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神戸は1868年の開港を機に国際貿易の拠点として発展した歴史を持ち、西洋文化をいち早く取り入れた近代都市として知られています。
街中には多くの洋館が立ち並び、かつての面影を感じさせます。
神戸といえば華やかな文明開花をイメージする人が多いと思いますが、明治より数百年以上遡る平安時代には、既に港町として親しまれていました。
実際に、平清盛は平安後期に神戸の港を利用して宋(中国)との貿易を行っていたとされています。
本記事でご紹介する生田神社は、さらに歴史を遡る201年に創建されたと伝わる日本有数の古社。
同時代に建立された神社は、出雲大社や住吉神社など有名なものばかりです。
既にお気付きかもしれませんが、生田神社は源平ゆかりの地です。
「神功皇后時代の創建ならば、誰もが知る歴史上の偉人も訪れたに違いない」、そう思われた方は鋭い勘の持ち主です。
生田神社には、かつて源平合戦が行われた場所が残されています。
境内にはその他にも源平ゆかりの史跡が多く点在しているので、歴史好きの方は必見です。
生田神社は、年間約350万人の参拝客が訪れる人気のパワースポットです。
正月の三が日には毎年約150万人もの人で賑わうのだとか。
その知名度は高く、関西では知らない人が居ないといわれるほど。
人気の秘密は、強力な縁結びのご利益にあるでしょう。
近年は多くの芸能人や有名アスリートも参拝しに訪れているそうです。
生田神社が鎮座するのは、神戸中心部の「三宮(さんのみや)」というエリア。
レストランやカフェをはじめとする飲食店やブティックなどが軒を連ねる賑やかなショッピング街として知られています。
山陽新幹線が停車するJR 新神戸駅より徒歩15〜20分程なので、京都や大阪といった周辺都市からのアクセスも便利です。
生田神社の最寄り駅は、JR 神戸線「三ノ宮駅」および私鉄各線の「三宮駅」です。
駅の場所は利用する路線によって異なりますが、徒歩5〜6分でアクセスすることができます。
新幹線でお越しの場合は、JR 山陽新幹線「新神戸駅」で下車してください。
生田神社への移動にかかる所要時間は徒歩15分、タクシーを利用する場合は約5分が目安です。
JR新神戸駅〜三宮駅間は地下鉄で移動することも可能ですが、新神戸駅から生田神社まで向かう途中は下り坂なので、意外と楽に歩くことができますよ。
阪神高速道路3号・神戸線「生田川 IC」または「京橋IC」より約5分です。
境内の東側に参拝者専用駐車場があります。
無料ではありませんが、最寄りの駐車場に比べると割安な料金設定となっています。
周辺の車道は一方通行なので、カーナビやスマートフォンの地図アプリなどで目的地を設定してからアクセスすることをおすすめします。
最初の1時間 500円(以降10分につき100円)
入庫 7:00~22:00/出庫 7:00〜25:00
3世紀の創建以降、神戸の歴史を長きに渡って見守ってきた生田神社。
特に平成7年(1995)の阪神淡路大震災は、多くの人にとって記憶に新しい出来事だと思います。
生田神社は三宮に鎮座していますが、かつては新神戸駅の奥にある布引山に鎮座していました。
現在の場所に遷されたのは、延暦18年(799)。
日本書紀や枕草子にも記されている大変由緒ある神社です。
社殿は比較的新しいものですが、震災の他にも大規模な水害や戦時下の空襲などの被害に遭い、その都度復興されてきました。
このような経緯から、生田神社は「蘇(よみがえ)る社」としても信仰されているのだそう。
これにあやかり、勝運向上や厄除・除災招福を祈願しに訪れる人の姿も見られます。
神戸の最強パワースポットと称される生田神社には様々なご利益があります。
特に強力な縁結びのご利益で知られ、恋愛成就を祈願する人を中心に年間を通じて多くの参拝者が訪れています。
御祭神は、日本神話に登場する女神「稚日女尊(わかひるめのみこと)」。
万物の成長を加護する神様として、古くより信仰が寄せられています。
また、「織物の神」という神格を有することから『人と人を繋ぐ "縁" を結ぶ神』としても広く崇敬されているのだとか。
境内には、縁結びや恋愛成就を祈願するハートの絵馬が多く奉納されています。
ご利益は、縁結びや恋愛成就の他にも「子宝安産・健康長寿・商売繁盛・厄除け・海上守護」など様々。
境内には末社がいくつもあるので、ぜひ合わせてお参りください。
生田神社の境内は、ご覧のようにとても広い造りをしています。
楼門付近には境内の見取図があるので、予め写真を撮っておくのがおすすめです。
ここでは、境内にある見どころをご紹介します。
見取図と照らし合わせながら歩くとスムーズに回れるでしょう。
参拝に訪れる際は、ぜひ参考にしてみてください。
最初にご紹介するのは、風格漂うこちらの鳥居。
生田神社の参道には合計3つの鳥居があり、三宮駅方面から「第一、第二、第三の鳥居」と数えます。
ご覧の鳥居は2番目、つまり中間地点に位置するもので唯一木材でつくられているのが特徴です。
使用されている木材は、かつて伊勢神宮の柱として使われていたものなのだそう。
天照大神を祀る内宮本殿を構成していたヒノキ材ということもあり、大変有難いものなのです。
元々は石製の鳥居が立っていたそうですが震災で崩壊し、伊勢神宮から譲り受けた古材で新たに築かれました。
現在見られるのは平成27年(2015)に完成されたもので、高さ約8.5m・幅約6mを誇ります。
三ノ鳥居の正面に位置する「楼門」は、生田神社の参拝者を最初に出迎える門です。
この門は境内の南側にあるのですが、生田神社には北側を除く東西4ヵ所にも門が設けられています。
三宮の繁華街「生田東門商店街(通称:東門街)」は、この東門に由来するのだとか。
鮮やかな朱色が目を惹きますね。
生田神社には、毎年の初詣にこちらの楼門の上で太鼓を叩く伝統があります。
午前0時に宮司さんが新年が告げる太鼓を叩くと同時に、楼門の扉が開放されるのだそう。
華やかな正月気分を味わいに、生田神社で初詣をするのも良いでしょう。
楼門を潜ると、ご覧のような社殿が姿を現します。
こちらは「拝殿」と呼ばれる建物です。
文字通り "神様に向けて拝むための場所" であり、神職が祭典を奉仕するのに加え、参拝者の御祈祷などにも使用されています。
写真では確認できませんが、拝殿の奥には生田神社の御祭神をお祀りする本殿が鎮座しています。
まずはこちらにお参りして、神様にご挨拶しましょう。
ここからは、境内を反時計回りに歩いていきます。
早速、筆者の目に飛び込んできたのが、本殿の北東に位置するこちらの巨木。
約500年の年輪を有する「楠(くすのき)の神木」です。
写真で見ると分かりにくいかもしれませんが、その大きさは直径150cm程あります。
一度は空襲で焼けただれたものの、力強く蘇ったことから「再生・再起・合格・復活・復興の象徴」として信仰されているそう。
実際に近付いてみると、その大きさに圧倒されます。
国内には樹齢数百年、もしくは数千年を数える巨木がいくつもありますが、切株を間近で見るという体験は貴重と言えるでしょう。
楠の神木から少し西側に目を向けると「包丁塚」と書かれた不思議なモニュメントを発見しました。
これは神戸市内の料理食品関係者が料理に携わる人達の魂が籠った包丁に感謝すると共に、食文化の向上を願って建立したものなのだそう。
神社の境内にあるとは思えないようなスタイリッシュなデザインは必見です。
近代美術館に展示されているオブジェのような見た目ですね。
生田神社には史跡の他に、多くの神社の末社があります。
境内の北東に鎮座する稲荷社もそのうちの一つ。
日本神話に登場する女神「稲倉魂命(うかのみたまのみこと)」を祀っています。
稲荷社は、京都の伏見稲荷を総本宮とする大変有名な神社です。
全国に約3万2000社以上存在するといわれ、「お稲荷さん」という愛称で親しまれています。
普段神社にあまり馴染みがないという人でも、キツネの像は見たことがあるのではないでしょうか。
この神社は、五穀豊穣と商売繁盛をはじめ、家内安全・交通安全・諸願成就・芸能上達・金運向上など幅広いご利益があるとされています。
参道に立ち並ぶ鳥居は全部で22基。
1つ目の鳥居を潜ると、先へ進むにつれて別次元へと導かれていくような不思議な感覚を覚えます。
鳥居は比較的最近塗り替えたばかりなので、とても綺麗ですよ。
伏見稲荷の千本鳥居のような素敵な写真が撮れると話題のスポットでもあります。
生田神社の境内にある末社には、それぞれ異なる神様が祀られています。
上の三社は安置しているのではなく三社共もに一つの社殿となっており、三社ともに直接お参りできます。
例えば、塞(さい)神社は病気封じ・道守りの神様として崇められています。
こちらは、ニノ鳥居付近に鎮座する大海神社。
日本神話や古事記に登場する猿田彦命(さるたひこのみこと)を御祭神として祀り、海上安全や交通安全、方位除けなどのご利益があるとされています。
境内の北部には緑豊かな樹木が生い茂り、「生田の森」という名で親しまれています。
この辺りはかつて名勝の地とされ、枕草子でも「森は大あらきの森、信太の森、生田の森」と詠まれました。
思わず深呼吸をしたくなるほど気持ちの良い場所なのですが、平安時代にはこの場所で源氏と平氏の主力部隊が争いを繰り広げていたというから驚きです。
建武3年(1336)に足利尊氏が新田義貞の軍を破ったのもこの場所なのだとか。
その他、森の中には安産と万物成長を司る神様が祀られています。
朝早く訪れると新鮮なエネルギーに満ち溢れていて、とても気持ちが良いですよ。
生田の森にある「金龍泉」では、縁結びの水みくじが出来ます。
縁結び・恋愛成就を祈願する女性たちの間で当たると評判のおみくじです。
恋の行方が気になる方は、ぜひ水みくじでご自身の恋愛運を占ってみてください。
「水みくじ(初穂料 300円)」は、楼門の右手に位置する授与所で受けることができます。
池の水に浸すと文字が浮き出て、総合運や縁談、ラッキーカラーとスポットを教えてくれます。
水みくじに限らないことですが、おみくじは「神様のお告げ」を知るためのものです。
くじ引きのような運試しではないので、吉凶を気にする必要はありません。
大切なのは神様のメッセージを自身の行動に反映させることです。
あなたに素敵なご縁がありますように。
生田の森の南側には、かつて表参道に立っていた石造りの鳥居があります。
建立は江戸時代ですが、安政元年(1853)の大地震で両脚の基礎部分を残して崩壊しました。
倒壊時に残ったとされる支柱部分は、しばらくその場に残されていたそう。
現在見られるのは、昭和25年(1950)3月に新たな鳥居を築くにあたって元の場所から移されたものです。
境内では、礎石と共に安置されている姿をご覧いただけます。
境内の西側には「生田弁財天」として親しまれる市杵島(いちきしま)神社があります。
大きな池に浮かぶ小島に安置されているお社で、御祭神として「市杵島姫命(いちきしまひめ)」が祀られています。
こちらも日本神話に登場する女神なのだとか。
一般には七福神の1人である「弁財天」としてお馴染みの神様です。
七福神といえば大黒天や毘沙門天など有名な神様ばかりですが、その中で日本出身なのは恵比寿さまだけなのをご存知でしょうか。
気になる弁財天は、実はインドのヒンドゥー教由来の神様なのです。
インドでは「水と豊穣の女神」と崇められ、知恵と財宝を授けてくれると言われています。
金運上昇や商売繁盛を祈願するなら、ぜひ弁天社にもお参りしてみてください。
InstagramをはじめとするSNSを中心に近年注目を浴びている、御朱印。
御朱印とは神社仏閣を参拝した証として朱印を押していただくという習慣の一つで、古くは江戸時代から親しまれてきました。
かつては参拝先で写経した証として授与されていたものですが、時代の変化と共に現在見られるような姿になったのだそう。
「神社を参拝するついでに御朱印をいただくのが楽しみ」という方も少なくありませんよね。
生田神社では、そんな皆さんの興味をそそる素敵な御朱印をご用意しています。
多くの神社では社務所で授与していますが、生田神社では境内の南西に位置するこちらの建物でいただけます。
御朱印を希望する方は、自動ドアの先にあるカウンターで受付を行いましょう。
社務所に用事がある方もこちらへお越しください。
御朱印は、墨書きに「生田神社」および「八重桜」の朱印を施したものが一般的です。
期間限定の御朱印はデザインによって、数量や授与期間が異なります。
これらの初穂料は500、1,000円で、期間限定の御朱印は用紙のみの授与となっております。
御朱印帳の見開き2ページを使用する大きめの御朱印(A5サイズ)には、1,000円のお納めです。
筆者が訪れたのは1月なので、月替わり・季節限定のものに加え、ご覧のような御朱印も授与していました。
こちらは、初詣限定の特別御朱印「開運」です。
御朱印には、それぞれ異なる意味が込められています。
社務所に掲示されているポスターの他、生田神社の公式サイトやSNSでも最新情報をご確認いただけます。
詳しくは こちら をご覧ください。
生田神社は御朱印だけでなく、お守りの種類も豊富です。
「縁結びの神様」と称されるだけあって、恋に効くお守りはもちろん子宝や安産、学業に合格祈願、交通安全まで様々なお守りがあります。
写真は、ベビー子ども関連ブランド「ファミリア」とコラボしたお守り。
生田神社との共通の想いを込めて作られたもので「育守(はぐくまもり)」と呼ばれています。
可愛いクマのモチーフがファミリアらしさを感じさせますね。
それぞれのお守りには生田神社を象徴する八重桜の刺繍も施されています。
生田神社をお参りして結んでいただいたご縁を育み、成長させたいという方におすすめです。
住所 : 兵庫県神戸市中央区下山手通1-2-1
マップ : Googleマップ
アクセス : JR三ノ宮駅、私鉄各線三宮駅より北へ徒歩10分
電話番号 : 078-321-3851
拝観時間 : 7:00〜17:00(授与所・御朱印受付 9:00〜17:00)
料金 : 参拝自由(御朱印の初穂料 500円)
公式サイト : 生田神社
「縁結びの神様」で知られる神戸の生田神社をご紹介しました。
神戸といえば、異国情緒漂うかつての近代都市としてお馴染みの観光地です。
西洋風の建築物が多く立ち並ぶ街ではありますが、実は長い歴史があり、多くの史跡が残されている興味深い土地でもあります。
生田神社の境内にも、神戸の歴史を紐解く史跡が多く残されているので、ぜひ足を運んでみてください。
生田神社との出会いも、ある種の "ご縁" と言えるのではないでしょうか。
神社への参拝をきっかけに、神戸の歴史を辿ってみるのも楽しそうですね。
皆さまに素敵なご縁がありますように。
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最終更新日 : 2022/02/28
公開日 : 2022/02/18