妻山公園までのアクセスは複数ありますが、二宮駅北口から徒歩5分程度の「役場口」入口から入園するのが一番わかりやすいです。
このコースは入口から山頂までは徒歩25分、約300段の急な階段を含む山道を登る必要があります。
筆者は駅から少し離れた「梅沢口」から入園してみることにしました。
この入口から山頂までは約20分と他と比べて最短コースにはなりますが、御覧の通り急な傾斜道です。
登山道の途中に鎮座する「吾妻神社」は、西暦110年頃の景行天皇の御代に創建されたと伝わる由緒ある神社です。
日本武尊東征の折り、身代わりとなって命を落とした妃・弟橘姫命を祭神として祀っています。
海に流れ着いた弟橘姫命の遺品である櫛を納めたことが神社の起源とされ、日本武尊が「吾が妻よ」と嘆いたことが吾妻山命名のルーツだそうです。
縁結びや夫婦円満にご利益があることで知られています。
吾妻神社を過ぎれば、山頂まであと一息です。
山頂広場では遮るものがない360度の絶景パノラマが広がっていました。
まずは目の前の富士山にご挨拶!
吾妻山公園のシンボル・菜の花は、例年1~2月に見ごろを迎えます。
光輝く相模湾、箱根山系とのコラボレーションが素敵ですね。
この方角からは雄大な相模湾の絶景が広がっています。
眺望を見るために、苦労して登ってきた甲斐がありますね。
吾妻山公園では菜の花のほか、サクラやコスモス、紅葉など四季折々の景観を楽しむことができます。
大型のローラー滑り台や遊具なども整備され、子供たちも大満足!
帰り道は二宮駅北口に繋がる「役場口」を通ります。
緩やかな斜面が続きますが、最後に300段の階段が待っていますよ。
第2展望台近くではスイセンも見ごろを迎えていました。
この位置からも相模湾の眺望を確認できますね。
なお、吾妻山公園は専用駐車場がないので、マイカーの人は周辺の時間貸駐車場を利用するようにしましょう。
住所 : 神奈川県中郡二宮町山西1084
マップ : Googleマップ
アクセス :
電話番号 : 0463-72-3611(吾妻山公園管理事務所)
観光資源だけでなく、大磯はグルメ事情も充実しています。
お洒落で高級感溢れるレストランからリーズナブルな大衆食堂、新鮮な魚料理から洋食、中華に至るまで個性ある魅力的なお店が勢揃い。
ここでは、数ある大磯のグルメスポットの中から筆者一押しのおすすめ店を厳選しました。
また、お土産にも最適な大磯の銘菓も合わせてご紹介します。
古民家をリノベーションしたレトロな外観に、大きく店名が書かれたインパクトの強い暖簾。
「肉と野菜の店 相模園」は、国道1号線沿い、大磯町役場のすぐ真向かいにある和風レストランです。
前から気になってはいましたが、お店前にあったメニュー看板を拝見し、ボリュームたっぷりのランチを味わえるとのことなので、早速入店してみました。
店舗内は広々としており、木を基調とした落ち着いた空間です。
開店してから10分後くらいに入店しましたが、すでに5~6組の先客がいました。
ランチメニューはポークステーキやロースカツ、チキン南蛮など肉をメインにした5種類!
すべてのメニューにライスと味噌汁のほか、自慢の8種類小鉢が付いてくるそうです。
迷った挙句、「極厚ロースカツ」を注文することにしました。
お待ちかねの極厚ロースカツは思った以上のボリューム。
ライスは特製出汁(写真の黒いポット)でお茶漬けにして食べても美味しいですよ。
肉厚でジューシなロースカツは、サクサクとした揚げたての衣に包まれて抜群の美味しさ!
おろしダレはもちろん、塩で食べても絶品です。
地元野菜を中心とした8種類の小鉢です。
「トマトのジュレ漬け」や切干大根、ニンジンのラペなど、どの小鉢も手の込んだ素晴らしい味わいでした。
食事が終わった後も店員さんが出口までお見送りしてくれるなど接客応対も抜群で、何度でも味を運びたくなる素敵なお店です。
住所 : 神奈川県中郡大磯町大磯1201−1
マップ : Googleマップ
アクセス : JR大磯駅より徒歩7分
電話番号 : 0463-60-1010
定休日 : なし
営業時間 :
予算 : 1,000~2,000円
キャッシュレス決済 :
禁煙・喫煙 : 全席禁煙
予約サイト・口コミ・クーポン : 食べログ
JR大磯駅のすぐ近くに店舗を構える、大磯を代表する高級洋菓子店・鴫立亭。
店名はご察しのとおり大磯の有名観光スポット「鴫立庵」に由来し、創業は昭和54年(1979年)と40年以上の歴史を持つ老舗です。
オーナーは19歳の時に洋菓子コンテスト最年少優勝を果たした経歴の持ち主で、今もなお全商品手作りで製造販売しています。
レトロな洋館風の外観も素敵ですね。
店舗内のショーウィンドウには、カラフルでお洒落なケーキ、焼き菓子などが所狭しと並んでいます。
ケーキは500円~と少し高めの価格設定ですが、甘いもの好きな筆者にとってはどの商品も気になります。
イートインスペースも設けられており、アンティーク調の落ち着いた空間でカフェタイムを楽しむことも可能ですよ。
テイクアウトで何種類かのケーキを購入しましたが、どのケーキも甘すぎず上品な味わいでした。
鴫立亭は大磯の本店のほか、葉山にも店舗を構えており、こちらも地域を代表する人気店となっています。
住所 : 神奈川県中郡大磯町大磯1153
マップ : Googleマップ
アクセス : JR大磯駅より徒歩1分
電話番号 : 0463-61-6540
定休日 : 不定休
営業時間 : 9:00~18:00 ※喫茶は10:00~17:30
予算 : 1,000~2,000円
キャッシュレス決済 : 不可
予約サイト・口コミ・クーポン : 食べログ
明治24年(1891年)創業の老舗和菓子店で、大磯ゆかりの多くの著名人に愛され、今もなお地元で根強い人気を誇る名店です。
大磯に日本初の海水浴場を開設した松本順は、東京の名士等に、こちらの饅頭を手土産に大磯の海水浴場を宣伝したと言われています。
また、吉田茂や島崎藤村も、こちらの饅頭の大ファンで足繫く通ったそうです。
明治の昔そのままの風格ある店舗は、国道1号線沿いの「照ケ崎海岸入口」交差点の近くにあります。
こちらの看板商品は、松本順や吉田茂がお気に入りだった「虎子饅頭(150円)」と島崎藤村が愛した「西行饅頭(150円)」。
どちらも昔ながらの製法で作られており、保存料などを一切使っていないので、消費期限は2日程度と短いです。
あいにく虎子饅頭は販売していなかったため、西行饅頭を購入してみました。
西行饅頭は鴫立庵ゆかりの西行法師が被っていた菅笠をイメージした和菓子で、神奈川県の銘菓にも指定されている逸品。
しっとりしたこしあんと黒糖風味の皮が上品な味わいを醸し出しており、著名人を含む多くの人を魅了してきた理由が頷けます。
住所 : 神奈川県中郡大磯町大磯1107
マップ : Googleマップ
アクセス : JR大磯駅より徒歩8分
電話番号 : 0463-61-0461
定休日 : 火曜・水曜
営業時間 : 8:30~16:00
予算 : ~1,000円
キャッシュレス決済 : 不可
禁煙・喫煙 : 不可
予約サイト・口コミ・クーポン : 食べログ
風光明媚な海や山が身近にあり、魅力的な歴史的建造物が多いなど見どころが豊富な大磯。
町の規模もコンパクトなうえ、見どころも集中しているので、徒歩やレンタサイクルでのんびりと周遊してみるのもおすすめです。
今回、町歩きの定番コースから、自然を満喫できるコースまで、テーマ毎におすすめモデルコースをまとめました。
筆者が実際に活用した無理なく周遊できるコース内容となっていますので、お気に入りのコースがあったらぜひ参考にしてくださいね。
大磯駅をスタートし、北浜海岸(海水浴場)や大磯港を巡ったあとに町内の主要観光スポット周遊するコースです。
車やバスを利用せず、のんびりと歩きながら大磯の魅力を満喫してみましょう。
大磯駅(徒歩10分)→北浜海岸(徒歩8分)→大磯港(徒歩6分)→鴫立庵(徒歩5分)→旧島崎藤村邸(徒歩6分)→明治記念大磯邸園
見学時間を含めると2時間程度のコースとなります。
大磯の海、史跡や観光スポット、東海道松並木など見どころを網羅していますが、余裕があれば大磯城山公園まで足を延ばしてみましょう。
明治記念大磯邸園から国道1号線を歩いて20分くらいです。
西湘バイパスに並走するサイクリングロード「太平洋自動車道」経由で、大磯城山公園を目指すコースです。
照ケ崎海岸やこゆるぎの浜を眺めながらの爽快なコース内容となっています。
途中には海岸まで繋がっている地下道があるので、砂浜をのんびりと散策してみるのも楽しいでしょう。
大磯駅(徒歩10分)→照ケ崎海岸・こるゆぎの浜(徒歩35分)→大磯城山公園
歩行距離が長くなるので、レンタサイクル(1日500円)を利用してみるのもおすすめですよ。
情緒ある旧東海道と周辺の史跡を見学しながら、高麗山をハイキングするコース。
少しハードな道程となりますが、余裕があれば湘南平まで足を延ばしてみるのもおすすめです。
高麗山山頂から湘南平までは約30分程度で到着します。
大磯駅(旧東海道経由・徒歩20分)→高来神社(ハイキングコース・徒歩20分)→高麗山山頂
絶景を楽しますが、ハイキングが主流のため健脚者向けのコースとなります。
大磯町西部と二宮町の人気観光スポットを周遊するコースです。
こちらは距離的に近い二宮駅を出発します。
二宮駅(徒歩25分)→六所神社(徒歩25分)→大磯城山公園(バス10分・徒歩40分)→二宮駅(徒歩5分)→吾妻山公園
城山公園から二宮までは、海を眺めながらの「太平洋自動車道」コースを利用するのもおすすめです。
移動時間は長くなりますが、2つの町を代表する観光スポットを網羅した充実のコースですよ。
古来より多くの著名政財界人や文化人に愛されてきた湘南・大磯。
今もなお訪れる人を優しく包み込む、ホスピタリティ溢れる素敵な街です。
都心からも1時間程度でアクセスできる湘南のリゾートで、あなたも心から癒されてみてはいかがでしょうか。
▼大磯周辺の観光記事
・ 湘南に行くならこれで完璧!湘南の観光・デート・グルメスポット総まとめ!
・ 湘南・平塚のおすすめ観光&グルメポット13選!観光モデルコースも紹介
最終更新日 : 2024/01/30
公開日 : 2024/01/30