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2. 銀閣の前に広がる池泉回遊式庭園「銀沙羅・向月台・錦鏡池」
2. 平安遷都100年を記念して作られた華やかな神社「平安神宮」
銀閣寺は、京都府京都市左京区銀閣寺町にある臨済宗相国寺派の寺院です。
足利将軍家ゆかりの寺、相国寺の境外塔頭にあたる銀閣寺は、室町後期に栄えた東山文化を象徴する寺院です。
正式名称が「慈照寺」というこの寺院は、華やかな北山文化の象徴とされる金閣寺に対して、銀閣寺と呼ばれるようになったそうです。
境内には国宝にも指定されている観音堂、美しい庭園の中にある向月台、それらを一望できる展望台など見どころが豊富です。
質素で剛健、日本らしいわび・さびの文化を体現しているかの様な建築や庭園美が広がります。
1994年には世界遺産にも登録されている、京都市内でも人気の観光スポットが銀閣寺です。
1482年、室町幕府8代将軍の足利義政によって東山殿と呼ばれる山荘を造営したのが、銀閣寺の始まりです。
京都が戦場となった応仁の乱により、焼失してしまった浄土寺跡地に銀閣寺は建てられました。
華やかな北山文化時代の建築に比べて質素に作られているのは、戦によって疲弊していた京都経済の景況を受けているとも言われます。
銀閣寺の待たずして、この地に義政は移り住み、1485年に禅室の西指庵、1486年に東求堂、1487年に東山殿会所、泉殿と、次々に建築が完成していきました。
義政自身は銀閣とも呼ばれる観音堂の完成前にこの世を去りましたが、1490年の完成以来、歴史的建として銀閣寺が現在に姿を残しています。
2019年時点で現存している建物は、銀閣と東求堂のみです。
1490年に義政のことを弔うため、山荘から菩提寺として改められ、相国寺の末寺、慈照寺として創設されました。
1615年に行われた大改修の際により、現在の銀閣寺に近い、禅寺として禅宗風の趣が取り入れられたそうです。
1994年の12月には「古都京都の文化財」の一部として、世界遺産にも登録された歴史あるお寺で観光を楽しみましょう。
英名 : Ginkakuji Temple
住所 : 京都市左京区銀閣寺町2
マップ: Googleマップ
電話番号 : 075-771-5725
拝観料 :大人・高校生500円、小・中学生300円、小学生未満は無料
定休日 : 年中無休
営業時間 : 夏季:8:30~17:00 冬季9:00~16:30
公式URL : 銀閣寺
世界遺産にも認定されている銀閣寺は、一年を通して観光客が訪れる人気スポットです。
境内が鮮やかに染まる秋の紅葉、雪が降り積もる冬の景色など、一年を通して様々な顔を訪れた人に見せてくれます。
本尊として釈迦牟尼仏が安置されている方丈、慈照寺の象徴といえる観音殿など見所は豊富です。
観覧にかかる所要時間は平均で30分ほど、車いすの方でも通りやすい平らな道も一部を除き完備されています。
春秋限定で東求堂・方丈・弄清亭の内部が特別に鑑賞できるため、興味がある方はその時期に足を運んでみましょう。
銀閣寺は、観光客の拠点となる京都駅から比較的離れた位置にある観光スポットです。
電車の最寄り駅からは徒歩15分以上かかるため、アクセスの際は京都市バスを利用しましょう。
京都駅から銀閣寺すぐそばのバス停までは30分~40分程となっています。
銀閣寺には専用の駐車場が完備されていないため、周辺の有料駐車場を利用しましょう。
銀閣寺周辺には「京都市営銀閣寺観光駐車場」、「タイムズ銀閣寺第2」といった駐車場があります。
京都市営銀閣寺観光駐車場は8:00~17:00まで、駐車料金は1日1回2時間まで、一律普通車は1,040円です。
タイムズ銀閣寺第2は、銀閣寺が営業中の8:00~17:00時は40分200円の料金となっています。
銀閣寺と合わせて周辺観光を楽しむ場合は京都市営銀閣寺観光駐車場、銀閣寺のみを鑑賞する際はタイムズ銀閣寺第2が良いでしょう。
東山文化ならではのわび・さびを感じられる世界遺産、銀閣寺の見どころを紹介します。
定番の見逃せないスポットから意外な穴場まで、何度も足を運んだ筆者目線でのおすすめポイントを厳選しました。
銀閣寺を象徴する建築が、別名・銀閣とも呼ばれる国宝の観音堂です。
足利義政の宗教観を表した建物の中は、一層を心空殿、二層を潮音閣と呼ばれます。
銀閣寺と対になって比較されることも多い、金閣寺こと鹿苑寺の舎利殿を踏襲した造りです。
現存する室町時代の楼閣庭園建築の代表的建造物として有名です。
金箔によって黄金に輝く金閣に対して、銀閣は外壁に黒漆が塗られるに留まっています。
華やかな金閣に対し、銀閣はわび・さびを感じさせる東山文化を象徴する国宝として親しまれる建築です。
観音堂は、境内の東に広がる錦鏡池や東山が正面になるように建てられています。
当時、政治の中心だった京都市内西側をあえて向かないように建てられたそうです。
1Fの縁側が東側を向いている理由は、自身の政治力の低下で応仁の乱が置き、政治に疲れ果てて隠居した義政の心情を表すとも言われます。
縁側の前に広がる錦鏡池では、季節によって移り変わる美しい景色を眺められます。
観音堂の脇には、山部山畔から流れ落ちる水を銀閣から流れ落ちる水を庭や池に導く滝、弁財天といった見どころがあります。
銀閣寺の大きな見どころの一つが、銀閣と飛ばれる観音堂目の前にある錦鏡池を中心とした庭園です。
1952年に特別史跡・特別名勝に指定されている池泉回遊式庭園には、見どころがいくつもあります。
現在の庭園は、銀閣寺創設当初のものではなく、江戸時代後期に行われた改修時からの姿です。
白砂を段形に盛り上げた特徴的な模様の庭園を「銀沙灘」と呼びます。
銀閣寺の大きな見どころといえる銀沙羅は、月の光を反射させるために造られたとの説もあります。
独創的で京都の他のお寺でも見ることのできない模様の庭を鑑賞しましょう。
銀沙羅と並ぶように造られた大きな砂山が「向月台」です。
銀閣寺の境内を散策していると一際目を引かれる大きな砂山は、山の上に座って月を眺めるために造られたと言われます。
銀沙羅と向月台、他のお寺にはない独創的な砂盛りが、銀閣寺らしい景色を形成しています。
向月台周辺の木々や奥に見える東山は秋になると色付き、鮮やかな紅葉を楽しめます。
特別名勝に指定されている庭園の中心を成すのが「錦鏡池」です。
銀閣寺の境内を巡る際は、錦鏡池の周囲をぐるっと回るようにして歩いて行きます。
晴れた日に観音堂が池に映る錦鏡池は、境内でも随一のビュースポットとして人気です。
銀閣寺の本堂にあたる方丈は、江戸時代中期の建築です。
ご本尊として釈迦牟尼仏が安置されている方丈の目の前には、庭園や銀沙羅といった銀閣寺を象徴する景色が広がります。
通常、非公開の内部には江戸期の南宋画家の巨匠、与謝蕪村、池大雅の襖絵が所蔵されているそうです。
内部が非公開の方丈ですが、その外観を眺めるだけでも歴史情緒を感じられます。
方丈のすぐそばにある小さな小窓を覗くと、窓越しに銀沙羅や手庭園を眺められるスポットが現れます。
訪れた人の多くが写真撮影を楽しんでいるフォトスポットでもあり、景色のみの撮影から窓の前に立っての記念撮影にもピッタリです。
東求堂は、1486年に建てられた銀閣寺創設当初から残る遺構の一つです。
一重入母屋造、檜皮葺きの建築が歴史情緒を感じさせてくれます。
阿弥陀如来を祀る持仏堂として建てられた建築ながら、住宅建築の要素が強いのが特徴です。
南を正面にしたお堂は、東西南北の各面とも6.9メートル、正方形の形をしている建築です。
正面奥の須弥壇には阿弥陀如来が安置、南寄りには法体の足利義政像が置かれています。
4部屋に分かれた東求堂内でも、同仁斎は義政が特に愛用したといわれる書斎です。
書院を中心とした建物造りの様式は、室町時代から近代にかけて見られた書院造の源流と言われています。
年に2回、春と秋に2か月間のみ特別公開が行われるため、内部の観覧をしたい方は、その時期に足を運んでみましょう。
銀閣寺の奥には高台にある展望台のようなスポットまで上がれる階段があります。
メインスポットのはずれにあるため、意外と見逃しがちな穴場のエリアです。
頂上までは階段を暫く上るため、歩きやすい靴を履いていくのが良いでしょう。
展望台まで登る階段は整備され、その周囲には木々や苔の生えた庭園が広がります。
参拝客の姿もメインスポットに比べ少ないため、景色や穴場ともいえる名所をゆっくり鑑賞しましょう。
展望台への道中にあるのが、義政が愛用したというお茶の井跡と庭園です。
昭和6年に発掘されたお茶の井庭園は、京都にある西芳寺の庭園を模範として造られました。
お茶の井跡の周辺には木々や石組が見られ、庭園としての形を現在にまで残しています。
お茶の井跡には、2019年時点でも水が湧き出しています。
水質豊かなお茶の井跡から湧き出る水は、現在もお茶会で使用されるそうです。
当時の遺構をそのまま残した石組のある庭園、水のせせらぎの聞こえるお茶の井跡を見逃さずに立ち寄ってみましょう。
お茶の井跡を更に上った先にあるのが、お寺全体を一望できる展望台です。
展望台からは、銀閣寺の銀沙羅、観音殿といった名所の他に京都市街まで一望できます。
晴れた日には透き通る青空、秋には色彩豊かな紅葉、冬には雪化粧をした銀閣、その時々によって変わる景色を眺めましょう。
緑豊かな東山に建てられた銀閣ならではの自然と歴史的建築を、一度に眺められる景色が広がる展望台。
階段下から展望台までは5分ほどのため、時間に余裕がある方はぜひ立ち寄ってみましょう。
所要時間30分ほどで境内の名所を回れる銀閣寺。
観光の際は周辺にある観光スポットにも合わせて立ち寄ってみましょう。
琵琶湖水路沿いに真っすぐ伸びる哲学の道、平安京の正庁を模した朱塗りの社殿が目を引く平安神宮といった魅力的なスポットばかりです。
哲学の道は、銀閣寺のそばから琵琶湖水路沿い、約2kmに渡って伸びている道路です。
明治の頃になると哲学者の西田幾多郎や田辺元といった文人たちが周辺に住まい文人の道と言われるようになります。
哲学の小径、散策の道など、様々な名前で親しまれるようになった後、話し合いの末「哲学の道」と呼ばれるようになりました。
砂利道の散策路として整備、1987年には廃止された市電の軌道敷石が置かれ、より散策する人が歩きやすい道となりました。
景観豊かな哲学の道は、道の日実行委員会によって制定された日本の道100選に名を連ねています。
哲学の道沿いには水路が流れ、敷石の敷き詰められた歩道の脇には木々や花が植えられています。
四季折々の景色を楽しめる哲学の道は、紅葉、桜の名所としても知られるスポットです。
歩道沿いに並んでいる桜の木は、日本画家・橋本関雪と妻・よねが京都市に300本の木を寄贈したのが始まりと言われます。
哲学の道沿いには、化粧用品などで知られるよーじやが手掛ける「よーじやカフェ 銀閣寺店」や子守地蔵としても親しまれる「幸せ地蔵尊」などの見どころがあります。
よーじやカフェのそばには、意中の相手に電話をかけると恋が成熟するといわれる「恋愛成就の電話ボックス」といった恋愛系のパワースポットもあります。
英名 : The path of philosophy
住所 : 京都市左京区銀閣寺町付近-若王子町付近の疏水沿い
マップ: Googleマップ
アクセス : 市バス「銀閣寺前」下車から徒歩すぐ、銀閣寺から徒歩5分
定休日 : 常時開放中
営業時間 : 散策自由
料金 : 無料
公式URL : 哲学の道
平安神宮 は、1895年に平安遷都1100年を記念して建てられた神社です。
かつて都として栄えた平安京を分の5サイズで再現した建築の数々は、国の重要文化財にも指定されています。
京都のほぼ中心にある平安神宮は、京都を守る「四神相応の地」としても知られるスポットです。
訪れた人を出迎える大鳥居は24mもの高さがあり、街のシンボルにもなっています。
境内にある建築の数々は、建てられてから100年以上の歴史を誇るものばかりです。
古代建築と京都の建築技術を合わせて建てられた「蒼龍楼」は国の重要文化財にも指定されています。
四方に傾斜のある「四方流れ」の屋根、二重五棟の入母屋造の蒼龍楼。
名前の由来は京都の東の地を守ると言われる青龍です。
平安神宮の大きな見どころの一つが、一万坪を超える敷地を誇る神苑です。
近代日本庭園の先駆者、小川治兵衛によって作庭された明治時代を代表する庭園は、国の名勝に選ばれています。
琵琶湖疏水を使用している大きな池を中心とした「池泉回遊式庭園」で、四季折々の景色を鑑賞しましょう。
東・中・西・南の四つの庭に分かれた庭園は、ぐるっと回ると30分程と見応えがあります。
西神苑にある「白虎池」では、初夏に見頃を迎える約2,000株もの花菖蒲を鑑賞しましょう。
花菖蒲の季節になると、毎年1日だけ限定で無料開放日が設けられます。
その他にも、石灯篭やた栖鳳池(せいほういけ)を中心とした自然が織りなす景色を楽しめる東神苑、1700坪の広さに170種類以上の植物が植えられた南神苑など、4つに分かれた園内を散策してみましょう。
住所 : 京都市左京区岡崎西天王町97
マップ: Googleマップ
アクセス : 市バス5系統、洛バス100・110系統「岡崎公園 美術館・平安神宮前」バス停から徒歩5分、地下鉄東西線「東山」駅から徒歩10分
電話番号 : 075-761-0221
定休日 : 年中無休
営業時間 : 6:00~18:00(季節により前後あり)
料金 : 無料(平安神宮神苑は大人600円、子供300円)
公式URL : 平安神宮
南禅寺 は、京都市左京区にある臨済宗南禅寺派大本山の寺院です。
京都市内から離れた自然豊かなエリアにあり、銀閣寺からは哲学の道を通って徒歩20分程でたどり着きます。
天皇や上皇の発願によって国家の安寧を願って建てられた、日本で最初の勅願禅寺である南禅寺。
京都五山および鎌倉五山の上に置かれる、日本の禅寺の中で最も格式高い寺院です。
境内には歌舞伎の演目で石川五右衛門が絶景と謳った三門、国宝に指定されている方丈など数々の見どころがあります。
重要文化財に指定されている三門は、悟りに至るまでに必要な空、無相、無作、3つの関門を表しています。
南禅寺の正門にあたる三門からは、高台から周辺の街並みや自然を一望できる絶景を鑑賞しましょう。
南禅寺の境内には、琵琶湖疎水の支線の一部となるレンガ造りの水路橋「水路閣」があります。
古代ローマの水道橋をイメージさせるレンガ造りの水路は、お寺の境内にあるとは思えないアート作品のような景色を鑑賞できます。
京都を舞台にしたドラマや映画で良く映ることから、人気の高い観光スポットです。
静かな東山の風景に溶け込んでいる水路閣は、写真スポットでもあります。
アーチ状になった橋の下、レンガ造りの重厚感ある建築をバックに記念撮影をするのも良いでしょう。
秋になると周辺の木々が赤く色づき、趣のある景色が広がります。
英名 : Nanzen-ji Temple
住所 : 京都府京都市左京区南禅寺福地町
マップ: Googleマップ
アクセス :
京都市営バス5系統「南禅寺・永観堂道」バス停下車徒歩8分
京都市営地下鉄、東西線「蹴上駅」から徒歩5分
電話番号 : 075-771-0365
定休日 : 年末(12月28日~31日)は拝観休止
営業時間 : 【12月1日~2月28日】8:40~16:30 【3月1日~11月30】8:40~17:00
料金 :
【方丈庭園】大人600円、高校生500円、小・中学生400円
【山門】大人600円、高校生500円、小・中学生400円
【南禅院】大人400円、高校生350円、小・中学生250円
公式URL : 南禅寺
※合わせて読みたい: 南禅寺の見どころを徹底解説!周辺の観光スポットやグルメスポットも
東山文化を象徴する銀閣寺の見どころを紹介しました。
対になって比較される金閣寺とは一味違う、わび・さびの精神を建築や庭園の通して感じられます。
メインの観音堂や方丈、東求堂の他にも、何度も足を運んだ筆者が厳選した見どころを紹介しました。
周辺の観光スポットと合わせて、旅行やお出かけの参考にしてください。
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最終更新日 : 2022/05/13
公開日 : 2019/11/11