top > 東アジア・中国・台湾 > 日本 > 京都
本ページに掲載のリンク及びバナーには広告(PR)が含まれています。
建仁寺は、日本に初めて臨済宗を伝えた僧・栄西によって開かれた禅寺です。
1202年(建仁2年)に、鎌倉幕府2代将軍の源頼家の援助を受けて、京都における臨済宗の拠点として建立されました。
その当時は、天台宗や真言宗の勢力が強かったため、天台・真言・禅の3宗並立だったそうです。
1259年、宋僧の蘭渓道隆が11世住職に付いた際に純粋な禅寺となりました。
建立当初の建物は、応仁の乱や度重なる火災によって焼失されています。
一時は荒廃したものの、安国寺恵瓊(あんこくじえけい)によって再興。
その後は徳川幕府の庇護を受け、制度や学問が整備されます。
明治時代になり、政府の宗教政策により派独立、建仁寺は臨済宗建仁寺派の大本山となりました。
建仁寺は京都市の東山区にあり、電車やバス、タクシーなど様々な手段でアクセスすることができます。
他のスポットも巡る場合は、フリーパスのあるバス、または地下鉄が良いでしょう。
JR「京都駅」より市バス 206系統・100系統乗車
建仁寺は、有料エリアと無料エリアがあるお寺です。
法堂・本坊という2つの施設を除くエリアは、基本的に時間内であれば誰でも無料で見学できます。
双竜の絵が描かれている法堂や国宝が展示されている本坊は有料です。
法堂・本坊内では靴を脱ぎ履きする場面があるため、着脱しやすい靴が良いでしょう。
国宝の「風神雷神図」は原本ではなく複製なので、写真撮影が可能となっています。
住所 : 京都府京都市東山区大和大路建仁寺内通四条下る小松町
マップ : Googleマップ
電話番号 : 075-561-6363
定休日 : 年中無休
営業時間 :
料金 : 【法堂・本坊 拝観料金】一般500円、中高生300円、小学生200円(小学生未満は無料)
公式サイト : 建仁寺
国宝にも指定されている「風神雷神図」をはじめ、建仁寺には貴重な文化財が数多くあります。
2002年に描かれた法堂の双竜など、新たな見どころも加わり、観光客からも注目されている観光スポットです。
無料で回れる境内から、有料エリアの中まで、その楽しみ方を余すところなくご紹介します。
建仁寺を訪れた人を出迎える大きな三門は、大正12年に静岡県浜名郡の安寧寺から移建されたものです。
空門・無相門・無作門、3つの解脱を表している門は、「御所を望む楼閣」という意味で「望闕楼」と名付けられています。
門の上部にある部屋には、釈迦如来、迦葉・阿難両尊者と十六羅漢が安置されているそうです。
門の先に広がる参道の周囲には木々が植えられ、季節ごとの景色が楽しめます。
筆者が足を運んだ際は、活力を感じさせる夏の新緑を鑑賞できました。
冬になって三門と周囲の木々に雪が積もる姿もまた風情があります。
建仁寺の境内には、「放生池」と「洗鉢池」という池があります。
長方形の形をした洗鉢池は、歴史を感じさせる石垣や木々に囲まれた池です。
池の側には、茶にも通じていた栄西の功績を讃える茶碑、平成の茶園といった見どころがあります。
見逃しがちなスポットとしてご紹介したいのが、境内にある鳥居をくぐった先にある「明星殿」です。
祀られている楽大明神は、記憶力増進のご利益があるとされる神様。
お堂のすぐ脇にある絵馬掛けには、受験生と思われる人たちの願いが書かれた絵馬が飾られています。
丑年生まれ・寅年生まれの守り本尊であるため、該当する方はぜひ立ち寄ってお参りをしましょう。
場所は洗鉢池のすぐ隣です。
拝観料が必要となる方丈、本坊エリアは、法堂と合わせて、建仁寺のメインとなるスポットです。
国宝に指定されている「風神雷神図屏風」、様々な角度から鑑賞できる庭園「潮音庭(ちょうおんてい)」など、数々の見どころがあります。
本坊と隣り合わせの方丈は、国の重要文化財も指定される貴重な建築です。
1599年に安芸の安国寺から移築された方丈は、銅板葺の屋根が印象的な禅宗方丈建築。
建物の目の前には、「大雄苑(だいおうえん)」と呼ばれる枯山水庭園が広がります。
本坊から建物内に入ってすぐの場所にあるのが、国宝の「風神雷神図」です。
原本は京都国立博物館内で保管されているため、精巧に再現されたデジタル複製画が展示されています。
原本と変わらない光沢感や細部まで再現された俵屋宗達の代表作を鑑賞しましょう。
絵の余白によって、二人の神様の躍動感を感じさせる構図となっています。
風神雷神図は複製なので、写真撮影が可能です。
方丈では、安土桃山時代から江戸初期にかけて活躍した画家・海北友松の作品を鑑賞できます。
襖に墨を使って躍動感ある大きな龍と流れるような雲を描いた「雲竜図」は、見る人を引き付ける迫力。
襖から今にも飛び出してきそうな龍の姿、幻想的な雰囲気を感じさせる雲の描写が秀逸な作品となっています。
その他にも、本坊・方丈内には、「山水図」や「竹林七賢図」といった海北友松の作品が展示されています。
それぞれの絵をガラス越しではなく、肉眼で眺められるのも建仁寺の魅力です。
重要文化財も選ばれている方丈、その前庭にあたるのが「大雄苑(だいおうえん)」です。
七代目小川治兵衛によって作庭された庭の中では珍しい枯山水庭園。
巨石や砂、水を使って作られる枯山水庭園は、余分なものを省いた洗練された美しさを感じられます。
方丈の縁側に座って、景観豊かな日本庭園を眺めるひと時は、有意義な時間となることでしょう。
他の臨済宗のお寺と比べても一際大きい庭園は、名前の通り雄大です。
方丈にあるもう一つの庭園が「潮音庭(ちょうおんてい)」です。
四角い形の庭を囲むように廊下が配置され、吹き抜けのようになっている庭園を様々な角度から鑑賞できます。
「〇△ロ乃庭」は、江戸時代の禅僧僧、仙厓義梵の「〇△ロ」掛け軸が元になっている庭です。
名前の通り、〇・△・ロの記号を組み合わせて庭が作られています。
禅の四大思想(地・水・火・風)の地・火・水を表しているという庭は、現代アートのような斬新さすら感じさせます。
奥からロ・〇、手前の砂が盛り上がっている部分が2等辺三角形となっています。
禅の教えを現在も伝える禅寺である建仁寺では、予約をすれば座禅や講和の体験ができます。
本坊の中には写経体験ができるスペースがあり、こちらは事前予約なしで参加可能です。
本坊内にある売店で申し込みをすれば、大人1人1,000円で写経ができます。
所要時間は1時間ほどなので、時間にゆとりをもって体験してみてください。
建仁寺の法堂は、仏と法堂(講堂にあたる)を兼ねている建物です。
お堂の中には、お寺のご本尊、釈迦如来像が安置されています。
建仁寺の中でもひときわ大きな建物は、天井に描かれた大きな龍の絵を求めて多くの人が訪れる人気スポットです。
法堂内は有料エリアなので、方丈や本坊を一回りした後に尋ねるのが良いでしょう。
別名「拈華堂(ねんげどう)」とも呼ばれる法堂は、1765年に建てられた歴史ある建築です。
建仁寺観光の大きな目玉の一つに数えられるのが、法堂内の天井に描かれた双竜の絵です。
大きな2匹の龍の姿が印象的な「双竜図」は、鎌倉にある建長寺法堂内の「雲竜図」を手掛けた小泉淳作によって描かれました。
龍は仏教を守護する八部衆に数えられ「龍神」と言われます。
禅寺の本山の多くでは竜が天井に描かれているそうです。
水を司る神様でもある龍を描くことで、火災から建物を守るというご利益も兼ねています。
建仁寺の双竜図は、建立800年を記念して2002年に2年の歳月をかけて描かれたもの。
畳にすると108畳にもなる大きな天井に、水墨画で描かれた圧巻の龍を眺めることができます。
建仁寺周辺には、臨済宗建仁寺派の寺院で、ねねと豊臣秀吉ゆかりの地としても知られる高台寺をはじめ、寺社仏閣が豊富です。
新緑の季節には青もみじを楽しめる景観豊かな高台寺、縁切り神社の愛称でも知られる安井金毘羅宮など、徒歩圏内の魅力的なスポットに立ち寄ってみましょう。
京阪電車「祇園四条駅」から徒歩10分、臨済宗建仁寺派に属する高台寺。
豊臣秀吉の正室だったねねが、秀吉を弔うために建てたと言われます。
お寺周辺を東山の自然に囲まれた高台寺では、春は桜、秋は紅葉と四季折々の景色を楽しむことができます。
境内には、高台寺蒔絵と呼ばれる桃山文化の華やかさを感じさせる装飾が施された「霊屋(おたまや)」をはじめ、重要文化財に指定されるような貴重な建築があります。
同じく重要文化財の「開山堂」の周辺には、2つの池と庭園が広がります、
秋の紅葉の際には、境内全体が鮮やかな赤色に染まる光景を見るため、多くの人が訪れます。
比較的人が少なく、穴場感があるのは6月頃です。
明るく活力を感じさせる青もみじの道は、この時期しか見られない神秘的な光景となっています。
住所 : 京都府京都市東山区高台寺下河原町526
マップ : Googleマップ
アクセス :
電話番号 : 075-561-9966
定休日 : 年中無休
営業時間 : 9:00〜17:30 (17:00受付終了、ライトアップ期間のみ22:00まで)
料金 : 大人600円、中高生250円(高台寺・圓徳院共通券は900円)
公式サイト : 高台寺
※高台寺の関連記事: 高台寺の見どころを掘り下げて紹介!春の桜に秋の紅葉ライトアップも
市バス206系統に乗車し「東山安井」から徒歩7分、あらゆる悪い縁を断ち切り、良縁は強く結ばれるという縁結びと、縁切り、2つのご利益を持つ神社です。
断ち切れる縁は、人間関係はもちろん、酒やたばこ、賭け事まで全ての悪縁が含まれます。
京都の寺社仏閣の中では比較的小さな境内ですが、お参りに連日多くの人が訪れるパワースポットです。
お札を纏った大きな石が「縁切り・縁結び碑(いし)」です。
高さ1.5メートル、幅3メートル、絵馬の形をした石は、円形の穴に神様の力が注がれています。
お参りの際は、形代(かたしろ)と呼ばれる身代わり札を購入します。
お札を願いを書いた後は、悪縁を断ち切るためには石の穴を前から後ろへ、良縁を結ぶためには後ろから前にくぐりましょう。
最後に願い事を書いたお札を貼り付けてください。
住所 : 京都市東山区東大路松原上ル下弁天町70
マップ : Googleマップ
アクセス :
電話番号 : 075-561-5127
定休日 : 年中無休
営業時間 : 終日参拝自由(形代(お札)の用意もあり)
料金 : 無料
公式サイト : 安井金毘羅宮
京阪電車「清水五条駅」から徒歩7分、京都駅から市バス206系統に乗車し「清水道」下車から徒歩7分のお寺です。
951年、空也上人によって建立されたという六波羅蜜寺。
お寺の名前は、仏様の領域に到るための六つの修行、悟りの世界を表す波羅蜜から来ています。
境内の中心部にある鮮やかな極採食の本堂は、重要文化財に指定されています。
本堂と併設されている宝物館では、戦火を逃れ現在もその姿を残す「空也上人立像」をはじめとする貴重な宝物を鑑賞しましょう。
参拝客の無事を祈る小さなカエルをはじめ、本堂の周囲にも見どころが満載です。
住所 : 京都市東山区五条通大和大路上ル東
マップ : Googleマップ
アクセス :
電話番号 : 075-561-6980
定休日 : 年中無休
営業時間 : 8:00~17:00(宝物館は16:30に受付終了)
料金 : 【宝物館】大人600円、中・高・大学生500円、小学生400円
公式サイト : 六波羅蜜寺
※六波羅蜜寺の関連記事: 「六波羅蜜寺」の見どころを徹底取材!願掛け石や手書きおみくじなど
建仁寺を観光する際に、合わせて寄ってほしいおすすめのグルメスポットをご紹介します。
京阪電車「祇園四条駅」から徒歩5分、鴨川沿いにある京町屋を利用したビストロです。
ソムリエがチョイスしたワインに、フレンチとイタリアンのメニューを味わえます。
夏には、期間限定で鴨川沿いの風物詩にもなっている川床での食事が可能です。
納涼床ビストロと呼ばれる全28席の川床では、ワインを片手に開放感ある雰囲気の中でフレンチをいただけます。
「まる鶏のコンフィ」ハーフ 1,280円(税込)は、鶏を丸々一羽使用したお店の名物料理。
低温の油を使って、じっくり煮込むように火を入れたまる鶏は、肉汁が口中に溢れだすほどジューシーな仕上がりに。
フレンチ料理ならではの技法を使ったお店特製のチキンを堪能してください。
住所 : 京都府京都市下京区木屋町団栗橋下ル斎藤町138-2
マップ : Googleマップ
アクセス : 京阪電車「祇園四条駅」から徒歩5分
電話番号 : 075-276-2067
定休日 : 月曜日&第一火曜日
営業時間 : 11:30~14:30(L.O.13:30)/17:00~23:00(L.O.22:00)
予算 : 【夜】3,000~3,999円 【昼】2,000~2,999円
禁煙・分煙 : 分煙
予約サイト・口コミ・クーポン : ぐるなび
京阪電車「祇園四条駅」から徒歩8分、八坂通に建つ数寄屋造りの天ぷら店です。
暖簾をくぐった先には、石畳の道が伸び、プライベート感のある和室や職人の技を目の前で鑑賞できるカウンター席が広がります。
京野菜、瀬戸内や若狭直送の魚介、清流を泳ぐ川魚など、日本各地から仕入れられた新鮮な食材を使った天ぷらをいただきましょう。
「葵」6,600円(税込)は、揚げ油から食材まで全てにこだわり抜いたランチ限定コースです。
お店名物の活車海老も含まれる全13品のおまかせ天ぷらと、締めの天丼を味わってみてください。
住所 : 京都府京都市東山区八坂通東大路西入ル小松町566
マップ : Googleマップ
アクセス : 京阪電車「祇園四条駅」から徒歩8分
電話番号 : 075-551-1488
定休日 : 年中無休
営業時間 : 11:00〜16:00 /16:00〜21:00(L.O.20:00)
予算 : 【夜】10,000~14,999円 【昼】6,000~7,999円
禁煙・喫煙 : 分煙
予約サイト・口コミ・クーポン : 食べログ ホットペッパーグルメ 楽天ぐるなび
京阪電車「祇園四条駅」から徒歩5分、1781年(天保元年)に創業した老舗の寿司店です。
ミシュランガイドにも掲載されたお店の名物は、創業時からの製法を引き継いだ「鯖寿司」。
店内でいただくのはもちろん、テイクアウトができるため、宿に帰ってからもお店の味を堪能することができます。
「鯖姿寿司」一本 5,148円(税込)は、日本海産の程よく脂が乗った鯖を、北海道産の上質な昆布で〆た一品です。
鯖のまろやかな味と酢の酸味、昆布の旨みや香りが、一体となって口の中に広がります。
なお、テイクアウトの際は前もっての予約が必要です。
住所 : 京都府京都市東山区八坂新地清本町367
マップ : Googleマップ
アクセス : 京阪電車「祇園四条」駅から徒歩5分
電話番号 : 075-561-0751
定休日 : 火曜日
営業時間 :
予算 : 2,000~2,999円
禁煙・分煙 : 完全禁煙
予約サイト・口コミ・クーポン : ぐるなび
建仁寺は、国宝の「風神雷神図」、法堂の双龍図など、広い境内に沢山の見どころがあるお寺です。
方丈・本坊の中には、枯山水庭園をはじめいくつかの庭園があり、それぞれに異なる景色を楽しめます。
京都観光の際は、建仁寺周辺の観光・グルメスポットと合わせて立ち寄ってみてください。
▼京都のお寺の関連記事
・ 目的別に京都の神社と寺院を一挙紹介!縁結び神社から可愛い御朱印がもらえるスポットまで
・ 【京都】世界遺産「東寺」の完全ガイド!国宝の五重塔や御影堂など見どころ多数
最終更新日 : 2022/02/09
公開日 : 2019/07/19