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先斗町(ぽんとちょう)とは、京都市内を縦に流れる鴨川に沿った、三条通と四条通までを結ぶ細い路地「先斗町通」を指します。
シーズン問わず観光客で賑わう先斗町について、その歴史や名前の由来などをご紹介します。
京都市内きっての中心街である河原町と祇園に挟まれた先斗町。
幅2メートル程度しかない細い通りに、美しいべにがら格子の町屋調の飲食店が550メートルほど連なっています。
京都の繁華街から一本入るだけで、昔の京都にタイムスリップしたかのような美しい街並みが見られるほか、伝統的な町屋でおばんざいや懐石料理など多種多様な料理が味わえるため、国内外問わず年中観光客で賑わうエリアです。
鴨川の洲であったこの地は、1670年に護岸を造設する工事によって小さな町となりました。
その約40年後に旅籠屋や水茶屋ができ、江戸時代後期からお座敷で芸妓などの芸を楽しむ花街(はなまち)として栄えたのです。
先斗町は京都五花街(ごかがい)の一つに数えられるため、現在もお座敷へ通う舞妓・芸妓の姿が見られることも…
ちなみに「ぽんとちょう」という名前の由来は諸説あり、一説には、ポルトガル語のponto(点)やponte(橋)などを由来とするのだとか。
伝統的な街並みとのギャップが興味深いですね。
夏の先斗町では、川床(かわゆか・かわどこ・ゆか)が有名です。
川床とは、河原や河川敷に面するように設けられた桟敷席のこと。
納涼のために期間限定で設置されるため「納涼床」とも呼ばれ、京都では夏の風物詩として長く愛されています。
先斗町を含む鴨川納涼床は、二条通から五条通まで、およそ100軒近い店が川床を催すそう。
貴船や高尾など有名な納涼床の中でも最も歴史が古く、桃山時代から続くとも言われています。
期間は年や店舗により異なりますが、主に5月初め〜10月末ごろです。
ランチの時間帯の「昼床」を開催している店舗もあり、夜よりも比較的リーズナブルに川床を楽しめます。
町屋づくりの飲食店がずらりと並ぶ先斗町ですが、中には歴史的な建造物や、立ち寄りたい観光スポットもあります。
先斗町に訪れたら見ておきたい観光スポットを、「先斗町歌舞練場」「先斗町公園」の2つに分けてご紹介します。
三条通から南下して、先斗町に入るとすぐ左手側に見えるのが「先斗町歌舞練場(かぶれんじょう)」です。
先斗町歌舞会が主催する行事などが行われる場所で、主に舞妓・芸妓が舞う「鴨川をどり」が開催されています。
「をどり」とは、舞妓や芸妓が踊り舞う舞踊のこと。
京都五花街がそれぞれ独自の「をどり」を持ち、春の季節行事として、毎年3月下旬〜5月ごろに公演を行っています。
鴨川をどりは1872年から続く先斗町の行事で、五花街の「をどり」の中でも最も公演回数が多いことで有名です。
豪華絢爛な衣装や舞台、踊りは、過去にはチャップリンなど海外の著名人をも魅了したのだとか。
なお、会場では芸妓さんのお点前をいただけるお茶席も設けられています。
先斗町歌舞練場は、建築物としても注目されています。
1927年に完成した建物は、大阪松竹座などを手がけた名人による設計で、「東洋の趣味・趣向をプラスした近代建築」という評価を得ました。
屋根には守り神として、舞踊に使われる舞楽面をかたどった鬼瓦が置かれているのも必見です。
なお、歌舞練場は鴨川をどりなどの行事のほか、一般の演奏会やコンサート会場、展示場などとしても使われています。
住所 : 京都市中京区先斗町通三条下ル橋下町130
マップ : Googleマップ
アクセス : 京阪三条駅 6番出口より徒歩5分
電話番号 : 075-221-2025
備考 : 鴨川をどりは例年5月に開催
公式サイト : 先斗町歌舞練場
細長い通りに京町屋がひしめきあう先斗町ですが、一区画に小さな「先斗町公園」があります。
もともとは小さな児童公園だったものの、2010年ごろに京庭園風の公園へと改修されました。
古墳のような小高い築山に、小さな庭園、そして春にはしだれ桜がゆらりと風に靡き、花街という町に合う風情を感じられる憩いの場です。
ちょうど三条通と四条通の中間のあたりにあるので、先斗町散策の休憩として少し休むと良いでしょう。
公演内には人懐っこい猫ちゃんもいます♪
また、小高い築山からは鴨川や対岸まで見渡せるので、川床の開催されていない季節の来訪であれば、公園に立ち寄ってみると優雅な鴨川の景色を味わえます。
京料理や懐石料理、おばんざいなどを中心に、数々の料理屋が立ち並ぶ先斗町。
川床や、京町屋での食事に憧れつつも、古くからの名店が多いため敷居が高いと感じる人も多いのではないでしょうか。
「気軽に楽しみたい」という人は、ディナーよりも手の出しやすい価格設定のお店が多いランチタイムを狙うと良いでしょう。
ここでは、ランチにおすすめなお店を厳選してご紹介します。
予約の取りにくい名店「うしのほね 本店」。
牛肉を使った料理や、地野菜や京の食材で彩る「創業35年以上のこだわり」の京料理やおばんざいを届ける和食店です。
2階建ての古民家の1階はお座敷席で、まったりと落ち着いた雰囲気を満喫したい人におすすめ。
2階はテーブル席または個室で、鴨川を眺めながら食事が可能です。
夏の川床はお座敷タイプで、ランチタイムの昼床も行っています。
コース料理は季節により異なる場合がありますが、夜のコースは7,000円(川床は+500円)以上です。
一方で、ランチであれば和牛煮込みや「うしのほね風シチュー」が付いた贅沢な「うしのほねランチコース」が4,800円(税込)で堪能することができます。
また、近くには姉妹店の「 草風土 うしのほね 」も。
こちらの店舗も、夏にはランチ・ディナーのどちらも川床が開催されます。
お座敷タイプの本店に対して、草風土はテーブル席なので、好みで選んでも良いでしょう。
おすすめはやはり、系列店共通の名物「うしのほね風シチュー」。
うしのほねで取った出汁を煮込んだビーフシチューで、創業以来長年愛され続けてきた定番メニューです。
その他、太白胡麻油で揚げたサクサクの天ぷらや、新鮮な旬の魚、国産大豆由来の高濃度豆乳を使った豆腐など、一品ごとにこだわりが詰まっています。
全国各地の地酒やオリジナルカクテルなど、お酒メニューも豊富です。
住所 : 京都府京都市中京区先斗町三条下ル若松町137-12
マップ : Googleマップ
アクセス : 三条駅より徒歩5分
電話番号 : 075-212-1023
定休日 : なし
営業時間 :
予算 : [昼] 5,000~6,000円 [夜] 10,000~15,000円
キャッシュレス決済 :
禁煙・喫煙 : 全席禁煙
予約サイト・口コミ・クーポン : 食べログ 一休.comレストラン
先斗町の南端にある5階建ての「いづもや」は、大正時代に創業したお店。
本格的な京懐石と、伝統の鰻をともに味わえる和食の人気店です。
名物は、創業以来続く秘伝のタレをたっぷりと絡めて焼き上げた「蒲焼き」2,750円(税込)。
その他、鰻のひつまぶしや、しゃぶしゃぶにすき焼き、夏は「鱧しゃぶ鍋」、冬は「てっちり鍋」なども取り揃えられています。
ランチのおすすめは、スタンダードな懐石料理「花いづも(うめ)」2,970円(税込)や、三段重ねの「ひょうたん弁当」3,190円(税込)など。
ファミリーに嬉しい「お子様弁当(12歳以下)」880円(税込)も用意されています。
納涼床も、昼夜ともに開催されています。
100席と大規模な川床なので、混雑する土日などでも予約が取りやすいでしょう。
なお、お店の窓一面がガラス張りのため、時期を外しても鴨川の景色を眺めながら食事が可能です。
先斗町の中ではお手頃な価格で本格的な京懐石や鰻料理が食べられるため、予算を抑えつつ満足したいという人は、「いづもや」に訪れてみると良いでしょう。
住所 : 京都府京都市中京区先斗町通四条上ル柏屋町173-2
マップ : Googleマップ
アクセス
: 阪急河原町駅、京阪四条駅よりそれぞれ徒歩2分
電話番号 : 075-211-2501
定休日 : なし
営業時間 : 11:30~22:00(L.O.21:00)
予算 : [昼] 2,000~3,000円 [夜] 8,000~10,000円
キャッシュレス決済 : カード可(VISA、JCB、AMEX、Master、Diners)
禁煙・喫煙 : 全席禁煙(喫煙スペースあり)
予約サイト・口コミ・クーポン : 食べログ
先斗町の北端に位置する「有喜屋(うきや)」は、1929年に京都先斗町に創業した、本格的な手打ちそばの老舗です。
京都では昔そばは東京のように主流ではなく、うどんの陰に隠れていました。
昭和初期に、有喜屋がそば屋を始めてから50年ほど経った後、三代目が東京へ修行へ行き、手打ちそばを京都に浸透させるため尽力したと言います。
ランチメニューは、せいろそば・十割そば・二八そば・天ぷらそばなど様々なそばや、天丼をはじめとした丼ものが単品、またはセットで揃っています。
名物は、琵琶湖産の鮎の甘露煮や、京ゆばなどを使った「あゆそば」1,780円(税込)。
京都五条の老舗「湯葉弥」の生ゆばに、穂紫蘇を散りばめた「冷し生ゆばそば」1,780円(税込)も人気です。
その他、創作そばやカレーうどん、季節限定メニューもあり、何度も通って違うメニューを試したくなってしまうはず。
厳選されたそば粉や素材、そして香り高い出汁を使った ”京都ならでは” のそばをご賞味ください。
住所 : 京都府京都市中京区先斗町石屋町125
マップ : Googleマップ
アクセス : 各線 三条駅より徒歩3分
電話番号 : 075-221-2978
定休日 : 毎週月曜日、月2回火曜日
営業時間 : 11:30~15:00/17:00~20:00(L.O.)
予算 : 1,000~2,000円
キャッシュレス決済 :
禁煙・喫煙 : 全席禁煙
予約サイト・口コミ・クーポン : 食べログ
※京都 ランチの関連記事: 京都のおすすめランチ26選!旅のスケジュールに合わせやすいエリア別おすすめ京都ランチ
夜の先斗町では、昼とは異なる大人な雰囲気の中、京都の地酒やディナーを味わえます。
食後はぜひ、夜の温かいライトで照らされた石畳の上を散歩してみてくださいね。
昔ながらの名店から、入りやすいリーズナブルな人気店など、ディナーにおすすめなお店をご紹介します。
京の食材をたっぷり使ったおばんざいのお店「ここら屋」。
先斗町の中では比較的お手頃な価格設定のため、SNSやYouTube等でも人気が高く、筆者が訪れた際も待機列ができていました。
先斗町に面しているのは入口ではなく、その横の小路を進んだ中に入口があります。
写真のように店名が書かれた看板が見えるので、そちらから入店しましょう。
「ここら屋」という名前は、ご近所さんを意味する京言葉「ここらへん」から生まれたそう。
名前の通り、田舎やご近所のおうちのような、ほっこりとした空間でゆったりと食事を堪能できます。
2階建ての京町屋をリノベーションした和モダンな店内に入ると、割烹着に身を包んだ店員さんが出迎えてくれ、一層温かみのあるおうち感を醸し出してくれます。
メニューは、前菜や京都牛料理など、選びきれないほど種類が盛り沢山です。
季節ごとの京野菜や旬の海鮮、京都の地酒など「京都」にこだわり抜いた料理の品々。
何を頼めばいいかわからないときは「今晩のおすすめ」から選ぶと良いでしょう。
おすすめのおばんざいは、「万願寺唐辛子焼き」「大根と京あげのたいたん」「生湯葉の刺身」各790円(税込)です。
「たいたん(炊いたん)」とは、煮汁で炊いたものという意味の関西の煮物を指します。
新鮮なお刺身の盛り合わせ(時価)や、「京のだしまき玉子」990円、京豆腐・山芋とろろをバターで焼いた名物「ここら焼き」1,390〜1,590円(各税込)もぜひ味わってほしい逸品です。
住所 : 京都府京都市中京区先斗町石屋町125
マップ : Googleマップ
アクセス : 祇園四条駅より徒歩3分
電話番号 : 075-241-3933
定休日 : 不定休
営業時間 : 17:00~翌0:00
予算 : 6,000~7,000円
キャッシュレス決済 : カード可(VISA、JCB、AMEX、Diners)
禁煙・喫煙 : 全席禁煙
予約サイト・口コミ・クーポン : 食べログ
※京都 おばんざいの関連記事: 京都でおばんざいがおすすめのお店11選!ランチの人気店から隠れ家まで♪
少し奮発して、名店でディナーを楽しみたいときは「ふじ田」がおすすめです。
先斗町歌舞練場の前にある京懐石の名店で、こだわり抜かれた日本料理を提供しています。
ふじ田の料理の核といえるのが出汁。
昆布や鰹を煮込み、時間をかけて旨味を引き出した出汁が懐石料理の味を格上げしています。
毎朝市場から仕入れる鮮度の高い海鮮や、京の地酒、厳選されつくした食材で常連客を多く抱えるふじ田は、ちょっとしたディナーの他に、大切なお客様との接待やお祝い事、特別な会食など様々なシーンに適しています。
3階建ての1階はカウンター席で、目の前で調理している様子が見られます。
2階にはテーブル席や掘りごたつ席に完全個室もあり、3階は25名まで貸切が可能な宴会場で、歌舞練場の鬼瓦が見られます。
ディナーは、花12,000円、月15,000円、馳走20,000円(各税込)の3つのコース。
月コースは「京都産和牛ステーキ」をメインに「鱧 松茸 土瓶蒸し」や五種のお造りなどを堪能できます。
住所 : 京都府京都市中京区先斗町三条下ル先斗町歌舞練場前
マップ : Googleマップ
アクセス : 河原町駅より徒歩6分
電話番号 : 075-255-0500
定休日 : 月火、金曜昼
営業時間 :
予算 : [昼] 6,000~7,000円 [夜] 20,000~30,000円
キャッシュレス決済 : カード可(VISA、Master、JCB、AMEX)
禁煙・喫煙 : 全席禁煙
予約サイト・口コミ・クーポン : 食べログ 一休.comレストラン ホットペッパーグルメ 楽天ぐるなび
先斗町の北端に店を構える「すしてつ」は、常に待機列のある人気店です。
それもそのはず、本格寿司が一貫110円(一皿二貫・税込)〜とリーズナブルな価格で食べられるからなんです!
回転寿司のような価格設定にもかかわらず、東京・築地市場から入手した新鮮な海鮮を、板前さんがその場で握ってくれるというクオリティ。
抜群のコストパフォーマンスのためなら、小一時間でも待つ価値があるでしょう。
本格的な握り寿司はもちろん、「カリフォルニアロール」「ボストンロール」各550円(税込)といった逆輸入メニューや、お造り、天ぷら、焼き魚など寿司以外の和食も。
会食の場合は、飲み放題付きの「8品コース」6,000円(税込)もおすすめです。
店内にはテーブル席、半個室などがありますが、カウンター席も18席あるためおひとり様でも気兼ねなく入れます。
カウンター越しに、寿司職人の握りの手腕を見られるのも嬉しいですね。
週末や繁忙期は長蛇の列ができることも。
4名以上から予約が可能なので、できれば事前予約をしておくと良いでしょう。
土日のみ、ランチタイムもオープンしています。
住所 : 京都府京都市中京区三条通先斗町下ル からふね屋先斗町ビル1F
マップ : Googleマップ
アクセス :
電話番号 : 075-257-1285
定休日 : 12月31日、1月1日
営業時間 :
予算 : 2,000~3,000円
キャッシュレス決済 : カード可(JCB、VISA、Master、AMEX、Diners)
禁煙・喫煙 : 全席禁煙
予約サイト・口コミ・クーポン : 食べログ ホットペッパーグルメ
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京都市内のにぎやかな繁華街から一本入った場所にある先斗町。
まるで江戸時代や幕末の時代にタイムスリップしたかのような、古風な町屋が並ぶ小さな通りです。
花街としての歴史や伝統が残る街並みは、日本人はもちろん世界中の人々を魅了しています。
春には「鴨川をどり」夏には「鴨川納涼床」と、京都の風物詩を楽しめるのも人気の理由と言えるでしょう。
本記事では、おばんざいなど京料理や和食を中心に紹介しましたが、フレンチやイタリアン、中華などもあり、何度訪れても飽きの来ない点も魅力です。
京都旅行の際には、ぜひ先斗町で食事を堪能してみてくださいね。
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最終更新日 : 2024/02/28
公開日 : 2024/02/27