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六波羅蜜寺は、民間における浄土教の先駆者と評価される空也上人が開いたお寺です。
空也上人は、平安時代中期の僧侶としては珍しい特定の宗派に属さない超宗派的な僧侶でした。
念仏を唱える口称念仏の祖でもある空也上人が、六波羅蜜寺の元となるお寺を京都に開いたのは951年のことです。
疫病が蔓延している当時の京都で、観音様を荷車で引きながら念仏を唱え、病の人に茶を振る舞って救ったという逸話も残ります。
963年には、名僧を600人ほどを集めて金字大般若経を読み、京都の街に広がる病魔を鎮めようとしたそうです。
これらの出来事が起源となり、六波羅蜜寺は現在までその姿を残す寺として、弟子の代に変わっても栄えました。
平安時代の末期には、寺の周辺一帯が六波羅殿と呼ばる平家の邸宅として栄えました。
平清盛や平重盛といった平家一門の屋敷が5,200余り並んでいたそうです。
その後、平家の没落の際に、戦火によって本堂以外の建物が焼失。
時代や将軍が変わっていく中でも、再建復興が進められ、火災が起きるたびに修復されました。
重要文化財にも選ばれている本堂は、1363年に修復されたものを1969年に解体修理したものです。
六波羅蜜寺は、寺社仏閣の集まる京都市東山区にあります。
観光の中心となる京都駅から移動する際は、電車やバスといった公共交通機関の利用が便利です。
市バスを利用する際は、1日フリーパス券があるため、あとの観光予定と合わせて購入してみましょう。
バス・電車共に、最寄駅からは10分以内で、五条通や大和大路通といった大きな通りも側にあるためアクセスしやすい立地です。
六波羅蜜寺の境内には駐車場がありません。
そのため、車で六波羅蜜寺を訪ねる場合は周辺の有料駐車場を利用しましょう。
平日30分300円、休日30分200円の「タイムズ松原大和大路」や8:00~20:00で20分100円の「APパーク祇園」といった駐車場が近くにあります。
駐輪場も同様に、周辺の有料駐輪場を利用するようにしてください。
住所 : 京都市東山区五条通大和大路上ル東
マップ: Googleマップ
電話番号 :075-561-6980
定休日 : 年中無休
営業時間 : 【境内】8:00~17:00 【宝物館】8:30~17:00(受付終了16:30)
料金 : 【宝物館】大人600円、大学生・高校生・中学生500円、小学生400円(境内は拝観無料)
公式URL : 六波羅蜜寺
境内は撮影自由ですが、基本的に本堂をはじめとするお堂の中は撮影禁止となっています。
撮影禁止の立て札が小さ目のため、写真撮影の際は注意してください。
多数の重要文化財を抱え、境内にはいくつもの見どころがある六波羅蜜寺。
お寺を開いた空也上人の像や平清盛の首塚など、歴史情緒を感じさせる展示物が豊富です。
実際に何度も足を運んでいる筆者が、境内散策の楽しみ方やその魅力をご紹介します。
六波羅蜜寺の境内で、訪れた人の目をひときわ引くのが、鮮やかな朱色をした本堂です。
1363年に修繕されたものがベースとなり、1969年の解体修理を経て、現在も姿を残しています。
本堂の内部を鑑賞する際は、入口付近で靴を脱いでから上がりましょう。
六波羅蜜寺の境内はそれほど広いというわけではありませんが、本堂やその隣の宝物館には、合わせて10以上の重要文化財があります。
中でも本堂の奥に祀られている「十一面観音立像」は、国宝に指定されている貴重な仏像です。
宝物館のみ有料施設となっており、本堂内までは無料で参拝できます。
南北朝時代に再建された本堂は、華やかさを感じさせる塗装がなされています。
柱に目を向けると色彩豊かな絵画のようなデザインが見られます。
本堂の入り口付近は階段状になっているため、座りながら本堂のデザインや境内を眺めて一休みしても良いでしょう。
本堂の隣にあるのは、館内は撮影禁止となっている「宝物館」です。
宝物館の内部には、念仏を口から出ている六体の仏像で表現した「空也上人像」をはじめ、教科書に掲載されるような貴重な宝物が展示されています。
重要文化財に指定されている「平清盛座像」は、僧侶としての気品を感じさせる静かな佇まいが印象的です。
宝物館は境内に比べると人も少なく、10以上の重要文化財をじっくりと見て回ることができます。
日本の彫刻界に多大な影響を与えた運慶・湛慶父子の銅像など、歴史好きや彫刻・仏像好きの心をくすぐる展示ばかりです。
六波羅蜜寺の境内には、パワースポットと呼ばれる場所がいくつもあります。
境内にある大きな弁財天像のすぐ隣にある「一願石」は、訪れた人の願いを一つだけ叶えてくれると言われています。
石でできた柱の上部には、回転する円盤状の石が取り付けられています。
石に書かれている黄金色の文字を正面にして、ぐるぐると三回まわしましょう。
その際に、心の中で願い事を唱えると一つだけ叶うとのこと。
筆者が訪れた際も、多くの参拝客が一願石を回している姿が見られました。
本堂の正面辺りに、牛の形をした石像が置かれています。
意外と見逃しがちなこの牛は「撫で牛」と呼ばれ、撫でたところの病や怪我が治るご利益があるそうです。
撫で牛に限らず、六波羅蜜寺境内の見どころやパワースポットそばには、立て札や説明書きがあるため、初めて訪れた方も戸惑わず参拝することができるでしょう。
六波羅蜜寺で購入できるおみくじは、通常の寺社仏閣にあるおみくじとは異なり、四柱推命を軸としたおみくじです。
生年月日と性別から一年間の運勢を占える「開運推命」おみくじは、六波羅蜜寺を訪れた人の多くが購入しています。
良く的中すると評判で、厄除けや生活の指針になったとの声もあるほど。
以前は手書きおみくじだったとのことですが、2019年時点では印刷されたものに変わっています。
おみくじには、生活の仕方や避けた方が良いことなど、具体的なことが書かれていました。
郵送での申し込みが行われるほど人気のおみくじで運試しをしてみましょう。
六波羅蜜寺の境内には、沢山の施設や仏像などの見どころがぎゅっと詰まっています。
本堂を正面にみて左手にある大きなお堂は「六波羅蜜寺弁財天堂」です。
崇徳天皇の夢でお告げがあったことが起源となり、弁財天堂が建設されました。
お堂の中に祀られている弁財天は、財運、芸能、縁結びのご利益がある神様です。
龍神や蛇神様とも同一視される弁財天は、七福神の一人にも数えられます。
弁財天道の内部は撮影禁止となっているため、実際に参拝して弁財天の姿を見てみましょう。
現在の京都市内にあたる場所で亡くなった平清盛を祀る首塚は、赤い屋根に守られ存在感があります。
平家ゆかりのこちらのお寺には、大河ドラマ「平清盛」で主演を務めた松山ケンイチさんも参拝に訪れたとのこと。
六波羅蜜寺の境内に、山積みになった石が置かれているエリアがあります。
沢山の石に見えるこちらの石は、六波羅蜜寺の境内で発見されたお地蔵さまです。
原型を留めているものから、形が崩れているものまでを一か所に集めて供養をしています。
弁財天堂に加え、六波羅蜜寺の境内にはもう一つお堂があります。
堂内は撮影禁止となっているため、写真撮影はお堂の外で行いましょう。
本堂の脇にあるこのお堂は、参拝に訪れた多くの人が立ち寄る「銭洗い弁天」が祀られています。
銭洗い弁天は、財運や芸能にご利益があると言われる弁財天です。
弁財天の目の前には水と小さなざるがあり、小銭をざるに入れて洗いましょう。
洗った小銭を六波羅蜜寺の金運御守に入れるか、自分のお守りの中に合わせて入れることでご利益にあやかれます。
銭洗い弁天の隣には「水かけ不動」呼ばれる仏像があります。
こちらは、お不動様に柄杓を使って水をかけながらお参りしましょう。
六波羅蜜寺の正面入り口すぐそばに、「無事かえる」と書かれた標識が見えます。
標識の下を見ると、小さなカエルの姿をした石が置かれています。
カエルが仲良く並んだこの石は、六波羅蜜寺を訪れた参拝客の無事を祈願して作られたものです。
六波羅蜜寺のある京都市東山区には、その他にも数多くの寺社仏閣があります。
ここでは、六波羅蜜寺から徒歩圏内の場所にある、ガイドブックにも載るような人気のスポットを紹介。
悪縁を断ち良縁を結んでくれるという「安井金毘羅宮」や、双竜図や国宝の「風神雷神図」を鑑賞できる「建仁寺」といった観光スポットを、合わせて訪ねてみましょう。
京阪電車「祇園四条駅」から徒歩10分、市バス206系統「東山安井」から徒歩1分の場所にある安井金毘羅宮。
小さいながら全国各地から多くの観光客が訪れる神社は、悪縁を断ち切る「縁切り神社」として知られるパワースポットです。
神社のご利益によって断ち切れる悪縁は、人間関係に関わるものから酒やギャンブル、煙草といったものまで多岐に渡ります。
縁を断つだけでなく、新たな良縁も引き寄せるご利益があることから、縁結びスポットでもあります。
怨念伝説が現代にも残るほどの神力があったという崇徳上皇を祀っている安井金毘羅宮。
神社に祀られたことにより、現世の煩悩を断ち切り、仏教に帰依した崇徳上皇の悪縁断ちのご利益を受けられます。
安井金毘羅宮の中にある「縁切り縁結び碑(えんきりえんむすびいし)」は、平日でも行列ができるほどの有名スポットです。
絵馬の形をした大きな石に張り付けられているのは「形代」と呼ばれる身代わり札です。
神社は24時間参拝自由で、形代の札24時間神社内で受け取れるため、混雑を避けたい方は早朝や夜に参拝しましょう。
縁切り縁結び碑を参拝する際は、まず形代に自分が断ちたい縁、引き寄せたい縁等の願い事を書きます。
神力が集中しているという大きな穴の中を表から裏にくぐり悪縁を断ち、裏から表にくぐり良縁を引き寄せるそうです。
くぐり終わった後に、願いを書いた形代を縁切り縁結び碑に貼り付けましょう。
また、安井金毘羅の南側にある参道は、左右に絵馬がズラッと並ぶ「絵馬の道」と呼ばれます。
その景色が写真映えすると評判のため、写真好きな方は立ち寄って撮影してみましょう。
住所 : 京都市東山区東大路松原上ル下弁天町70
マップ: Googleマップ
アクセス : 京阪本線「祇園四条」駅から徒歩10分、市バス206系統「東山安井」から徒歩1分
電話番号 : 075-561-5127
定休日 : 年中無休
営業時間 : 終日参拝自由(形代(お札)の用意もあり)
料金 : 無料
公式URL : 安井金毘羅宮
京阪電車「祇園四条駅」から徒歩5分、市バス206系統「東山安井」から徒歩5分、京都にある禅寺の中でも最古のお寺です。
中国で修業を重ねた僧侶・栄西によって開かれた臨済宗建仁寺派の総本山と言われる建仁寺。
建立当初の建物は、応仁の乱や度重なる火災によって焼失されましたが、その後に再建され、現在も貴重な文化財や国宝を鑑賞することができます。
日本に禅が広まる拠点となった建仁寺では、写経体験や座禅といった体験もできます。
そんな禅寺では、江戸時代初期に活躍した俵屋宗達の代表作「風神雷神図」や法堂の天井に描かれる「双龍図」など、見どころが豊富です。
国宝や重要文化財の集まる本坊・方丈といったエリアは有料、それ以外の場所は無料で散策できます。
境内のほぼ中央にある法堂は、仏殿と法堂(講堂)、2つの役割を兼ねている施設です。
法堂の天井にある双竜図は、建仁寺の建立800年を記念して描かれました。
仏教を守護する神様であり、水を司るとも言われる龍の絵は、訪れた人を圧倒する迫力です。
また、建仁寺の本坊内には、国宝に指定されている「風神雷神図」が展示されています。
江戸時代に活躍した俵屋宗達の代表作は、左右の風神雷神の躍動感ある姿、華やかな金色に目を奪われる作品です。
原本は京都国立博物館に保存されているため、建仁寺にあるものは忠実に再現されたデジタル複製画となっています。
そのため、ガラス越しではなく間近まで近寄って鑑賞したり、写真に撮ることが可能です。
住所 : 京都府京都市東山区大和大路建仁寺内通四条下る小松町
マップ: Googleマップ
アクセス : 京阪電車「祇園四条駅」から徒歩5分、市バス206系統「東山安井」から徒歩5分
電話番号 : 075-561-6363
定休日 : 年中無休
営業時間 : 【3月1日~10月31日】10:00~16:30 【11月1日~2月28日】10:00~16:30
料金 : 大人500円、中高生300円、小学生200円
公式URL : 建仁寺
※合わせて読みたい: 京都最古の禅寺「建仁寺」に行ってみた!天井に描かれた双竜に風神雷神図など見どころがいっぱい
京阪電車「祇園四条駅」から徒歩10分、市バス206系統、「東山安井」から徒歩7分、東山エリアの中でも高台にあるお寺です。
先にご紹介した臨済宗建仁寺派に属するお寺で、豊臣秀吉を弔うために、正室だった北政所(ねね)が建てた寺お寺と言われています。
お寺のすぐそばにある「圓徳院」は、ねねが58歳からその生涯を閉じるまで19年間を過ごした地です。
境内には茶人として知られる千利休が作ったとも言われる傘亭や時雨亭、ねねや秀吉が眠る霊屋といった重要文化財があります。
霊屋の中にある仏具の扉や本尊を安置する台座、須弥壇(しゅみだん)には、「高台寺蒔絵」と呼ばれる華やかな漆塗りの蒔絵が施されています。
高台寺の大きな見どころが、東山の自然に囲まれた四季折々の景色です。
お寺の中心部にある開山堂の左右には、緑豊かな方丈庭園が広がります。
臥龍池(がりゅういけ)と偃月池(えんげついけ)、2つの池が配置されている庭園は国の名勝にも選ばれています。
春には方丈庭園に咲き誇る枝垂れ桜、秋には一面が赤く染まる紅葉と季節ごとの景色を楽しみましょう。
新緑の季節しか見られない青もみじも、春や秋の景色と並んで写真を撮りたくなるほどの美しさです。
住所 : 京都府京都市東山区下河原通八坂鳥居前下る下河原町526
マップ: Googleマップ
アクセス:京阪電車「祇園四条駅」から徒歩10分、JR「京都駅」から市バス206系統に乗車、「東山安井」下車から徒歩7分
電話番号 : 075-561-9966
定休日 : 年中無休
営業時間 : 9:00~17:00(夜間特別拝観時は22:00まで)
料金 : 大人600円、中高生250円、30名以上の団体500円(高台寺・圓徳院の共通割引券は一律900円)
公式URL : 高台寺
※合わせて読みたい: 高台寺の見どころを掘り下げて紹介!春の桜に秋の紅葉ライトアップも
空也上人が開いた六波羅蜜寺は、平家との縁があり、境内に重要文化財がいくつもあるお寺です。
境内にある多数の重要文化財をはじめ、遠方から訪れる人がいるほど当たると噂されるおみくじなど見どころが満載。
周辺の観光スポットと合わせて、寺社仏閣巡りを楽しんでみましょう。
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公開日 : 2019/07/24