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京都市の数ある寺社のなかでも大寺院の名を持つ妙心寺は、妙心寺派である3400寺の総本山です。
日本には臨済宗の寺院が約6000ほどありますが、その半数以上を妙心寺派が占めています。
妙心寺派の寺院に在籍する僧侶の数はなんと6,000人以上!
とても巨大な宗派の寺院であることが分かりますね。
広大な敷地内には多くの塔頭(たっちゅう)があり、すべてを回ろうとするととても大変です。
実は京都の文化財として世界遺産にも登録されている龍安寺は、妙心寺の境外塔頭なんだそうですよ。
住所 : 京都市右京区花園妙心寺町1
マップ: Googleマップ
アクセス : JR山陰本線(嵯峨野線)「花園駅」下車より徒歩約5分
電話番号 : 075-466-5381
営業時間 :
9:00~12:00、13:00~15:30(チケット販売)
20分毎に拝観案内
料金 : 大人:700円、小学生・中学生:400円
公式URL : 妙心寺
妙心寺の始まりは鎌倉時代に遡ります。
妙心寺は臨済宗妙心寺派の大本山で、1337年に開創の年を迎えました。
ちなみに、臨済宗は栄西によって日本に伝えられた日本三大禅宗の一つです。
妙心寺があるこの地には、もともと花園天皇の別邸である御所がありましたが、その後花園上皇が出家するにあたり禅寺へと改められました。
この辺りが花園という地名なのは、花園天皇の名前が由来しているのです。
時代が移った室町時代、妙心寺と深い関係があった大内義弘が足利義満に反乱を起こしました。
そのため義満の圧迫を受けた妙心寺は衰退し、追い打ちをかけるように応仁の乱の兵火に巻き込まれる災難っぷり。
その後、ようやく後土御門天皇(ごつちみかどてんのう)の勅命により再興されました。
妙心寺は京都市右京区に位置しており、嵐山など京都屈指の観光地からも近いのが特徴です。
そのため、嵐山観光の延長で訪れる方も多いでしょう。
嵐山からは嵐電でも訪れることができるので、アクセス抜群です。
京都駅からもJR嵯峨野線でつながっているため、どのエリアからも簡単に観光に行くことができます。
それぞれの交通機関の最寄り駅は、鉄道は「花園駅」、バスは「妙心寺北門前」「妙心寺前」、嵐電は「妙心寺駅」になります。
ここからはJR京都駅と嵐山からのアクセス方法をご紹介します。
<鉄道を利用する場合>
JR京都駅から嵯峨野線に乗り換え後「花園駅」にて下車。
5分ほど歩くと妙心寺南門に到着します。
<市営バスを利用する場合>
市営バス26系統(北野白梅町 御室仁和寺・山越行き)乗車後「妙心寺北門前駅」にて下車。
徒歩2分で妙心寺北門に到着します。
<京都バスを利用する場合>
京都バス62・63・65・66・67系統乗車後「妙心寺前駅」下車より徒歩4分で南門に到着します。
京都市営バスと京都バスは異なるため、乗り間違いに注意しましょう。
京都バスは車体に赤いラインが入っているのが目印です。
<嵐電を利用する場合>
嵐電嵐山線「嵐山駅」より四条大宮行に乗車後、「帷子ノ辻駅」にて北野線に乗り換え。
「妙心寺駅」下車より徒歩2分で妙心寺北門に到着します。
※嵐電の関連記事: 昔懐かしい路面電車「嵐電」で巡る!京都のおすすめ観光スポット11選
京都の中心地からもアクセスが良い妙心寺には、全国各地から禅の世界観を体験しようと多くの観光客が訪れます。
境内には14もの建物が建てられておりますが、すべてが見学可能というわけではありません。
建物によっては一般公開していないものもあるようです。
そのため、事前に参拝できる寺院を把握してから訪れることをおすすめします。
ここからは一般公開がされている塔頭の中でも、おすすめの観光スポットを紹介していきます。
妙心寺の中でも存在感のある「法堂」は1656年に建立されたもので、重要文化財にも指定された貴重な歴史的建造物です。
鏡天井に描かれた雲龍図「八方睨みの龍」は、狩野探幽が8年をかけて描いたと伝えられています。
色鮮やかな見た目をしていますが、修復はされておらず描かれた当時のままの状態なのだとか。
法堂の中の雲龍図は狩野探幽の大傑作。八方睨みの龍とも言われ、どこから見ても目が合います🐉
— PE (@ikumins0126) April 9, 2020
撮影禁止なので、いただいた説明書で雰囲気を少しお伝えできれば… #妙心寺 pic.twitter.com/v38GcSFHnd
長い歴史を刻んできた威厳やすさまじさを感じますね。
八方睨みの龍は、下から見上げる位置や角度によって龍の目の動きや表情が変化するように見えることからその名が付けられたそうです。
(Q&A)妙心寺の国宝、黄鐘調レプリカ、本物は法堂の中にあります。日本最古の梵鐘、飛鳥の鐘とも・・・。 pic.twitter.com/XHbqOyaNGX
— 岩室忍 (@s_iwamuro) April 20, 2018
また、法堂に飾られている日本最古の鐘「黄鐘調(おうしきちょう)の鐘」も忘れてはいけません。
698年に作られたこの鐘は、日本三大随筆の一つ「徒然草」の中でも登場します。
もともとは鐘楼に吊るされていましたが、保存のために法堂に移されたようです。
「退蔵院」は、1404年に豪族・波多野重通(はたのしげみち)により千本通松原に創建されたものです。
その後、日別の僧侶により妙心寺山内に移されました。
退蔵院と言えば、初期水墨画の代表作である国宝「瓢鮎図(ひょうねんず)」を所蔵することで知られています。
これは、足利4代将軍義持の「丸くすべすべした瓢箪でねばねばした鮎(なまず)を押さえることはできるか」という公案に基づいて描かれたものです。
大きなひょうたんを持った男とナマズが描かれたこの絵は、とてもミステリアス。
上段には公安の答えを求められた31人の禅僧たちによって読まれた漢詩が書かれています。
また、独特の風格を放つ「元信の庭」はやぶ椿、松、槇、もっこくなど常緑樹が主に植えられています。
そのため、一年中変わらない美しさを楽しむことができますよ。
1598年の安土桃山時代末期に創建された「桂春院」は、妙心寺の中でもこじんまりとした塔頭です。
桂春院の中で最も有名なのが、国指定名勝に選定された枯山水庭園の「桂春院庭園」。
小さな敷地の中には、「清浄の庭」「侘の庭」「思惟の庭(しいのにわ)」「真如の庭(しんにょのにわ)」の4つの庭園があります。
江戸時代に作られたこれらの庭園は、それぞれ趣が異なるのだとか。
どの庭園も苔の緑色の美しさが映えますが、春にはツツジ、秋には紅葉の赤い彩りが加わり、その色のコントラストに圧倒されることでしょう。
中でも最も大きく、大刈込が特徴的な「真如の庭」は、庭園の中を散策することができるため写真撮影におすすめです。
その他の庭園は立ち入りが禁止されているため注意してください。
また桂春院の隅には、千利休の孫・千宗旦に師事した藤村庸軒ゆかりの茶室「既白庵」があります。
通常は非公開ですが、年に1回ほど一般公開されるので、その日に合わせて訪れるのも良いでしょう。
かつて「大心院」は、妙心寺が総括する寺院の僧や修行のために全国各地を巡る僧の宿坊・旦過(たんが)寮として機能していました。
旦過とは修行をする僧が夕方に宿坊に到着し、旦(あした)に去るという意味です。
そのため、現在でも宿坊として利用することができるのだそう。
1度は僧の生活を生で体験してみても良いですね。
さらに、大心院では枯山水庭園の「阿吽庭」と「切り石の庭」を楽しむことができます。
書院前にある阿吽庭は東西に長い長方形の形をしていて、白砂や苔、岩を用いて龍が天に昇る姿を表現。
阿吽庭の奥に進むと苔地が広がり、そこには合計で17個の石が並びます。
丁寧に手入れされた白砂は、見ているだけで複雑な感情や思考が浄化されそうな趣です。
一方の切り石の庭は、方丈の南側に位置する庭園です。
花壇のような石造りの枠があるのが特徴で、他の庭園ではあまり見ない光景が広がります。
京都には様々な紅葉の観光名所が点在していますが、ここ妙心寺は隠れた紅葉の名所として知られています。
紅葉シーズンの京都はとても混雑していますが、妙心寺であれば観光客が多少増えても余裕をもって紅葉を楽しむことができそうです。
なお、妙心寺の紅葉の見ごろは11月上旬~11月下旬になります。
中でも「大法院」の露地庭園は、赤い紅葉が鮮やかに色づく景色が美しいことで有名。
通常は非公開のお寺ですが、新緑と紅葉の時期にのみ特別公開されます。
参拝料にはお抹茶とお茶菓子が含まれおり、一息つきながらゆっくり紅葉を楽しむのが良いでしょう。
また、妙心寺の見どころでご紹介した退蔵院でも紅葉をお楽しみいただけます。
名庭・余香苑にある池を囲むように植えられた紅葉の木々が色づき、普段の緑の美しさがより一層美しさを増します。
秋の贅沢なひと時を妙心寺でお楽しみください。
※京都 紅葉の関連記事: 京都の紅葉名所・ライトアップスポットをエリアごとに詳しく紹介!
妙心寺がある花園の地には、たくさんの寺社が点在しています。
歴史が長いこの地は古民家風の民家も数多く残っていて、素朴な京都らしさが感じられますね。
祇園や東山ほど観光客が集中しないため、ゆっくり散策するのにもピッタリです。
ここからは、妙心寺から嵐電や徒歩でも行けるおすすめの周辺観光スポットをご紹介します。
平安時代初期の888年、光孝天皇の祈願によって建設された「仁和寺」は、ユネスコ世界遺産にも登録された格式高いお寺です。
1度は応仁の乱の戦火によって境内のほとんどが焼失しましたが、1646年頃に創設当時の姿に再建されました。
そんな仁和寺の広い敷地内には見どころがいっぱい。
特におすすめしたいのが「仁和寺御殿」です。
仁和寺御殿では、書院や宸殿(しんでん)の建築物をはじめ、南庭や北庭などの庭園を鑑賞することができます。
中でも白書院の襖絵は、幅広い絵や古典の技術を自身の作品に詰め込んだ日本画家・福永晴帆によって描かれました。
力強く表現されたその絵は、落ち着いた書院の空間で圧倒的な存在感を放ちます。
仁和寺の厳格さと日本画家による美の演出をお楽しみください。
住所 : 京都市右京区御室大内33
マップ: Googleマップ
アクセス : 嵐電「御室仁和寺駅」下車より徒歩3分
電話番号 : 075-461-1155
営業時間 : 9:00~17:30
料金 : 御殿:大人500円・小学生300円
公式URL : 仁和寺
※仁和寺の関連記事: 【徹底取材】世界遺産「仁和寺」の見どころを紹介!優美な御殿の庭園に壮観な五重塔
「等持院」は足利家代々のご先祖様のお墓があるお寺で、有名な武将の一人・足利尊氏によって1341年に建立されました。
室町幕府の初代征夷大将軍に任命された有名な人物ですよね。
そんな影響力の大きな家柄とのかかわりが根強い等持院へは、妙心寺から徒歩圏内で訪れることができます。
等持院と言えば巨大な達磨図(だるまず)が最も有名。
1度見ると忘れられない真っ赤なだるまの姿をメディアで見たことがある方も多いと思います。
この絵は臨済宗の僧・関牧翁(せきぼくおう)が、中国禅宗の開祖・達磨大師(だるまたいし)を描いたものです。
迫力満点なこの絵は写真撮影可能なので、ぜひ思い出に残しましょう。
また春はツツジ、夏は山茶花、秋は紅葉、冬は南天など四季折々の草花が咲き誇り、こちらも必見です。
住所 : 京都市北区等持院北町63番地
マップ: Googleマップ
アクセス :
嵐電「等持院・立命館大学衣笠キャンパス前駅」下車より徒歩約5分
京都市営バス10または26系統「等持院南町」下車より徒歩約8分
電話番号 : 075-461-5786
営業時間 : 9:00~16:30
料金 : 大人 500円・小人 300円
公式URL : 等持院
「龍安寺」は、枯山水式の方丈庭園「石庭」が国内外の観光客から人気のお寺です。
その石庭は正確な築造時期や作者、築造された経緯が不明なため、謎多き石庭として様々な憶測を呼んでいます。
一見どこの寺院でも見られる普通の庭園に見えますが、実は様々な錯覚の技術が駆使されてるのだとか。
庭園には大小合わせて15個の石が配置されていますが、どこから見ても必ず1つの石が他の石に隠れるように配置されています。
また庭の奥に立つ塀も、方丈から眺めると手前から奥に向けて50cmほど低くなるよう計算されて作られたものです。
錯覚を活かすことで、通常以上に庭の奥行きを感じます。
石庭以外にも鏡容池(きょようち)が見どころです。
江戸時代よりオシドリが戯れる名所として知られ、現在はスイレンが美しい池としてカメラマンを中心に人気を博していますよ。
住所 : 京都市右京区龍安寺御陵下町13番地
マップ: Googleマップ
アクセス :
嵐電「龍安寺駅」下車より徒歩7分
京都市営バス59番系統「龍安寺前」下車すぐ
電話番号 : 076-463-2216
営業時間 : 8:00~17:00(3月1日~11月30日)、8:30~16:30(12月1日~2月末日)
料金 : 大人・高校生500円 、小・中学生300円
公式URL : 龍安寺
※龍安寺の関連記事: 【徹底取材】世界遺産「龍安寺」の見どころを紹介!エリザベス女王が絶賛した石庭は必見
妙心寺周辺は歴史的建造物が点在したり、歴史を感じられるような地名がたくさんあって、知れば知るほど好きになってしまいます。
京都に何度も訪れたことのある方にぜひ観光してもらいたいスポットです。
もちろん、初めての方でも落ち着いた京都らしさを堪能できます。
妙心寺境内の道路は地域の人の生活の場ともなっているため、早朝などに訪れると新たな発見ができるでしょう。
ぜひ様々な顔を持つ妙心寺をお楽しみください。
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最終更新日 : 2021/01/06
公開日 : 2021/01/06