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※人吉球磨地域は、2020年7月の豪雨災害(球磨川氾濫)によって市内の中心部が壊滅的な被害を受けており、本記事に掲載している施設でも営業停止中のところが多々あります。そのため、お出かけの前には各施設の公式HPやSNSで最新情報を確認するようにしてください。
人吉市(ひとよしし)は 熊本県 の南部に位置する市です。
中心市街地は市域の北部にあり、市街地を中心に人吉盆地が形成されています。
さらに、人吉盆地の周辺は標高1000mほどの山地に囲まれていて、 宮崎県 と 鹿児島県 に隣接しています。
また、日本三急流のひとつである球磨川が人吉市街地を東西に流れています。
人吉市は人口約3万2000人、面積は約210平方kmあり、周辺の自治体とともに「人吉球磨地方」と呼ばれ、その中枢的な町です。
内陸にある都市ですが、交通の要衝として古くから発展し、現在でも熊本市・宮崎市・鹿児島市の3県庁所在地に約1時間でアクセスできます。
人吉の名前はかなり古く、古代の書物にも「球磨郡 人吉郷」の名が登場し、中世には人吉庄という荘園がありました。
鎌倉時代前期に、遠江国から入国してきた相良(さがら)氏が人吉周辺を治めるようになります。
相良氏は鎌倉時代に人吉城を築城し、その後明治維新までの約700年にわたり人吉一帯を治めました。
江戸時代には、相良氏は人吉城を拠点とした人吉藩の藩主となりました。
そして人吉に城下町が整備されて繁栄し、現在の人吉の町の基礎が築かれたのです。
このように、人吉は相良氏とともに歴史や文化がつくられてきました。
相良氏のように長年にわたりひとつの地方を治めてきた領主は、薩摩の島津氏など全国でも少なく、そのため人吉には重要文化財や史跡が多いのが特徴です。
これらの歴史的経緯などが考慮され、人吉市内の史跡を含む人吉球磨地方の各文化財は2015年に「相良700年が生んだ保守と進取の文化〜日本でもっとも豊かな隠れ里-人吉球磨~」として日本遺産に選定されました。
また、人吉市街地はかつての城下町の古い風情が残ることから「肥後の小京都」と呼ばれています。
人吉市の市域はとても広いため、今回人吉の観光スポットを紹介するにあたり、人吉市内を以下のように分けて紹介します。
市街地北部は、人吉市市街地の球磨川以北とその周辺です。
同じく市街地南部は、人吉市街地の球磨川以南にあたります。
人吉市は市街地が市域の北にあるので、市街地より南側一帯を東西に分けて、東部・西部として観光スポットを紹介していきます。
人吉温泉は人吉市街地の球磨川沿いにある温泉の総称です。
なかでも市街地西部の温泉町や、市街地東部の五日町などに多く温泉があります。
ちなみに現在、人吉温泉全体でおよそ50もの源泉があります。
人吉温泉の歴史は古く、少なくとも室町時代には人吉に温泉があったことが書物に残っています。
観光地としての人吉温泉の開発は明治時代から始まり、大正〜昭和中期頃に全盛を迎えました。
人吉温泉の泉温は42~48度で、リューマチや神経痛、皮膚炎、婦人病などに効能があると言われています。
歴史あるレトロな雰囲気の温泉から、綺麗で豪華な温泉まであるのが人吉温泉です。
※2020年10月現在、人吉の温泉旅館はすべて休業中なので注意してください。(令和3年春~夏に状況を見て順次営業再開予定)
住所 : 熊本県人吉市温泉町周辺、五日町周辺など
マップ: Googleマップ
電話番号 : 0966-22-1370(人吉温泉観光協会)
公式URL : 人吉温泉
青井阿蘇神社(あおい あそ じんじゃ)は、人吉市街地に鎮座している古い神社です。
球磨川の北岸に位置し、JR人吉駅の南西すぐの場所になります。
平安時代前期の大同元年(806年)に創建され、人吉球磨地方の鎮守として信仰されました。
その後、中世に相良氏が人吉球磨地方を治めるようになると相良氏の氏神となります。
現在の社殿は、江戸時代に人吉藩主だった相良長毎(さがらながつね)が慶長18年(1613年)に造営しました。
2008年(平成20年)には青井阿蘇神社の本殿・回廊・幣殿・拝殿・楼門の社殿5棟が国宝へ指定されています。
青井阿蘇神社は人吉球磨地方を代表する神社・仏閣といわれており、社殿はまさにその通りの重厚で歴史を感じさせる佇まい。
日本最南端の国宝建築物をぜひ見学して、歴史の重みを感じてみてください。
※2020年10月現在、文化苑は立入禁止となっています。(参拝のみ可能)
住所 : 熊本県人吉市上青井町118
マップ: Googleマップ
電話番号 : 0966-22-2274
拝観時間 :8:30~17:00
公式URL : 青井阿蘇神社
鍛冶屋町(かじやまち)通りは、人吉市街地東部にある通りです。
名前の通り鍛冶屋町の町内にあり、町の真ん中を東西に通っています。
球磨川の北岸に位置し、JR人吉駅の東側およそ600メートルの場所です。
鍛冶屋町はかつて江戸時代の人吉城下で鍛冶屋が多く住んでいたので、鍛冶屋町と呼ばれるようになりました。
現在の鍛冶屋町通り周辺は、人吉城下の名残を色濃く残しているエリアです。
道は石畳が敷き詰められていて、白壁の商家や蔵だった建物などが建ち並んでいます。
現在は、古い建物を生かし、カフェや和洋食店などの飲食店、土産物店などが多数あり、おしゃれスポットになっています。
※2020年10月現在、飲食店・喫茶店・お土産屋は休業中となっています。
住所 : 熊本県人吉市鍛冶屋町
マップ: Googleマップ
電話番号 : 0966-22-1370(人吉温泉観光協会)
球磨焼酎(くましょうちゅう)ミュージアム白岳(はくたけ)伝承蔵(でんしょうぐら)は人吉市街地北側にあります。
伝承蔵があるのは、JR人吉駅の北側およそ2.5kmの場所にあたり、球磨川支流の万江川沿いです。
伝承蔵は、「白岳」という銘柄の焼酎で知られる高橋酒造が運営している焼酎の資料館で、高橋酒造に隣接しています。
人吉球磨地方は、「球磨焼酎」と呼ばれる米を原料とした焼酎が古くから盛んに製造されており、地域の名産です。
伝承蔵ではそんな人吉での焼酎づくりの歴史や文化に関する資料を展示し、つくり方などを説明しています。
そして、資料展示だけでなく、焼酎の試飲や販売もされています。
住所 : 熊本県人吉市合ノ原町461-7
マップ: Googleマップ
電話番号 : 0966-32-9750
休館日 : 年末年始
開館時間 :9:00〜16:00
料金 :無料
公式URL : 球磨焼酎ミュージアム白岳伝承蔵
人吉市街地を東西に流れる球磨川(くまがわ)は、川の流れが激しく、富士川や最上川とともに「日本三大急流」と呼ばれています。
そんな球磨川を木船で下るのが球磨川下りです。
球磨川下りでは、迫力ある球磨川の流れを味わえると同時に、自然の恵みを体感できます。
また、船頭の見事な船さばきは必見です。
球磨川下りには、流れが激しいポイントとゆるやかなポイントがあり、変化に富んでいるのが特徴。
そのため、球磨川下りは「世界一のウォーターシュート」とも呼ばれています。
球磨川下りは人吉観光で屈指の人気をほこる観光アトラクションです。
冬には「こたつ船」もあり、こちらも大人気となっています。
住所 : 熊本県人吉市下新町333-1(受付・発船場)
マップ: Googleマップ
電話番号 : 0966-22-5555
休業日 : 無休
営業時間 :8:00〜18:00
料金 :
大人 2700円
子供 1782円
幼児 648円
貸切 4万500円(定員12名)
こたつ船(12~2月限定)貸切 3万2400円(定員10名)
公式URL : 球磨川下り
SL人吉は、JR九州が運行する蒸気機関車と、その機関車が牽引する特別列車です。
JR熊本駅から人吉駅までの間を約2時間30分かけて往復しています。
特に球磨川沿いの風景は人気が高く、車窓からの眺めは最高ですよ。
また、SLのレトロ雰囲気の漆黒のボディも迫力があり、汽笛や走行音、吹き上がる煙なども旅気分を高めてくれます。
車内もレトロな雰囲気で統一されています。
多くの列車のデザインを手掛けてきた水戸岡鋭治さんによるデザインで、木を基調として棚やソファーなどが配置されています。
さらに、暖簾や木製のすだれが買えてあったりしていて和のイメージと木のぬくもりを感じさせるのが印象的です。
車内販売も充実していて、お弁当やデザートなどはSL人吉の車内でしか買えないものもあります。
座席は全席指定席なので、事前予約が必要です。
なお、運行については不定期のため、JR九州の公式サイトで事前に確認してください。
住所 : 熊本県人吉市中青井町326番地1(JR人吉駅構内)
マップ: Googleマップ
電話番号 : 050-3786-1717(JR九州 案内センター)
料金(熊本~人吉) :
大人 2640円
小人 1320円
※乗車券と指定席券の合計料金
公式URL : SL人吉
人吉城跡は人吉市街地の球磨川南岸、JR人吉駅の南東およそ1.4kmの場所にあります。
小高い丘の上に築かれた人吉城は別名「繊月城(せんげつじょう)」や「三日月城」とも。
鎌倉時代に遠江国から肥後国に入国し人吉球磨地方を治めた相良長頼によって建てられた古い城です。
江戸時代には相良氏が人吉藩の藩主となり、人吉城は近世城郭に建てなおされ、さらに人吉は人吉城の城下町として発展し、今日の人吉市街地の基礎が生まれました。
人吉城は、長らく相良氏とともに人吉を支えてきた人吉の象徴なのです。
明治時代になって廃城令によって人吉城は廃城になります。
さらに西南戦争の舞台にもなり、建物もほとんどが焼け落ちてしまいました。
しかし、住民の熱意で人吉城公園として整備され、市民の憩いの場として今日まで親しまれています。
春には桜の名所、秋には紅葉の名所として多くの観光客で賑わうようになりました。
そして1961年(昭和36年)には国の史跡に指定され、2006年(平成18年)には日本100名城のひとつに選定されたのです。
その後、1989年(平成元年)隅櫓が復元され、1993年(平成5年)には大手門脇多聞櫓と続塀が復元されています。
また、人吉城西側にある人吉城歴史館では石造り地下室の遺構も保存されているので合わせて見学してみてください。
なお、多聞櫓は土日祝日のみ見学可能となっています。
※2020年10月現在、一部立ち入り禁止区域があります。
住所 : 熊本県人吉市麓町
マップ: Googleマップ
電話番号 : 0966-22-2324(人吉市 教育部 歴史文化課 歴史文化係)
休観日 : 多聞櫓のみ土日祝日以外は見学不可
拝観時間 :9:00〜17:00
公式URL : 人吉城跡
永国寺は人吉市街地の南部、球磨川の南岸にある古いお寺です。
人吉城跡の西側に位置し、JR人吉駅の南およそ1kmの場所にあります。
永国寺は、室町時代に実底(じってい)という僧侶が建立しました。
実底には、球磨川に身を投げて死んだ女性の幽霊を絵に描き、女性の幽霊にその絵を見せて成仏させたという説話があります。
現在もその幽霊の絵が残されていることから、永国寺は別名「幽霊寺」と呼ばれるようになりました。
これにちなんで、毎年8月に永国寺では「ゆうれい祭」が開催されています。
通常はレプリカの幽霊絵の掛け軸が飾ってありますが、ゆうれい祭のときだけ本物のゆうれい絵の掛け軸を見ることができます。
住所 : 熊本県人吉市土手町5
マップ: Googleマップ
電話番号 : 0966-22-2458
拝観時間 :8:00〜18:00
公式サイト: 永国寺
人吉クラフトパーク石野(いしの)公園は人吉市東南部にあります。
石野公園は広い敷地があり、人吉球磨地方の伝統工芸や郷土玩具などを知り、体験できる施設です。
伝統工芸品を実際に手づくりできるので、子どもたちにとても楽しく貴重な時間になるのではないでしょうか。
石野公園は夏休みや春休みなどにお子様連れで訪れるにはうってつけの場所です。
きっとよい思いで作りができるでしょう。
また公園内には郷土物産館やキャンプ場、遊具などもあります。
子どもたちは楽しく遊び、大人はアウトドアを楽しむ子ができ、子どもから大人まで満足できますよ。
石野公園で人吉観光の思い出作りはいかがでしょうか。
※2020年10月現在、公園の一部は立ち入り禁止となっています。
名称 : 人吉クラフトパーク石野公園(いしのこうえん)
住所 : 熊本県人吉市赤池原町1425-1
マップ: Googleマップ
電話番号 : 0966-22-6700
休観日 : 12月29日~1月1日
拝観時間 :9:00〜17:00(受付は16:00まで)
公式URL : 人吉クラフトパーク石野公園
鹿目(かなめ)の滝は人吉市西部の山中にある滝で、球磨川の支流である鹿目川にあります。
日本の滝100選のひとつに選定されていて、九州自然歩道の一部です。
鹿目の滝は雄滝と雌滝の2つの滝からなり、雄滝は落差約36m、雌滝の落差は約30mあります。
ほぼ垂直に流れ落ちる滝は圧巻の迫力です!
また、鹿目の滝の周辺は柱状節理という絶壁になっていて、これは人吉盆地が大昔に湖だった証拠となっています。
さらに鹿目の滝は木々の囲まれた山深い場所にあり、穴場の パワースポット としても人気です。
滝まで続く遊歩道も綺麗に整備されていて、歩きやすいのもポイント。
トイレなどの施設にも清掃が行き届いているので、気持ちよく散策できます。
なお、鹿目の滝では毎年8月に「鹿目の滝祭り」が行われています。
鹿目の滝は夏でもすずしい避暑スポットとして知る人ぞ知る場所。
ぜひ迫力ある滝と涼しさを体感してみてください。
住所 : 熊本県人吉市鹿目町
マップ: Googleマップ
電話番号 : 0966-22-2111(人吉市 観光振興課)
公式URL : 鹿目の滝
人吉には「人吉餃子」という名物グルメがあります。
人吉の餃子は、具材がキャベツやニラなどの野菜が中心である点と、皮をパリッとなるように焼き上げることがポイントです。
人吉餃子を提供する店の中でも、おすすめなのが松龍軒(しょうりゅうけん)。
メインメニューは餃子のみという、まさに餃子専門店です。
松龍軒の餃子は皮は薄めなのですが、焼け目がパリッとしていて香ばしいのが特徴。
また、餃子の中身は肉汁や野菜のエキスがあふれてジューシーですよ。
行列ができる人気ですが、人吉に来たなら食べる価値ありのお店と言えます。
住所 : 熊本県人吉市宝来町12-15
マップ: Googleマップ
電話番号 : 0966-22-4024
定休日 : 火曜日
営業時間 :11:30~19:30(売り切れ次第終了)
人吉は内陸にある町なので、昔から川魚がよく食べられてきました。
現在でも鮎やうなぎなどの川魚を使った料理が親しまれています。
その中でも人気が高いのがうなぎ料理です。
うなぎ料理が楽しめる店の中でも上村(うえむら)は有名なお店です。
看板メニューはうな重。
なんと上村のうな重は二段重ねになっています!
やわらかくモッチリとしたうなぎはうまみたっぷりで病み付きに。
開店時から行列ができる人気店ですが、それも納得の美味しさです。
住所 : 熊本県人吉市紺屋町129
マップ: Googleマップ
電話番号 : 0966-22-3312
定休日 :不定休
営業時間 :
10:00~15:00(L.O.14:00)
17:00~21:00(L.O. 20:00)
球磨焼酎は人吉球磨地方を代表する伝統的な特産品です。
その歴史は室町時代にさかのぼります。
球磨焼酎の特徴は、米を主原料としているいわゆる米焼酎であること。
また球磨焼酎は、人吉球磨地方の地下水を使用していなければ名乗ることはできません。
もちろん、球磨焼酎は人吉球磨地方で仕込まれたものです。
このように、球磨焼酎を名乗るには条件があります。
それは歴史ある球磨焼酎は公式に「地理的表示の産地指定」を受けている銘柄だからです。
現在も昔ながらの焼酎づくりを受け継いでいる球磨焼酎ですが、人吉の名物といえば球磨焼酎という人も多く、おすすめの人吉土産となっています。
焼酎もなかは名前の通り焼酎の瓶の形をしたもなかです。
中には球磨焼酎を練り込んだ白餡がぎっしりと詰まっています。
包装紙には球磨焼酎のブランド名が書かれており、人吉土産としてひとめでわかるお菓子です。
焼酎のほのかな香りがしますが、そんなに香りは強くないので焼酎が苦手な人でも楽しめます。
アルコール分も入っていませんので、焼酎が飲めない方やお子様向けのお土産としても良いでしょう。
人吉のおすすめ観光スポットを紹介しました。
熊本県の観光といえば、熊本市内や阿蘇などの北部や天草などを思い浮かべる方が多いかもしれません。
しかし、人吉をはじめとする熊本県南部にも魅力的なスポットはたくさんあります。
ぜひ日本遺産にも認定されている人吉の観光を楽しんでみてくださいね。
最終更新日 : 2023/04/06
公開日 : 2018/10/30