本ページに掲載のリンク及びバナーには広告(PR)が含まれています。
ウクライナはかつてソ連に含まれていた東ヨーロッパの国です。
1986年に起きたチェルノブイリ原子力発電所の原子爆発事件が起きたことで、知っている人もいるのではないでしょうか。
中世の頃にはキエフ大公国があり、近世のコサック時代を経て ロシア 帝国やソ連の支配下にありました。
その後、1991年のソ連崩壊によって独立を果たしました。
ウクライナ人はロシア人と同じく東スラブ民族に属しますが、文化に関しては ポーランド やハンガリーなどの東ヨーロッパの国々と関係が深いです。
2020年8月現在、人口は4,205万人で、日本との時差は6時間。
物価は日本と比べると全体的に安い国です。
※合わせて読みたい: 【ハンガリー】ブダペストのおすすめ観光スポット&絶品グルメまとめ20選!
ここでは、ウクライナを観光する上での基本的な観光情報として、「ウクライナへのアクセス」「ビザの有無について」「通貨」「気候と観光のベストシーズン」「治安や注意事項」に分けて紹介します。
これからウクライナに観光される人は、参考にしてみてください。
日本からウクライナまでは直行便がないため、ポーランドや トルコ 、アラブ首長国連邦などの国々で1度乗り継ぐ必要があります。
以下に行き方の例を記載しますので、ウクライナ観光を考えている人はチェックしてください。
上記の行き方以外にも、 LCCを利用したり、乗り継ぎ回数が増えると運賃を抑えられます。
ただ、その分時間はかかりますが、最安で片道約36,000円~で行くこともできます。
また、所要時間や運賃は行き方やシーズンによって異なりますので、行かれる際に改めてご確認ください。
ウクライナへの入国に関しては、 滞在目的が短期滞在(90日以内)であればビザは必要ありません。
そのため、短期旅行で訪れる場合にはノービザで入国できますが、就労や留学の場合にはビザが必要です。
また、滞在目的に関わらず、入国時にパスポートの残存ページが2ページ以上必要で、かつ滞在費用証明(1日につきUS$100相当の現金、クレジットカード、ホテル予約証明証など)が求められることもあります。
ウクライナの通貨はフリヴニャ(Hryvnia、通貨記号「₴」、通貨コードUAH)で、1フリヴニャは約3.82円です。(2020年8月時点)
そして、ウクライナでは2020年現在、1、2、5、10、20、50、100、200および500フリヴニャの9種類の紙幣が流通しています。
為替レートは都度変わるので、渡航時に改めてご確認ください。
ウクライナの気候は大陸性の気候なので、基本的には日本と同じと考えて良いでしょう。
そのため、夏は暑くなり、日によっては30℃を超えたり、冬は氷点下を下回るほど寒い日もあります。
降水量は夏に多く、年間を通して一定量の雨が降ります。
日本に比べると平均して気温は低いので、夏でも長袖の薄手のカーディガンやシャツを持っていくのがおすすめです。
なお、ウクライナ観光のベストシーズンは夏場で6月~8月頃。
冬は日本より寒い日もあるため、なるべく避けた方が良いでしょう。
ウクライナの治安は、 全体的に見れば比較的良好です。
ロシアとの紛争が続いているため、治安が悪いと思っている人もいるかもしれませんが、それは東部地域の話であって、他の地域は安定しています。
筆者も2019年10月にキエフとリヴィウに訪れましたが、特に観光客が多いこの2つのエリアは夜間に出歩いても問題ないくらいでした。
もちろん海外なので、最低限守らなければいけないことはありますが、そこに注意して観光すれば特に問題ないでしょう。
ウクライナで特に注意すべきことは、 地下鉄のスリや置き引き、観光客を狙った記念撮影詐欺などです。
他の国でもあるようなことですが、事前にどのような被害があるのか理解しておけば、被害に遭うリスクは抑えられます。
ここでは、「母なる街」と呼ばれるウクライナの首都キエフのおすすめ観光スポットを紹介します。
ウクライナ・ロシア文化の源流と言えるキエフには、日本人にはまだ知られてない観光スポットがあるのでお見逃しなく。
キエフ観光で絶対に欠かせないのが、世界文化遺産に登録されている聖ソフィア大聖堂です。
そうというのも、聖ソフィア大聖堂はスラブの最古の国家「キエフ・ルーシ」の文化的中心となった教会だからです。
聖ソフィア大聖堂ができたのは1037年で、現在の建物は17世紀後半に再建されましたが、建物内には11世紀後半のものが残っています。
聖ソフィア大聖堂という名前は、東ローマ帝国の首都コンスタンティノープル(現在のトルコのイスタンブール)にあった、大聖堂アヤソフィアが由来になっています。
ウクライナを始めとする東ヨーロッパ諸国のキリスト教は「正教」です。
正教はビザンツ帝国の文化を引き継いでおり、西ヨーロッパのローマ・カトリックとは違います。
そのため、聖ソフィア大聖堂でもキリスト教を描いたイコンと言われる宗教画がたくさん展示されています。
歴史の重みや深みを感じられますよ。
聖ソフィア大聖堂はキエフ観光のマストスポットなので、ぜひ訪れましょう。
住所 :Volodymyrska St, 24, Kyiv, ウクライナ 01001
マップ: Googleマップ
アクセス :マイダン・ネザレージュノスティ駅から、徒歩で約7分
電話番号 :+380442782620
定休日 :木曜日
営業時間 :10:00~17:30
料金 :55グリブナ
注意事項:教会内の写真撮影は厳禁
公式HP : 聖ソフィア大聖堂
ウクライナのロシア正教の総本山で世界遺産に登録されているキエフ・ペチェールシク大修道院。
ロシアやウクライナなどが含まれる東スラブにある修道院の中では最も古い修道院で、「大修道院」の名を持つ重要な修道院でもあります。
敷地内には、白亜の外壁が美しいウスペンスキー大聖堂や博物館、地下墓地などの見どころが盛りだくさん。
キエフ・ペチェールシク大修道院周辺には、第二次世界大戦で使用されたソ連軍の戦車や飛行機が展示された公園、戦争の犠牲者を追悼する記念碑などがあります。
高さ約100mある大鐘楼は、当時のキエフで最も高い建物だったようで、頂上からの景色はとても綺麗です!
黄金に輝く屋根の大聖堂などを一望できる場所となっています。
ウクライナの歴史を感じさせるスポットでもあるので、ぜひ訪れてみてください。
住所 :Lavrska St, 15, Kyiv, ウクライナ 01015
マップ: Googleマップ
アクセス :地下鉄アルセナリナ駅から徒歩約15分
電話番号 :+380 44 255 1105
定休日 :なし
営業時間 :6時00分~20時00分
料金 :50グリブナ
公式HP: キエフ・ペチェールシク大修道院
聖アンドリーイ教会は、イタリア人の建築家バルトロメオ・ラストレッリが1747~54年頃に建てた教会です。
「アンドリーイ」とは、ウクライナに初めてキリスト教を伝えたとされる聖人の名前のこと。
外部と内部で様式が異なっており、外部はバロック様式で、内部はロココ様式の作りになっています。
1つの建物で2つの美術様式が楽しめるのは面白いですね。
聖アンドリーイ教会はアンドリーイ坂と呼ばれる坂の頂上にあり、この坂の途中にはお土産や画廊などを販売しているお店がいくつかあります。
また、夜はライトアップされて昼間とは違う雰囲気を味わうことができるので、時間があれば両方の時間帯に訪れてみても良いでしょう。
住所 :Andriivs'kyi descent, 23, Kyiv, ウクライナ 04070
マップ: Googleマップ
アクセス :トロリーバス停留所Volodymyrska Stから徒歩5分
電話番号 :044 599 0005
定休日 :なし
営業時間 :10:00 – 18:00
料金 :無料
公式HP : 聖アンドリーイ教会
タラス・シェフチェンコ記念国立キエフ大学は、ウクライナの最高学府の大学です。
日本の東京大学と同じ位置づけで、実は東京大学との間に最高学府以外にも共通点があります。
それは、両大学とも「赤」で有名なこと。
しかし、国立キエフの赤は同じ赤でも違う意味を持っています。
キエフ大学の赤は、表現するのが少し難しい独特の赤色をしています。
少し血の色にも似ているような印象ですが、この赤はロシア皇帝のニコラス1世に対して、学生が起こした徴兵拒否運動への罰を意味しているのだそう。
そして、ニコラス1世は「罰」として「血の色」で塗ることを命令したそうです。
そのため、現在では国立キエフ大学は「血の色」のイメージで有名な大学になりました。
住所 :Volodymyrska St, 60, Kiev, ウクライナ
マップ: Googleマップ
アクセス :地下鉄ウニヴェルスィテット駅から徒歩分
電話番号 :44-239-3333
公式HP : 国立キエフ大学
マイダン独立広場は、まだ記憶に新しい2013年に勃発したヤヌコビッチ大統領(当時)へのデモが起きた場所です。
この独立広場には抗議デモをするために多くの人々が集まり、政府に抗議デモを行いました。
そして、この抗議デモは騒乱に発展し、マイダン独立広場で多くの人が犠牲となりました。
今のマイダン独立広場は過去の姿がまるで嘘かのように、平和で何も起きてなかったかのように見えますが、抗議デモで犠牲になった人々の写真や花などが飾られています。
この写真を見ると、何ともいたたまれない気持ちになるでしょう。
マイダン独立広場に来ると、戦争や平和について真剣に考えるきっかけになるかもしれません。
また、マイダン独立広場は夜はライトアップするので、せっかくなら夜に訪れるのがおすすめ。
ライトアップされると幻想的に見えるので、映える写真を撮ることができますよ。
ぜひ、悲惨な歴史と向き合うためにも足を運んでみてください。
住所 : ulitsa Institutskaya, Kiev, ウクライナ
マップ: Googleマップ
アクセス :地下鉄マイダン・ネザレージュノスチ駅を降りてすぐ
国立チェルノブイリ博物館は、1986年4月23日に起きたチェルノブイリ原子力発電所事故の悲惨さを後世に伝える博物館です。
この事故により、多くの人々が犠牲になりました。
1992年以降、日本政府も資金援助をしている博物館でもあります。
チェルノブイリ博物館では、当時の事故の様子や被害の状況などが展示物から読み取れるでしょう。
館内には町の看板がズラッと並んでいますが、これは事故によって廃村になった村々です。
最初のブースでは当時の新聞が展示されており、「事故は大したこない、大丈夫」と書いてあることから当時のソ連政府の姿勢が分かります。
また、館内には日本の展示物も飾られていて、東日本大震災以前の日本国民からのメッセージや震災以降の福島に関する展示物があります。
海外で日本の展示物を見ることはなかなかないので、きっと感銘を受けることでしょう。
色々と考えさせられる博物館なので、ぜひ足を運んでみてください。
住所 :Khoryva Ln, 1, Kiev, ウクライナ
マップ: Googleマップ
アクセス :地下鉄コンストラクトヴァ・プローシチャ駅
電話番号 :44 -417-5422
定休日 :日曜日、最終月曜日
営業時間 :10:00~17:30(土曜日は16時30分まで)
料金 :10グリブナ
公式HP: 国立チェルノブイリ博物館
黄金の門は、キエフが最盛期を迎えた1037年に、キエフ公国のヤロスラウ賢公によって街の城壁の大門として作られたと言われています。
黄金の門という名前の由来は、ビザンツ帝国の首都コンスタンティノープルにあった門の名前です。
1240年にモンゴル軍によってキエフが破壊されるまであったと言われる門は、幅7.5m、高さ9.5m以上あったそうで、門内はモザイクと壁画の装飾が施されました。
建物の上の方が正教会建築になっていることから、正教キリスト教を象徴していることが分かります。
黄金の門は4階建てになっていて上まで登れるので、建築物だけでなく、1番上からキエフの景色を楽しむことができますよ。
ムソルグスキーの代表曲の1つに「キエフの大門」がありますが、それはこの門のことです。
住所 :40-a Volodymyrska str. Kiev, ウクライナ
マップ: Googleマップ
アクセス :地下鉄ゾロチー・ヴォロータ駅から徒歩ですぐ
電話番号 :278-45-44
定休日 :月曜日と冬季
営業時間 :10:00~18:00(5月~10月)、10:00~17:00(火曜日の5月~10月)
料金 :15グリブナ
世界遺産の都市であるリヴィウのおすすめ観光スポットを紹介します。
首都のキエフから電車で約5〜7時間で行けるので、日程に余裕があれば合わせて観光してみてください。
リノック広場は、リヴィウ歴史地区の中心になる広場です。
リノック広場に来ると、ヨーロッパの雰囲気が感じられることでしょう。
ちなみに、「リノック」は「市場」という意味です。
リヴィウの中心にあるこの広場は、昔は多くの上流階級の人々が住んでいました。
今では観光客だけでなく、地元の人たちの憩いの場でもあり、レストランやカフェ、ショップが軒を連ねています。
16世紀の歴史建築物が広場を囲うように並んでいて、東回りに番号が付けられています。
その建物の中には博物館がいくつかあり、リヴィウの歴史を知ることができるので、足を運んでみるのも良いでしょう。
そして、リノック広場に来たら合わせて訪れてほしいのが市庁舎。
市庁舎からリヴィウの市街地が一望できる展望台があり、リヴィウの美しい街並みを360度のパノラマビューで見渡せますよ。
住所 :L’viv the Ensemble of the Historic Centre, Ukraine
マップ: Googleマップ
アクセス :路面電車1系統に乗車、Rynok Square電停下車
「アルメニア教会」は、4世紀にアルメニアの商人によって建てられました。
建物内には美しいフレスコ画が多くあり、中庭にはアルメニア人のための墓地も作られています。
なぜウクライナにアルメニア教会があるのでしょうか。
そうというのも、12~13世紀にアルメニアはトルコからの攻撃を受けました。
その際に、一部のアルメニア人はトルコからの攻撃から逃れるために遠くのウクライナのリヴィウまで逃げ、教会を建てたそうです。
リノック広場から歩いてすぐの場所にあるので、合わせて足を運んでみてください。
住所 :Virmens'ka St, 7/13, Lviv, Lviv Oblast, ウクライナ 79000
マップ: Googleマップ
アクセス :リノック広場から徒歩数分
電話番号:+380-322-742-956
定休日 :なし
営業時間 :8:30 - 20:30
料金 :無料
リチャキフ墓地は、リヴィウの中心部から路面電車で10分ほどのところにある墓地で、東ヨーロッパで最も美しい墓地の1つと言われています。
リチャキフ墓地の敷地はなんと42ヘクタールと東京ドーム約9個分の大きさ!
その中に大小300,000を超える墓と500以上の彫刻があり、1番古いお墓は1675年のものだそうです。
いかにリチャキフ墓地が、歴史が長く、規模が大きいかが分かりますね。
敷地内は墓地であるものの暗い雰囲気ではなく、木々の緑が広がっており、明るい雰囲気。
自然に囲まれているので、散策にもぴったりの場所となっています。
リチャキフ墓地の敷地はとにかく広く、1時間あっても全て回り見ることはできないでしょう。
ゆっくり時間をかけて回ってみてください。
住所 :Mechnykova St, 33, Lviv, ウクライナ
マップ: Googleマップ
アクセス :リノック広場近くの電停から7系統の路面電車に乗車、Lychakiv Cemetery電停下車すぐ
電話番号 :+380-322-755-415
定休日 :なし
営業時間 :9:00~18:00
料金 :入場料40グリブナ(カメラ撮影をする場合、別途10グリブナ)
1735年創業のリヴィウの人気観光スポットでもある薬局博物館。
今でも普通の薬局として営業しているのだから驚き!
もちろん、リヴィウにある薬局で1番古いのは言うまでもありません。
館内は一部が博物館になっていて、1階や2階だけでなく、地下にも展示スペースがあります。
そこには、古い薬瓶や保存箱、調剤に使用していた器具などが展示されています。
模擬研究室もあり、見学できるので行ってみるといいでしょう。
薬の歴史やアンティーク好きな人は楽しめること間違いなしの場所です。
特に「鉄のワイン」と呼ばれる薬は必見なので、お見逃しなく。
住所 :Drukarska st.2, Lviv
マップ: Googleマップ
アクセス :トラム2・9号線のRuska St駅から徒歩3分、リノック広場すぐそば
電話番号:+380-322-355-656
定休日 :なし
営業時間 :9:00~19:00(土日は10:00~18:00)
料金 :館内見学は無料
変容教会はリヴィウ旧市街のマーケット広場の北側にある、ウクライナ・カトリックを象徴する教会です。
ベージュ色の壁と黒色のドームを持つ、シンプルな外観からはまるで想像もつかないような内装が目を引きます。
元々は1703年から1731年の間に建てられたローマカトリック教会でした。
変容教会は、 西洋のカトリックと東欧の東方正教が混ざり合った「ユニエイト」と言われる宗派に分類され、ウクライナが独立して最初に作られました。
教会内の内側には至るところに聖人が描かれており、中には少し変わったユニークな絵も飾られています。
また、教会の壁に並ぶタペストリーも見応えあり!
ぜひ他の教会との違いを感じてみてください。
住所 :Krakivska Street, 21, Lviv
マップ: Googleマップ
アクセス :リノック広場から徒歩5分
電話番号 :380-322-553-555
定休日 :なし
営業時間 :8:30 – 20:30
料金 :無料
ウクライナには、古い歴史的建築物や過去の負について考えさられる観光スポットがギュッと詰まっています。
キエフもリヴィウもコンパクトな街なので、場所によっては徒歩でも観光することができ、地下やバスなどを利用すれば行動範囲が広がって、さらに多くの観光スポットに訪れることができます。
ぜひ、東ヨーロッパの穴場であり、歴史ある街並みのウクライナ観光を楽しんでくださいね。
▼合わせて読みたい
・ クロアチアのおすすめ観光スポットや旅行情報を紹介!アドリア海の秘宝クロアチアを旅しよう
・ ウラジオストクの旅行情報やおすすめ観光スポットを徹底紹介!日本から一番近いヨーロッパで楽しむ週末旅♪
最終更新日 : 2023/11/24
公開日 : 2020/08/07