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2. 平等院を知り尽くすならここ!「平等院ミュージアム鳳翔館」
平等院は、京都府宇治市にある藤原氏ゆかりの仏教寺院です。
17世紀以来天台宗と浄土宗を兼ねる宗派でしたが、現在は特定の宗派に属さず、独立した寺院となっています。
10円硬貨の表面に描かれていることで有名な鳳凰堂や阿弥陀如来坐像は国宝に指定されているほか、1994年にはユネスコ世界遺産に登録された由緒正しき寺院です。
平等院が創建された1052年、当時日本では末法思想が広く信じられていました。
末法思想とは、釈迦の入滅後2000年が経過すると真の仏法が衰退し、世の中が乱れるという中国から伝わった思想です。
1052年がちょうど末法1年目にあたるとされており、折しも藤原氏の全盛期にも関わらず天災や飢餓さらには疫病などの災害が続き、人々の不安や危機感が募る一方でした。
そのため、貴族たちは来世の理想世界である極楽浄土に生まれ変わることを願い、寺院を盛んに造ったそうです。
その中でも、当時の最大権力者であった藤原頼通が、父の藤原道長から受け継いだ別荘を平等院として改めたのが始まりです。
平等院がある京都府宇治市は京都市市街地から少し距離があるため、電車または車での移動が良いでしょう。
住所 : 京都府宇治市宇治蓮華116
マップ : Googleマップ
アクセス :
電話番号 : 0774-21-2861
営業時間 :
料金 :
公式サイト : 平等院
国宝にも指定されている鳳凰堂や阿弥陀如来坐像をはじめ、平等院には貴重な文化財が数多く現存し、その一つ一つに歴史を感じさせられます。
境内には自然も多く、四季折々の草花の鑑賞や小鳥のさえずりなども楽しむことができる、リラックスできる観光スポットです。
平等院には拝観料がかかるため、余すことなく満喫したいですよね。
そこで、必見の有料エリアから見逃しがちな穴場までくまなくご紹介します。
平等院を象徴する建物であり、1度はテレビや雑誌で見たことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
鳳凰堂は、経典に描かれた極楽浄土の宮殿をモデルにしたと言われています。
平安中期の建築構造を知ることができる唯一の建築であると同時に、現在になってもなお、煌びやかな様式が見る者の心を奪う存在です。
最大の特徴は阿字池の中島に建てられていることで、水面に映し出された姿は、本当に極楽にある寺院を思い浮かばされます。
鳳凰堂は創設当初は「阿弥陀堂」と呼ばれていました。
その後、鳳凰堂を正面から見た姿が翼を広げた鳥のように見えること、屋根の両脇に向かい合う鳳凰が佇んでいることから、江戸時代初期より鳳凰堂と呼ばれるようになりました。
堂内には、国宝に指定された黄金に輝く「阿弥陀如来坐像」が安置されています。
偉大な仏師・定朝(じょうちょう)の確証ある現存唯一の作品です。
高さ2.7mにも及び、見たものを虜にします。
鳳凰堂には1053年(天貴元年)に納められました。
壁には「九品来迎図(くほんらいごうず)」や「極楽浄土図」が描かれており、優美な世界観が広がっています。
堂内を拝観するには、鳳凰堂内部の拝観料も入口受付で支払う必要があります。
1度に入れる人数が50名と決まっているため、はじめに尋ねるようにしましょう。
鳳凰堂や庭園を堪能した後は、平等院ミュージアム鳳翔館でゆっくりするのがおすすめです。
館内には「梵鐘」をはじめとする、数多くの国宝や文化財が納められています。
平等院が建設された経緯から、今に至るまでを詳しく知ることができる場所です。
写真撮影は禁止されているためご注意ください。
鳳翔館は、宗教法人としては初となる総合博物館で、収容環境の改善を経て2001年に開館しました。
ミュージアムの設計は、これまで数々の建築賞を受賞した栗生明氏が監督をしました。
庭園の景観との調和を図るため、建物の大半が地下構造になっています。
自然光を意図的に取り込むなど、落ち着いた空間の演出がふんだんに施されています。
薄暗くひんやりと涼しい廊下を進むと、その先には国宝の「梵鐘」が展示されています。
かつては鳳凰堂の南側の外池のほとりに建つ鐘楼に懸けられていましたが、保存目的によりこちらに移されたようです。
古くから「姿の平等院鐘」「声の園城寺鐘」「勢の東大寺鐘」の「天下の三名鐘」の1つとしても知られてきました。
飛天(ひてん)、鳳凰、獅子などの姿が刻まれた優美な鐘は、藤原頼通が願った極楽浄土を忠実に体現しています。
さらに奥に進むと、国宝の「鳳凰」を見ることができます。
元々は鳳凰堂・中堂の大棟の南北両端に据えられていたましたが、こちらも保存目的のため館内に移されました。
2004年より発行されている1万円札には、この鳳凰が描かれています。
次に、26体の「雲中供養菩薩像(うんちゅうくようぼさつぞう)」です。
雲の上で楽器を演奏する像、舞を舞う像、合掌する像など多種多様な姿を眺めることができます。
鳳凰堂内部に掛けられている雲中供養菩薩像のうちの半数が展示されているため、鳳凰堂内部を観覧していない方は必見です。
その他にも、重要文化財に指定された「十一面観音立像」、宇治市指定文化財である「帝釈天像」「地蔵菩薩像」が安置されています。
浄土院は、鳳凰堂背後の南寄りに創設されています。
1492年~1501年(明応年間)に平等院修復のため、浄土宗の栄久上人(えいくしょうにん)が開創した寺と伝えられています。
市指定文化財である「阿弥陀如来立像」「帝釈天立像」「養林庵書院襖絵(ようりんあんしょいんふすまえ)」などが管理されています。
平等院ミュージアム鳳翔館を拝観後に通る鳳凰堂背後の道に面しているため、その時に立ち寄るのがおすすめです。
平等院には藤をはじめとする四季折々の草花を鑑賞することができます。
特におすすめのシーズンが春と秋。
ここでは、季節による境内の違いをご紹介します。
鳳凰堂をぐるりと取り囲むように阿字池に沿ってシダレザクラやソメイヨシノが咲き誇ります。
鏡のように水面に映り込む鳳凰堂と薄ピンク色の桜の姿は、息を飲む美しさです。
桜のシーズンが終わりを迎えると、今度は藤棚いっぱいに約1万本の藤が咲き誇ります。
境内に3か所ある藤棚の中でも、阿字池をのぞむ藤はなんと樹齢280年もあるそうです。
優雅な花房は長さが1m以上に及ぶものも。
藤原氏の家紋である藤の花は、平等院内に芳しい香りを漂わせます。
境内全体には約200本のカエデやイチョウの木々が植えられています。
鮮やかに色づく鳳凰堂と紅葉のコラボレーションは絵になる美しさです。
紅葉越しに鳳凰堂を眺めたり、水面に映りこんだ落葉を楽しむのは、まるで平安貴族になった気分です。
平等院では、2017年秋より夜間のライトアップが開始されました。
幻想的な光景が人気を博し、翌年の春にも桜の見頃に合わせてライトアップの開催が決定しました。
闇夜に浮かぶ鳳凰堂と、可憐に咲き誇るソメイヨシノ・しだれ桜の共演はまさに絶景です。
開門直後は混雑が予想されるため、少し時間が経ってからの訪問がおすすめです。
ライトアップ中はミュージアム鳳翔館も公開されているため、日中とは違った雰囲気を楽しむのも良いでしょう。
鳳凰堂内の拝観は行われていないため、日中に終わらせるようにしておいてください。
近年は寺社巡りにおいて御朱印集めが人気を博していますね。
中には平等院の御朱印が気になる方も多いのではないでしょうか。
平等院では「鳳凰」と「阿弥陀如来」の2種類の御朱印があります。
どちらか好きな方を選ぶことができます。
もちろん、2種類ともいただくのも楽しみの1つですね。
集印所は鳳凰堂をからさらに奥に抜けた先にあるので、ぜひ立ち寄ってみてください。(浄土院・最勝院の集印所は不定期開設)
京都府宇治市は歴史の長い地域ゆえに、周辺には風情を感じる魅力的な観光スポットが数多く点在します。
その中から必ず訪れるべき観光スポットをいくつかご紹介します。
京都府宇治市は、かの有名な紫式部が書いた源氏物語「五十四帖」の中で、最後の十帖の舞台となった地としても知られています。
現在の平等院は、光源氏のモデルともいわれる左大臣で嵯峨源氏の源融(みなもとのとおる)が営んだ別荘跡地に建立されています。
宇治市源氏物語ミュージアムは1998年に開館しました。
復元模型や映像を通じ、千年の時を超えて愛され続ける源氏物語と平安時代の文化を親しむことができます。
館内では源氏物語にかかわる3000冊以上もの蔵書を取り揃え、実際に文章を読んで楽しむこともできます。
源氏ファンなら1度は訪れたい施設です。
住所 : 京都府宇治市宇治東内45-26
マップ : Googleマップ
アクセス :
定休日 : 月曜日(祝日の場合はその翌日)・年末年始
電話番号 : 0774-39-9300
営業時間 : 9:00~17:00(入館は16:30まで)
料金 : 大人 600円/ 小人300円
公式サイト : 宇治市源氏物語ミュージアム
京都府宇治市を流れる宇治川の東岸、朝日山のふもとに鎮座する宇治上神社。
現存する日本最古の神社建築を有す人気観光スポットです。
神社周辺の道を「うさぎのみち(莵道)」と書いて「うじ」と呼んでいたことから、神社ではかわいらしいうさぎのおみくじやお守りが用意されています。
拝殿の東南側には、かつて宇治七名水の1つに数えられていた「桐原水(きりはらみず)」が湧き出ています。
七名水の多くはすでに失われており、唯一宇治上神社の桐原水のみ現存しています。
住所 : 京都府宇治市宇治山田59
マップ : Googleマップ
アクセス :
電話番号 : 0774-21-4634
定休日 : 年中無休
営業時間 : 9:00~16:30(季節により変更あり)
料金 : 無料
駐車場 : なし
公式サイト : 世界遺産 宇治上神社(京都府ホームページ)
京阪宇治駅から歩いてすぐの場所にある宇治橋は、飛鳥時代に奈良元興寺の僧・道登によって架けられました。
「瀬田唐橋」「山崎橋」とともに、日本三古橋のひとつに数えられています。
「三の間」と呼ばれる上流側に張り出した小さな空間は宗教的な意味があり、この橋の守り神でもある橋姫を祀ったところだとも言われています。
また、歴史的にも魅力があり、かの天下人である豊臣秀吉が茶の湯に使う水を汲ませたところとも伝えられています。
宇治の山間の絶景をカメラで収めることができるおすすめのフォトスポットでもあります。
今回は、平等院に訪れた際は必ず立ち寄るべきスポットをご紹介しました。
歴史と自然にあふれた平等院は、一息つきたいときに楽しみながらリラックスできる空間です。
本記事を京都観光や旅行の参考にして頂けると幸いです。
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最終更新日 : 2023/03/03
公開日 : 2020/08/07