top > 東アジア・中国・台湾 > 日本 > 岡山
本ページに掲載のリンク及びバナーには広告(PR)が含まれています。
大きな鳥居や賽銭箱のある本殿があるので「神社」だと思われがちですが、正式名称は 「最上稲荷山妙教寺」というお寺 です。
約1200年の歴史を誇り「不思議なご利益を授ける最上さま」として、江戸時代以降から多くの人の信仰を集めました。
広大な敷地の最上稲荷の中は古い建造物も数多くあり、妙教寺本堂や客殿など登録有形文化財の宝庫となっています。
お正月の「新春開運大祈願祭」は、岡山県の初詣でもっとも多い人出で、三が日の最上稲荷は非常に混雑します。
三が日だけで例年約60万人の人出なのだそうです。
混雑の影響で、最上稲荷参道のお店兼住居への年賀状の配達は大晦日に行われます。
混雑の壮絶さを感じますね。
車だと渋滞に巻き込まれてしまいますが、臨時ダイヤで運行している電車を使うと、駅から最上稲荷まで遠いというデメリットがあります。
そのため、初詣は時間に余裕を持って行くようにしてください。
「節分豆まき式」は最上さまの脇神・三面大黒尊天の祭典です。
開運厄除けの祈祷の後、有名タレントを招いて豆まき式が行われます。
総勢750名の福男・福女が10万袋の投げる福豆には当たりがあります。
旅行や商品券、名物のゆずせんべいと交換することができるようになっており毎年人気です。
岡山自動車道「岡山総社IC」から約5kmの場所にあり、約10分で到着します。
国道180号線を岡山方面へ大鳥居を目標に進んでください。
周辺に民間の5000台収容の駐車場があり、境内には身体障がい者駐車場(4台)があります。
運動公園口(西口)より約15kmの場所にあり、タクシーで約20分で到着します。
JR桃太郎線(吉備線)の場合は、備中高松駅から約2kmの場所にあり、タクシーで約5分です。
岡山空港より約8kmの場所にあり、タクシーで約10分です。
最上稲荷に近づくと、まず目に留まるのは巨大な「大鳥居」です。
高さはなんと27.5mで、
10階建てのマンションくらいの高さ
があります。
柱の直径は4.6メートル もあり、 鳥居の総重量は2,800トン もあるのだそうです。
1972年に建立され、建築後50年近くが経過しています。
2014年に改修工事が行われてからベンガラ色に塗り替えられ、見た目はとても綺麗になっています。
近くには大きな建物がないので、鳥居は写真のように遠くからでもよく目立ちます。
この「大鳥居」は最上稲荷のシンボルなのです。
最上稲荷の周辺には多数の民間駐車場があります。
大駐車場から仁王門まで約600m続く参道には、様々なお土産店や飲食店、お酒や甘栗のお店が並んでいます。
名物は「ゆずせんべい」と「ご縁まんじゅう」です。
中でもご縁まんじゅうは、 「名物中の名物」 という大胆なキャッチコピーで販売されています。
五円硬貨を模しており、中にはあんこがぎっしりと詰まっている饅頭です。
年末年始は休みなしでまんじゅうを焼き続けており、いつでも焼きたてのアツアツが食べられるのが魅力です。
参道を過ぎると、白い仁王門が見えてきます。
この真っ白な仁王門は1958年に完成したもので、インドの殿堂様式で建造されています。
2009年に登録有形文化財に指定されました。
2013年に改修工事が行われたため、外観は新しく見えます。
階段の中央には
「仁王像 照明スイッチ」
があります。
実際に押してみると…
「ピカッ!」と仁王像が光ります。
2013年に改修された仁王像は今でもピカピカ。
照明でさらに金色が映えていますね。
本殿(霊光殿)は、1979年に5年の歳月をかけて完成した建物です。
本殿前には長さ約12m、総重量1.5tの大注連縄がかけられており、 年間約300万人もの参詣者 を迎えています。
近くで見るとすごい迫力です。
最上稲荷のおみくじは江戸初期から伝わるもので、中身も江戸初期から変わっていないそうです。
おみくじ箱を振り、出た数字の引き出しを開けておみくじを引きます。
ちなみに、最上稲荷のおみくじは 「大凶」も出るという珍しいおみくじ です。
おみくじ授与所には、大凶だからと落ち込まず、これからスタートするような気持ちで頑張ろうと言った趣旨の案内が書かれています。
表面は昔の版木の文字で読みづらく感じますが、裏面には読みやすい解説が付いているため安心です。
ぜひ本殿を参拝した後でチャレンジ(1回100円)してみてください。
本殿の裏にはダイナミックな彫刻があり、目を引きます。
彫刻家のよしもと正人氏の「生命の連環(いのちのれんかん) - 法華経より」という作品 です。
縦8m、奥行き8m、横24mの規模で、近くで見ると迫力があります。
ご祈祷受付ではお祓いはもちろん、お札やお守りの授与を行っています。
近年では特に「カード型お守り」が人気なのだそう。
交通安全や病気平癒など、様々なご利益に合わせたお守りが準備されています。
カード型ならスマホケースや財布にしまっておけるので便利ですね。
御朱印もこの「ご祈祷受付」にて受け付けているため、お願いしてみてください。
御朱印帳は「ご祈祷受付」ではなく、隣の売店で販売されています。
売店の「幸運ショップゆかり」には、御朱印帳だけでなく、様々な縁起物が販売されています。
参詣土産にもなりますので、ぜひチェックしてみてください。
最上稲荷は本殿の参拝だけではありません。
旧本殿や七十七末社など、数多くのパワースポットがあります。
旧本殿は1741年に再建されました。
新本殿建立の際、そっくりそのままの状態で現在の場所に移動されています。
最上稲荷の中で最古の木造建築物です。
最奥の建物が2004年に岡山市の重要文化財、その他の建物が2009年に登録有形文化財に指定されています。
旧本殿のまわりには、七十七末社があります。
それぞれが 厄除けや縁結びなどの役割を担い、人々を救ってくれる神様 なのです。
荒熊天王や朝日天王など20件が登録有形文化財に指定されています。
この七十七末社のご利益をチェックしながら手を合わせることができるのですが、これがけっこう面白いのです。
例えば、 「サラリーマン守護」 のご利益がある昭高天王は人気がありそうですし…
美人になれそうな雪法天王も、祈っておきたいところです。
おとなりの
「仲裁成就」
というのも気になりますね。
理不尽に怒られたりしたら九郎天王も頼りになります。
最上稲荷には、どんな悩みを持った人でも受け入れてくれる懐の深さがあるのです。
そんな個性豊かな七十七末社の中でも、もっともユニークで人気があるのは「縁の末社」です。
「縁の末社」は七十七末社のひとつで、縁引天王(えんびきてんのう)と離別天王(りべつてんのう)を祀っているエリアです。
文字通りですが、縁引天王は縁結び、離別天王は縁切りのご利益があります。
ここで両方を参ることで、悪縁を絶ち切り、良縁を引き寄せることができるというわけです。
左側が離別天王で、右側が縁引天王です。
「縁」と聞くと男女の縁を想像すると思いますが、けっしてそれだけではありません。
仕事や学業、さらに病気や自分自身の成功や失敗なども「縁」に入ります。
それらすべての悪縁を絶ち、良縁を引き寄せるということなのです。
つまりは、ここで両参りをしたその日から新しいスタートを切ることができます。
奥へ進むと奉納所があります。
左側が「縁切札奉納所」で右側が「縁結絵馬奉納所」です。
「縁結絵馬」は普通の絵馬の形なのですが、「縁切札」は少し変わっています。
真ん中に切り込みが入っていて、パキッと割れるようになっているのです。
悪縁を記入して割った後は、袋に入れて奉納します。
ちなみに、毎月7日の午前11時からは「縁の末社で両縁参り」と題して、お坊さんが「縁の末社」の正しい参拝の方法を教えてくれます。(1月は行っていません)
詳しくは最上稲荷の 公式サイト をご確認ください。
広大な最上稲荷の敷地には、まだまだスピリチュアルなパワースポットがあります。
見どころをそれぞれご紹介します。
八畳岩は報恩大師の修行により、最上尊が降臨されたとされる霊地であり、最上稲荷屈指のパワースポットです。
岩の上には八畳分の畳が敷ける広さがあると言われることから「八畳岩」と呼ばれています。
八畳岩を拝むためには、旧本殿の裏にある階段を登っていかなければなりません。
鳥居の前の階段もかなり急ですし、階段の先の道も険しくなっています。
整備されていない険しい道が続くので、八畳岩を目指して登る際は、スニーカーを履くなど歩きやすい格好をしてチャレンジするようにしましょう。
秀吉本陣(一の丸)は、備中高松城などの備中境目七城を攻める際に、羽柴(豊臣)秀吉が初めて陣を敷いた場所として知られています。
ここには日蓮聖人の像があります。
日蓮聖人像は、高さが7.6mあり、近くで見るとなかなかの迫力です。
この場所からの眺めは綺麗で、周辺を一望することができます。
高い建物がないため空が広く、美しい風景ですね。
ここに行くには、本殿から妙見堂を通って坂道を登る必要があります。
先ほどご紹介した「八畳岩」への道のりほどではありませんが、こちらも意外と急傾斜で油断していると疲れます。
秀吉本陣にも行きたい方は、動きやすい服装で行くようにしてください。
最上稲荷は初詣や節分の時に、多くの人が訪れる御本殿などがある「祈祷ゾーン」とは別に「供養ゾーン」が存在します。
どちらかというと神社っぽい「祈祷ゾーン」に比べ、「供養ゾーン」はお寺っぽいのが特徴です。
根本大堂は一塔両尊四士(いっとうりょうそんしし)や高祖日蓮聖人を祀っています。
御本殿では祈祷を受け持っていますが、根本大堂は供養が主な役割となっています。
先祖供養や水子供養も可能です。
大客殿は1916年に再建された建物で、2006年に改修されています。
中は拝観可能で、妙教寺庭園と一緒に館内を拝観できるのでおすすめです。
御神水の提供も行っているため、興味のある方はぜひもらってみてくださいね。
ペットボトル代が300円必要です。
2006年に作庭家の齋藤忠一氏監修のもと生まれ変わった庭園で、300円の拝観料を支払うことで見学(小学生以下は無料)できます。
「仏教のこころ」をもとに桃山様式が取り入れられた寒松庭と、15個の飛び石を境にして陰と陽を表した福寿庭に分かれています。
根本大堂と大客殿の前には、 御神木の「大いちょう」 が立っています。
樹齢は約400年 と言われ、高さはなんと 約30m もあり圧巻です。
1988年に岡山市の保存樹に指定され、木の前には立て看板がありました。
最上稲荷に行ったらぜひ一目見に行ってみてください。
今回、初詣でも節分でもない平日に最上稲荷に行きましたが、魅力がたくさんあり、ゆっくりと楽しむことができました。
参道も楽しいですし、御本殿の他に七十七末社があったりと、見どころは盛りだくさんです。
ぜひ本記事を参考に、最上稲荷のパワースポットを巡ってみてください。
▼合わせて読みたい岡山の関連記事
公開日 : 2019/08/26