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<カサブランカ(Casablanca)のおすすめ観光スポット>
1. ムハンマド5世廟(Mausolée Mohammed Ⅴ)
2. ムーレイ・イスマイル廟(Tombeau de Moulay Ismail)
<ヴォルビリス(Volubilis)のおすすめ観光スポット>
ヴォルビリスの古代遺跡(Site archéologique de Volubilis)
2. ブー・イナニア・マドラサ(Madrasa Bou Inania)
<シェフシャウエン(Chefchaouen)のおすすめ観光スポット>
<ワルザザート(Ouarzazate)のおすすめ観光スポット>
アイトベンハドゥ(Ksar d'Aït-Ben-Haddou)
<エッサウィラ(Essaouira)のおすすめ観光スポット>
3. イブサンローラン美術館(Musée Yves Saint Laurent)
国名:モロッコ王国
元首:モハメッド6世
国土面積:44万6000㎢西サハラを除く(日本の約1.2倍)
首都:ラバト
人口:3708万(2021年) アラブ人60%、ベルベル人30%
宗教:国教はイスラム教
時差:日本との時差は-9時間、サマータイムは-8時間
通貨:ディルハム(1MAD=12.8円 2023年1月時点)
公用語:アラビア語、ベルベル語
北アフリカの現モロッコ、チュニジア、アルジェリア地域には、古くからベルベル人が暮らしていました。
紀元前11世紀から紀元後7世紀まで、沿岸部を中心にカルタゴ、ギリシャ、 ローマ 、ビザンチンなどの支配を受けています。
7世紀になってアラブ人の侵攻が始まり、アラビア語とイスラムがベルベル人に浸透していったのです。
8世紀にフェズを首都としたイドーリス朝、11世紀~13世紀にかけてのムラービト朝、ムワッヒド朝は、モロッコ、アルジェリア、チュニジアからイベリア半島までを支配下に置くマグレブ統一国家を作り上げました。
アラビア語でマグレブとは、「日が沈む事、日が沈むところ」という意味。
ご存知でしたか?日本がジャパンではなく日本なように、モロッコの正式な現地名はアラビア語で「マグレブ」なんです。
15世紀になり、イベリア半島からイスラム勢力を駆逐したスペインのカトリック勢力が北アフリカにも侵攻し、モロッコではアガディール、サフィの街が占領されています。
16世紀になり、フェズで興ったサアード朝は、カトリック勢力を撃退し、モロッコの独立を守りました。
17世紀に、政権をとったアラウィ朝が現在まで続いています。
19世紀になると、ヨーロッパ諸国からの圧力が強まり、 イギリス 、スペイン、フランスとの不平等な通商条約を結ぶ事になり、1912年のフェズ条約によって、国土の大半がフランスの保護領となったのです。
スルタンを中心として長く続いていた独立運動は第二次世界大戦後により激しくなり、ついに1956年に保護領条約は破棄され、翌1957年にスルタンの呼称を国王に改め、ムハンマド5世を初代国王とするモロッコ王国が誕生しました。
ざっくりとモロッコの歴史をご紹介しました。
40年以上に渡るフランス支配により、フランスとの密接な関係が生まれ、言葉や文化が習慣などが混じり合ったという事実は、モロッコを旅する上でのキーワードになるでしょう。
公用語はアラビア語とベルベル語。
ベルベル人はベルベル語を話し、モロッコ人はアラビア語のモロッコ方言である、ダリジャ話します。
ダリジャは口語なので、読み書きは正則アラビア語(フスハー)となり、学校教育も正則アラビア語で行われています。
また、公用語ではないですが、大学教育、ビジネスの世界の主流はフランス語。
フランス植民地時代に学校教育を受けた年配の方がフランス語を理解するのは、歴史の副産物ですね。
観光地の表示も、アラビア語、フランス語で書かれている事が多いので、本記事の観光地名も日本語/フランス語にしてみました。
アラビア語圏を旅する時にぜひ覚えておきたいのがこちら。
「 アッサラーム アレイクム 」
時間を問わない挨拶の言葉で、直訳すると「あなたがたの上に平和がありますように」
相手に先に言われた場合は「 ワレイクムッサラーム 」と返します。
ありがとう、は「 ショクラン 」です。
簡単なのでぜひ覚えてくださいね。
はい、が「 イィエ 」なのはモロッコ方言ならでは。
一方でいいえ、は「 ラッ 」、客引きを断る時や値段交渉にも必要です。
国民のほとんどがイスラム教徒というモロッコにおいて、女性は肌の露出のない服装をするのが一般的です。
そんな中で露出の激しい服装をして歩くと、人々の視線を集めるのは当たり前。
注目されたい方は別ですが、そうでない方は、夏場でもさっと羽織れるような物があると便利です。
旅の初めにモロッコの伝統的な衣装であるジュラバ(男性用、女性用あり)を購入してみてはいかがでしょうか。
フードが付いているので、砂漠観光の時にも砂除けになりますよ。
日本からの直行便は運航していないので、中東経由、アジア経由、ヨーロッパ経由になります。
アフリカ大陸までは航空券が高そう?
いえいえ、格安航空券を上手く利用すると、ヨーロッパへ行くのと同額くらいの航空券もあります。
中東経由なら、エティハド航空、エミレーツ航空、カタール航空、ヨーロッパ経由ならばエールフランス航空がパリからモロッコへの便数も多く便利です。
人気の航空券はすぐに売り切れるので、予定が決まればすぐに航空券を予約しましょう。
※合わせて読みたい: お得に旅行したい方必見!格安航空券予約サイト34選
上級編としては、ヨーロッパからLCCを使う、スペイン旅行と組み合わせてフェリーで上陸という方法も。
モロッコは意外にも国内移動のハードルはそう高くないので、主だった観光地を巡るのでしたら個人旅行でも大丈夫!
無駄なく短期間で周りたいという方にはツアーがおすすめです。
周遊の場合のおすすめは、カサブランカからスタートしてカサブランカに戻ってくる時計回りコース。
その理由は人気の観光スポット、お買い物スポットがたくさんあるマラケッシュをラストにするためです。
あまり買い物の予定はないという方は、どちら周りでも問題ありません。
どのくらい旅行期間があるか、どんな場所に興味があるかによって訪れる場所は様々ですよね。
これからご紹介する場所は、全ておススメですが、絶対に外さないで!という場所には★をつけてみました。
カサブランカ
↓
ラバト
↓
メクネス⇔ヴォルビリス
↓
★フェズ⇔★シェフシャウエン
↓
ティネリール(トドラ渓谷)
↓
★メルズーガ(サハラ砂漠)
↓
★マラケシュ⇔エッサウィラ
↓
カサブランカ
モロッコ国内の移動は、大きく分けて列車とバス。
時間に遅れがちな事を除けば、どちらも個人旅行者には強い味方であり、意外にも快適なんですよ。
モロッコの鉄道と言えば ONCF(Office National des Chemins de Fer)という国営鉄道です。
カサブランカの空港にも駅があり、市内まで約35分で繋いでいるので、まず手始めに利用してみましょう。
大都市間の移動ならば、バスよりも鉄道がおすすめです。
モロッコ国内の長距離バスと言えば CTM と、上記のモロッコ国営鉄道が運行するスープラトゥール。
CTMは以前国営でしたが、現在は民営に。
スープラトゥールは鉄道路線がある区間の運行はありません。
路線や運行時間、料金などで使い分けましょう。
さあ、まずはカサブランカからスタートです!
郊外にムハンマド5世国際空港があり、モロッコの空の玄関口と言えるカサブランカ。
人口約415万人を擁するモロッコ最大の都市です。
モロッコの商業、金融の中心地なので、観光的な見どころはあまり多くありません。
そうとは言っても街歩きが楽しいモロッコなので、初日にウォーミングアップとしてブラブラとして見るのも良いですね。
カサブランカを代表する観光スポットが、こちらの「ハッサン2世モスク」です。
前国王ハッサン2世の命により、1986年から8年の歳月をかけて造られました。
礼拝の時間を呼びかけるための塔(ミナレット)の高さは200mもあり、国内最大級です。
総工費800億円という莫大な費用をかけ、国内外から優秀な技術者、職人を集めて作られたハッサン2世モスク。
中庭を含めた敷地内には85000人が収容できるという巨大なモスクで、開閉式の天井やソーラーシステムによる床暖房が完備されています。
内部はガイド付きの見学のみ。
やや入場料は高めですが、モロッコでは異教徒が見学できるモスクが少ないので、ぜひ訪れてみてください。
時間がない、興味がない方は、外観だけでも綺麗な写真が撮れるのでおすすめです。
住所 : Blvd Sidi Mohammed Ben Abdallah, Casablanca,Morocco
マップ : Googleマップ
アクセス : トラム「Avenue Hassan Ⅱ」駅下車、徒歩20分
電話番号 : +212 5224-82886
定休日 : なし
営業時間 :
料金 : 大人130dh、子供30dh、6歳未満は無料
公式サイト : ハッサン2世モスク
カサブランカから列車で1時間、首都のラバトに到着。
20世紀のフランス保護領時代の王宮や住宅、庭園などが整然と並ぶ新市街、旧市街には12世紀に建てられたモスクや城壁などが残る美しい街です。
政治の中心地として落ち着いた雰囲気を持ち、モロッコの中でも抜群に治安が良い街。
2012年、ラバト市全体が「近代の首都と歴史都市の側面を併せもつ都市」として世界遺産に登録されています。
現国王の祖父にあたるムハンマド5世は、フランス統治からの独立運動の指揮をとったモロッコ建国の父として知られています。
1961年に51歳で崩御、没後10年にあたる1971年に霊廟に棺が運ばれました。
息子であるハッサン2世と、その弟ムーレイ・アブドゥッラーも一緒に安置されています。
外観はシンプルですが、内部は壁一面に繊細な彫刻が施され、美しいタイル装飾、フランス製のステンドグラスや、大きなシャンデリアなど豪華そのもの。
霊廟の警備にあたる騎馬兵や衛兵さんは、伝統的な衣装を身にまとい雰囲気抜群で、写真撮影にも応じてくれますよ。
住所 : Boulevard Abi Regreg, Rabat 10030, Morocco
マップ : Googleマップ
アクセス : トラムHassan II Bridge 駅から徒歩12分
定休日 : 無休
営業時間 : 日の出から日没まで
料金 : 無料
ムハンマド5世廟と同じ敷地内にある高さ44mのハッサンの塔。
世界最大のモスクと最大のミナレットを作るべく、当時のスルタンであったヤアクーブ・エル・マンスールの命により1195年に建設が始まりましたが、4年後にマンスールが亡くなり工事は中断され、未完のままになってしまいました。
当初の計画では、ほぼ倍の高さの80mになる予定だったと言います。
ハッサンの塔の周りに並ぶまるで残骸のような円柱は、この地にあったモスクの支柱。
1755年のリスボン大地震の際に崩落し柱だけが残されました。
ちょっと面白い写真が撮れそうなスポットです。
住所 : Boulevard Mohamed Lyazidi, Rabat 10030, Morocco
マップ : Googleマップ
アクセス : 鉄道 ラバト・ヴィル駅から車で10分、または徒歩25分
定休日 : 無休
営業時間 : 24時間
料金 : 無料
首都ラバトから東に約130km、フェズから西に60km。
メクネスの旧市街は「古都メクネス」として、1996年に世界遺産に登録されています。
17世紀にアラウィー朝の首都となり、当時の王であったムーレイ・イスマイルは、フランスのルイ14世(太陽王)に傾倒し対抗心を燃やしていたと言います。
ヴェルサイユのような華麗な王都を夢見て古い街並みを壊し、ヨーロッパ文化を取り入れた建物を次々と作らせました。
街の完成を見ることなく亡くなった王ムーレイ・イスマイル。
後に首都がフェズやマラケシュに移り、メクネスは徐々に衰退していき、今は古都として落ち着いた雰囲気を持つ街になりました。
北アフリカで一番美しい門と言われる「マンスール門」は、ムーレイ・イスマイルが建設を命じた最後の建造物で、完成したのは彼の息子の代になってから1732年のことでした。
設計、建築を手がけたマンスールは、「この門以上に素晴らしい門を作れるか?」との問いに、「はい」と答えたため殺されてしまったと伝えられています。
交通量が多い場所なので、ちょっとすすけてしまっていますが、見事なゼリージュ細工なのでぜひ近づいてみてください。
モロッコの代表的なタイルワークである「ゼリージュ」とは、様々な形にカットされた施釉タイルによる幾何学模様の装飾。
伝統的に使われてきたタイルの色は、白、黒、青、緑、黄、赤、茶の7色で、カットされるパーツにはそれぞれ名前が付けられています。
マンスール門の前には、メディナ歩きの起点になるエディム広場が広がります。
規模は小さいですが、マラケシュのジャマエルフナ広場のように、大道芸人やパフォーマーがでて賑わいます。
広場の周りにはカフェやレストランがあるので、休憩するのにピッタリです。
住所 : VCVP+24M, الجماعة الحضرية الهديم، شارع محمد السادس, مكناس،, Meknès, モロッコ
マップ : Googleマップ
アクセス : 鉄道アミール・アブデルカデル駅から徒歩30分、車で8分
営業時間 : 24時間
ルイ14世に傾倒し、ヴェルサイユのような王都を夢見ていたアラウィー朝の王、ムーレイ・イスマイル。
ムーレイ・イスマイルと妻、そして息子の為に作られた霊廟が「ムーレイ・イスマイル廟」です。
大理石の噴水がある中庭をはじめ、壁や天井のゼリージュモザイク、漆喰彫刻などの装飾が見事なので、イスラム美術が好きな方は必見です。
住所 : meknes, morocco マンスール門より徒歩5分
マップ : Googleマップ
アクセス : 鉄道アミール・アブデルカデル駅から徒歩30分、車で10分。
定休日 : 金曜日
営業時間 : 8:30~12:00/14:00~18:00
料金 : 無料(寄付制)
ヴォルビリスまでは、メクネスからタクシーをチャーターするのがベストですが(帰りは待ってて貰う)、冒険派や節約派ならば、バスかグランタクシー+徒歩も可能。
メクネスからバスかグランタクシーで一番近い街であるムーレイ・イドリスまで行き、そこからの4キロは乗り合いタクシーか徒歩。
ヴォルビリスは本当に遺跡しかない場所です。
観光客も少ないので、ローマ遺跡を独り占めできます。
紀元前40年、ローマ帝国の属領となったヴォルビリスは、ローマ帝国の勢力範囲の西限に位置する重要な街でした。
その繁栄はローマ帝国が撤退する3世紀頃まで続き、街には8つの城門、40以上の塔を持つ全長2300mの城壁が張り巡らされていました。
公共広場には、バジリカや神殿、公衆浴場があり、凱旋門から大通りの両側には富豪たちの豪邸が立ち並んでいました。
全盛期には3万人もの人がここで暮らしていたと言います。
豪邸の中庭に見られるのがモザイクで、神話の出来事や動物などが描かれていてその保存状態の良さには驚かされます。
廃墟と化していたこの一帯は、1915年にフランスにより発掘調査が行われ世に知られるようになり、1997年に「ヴォルビリスの古代遺跡」として世界遺産に登録されました。
住所 : Route de Volubilis, Fertassa,morocco
マップ : Googleマップ
アクセス : メクネスから車で45分
電話番号 : +212 53554 4103
定休日 : 無休
営業時間 : 8:30~19:00
料金 : 20dh
公式サイト : ヴォルビリスの古代遺跡
さあ、いよいよ世界遺産の街フェズへ到着。
メクネスからフェズまでは列車で40分です。
8世紀末にモロッコ最初のイスラム王朝が興ったのがフェズの街。
ムーレイ・イドリス1世と、その息子ムーレイ・イドリス2世がフェズを王都とし、後に迷宮都市と言われる複雑な街づくりをしたのです。
そこへイベリア半島のウマイヤ朝から避難してきた人々と、カイルワーン(現在のチュニジア)から、アグラブ朝の弾圧により逃れてきた人々がフェズ川の両岸に定住しました。
このため、フェズ・エル・バリと呼ばれる旧市街には、イベリア半島からの移住者が多く住むアンダルス地区と、カイルワーン地区に分かれています。
後のマリーン朝などもフェズを王都とし、13世紀頃からは立派なモスクやイスラムの高等教育の場である神学校などが設立され、芸術と学問の都として繁栄していきました。
フェズの旧市街は1981年に世界遺産に登録されています。
市壁に囲まれ、8つの門を持つメディナ。
そのメインゲートと言えるのが、「ブー・ジュルード門」です。
1913年に建造されたので、1000年以上の歴史を持つ古都フェズの中ではとても新しい門ということになりますね。
さあ、今からメディナを観光しようと門を見上げていると…どこからともなく「街をガイドさせてくれ」「友達になろう、ガイドは無料だ」という輩が登場するのが王道パターンです。
モロッコが旅行者の間で「三大うざい国」と呼ばれる所以の一つが、このフェズの自称ガイドや客引きたちの存在です。
ここでうやむやな態度をすると、散策中にずっとついてきたり、勝手にガイドを始めたり、友達と思って仲良くなり家を訪ねたら、実は家が困っているので少し助けてくれないか?と持ちかけられて人間不信に陥ったりするはめに。
不要な時にはきっぱりと断ること、これに尽きます。
ブージュルード門をくぐると、そこから先は混沌と喧噪の世界。
車は入れないので、荷物を運ぶロバや手押し車が行き交い、すれ違うのがやっという細い路地もあり、路地好きにはたまりません。
「迷宮都市フェズ」などと言われますが、道に迷っても市壁に囲まれているので、とんでもない場所に行く可能性はありません。
細い道は突き当りになっていることが多いので、突き当たったら引き返せば良いだけです。
ブージュルード門から入ると、ほぼ道なりに東に下り、カラウィーンモスクまで続く道がメディナのメインストリート「タラア・ケビーラ」です。(アラビア語で大きな道という意味)
ブージュルード門から入ってすぐに右折すると、「タラア・セギーラ」(小さい道という意味)があり、ケビーラ通りの少し南側をくねくねと並行し、途中でケビーラ通りと合流します。商店が多いのはこの道なので、あえてこちらを通ってみると楽しいですよ。
メディナの大きな道と言えばこの2本で、カラウィーンモスクからは四方八方に路地が延びています。
途中で迷ったと思ったら「 バーブ・ブージュルード? 」、または「 タラア・ケビーラ? 」と訪ねれば、スタート地点に戻ることができるのでご安心を。
ブージュルード門から入ってすぐ、見逃せない観光スポットが登場します。
「ブー・イナニア・マドラサ」は、14世紀のマリーン朝時代に、ブー・イナニア王が建造したイスラム神学校。
美しい木製のドアを入ると、中はイスラム芸術の宝庫です。
緑や青をベースにしたモザイクタイル、木製窓の美しい装飾、寄木細工の扉、屋根の鍾乳飾り、敷き詰められた大理石。
外の喧騒が嘘のような、静けさに包まれた場所で、ゆったりとした時間を過ごすのにピッタリ。
二階の回廊からの景色も素敵ですよ。
モロッコの宗教施設の殆どが異教徒には開放されていないので、入場観光してみてくださいね。
住所 : Talaa Kabira, Fes 30110, Morocco
マップ : Googleマップ
アクセス : ブー・ジュルード門から徒歩2分
営業時間 : 9:00〜17:00
料金 : 10ディルハム
フェズの伝統工芸である皮革製品、その皮なめしの工程を見る事が出来るのがタンネリです。
メディナを歩いていると、「タンネリ~」とか日本語で「かわなめし~」と寄ってくる人がいたら、それは革製品屋さんの客引き。
彼らの工房の屋上からタンネリを見学し、帰りに良ければお店で何か買ってねというスタイルです。
特に欲しい物がなければ、見学に対するチップ(5~10ディルハム)だけを払えば大丈夫ですが、かなり強引な営業をする店もあり、何も買わないというと50ディルハムを要求されたという話も。
料金に関しては最初にしっかり交渉しておきましょう。
タンネリは500年以上の歴史を持つ公共の場所で、フェズ川の水を使って手作業で革をなめしています。
山羊、羊、牛、ラクダなどの革は、写真の左側に見える牛の糞やハトの糞を入れた白いプールを使って、残った毛や肉、水分、脂肪などを取り除きます。
その後、いくつかの工程を経て、右側の茶色のプールに入っているカラフルな染料で染め上げていくのです。
赤色はポピー、黄色はターメリック、緑はミント、青はインディゴ、茶色はザクロの葉など天然由来の染料が使用されています。
特に夏場はタンネリからかなり強烈なニオイがするので、敏感な方は気を付けてください。
入り口でミントの葉っぱが配られるので、少し揉んで鼻にかざすと効果的です。
行き方はちょっとややこしいですが、銅製品で有名なサファリーン広場まで行けばもう一息。
周りの人にタンネリと聞いてみてください。
住所 : Hay Lablida Chouara, Fes 30030, Morocco
マップ : Googleマップ
アクセス : ブー・ジュルード門から徒歩30分
営業時間 : 作業場によって異なる
青い街として人気が高いシェフシャウエン、略してシャウエンと呼ばれています。
メディアに取り上げられるようになり、個人旅行はもとより、今ではパッケージツアーでも立ち寄るほどの人気ぶりです。
15世紀に ポルトガル 勢力の侵略と戦うために築かれた要塞が、シェフシャウエンの街のスタートでした。
その後、イベリア半島はカトリック勢力により再征服され、スペイン生まれのイスラム教徒やユダヤ教徒は、追われるようにモロッコの北部に住み始めます。
シャフシャウエンに定住したユダヤ人が街を青く塗り始めたのが起源だと言われていますが、真偽は定かではないのだそう。
1920年からモロッコ独立の1956年まではスペイン支配を受けたシェフシャウエン。
現在でもスペイン人に人気の観光地の一つです。
青の街として爽やかなイメージがあるかもしれませんが、実はシェフシャウエン周辺はモロッコきってのハシシの栽培地。
ハシシを求めて主にヨーロッパの若者たちがやってきて、長期滞在することでも知られています。
街を歩けば「ハシシいらない?」「栽培地の見学しない?」と必ず声をかけられます。
ちなみに、モロッコでもハシシは合法ではありませんので、勘違いのないように…
メディナ(旧市街)の中心となるのは、ウタ・エル・ハマム広場。
広場の周辺には、レストランやお土産屋さんが並び、大勢の観光客で賑わっています。
とにかく、あちこち歩き回ってお気に入りの「青」を見つけるのがシェフシャウエンの醍醐味。
フェズからの日帰りも可能ですが、できれば数日滞在してのんびりしてみてはいかがでしょうか。
フェズからはCMTバスで3時間半~4時間。(休憩時間込み)
フェズのバスターミナルは、新市街と旧市街の2か所ありますが、本数が多いのは新市街の発着です。
フェズ~シェフシャウエンは人気路線なので、前日までにチケットを購入しておきましょう。
新市街発:8:00,11:00,12:00,16:00,23:45
料金:100ディルハム
詳細は こちら から確認してください。
サハラ砂漠に行く前に、時間があれば立ち寄ってみたいのが「トドラ渓谷」です。
ティネリールはモロッコ中部、トドラ川沿いのオアシスの街で、トドラ渓谷の玄関口であり、オートアトラス山脈南麓のカスバ街道の街の一つ。
滞在型の宿が多いので、数日滞在してトドラ渓谷を堪能してみてください。
ティネリールから約15km、高さ150mを超える切り立った崖が左右に続くダイナミックな渓谷美を楽しめるのが「トドラ渓谷」。
ロッククライミングやトレッキングを手軽に楽しめる場所として人気があります。
標高が1,300mあり、空気が澄んでいて周りに何もないので、美しい星空を楽しむこともできます。
最近よく耳にするノマドという言葉。
特定の家を持たずに生活する遊牧民のことで、トドラ渓谷周辺の岩山には、岩に穴を掘ってテントをはり生活をしているノマドの人々がいます。
羊毛で作った手工芸品などを販売したりして生計を立てている彼らの生活は、シンプルそのもの。
どこかで出会っても、不躾に写真を撮るのはマナー違反なのは言うまでもありませんよね。
川まで数時間かけて降りて生活用水を汲んだり、洗濯をしたりする姿は、自分のライフスタイルを見直すきっかけになるかもしれません。
住所 : Todgha Gorge, Tinghir 45800, Morocco
マップ : Googleマップ
アクセス : マラケシュから車で約8時間
営業時間 : 24時間
料金 : 無料
ワルザザートは、マラケシュとサハラ砂漠を結ぶ交通の要衝で、サハラ砂漠の玄関口として人気があります。
ワルザザート、ティネリール、エルラシディア、この3つの町を結ぶ道は「カスバ街道」と呼ばれています。
周辺では、アラビアのロレンス、スターウォーズ、007リビング・デイライツ、グラディエーターなどのロケが行われました。
カスバとは、ベルベル人がアラブ人支配から逃れるために造った要塞都市のこと。
丘の斜面に沿って建てられた家々は日干しレンガで造られています。
周辺にあるカスバの中でも、ハドゥ一族が造ったアイト・ベン・ハドゥは群を抜く美しさと言われています。
孤立した建物なので、外敵からの侵入を防ぐため、集落への入り口は一つだけ。
内部は入り組んだ作りにしてあり、1階には窓がなく換気口だけ、外壁には銃眼が施されています。
集落の最上階にあるのは、籠城に備えた食糧庫。
カスバ内は自由に散策する事が出来るので、ぜひ一番上まで行ってみてください。
カスバの上から見る夕暮れは何とも言えない美しさです。
現在、内部は廃墟のようになった場所もありますが、わずかなベルベル人たちがお土産屋さんなどをして生計を立てながら村を守り続けています。
アイトベンハドゥは、1987年に世界遺産に登録されています。
ワルザザートからのアクセスは、マラケシュ行きのバスに乗り、「OuedMalehオードマレ」で下車。
止まっている乗り合いタクシーで行く方法が最安です。
1台50ディルハムと決まっているので、5人集まれば1人10ディルハムで行くことが出来ます。
時間がないという方は、ワルザザートからタクシーをチャーターすると便利です。
砂漠と言えばサハラ砂漠。
サハラとはアラビア語で「砂漠」という意味なので、日本語に訳すと砂漠砂漠!
アフリカ大陸の1/3を占め、その面積はアメリカ合衆国とほぼ同サイズです。
エジプト、スーダン、チュニジア、リビア、アルジェリア、モロッコ、西サハラ、モーリタニア、マリ、ニジェール、チャドに及びます。
エジプト、チュニジア、モロッコでサハラ砂漠体験をした筆者の一押しは、ここメルズーガのサハラ砂漠です。
アルジェリアとの国境に近いメルズーガは、砂漠観光の拠点となる村。
日本からのツアーだと、大きめのホテルがあるエルフードに泊まり、4WDに乗ってメルズーガへ行き、ラクダに乗り換えてサハラ砂漠で日の出鑑賞というのが王道です。
個人旅行だったら、砂漠に最も近いメルズーガに泊まりましょう。
歩いて小一時間で砂漠の一角に行く事は出来ますが、ラクダで行く砂漠での一泊(二泊もあり)ツアーが断然おすすめです。
どのホテルのツアーもほぼ同じ内容です。
キャンプ地にはトイレがあります。
料金によって、大型テントの中にベッドがあるのか、外で毛布をかけて寝るのかの違いはありますが、相場は350ディルハムから。
星空に興味がある方は、満天の星空を見ながら眠りにつける野宿タイプがおすすめ。
ただし、夜はものすごく冷えるので注意です。
メルズーガのサハラ砂漠については、以下の記事で詳しく紹介しています。
→ サハラ砂漠を満喫しよう!モロッコ・メルズーガにあるサハラ砂漠の楽しみ方や見どころを解説
マラケシュからバスで約3時間。
大西洋に面したエッサウィラは、モロッコ人も憧れる美しい街です。
その歴史は古く、フェニキア時代から港町として栄えていたと言います。
16世紀に、ポルトガル王により作られた城砦があちこちで見られます。
現在の街並みは、18世紀に当時のスルタンがフランス人の建築家に依頼し、整備したもの。
街は要塞で守りながらも、外交的、貿易的には解放した港町づくりがなされました。
18世紀の半ばごろから、この街の美しさに魅せられたモロッコ国内外の芸術家が集まり交流を深めるようになり、今でもヨーロッパの芸術家がこの街で様々な制作活動をしています。
2001年にメディナ(旧市街)が世界遺産に登録されたエッサウィラ。
実は主な観光スポットと言えば、こちらの砲台のある要塞くらいです。
入場料を払って何かを見るというよりは、暮らすように旅する地としての魅力がいっぱいある街。
落ち着いた雰囲気のメディナを散策したり、美味しいシーフードを味わったり、夕陽を眺めたりと、のんびり過ごしましょう。
マラケシュからの日帰りも可能ですが、ぜひ数日滞在して海のリゾート気分を味わってみてください。
住所 : Essaouira Citadel, Essaouira, Marrakesh-Tensift-El Haouz, Morocco
マップ : Googleマップ
営業時間 : 9:00~17:30
料金 : 10ディルハム
カサブランカ、ラバト、フェズに次ぐモロッコ第4の都市マラケシュ。
イスラムの時代になって作られた旧市街と、フランスにより作られた新市街があり、旧市街全体が1985年世界遺産に登録されています。
マラケシュの代名詞ともなっているのが「ジャマエルフナ広場」です。
マラケシュの旧市街の中心に位置し、大道芸人や屋台がずらりと並ぶマラケシュ屈指の観光スポット。
旧市街全体が1985年に世界遺産に登録され、2009年には「ジャマエルフナ広場の文化空間」という名称で世界無形遺産にも登録されました。
広場が賑わうのは夕方以降。
太鼓を演奏する人、ヘビ使い、猿回し、ヘナタトゥー屋さん、本格的なジャグリング、瓶吊りゲーム、見ているだけでワクワク。
パフォーマーの写真を撮ったらスマートにチップをどうぞ。
昼間はオレンジジュースの屋台くらいしかなかった場所には、驚くほどの数の屋台がセッティング完了し、美味しそうな匂いが漂っています。
定番料理のタジンやケバブも良いですが、珍しい所でエスカルゴはいかがでしょうか。
小さなお椀に盛られたエスカルゴを、つぶ貝を食べる要領で爪楊枝でくるっと刺していただきます。
スパイスで煮てあり、臭みなどはないのでぜひチャレンジを。
全ての屋台には番号が付いているので、美味しかった場所は覚えておいて再訪したり、旅行者同士で情報交換するのも良いですね。
広場の北側にはマラケシュのスークが広がります。
織物、木工製品、銅製品、皮革製品、陶器、スパイス類、ドライフルーツ、カゴ製品など、お土産はここで全て調達できるほどの品揃え。
フェズのスークよりも道幅も広く見やすいので、心ゆくまで買い物を楽しみましょう。
マラケシュの見どころは旧市街に集まっていますが、こちらのマジョレル庭園は新市街にあります。
フランス人画家のジャック・マジョレルは、心臓病の療養のために訪れたマラケシュに恋をし、この地に40年もの歳月をかけて独自の庭園を作り上げました。
庭園の随所に使われている目の覚めるようなブルーは、マジョレルブルーと言われ、何とも言えない特別な雰囲気を醸し出しています。
ジャック・マジョレルがフランスに戻り亡くなったあと、この庭園を買い取ったのは、イヴ・サンローランと彼の元パートナーだったピエール・ヴェルジェでした。
修復を行ったあと、1980年から一般公開されるようになりました。
今では年間80万人が訪れる、マラケシュ1の観光スポットですが、意外に日本では知られていないかもしれませんね。
とてもフォトジェニックな庭園なので、写真好きには必見です。
ベルベル人の文化をこよなく愛したイヴ・サンローランへのオマージュとして近年になって作られたのが、併設のベルベルミュージアム(別料金)です。
ベルベル人の民族衣装やジュエリーなどをはじめ、珍しい展示品や映像やスライドを使ったベルベル人の文化などの紹介があるので、時間があればぜひ見学してください。
住所 : Rue Yves Saint Laurent, Marrakech 40000, Morocco
マップ : Googleマップ
アクセス : ジャマ・エル・フナ広場から車で10分
電話番号 : +212 5242 98686
定休日 : 無休
営業時間 : 8:00~18:30(最終入場は18:00)
料金 : 一般 150dh、10歳以下は無料
公式サイト : マジョレル庭園
「マラケシュが私に色を教えてくれた、それまでの私は黒一色だった」と語っていたイヴ・サンローラン。
マジョレル庭園の隣にあるイヴ・サンローランの別荘のすぐそばに2017年にオープンしたばかりの「イヴ・サンローラン美術館」は、4,000平方メートルの広さを誇り、展示スペースの他に、6,000冊以上の書籍を所蔵する図書館、カフェ、講堂などが併設されています。
1962年から引退した2002年までの40年に渡るデザイナーとしての数々の貴重なコレクションが展示されています。
マラケシュにインスパイアされた作品の中から、50点が常設展示されていて必見。
マラケシュの新名所として人気を集めてます。
住所 : Rue Yves St Laurent, Marrakech 40000, Morocco
マップ : Googleマップ
アクセス : マジョレル庭園より徒歩1分
定休日 : 水曜日
営業時間 : 10:00~18:00
料金 : 130ディルハム
公式サイト : イブサンローラン美術館
最近大人気のモロッコ雑貨。
マラケシュのスークに行けば、モロッコランプ、バッグやベルト、バブーシュなどの革製品、絨毯、銅製品、銀細工、タッセル、スカーフにジュラバなど欲しい物がいっぱいです。
上手に交渉して、お気に入りの品を納得の価格で購入できたら最高ですよね。
今モロッコのお土産で一番人気と言えるのが「アルガンオイル」。
モロッコの南西部のみで自生するアルガンツリーの種の核部分から採れるアルガンオイルは、肌にすっと浸透し保湿力に優れています。
また、抗酸化物質が多く含まれているので、アンチエイジングに効果が期待できると言われています。
山羊が木に登って実を食べ、吐き出した種の中から手作業で芯を取り出し、一粒ずつ石で叩き潰してオイルを抽出します。
法律によってアルガンの実を人が採る事が禁じられているので、気長に山羊が食べ終えるのを待つ、というのもモロッコらしいですね。
一粒から採れるオイルはわずか3%、最近では人気に乗じて、機械や臼で一度に抽出した粗悪品も出回っているんだとか。
質の良いアルガンオイルは、きれいな黄金色で、ナッツのような香りがします。
おしゃれなルームシューズとして人気があるのが「バブーシュ」です。
山羊、羊、牛、ラクダなどの革で作られたバブーシュは柔らかくて通気性もあり、かかとを踏むタイプなので履き心地抜群です。
単色のシンプルな物から、刺繍、ビーズ、タッセルなどが付いたデザイン的な物まで様々な種類があって、どれにしようか迷ってしまいそう。
デザインだけではなく、縫い目を確認して、縫製が丁寧な物を選びましょう。
また、安いと思ったら中国製の合皮だったということもあるので気を付けてくださいね。
皮なめしの技術や革の質の問題から、どうしてもある程度の臭いがするのがバブーシュ。
乾燥しているモロッコでは気にならなかった臭いが、湿気のある日本では気になるかもしれません。
履いていくうちに少なくはなりますが、気になる方は天日干しがおすすめです。
とにかく可愛いのがモロッコの陶器類。
モロッコ陶器の2大産地は、フェズとサフィ。
フェズのスークには、フェズブルーと呼ばれる美しい青の模様が描かれた陶器がずらりと並びます。
大きなものでは絵皿やタジン鍋、お土産にはミニチュアタジン鍋がおすすめです。
小物入れ、薬味入れ、香炉にも使えるし、飾っておくだけでも、可愛くて小さいのに存在感抜群です。
お料理好きならモロッコを旅していて絶対に気になるのが種類豊富なスパイス類。
モロッコ料理を再現したい方は、「Espice de Tajin(タジン用スパイス)」や「Espice de Kuskus(クスクス用スパイス)」といった既にブレンドしてあるスパイスが便利です。
お土産には、ホールの黒胡椒や、チリなどが料理を選ばないのでおすすめ。
お料理好きな方へは、クミンやシナモン、ナツメッグにコリアンダーなどアラブらしいスパイスも面白いかもしれません。
全て量り売りなので、少量でも大丈夫です。
日本から遠く離れた北アフリカの地。
食事が口に合うか心配する方も多いのですが、フランス統治時代の名残もあり、まずパンが美味しいのが嬉しいポイントです。
海沿いの街では新鮮な魚介類を味わうこともできます。
また、家庭料理は野菜たっぷり、優しい味付けが多いので、食に困ることはないでしょう。
一つ注意をするならば、マラケシュのジャマエルフナ広場を代表するような屋台の料理。
衛生的に気になる方は屋台を避けて、ちゃんとした厨房を持つレストランで食べるようにするのが良いです。
現地を訪れたらまず食べたいのが、モロッコの伝統的なスープ「ハリラ」。
日本のお味噌汁のような存在で、中に入れる具や味付けは地域や各家庭により様々です。
ひよこ豆や、レンズ豆、牛肉、野菜などがたっぷり入り栄養満点。
優しい味わいなので、旅行中に体調を崩した時や疲れて食欲がない時にもピッタリですよ。
円錐形の蓋がついた土鍋、タジン鍋で作る煮込み料理を「タジン」と呼びます。
蓋には穴がないので、弱火で煮込む事によって食材自体の水分を活かした蒸し料理や煮込み料理が出来るのが特徴です。
食材の旨味も栄養も逃がさないので、その味わいは格別!
人気があるのは、レモンとチキンのタジン、スパイシーミートボールのタジン。
美味しいパンと一緒にどうぞ。
セモリナ粉に水を含ませてそぼろ状にした粒々パスタがクスクスです。
実はこのクスクス、お腹の中でものすごく膨らみます。
美味しいと調子に乗ってパクパク食べていると、食後に胃がはち切れそうになるかもしれないのでご注意ください。
二層式になった鍋の下段で肉、野菜などをスープを煮込み、その蒸気で上段のクスクスを蒸すという調理法が特徴。
モロッコでは、金曜日のお昼にある集団礼拝のあと、家族が集まってクスクスを食べるのが一般的です。
家庭の味が一番ですが、各レストランでも食べる事が出来るので、ぜひ試してみてくださいね。
人気があるのは、鶏肉や牛肉と野菜という組み合わせ。
玉ねぎとレーズンを炒めてシナモンと砂糖で味付けした「ツファヤ」をのせたタイプも人気です。
フェズの名物料理「パスティラ」は、機会があればぜひ試してみてほしい伝統的な一品です。
鶏肉か鳩肉、玉ねぎ、アーモンドがスパイスと一緒に甘く味付けした物をパイ生地に包んでこんがりと焼き、仕上げに粉砂糖をふって、シナモン、アーモンドをトッピング。
中身が甘辛くて、パイ生地がサクサク、外側は甘いというちょっと不思議な味わい。
手間がかかる料理で置いていないレストランもあるので、見つけたらぜひチャレンジしてみてください。
モロッコのホテルを調べると、必ず出てくるのが「リヤド」という言葉。
アラビア語では植物がある庭という意味があり、宿泊施設としては中庭がある邸宅を指します。
モロッコの伝統的な邸宅をホテルに改装しているので、部屋の大きさや規模はまちまちで、料金にもかなり差があります。
リヤドに泊まる良い点としては、モロッコの伝統的な内装や装飾が楽しめる、家族経営が多いのでモロッコ人の家庭にお邪魔しているような経験ができるという点が挙げられます。
場所が分かりにくい、部屋が小さい、隣の部屋の音が聞こえるといったリヤドも多いので、気になる方はホテル予約サイトの口コミ情報をチェックしてみましょう。
ここ数年はセンスが良いおしゃれなリヤドが増え、女子旅=リヤドに泊まるという流行にもなっています。
ただし、モロッコのどの街でもリヤドがあるわけではなく、圧倒的に多いのがマラケシュ、次いでフェズという2都市がリヤド激戦区。
ここからは、フェズとマラケシュとシェフシャウエンにあるおすすめリヤドをご紹介します。
フェズにあるリヤドの中でも、最高級といえるのが5つ星の「リヤドフェズ」です。
フランスで発足した、一流レストラン、ホテルで組織される「ルレ・エ・シャトー」に加盟しており、設備やサービスはお墨付き。
100年以上の歴史がある宮殿を改装しているので、建物は大きく部屋数も多く、リヤドというよりは高級ホテルそのもの。
オーナーが建築家ということもあり、美しいタイルワーク、質の良い家具、繊細な彫刻など、まるで美術館のような造りで、他のリヤドとは一線を画しています。
全32室の客室はすべて異なるデザインで、一番小さなスタンダードルームでも約30~35㎡というゆったりサイズ。
無料Wi-Fi、薄型テレビ、iPod ドック、セーフティーボックス、ミニバー、無料ボトルウォーター、バスローブ、バスアメニティ他、さすが5つ星クラスという設備やアメニティがしっかり揃えられています。
敷地内にアーユルヴェーダ トリートメント、アロマテラピー、ボディラップを受けられるスパ「Riad Fes by Cinq Mondes」があり、リラックスした時間が過ごせます。
喧噪のフェズの中にありながら、全く別世界のような大人のスティを楽しみたい方におすすめしたい一押しリヤドです。
住所 : 5 Derb Ben Slimane Zerbtana Fes MAR
マップ : Googleマップ
アクセス : バトハ広場から徒歩5分
電話番号 : +212 5 35 74 12 06
営業時間 : チェックイン14:00〜/ チェックアウト~12:00
予約サイト : Expedia Booking.com Hotels.com
マラケシュには、ヨーロッパ系のオーナーが経営するリヤドも増えつつあり、こちらの「リヤド・ディオール」も、それぞれがデザイナーとして活躍しているオランダ人とスペイン人のご夫婦がオーナー。
2軒の背中合わせの大きな邸宅を改装してリヤドにしているので、一部屋ずつが広めで明るい雰囲気です。
細かいところまで隙がないデザインは、まるで高級リゾートホテルのよう。
館内には3つの中庭があり、それぞれ雰囲気も抜群です。
雑誌などメディアでも紹介されており、ハイシーズンには予約で埋まってしまうこともあるため、早めの予約が必要です。
客室は全7室
すべてデザイン、インテリアが違うので、予約サイトでチェックしてお気に入りの部屋を見つけてください。
一番小さな部屋でも23㎡の広さがあり、ゆったりとしています。
無料Wi-Fi、薄型テレビ、iPod ドッキングステーション、MP3 ドック、ミニバー、無料ボトルウォーター、コーヒーメーカー、バスローブ、バスアメニティ、スリッパなど、必要なものはしっかりと揃っているので安心。
スタッフの方々が、フレンドリーで親切、気持ちの良い対応と高い評価を得ていることも人気の理由です。
部屋数が少なく、予約が取れにくいと言われているので、予定が決まり次第、早めに予約を入れるようにしましょう。
住所 : 1, Driba Jdida, Sidi Ben Slimane 40000 Marrakech
マップ : Googleマップ
アクセス : ジャマエルフナ広場から徒歩約20分
電話番号 : +212 5 24 38 88 00
営業時間 : チェックイン 14:00〜/チェックアウト ~12:00
予約サイト : Expedia Booking.com Hotels.com
日本のガイドブックに紹介されたり、インフルエンサーの人が泊まって紹介したことなどから日本人の間で口コミが広がり、人気となっているのが「リヤドブッサ」です。
オーナーはフランス人女性で、彼女のセンスとこだわりが詰まった可愛いリヤドは、今やなかなか予約が取れないほど。
ジャマエルフナ広場から10分ほどという好立地ですが、にぎやかな道からは少し奥に入っているので、周囲は静かです。
観光スポット、おすすめレストラン、ショップ、フナ広場への行き方、帰り道などを詳しく教えてくれるので、女性一人旅でも安心です。
客室は全部で4室で、2泊以上の宿泊が必須となります。
スタンダードダブルルーム、コンフォートダブル(ツイン)、ハネムーンダブル(ツイン)、ファミリールームがあり、一番大きなファミリールームでも16㎡というコンパクトサイズ。
全室無料Wi-Fi、無料ボトルウォーター、ウェルカムドリンク、朝食が含まれています。
ロビーやレストランという共有部分はもちろん、各部屋もモロッカンスタイルと、フランスのおしゃれなインテリアが上手くミックスされていて、可愛いが溢れています。
車でリヤドの前まで行く事は出来ないので、荷物が大きい方は事前にホテルにポーターサービス(有料)を頼んでおきましょう。
リヤド内には2匹の猫が飼われているため、苦手な方はご注意ください。
住所 : 192 Derb Jdid – Dabachi Marrakech Medina
マップ : Googleマップ
アクセス : ジャマエルフナ広場から徒歩10分
電話番号 : +212 5 24 38 08 23
営業時間 : チェックイン 9:00〜/チェックアウト~12:00
予約サイト : Expedia Booking.com Hotels.com
人気の青い街シェフシャウエンにもリヤドがあります。
「リナ リヤド&スパ」は、シェフシャウエン唯一の5つ星で、メディナを望む屋上のテラス、スパ、屋内プール、ハマム、ホットタブなどを施設も充実しています。
館内は青の街らしく、青を基調したタイルに、馬蹄形のアーチ、モロッコランプなどが飾られ、ラグジュアリーな雰囲気です。
観光の中心となるハマン広場から徒歩10分程度。
屋上テラスからはシェフシャウエンの街並みが目の前に広がり、遠くの山並みまで見渡せます。
客室はすべてがスイートルームで全17室。
それぞれデザイン、インテリアが違うので、ホテル予約サイトでチェックして、お気に入りの部屋を見つけましょう。
屋内のスイミングプールもハマムも予約制で貸し切りになるので、チェックイン時に予約をお忘れなく。
シェフシャウエンの他のホテルから比べると、料金は高めですが、設備や質の高いサービスからすれば妥当なのは、予約サイトの口コミの良さからも伺えますね。
人気のリヤドなので、予定が決まれば早めに予約を入れるようにしてください。
住所 : Avenue Hassan I, Chefchaouen
マップ : Googleマップ
アクセス : ハマン広場から徒歩10分
電話番号 : +212 6 45 06 99 03
営業時間 : チェックイン 15:00〜/チェックアウト~12:00
予約サイト : Expedia Booking.com Hotels.com
モロッコ旅行のイメージはつかめましたか?
最後にお伝えしたいのは、モロッコ旅行のベストシーズンです。
もちろん行く場所にもよりますが、暑すぎず寒すぎない「春」3月、4月、5月あたりがおすすめです。
また、イスラム教が国教のモロッコ。
年に一度、一ヶ月続くラマダン月は観光に適していないため、避けて行くのが賢明です。
最終更新日 : 2024/05/22
公開日 : 2018/04/23