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この記事では日本の滝の中から訪ねてみたい、あるいは人気のある代表的な滝をセレクトしてご紹介しますが、具体的なスポットをご紹介する前に、「滝」そのものについて少し考えてみましょう。
普通に「滝」といい、古い書体では「瀧」が用いられますが、中国では「瀑」あるいは「瀑布」というのが普通のようです。
「瀑」というのは、水が落下して飛沫が飛び散る様子を表している字で、瀑布というと水の落下が白い布のように見える様子を表しています。
日本の古い言葉使いでは「垂水(たるみ、たれみず)」があり、これが現在の滝を表しているともいわれていますが、大きな滝よりは小さく滴れ落ちるイメージが湧きやすいかもしれませんね。
ちなみに、英語ではWaterfall(Waterfalls)、あるいはCascade(小さな滝、段のある滝など)が使われます。
これらに対して、「滝」という文字はサンズイと竜を使っており、滝の中に竜がいると考えたからだと想像され、竜の文字を使った滝も、例えば福井県の龍双ケ滝、島根県の竜頭ケ滝、高地県の竜王の滝(いずれも日本の滝百選)などあります。
また、滝を信仰したり、滝のほとりに篭ったり、あるいは滝に打たれて修行する滝行も行われ、日本では滝に宗教性、神秘性を感じることが多かったのではないでしょうか。
「滝とはなにか」については、明確な定義はありませんが、川や湖などの段差がある所で上から水が流れ落ちている所ということがいえそうです。
実際には日本は山や川が多く、急流となっていますので、至る所に滝がありますが、あまり多過ぎても混乱するためか地理のうえでは滝とするには一つの基準があります。
つまり地図を作成する国土地理院では、地図上に滝のマークを表示しますが、その対象を次の通り整理しています。
それによると、滝とは流水が急激に落下する場所をいい、基本は高さが5メートル以上で、いつも水が流れている所となっています。
ちなみに、地図に表示されるマークでは滝の幅が20m未満のものは滝(小)、幅が20m以上のものは滝(大)で違う表示をしています。
そして、世間でも少し改まって「滝」という場合には、これに準じることが多いようです。
ただし、「いつも水が流れている」ことについては、年中ではなく雨や雪解け水が多いときなどに現れる有名な滝、例えば富山県の称名が滝(滝百選)の横にハンノキ滝があり、落差が約500mで日本一の滝といわれますが、国土地理院の基準には該当しません。
なお、高さが5m以上の滝は、日本国内に2500か所ほどあるといわれています。
まず、滝の上部で水が落下し始める場所を滝口といい、水が落下して貯まる所、普通はえぐられ深くなっている所を滝壺といいます。
次に滝の構造や形状から分類すると次のようなものがあります。
これらは厳密にどれかに分けられるというものではなく、複数に当てはまることもありますので、参考程度にご覧ください。
・直瀑…滝口からほぼ直角に落下する最も単純なタイプ、落差が大きく水量が大きければ非常に豪快な姿となり、例えば栃木県の華厳の滝、岐阜県の平湯大滝などがあります。
・分岐滝…滝口から途中で幾つかに分岐して落下するもので、角度や岩の配置などで非常に変化に富んだ姿となり、例えば茨城県の袋田の滝、山形県の滑川大滝があります。
・段瀑…何段にも分かれて落ちる滝で、例えば山梨県の七ツ釜五段の滝、奈良県の不動七重の滝です。
・渓流瀑…滝の傾斜が緩やかで、水が滑るように落ちる滝をいい、比較的に優しい感じがするもの、例えば群馬県の吹割の滝、愛媛県の滑床渓谷などです。
・潜流瀑…地下水が崖の途中から湧き出して滝になっているもの、例えば山梨県の吐竜の滝です。
・海岸滝…滝壺が川になるのではなく、滝口から海に直接落下するもので、船で近づくこともあり、例えば北海道の湯の華の滝などです。
その他には温泉が流れる温泉滝(湯滝)、滝が凍結する氷爆、滝の裏側が見られる裏見の滝などというものもあります。
よく知られているものに「日本の滝百選」があり、「日本百名滝」とか「日本百名瀑」とも呼ばれますが、これは1990年に環境庁や林野庁がグリーンキャンペーンの一環として公募し、推薦された527滝から100か所に絞られたものです。
選ばれた滝が絶対的に名瀑かどうかは分かりませんが、それだけ多くの人に認められた滝であり、その滝を考えるときの要素として参考になります。
また、百名山のように百名滝を全部訪ねる人もいます。
ただし、滝百選に入らなくてもいい滝、人気のある滝が沢山あるのも間違いありません。
次に、日本の三大滝(三大名瀑などとも)ということもよく話題になりますが、どこかの役所や権威ある所が制定するものではなく、なんとなく評判の高い所はこのような所だろうといわれるものです。
中には多少地元贔屓で、地元の滝を強く推すこともあるようですが、これは滝に限らず日本三景や日本三庭園など三大〇〇にはよくあることですね。
三大滝について実際にはどこが入るかですが、日光の華厳の滝については概ね一致しているようで、また那智の滝を推すことも多いようです。
次に三つ目が問題で、茨城県の袋田の滝を推すことが多いようですが、宮城県の秋保大滝や静岡県の白糸の滝、富山県の称名が滝なども挙げられることもあります。
滝を訪ねるときのポイントとしては、視覚的に美しい、涼しい清涼な空気に触れられるなどと共に、マイナスイオンに癒やされ、健康にも良いことなどが挙げられます。
そこでマイナスイオンについて、少し確認しておきましょう。
詳細はかなり専門的で難しい話になりますが、実はマイナスイオンという言葉は科学の世界では使われていません。
マイナスイオンとされるものは空気中の分子が負電荷(ion negative)となっているもので、滝などで水滴が飛び散るときに水滴の表面が負電荷となり、中の水そのものは正電荷となって下に落下します。
従って、負電荷のイオンが滝の周辺に多く飛んでいることは間違いありません。
マイナスイオンが健康にも良いということは、日本の家電メーカーがエアコンや健康機器などのPRに効果があるかのような情報を流したからだといわれています。
マイナスイオンが健康に効果があるかどうかは議論のあるところで、行き過ぎたPRには当局から指導が行われたこともあります。
しかし、滝周辺の清浄な空気を吸い、飛沫を含んだ空気に接することでリラックスできることは間違いないと思われますので、これをマイナスイオンを含めて滝の効果といってもいいのかもしれません。
オシンコシンの滝は知床半島のオホーツク海側、斜里町の海岸近くにある滝で、日本の滝百選にも入っています。
知床観光のルート上にあり便利ですので、多くの人が訪れる人気のスポットです。
オシンコシンの滝は知床最大の滝で、滝口は約30m、落差は約50mあり、二つに分岐して流れ落ちますので、双美の滝とも呼ばれます。
オシンコシンの滝がかかる川は遠音別岳の西側を流れるチャラッセナイ川といい、その意味はアイヌ語でチャラチャラした川ということだそうです。
オシンコシンの滝へ行くには、JR釧網本線の知床斜里駅からバスで約40分で行け、ウトロの町からですとバスで10分くらいです。
ただし、バスは本数が少ないので要注意で、レンタカーが便利ですが、レンタサイクルという方法もあります。
また、女満別空港からですと、2時間ほどの行程です。
なお、羅臼から回る場合は、知床峠を越えてウトロまで約50分ほどです。
オシンコシンの生い立ちははっきりしませんが、この付近の地質は玄武岩の一種で柱状節理(マグマが冷えるとき柱状に割れたもの)になり、高い岩壁も造りますが、そこにチャラッセナイ川の浸食によって滝が生まれたようです。
なお、滝の近くのオシンコシン崎の海岸も柱状節理の岩が見どころになっています。
そして、オシンコシンの意味は、下流にエゾマツが生い茂る所という意味だといわれています。
国道334号線のすぐ近くに滝がありますが、駐車場から2~3分で滝の中腹くらいの高さまで行くことができます。
二筋の美しい滝の様子をお楽しみください。
水量は時期により変わりますが、渇水期でもそれなりの水量があり、水量が多いときは迫力ある光景を目の当たりにすることができます。
なお、滝の下流は国道を隔ててすぐ海岸となっていますので、オホーツク海と結びついた滝ともいえます。
オシンコシンの滝の上の方は、国道334号線の旧道があって展望台もありますので、滝を見下ろしたり、オホーツク海や知床連山を眺めることもできますので、ぜひお立ち寄りください。
オシンコシンの滝は、年間を通して立ち寄ることができます。
普通の観光シーズンは夏から秋にかけてとなり、深い緑に包まれた滝を見ることができます。
冬場はそれなりの寒さを覚悟の上で旅行に行かれると思いますが、厳しい寒さの中でも写真のようなライトアップも行われますので、訪れればこれも得難い経験になるのではないでしょうか?
また、流氷を目にすることもありますので、併せてお楽しみください。
住所 :北海道斜里郡斜里町ウトロ西
マップ: Googleマップ
電話番号 :0152-22-2125(知床斜里町観光協会)
その他:売店・トイレあり
知床五湖は知床を観光する人のほとんどが訪れるスポットで、オシンコシンの滝からは車で25分ほどで行くことができます。
五湖と知床連山、周辺の原生林は見る人を魅了する所ですので、遊歩道(地上と高架とがあります)でゆっくり散策してください。
なお、自然保護やヒグマ対策などのためにフィールドハウス他でレクチャーを受ける場合もありますので、ご注意ください。
知床五湖フィールドハウスの住所は北海道斜里郡斜里町岩宇別549で、電話番号は0152-24-3323です。
せっかく知床半島に来たのなら、海から観光してはいかがでしょうか?
オシンコシンの滝から車で約15分のウトロから「観光船おーろら」が出ています。
知床連山やカムイワッカの滝などの光景の他、イルカや海岸にいるヒグマなども見ることができるかもしれません。
コースは1時間30分の硫黄山航路(大人3100円)と3時間45分の知床岬航路(同6500円)があり、4月28日から10月25日まで毎日運行されます。
詳細は道東観光開発株式会社にお問い合わせください。
住所は北海道斜里郡斜里町ウトロ東107番地、電話番号は0152-24-2147です。
秋保(あきう)大滝は、仙台の奥座敷といわれる秋保温泉からほど近い所にある名瀑で、国の名勝に指定され、また日本の滝百選に入っています。
なお、地元では日本三大滝の一つともいわれ、訪れる人も多いスポットです。
流れる川は名取川で、滝の落差は55m、幅は6mです。
仙台市街から秋保大滝に行くには、バスがおすすめで、約1時間30分で秋保大滝停留所に到着し、そこから徒歩5分歩でです。
また、JR仙山線の愛子駅からもバスがあり、約40分で秋保大滝に到着します。
車で行く場合、東北自動車道の仙台南ICから約22km、同仙台宮城ICから約23km、山形自動車道の宮城川崎ICから約26kmです。
なお、秋保温泉から秋保大滝までは約10km、車で20分ほどです。
まず秋保温泉ですが、飛鳥時代から知られていたという古い温泉で、ここを経由して山形県の立石寺などへ行く街道も作られていました。
そして大滝の存在も古くから知られ、平安時代に慈覚大師が大滝のほとりに不動明王をお祀りしたと伝えられています。
秋保(あきう)という名前ですが、この地方の地名に基いていて、行政上も仙台市太白区秋保町となっています。
そして秋保の語源については、藤原一族の名前からきているという説、アイヌ語説、中国の古典説、秋の景色が優れているという説などがありますが、はっきりしたことは分からないようです。
なお、秋保は「あきほ」という読み方も含めて苗字に使われる例もあります。
秋保大滝のバス停は名取川の右岸(下流に向かって)にあり、そこから進んだすぐの所に大駐車場や秋保大滝不動尊、茶店などがあり、その奥に滝見台がありますから、まずはここから豪快な滝をご覧ください。
なお、駐車場は対岸にもあります。
滝見台から遊歩道が整備されており、滝壺まで進むことができます。
そこでは写真のように豪快に落ちる滝の飛沫やマイナスイオンをたっぷり浴びることができますので、ぜひお訪ねください。
ただし、遊歩道は約1kmありますが、勾配があり、湿って滑りやすいこともありますので、もし足に不安のある場合は滝見台でとどめられるほうが良いかもしれません。
秋保大滝は年間を通して見に行くことができます。
特に木々が多い所ですので、新緑の頃は見事な景色と森林浴も楽しめます。
また、春の雪解けや梅雨時など水量の多いときは、一層豪快な落下をご覧になれます。
さらに、秋の紅葉はイチョウ、カエデ、モミジなどで上の写真のように見事になり、県内有数の紅葉スポットとなりますので、大勢の観光客が訪れ、渋滞も覚悟する必要があります。
紅葉の例年の見頃は10月下旬から11月上旬です。
住所 :宮城県仙台市太白区秋保町馬場字大滝
マップ: Googleマップ
電話番号 :022-398-2323(秋保温泉郷観光案内所)
秋保大滝に隣接するエリアでは、まず秋保大滝植物園があり、宮城県内の草木を中心に約200種が植栽され、四季を通じて楽しませてくれます。
特に紅葉の時期は大滝も含めて絶好のスポットとなります。
また、園内には「すだれ滝」もありますので、自然観察や散策におすすめです。
その他、秋保大滝から北東に4kmほどの所に「秋保大橋」があり、アーチ型で、高度もある橋から静かな山容を楽しむことができます。
殊に、紅葉は絶景となりますのでお訪ねください。
前にも記したように古くからある温泉郷で、10数軒の旅館・ホテルがあり、ほとんどの所で日帰り入浴できますので、立ち寄ってみてはいかがでしょうか?
秋保温泉の入り口にある磊々峡(らいらいきょう)は奇岩・巨岩と絶壁が連なる峡谷ですので、おすすめのスポットです(上の写真)。
(3)立石寺(山寺)
松尾芭蕉の有名な句『閑さや岩にしみ入る蝉の声』でもお馴染みの立石寺(山寺)は、秋保大滝を山形側に抜けた所にあります。
ドライブがお好きな方にはおすすめで、1時間ほどの行程ですが、県道ながら広くはなく、土砂崩れなどで通行止めになることもありますので、計画される場合には現地情報をご確認ください。
華厳の滝は栃木県日光市の中禅寺湖の東側手前にある滝で、日本の滝百選に選ばれ、日本三大滝の一位・二位を争う日本を代表する滝です。
落差は約97m、幅は7mあり、絶壁から豪快に流れ落ちる姿は遠くからもよく眺められます。
なお、流れる川は大谷川(だいやがわ)ですが、厳密には中禅寺湖から華厳の滝の上までは大尻川(おおじりがわ)と使い分けることもあります。
「華厳の滝」の表記については、華厳滝、華厳ノ滝などがあり統一されていませんが、この記事では「華厳の滝」と表します。
JR・東武の日光駅から東武バスで約40分、中禅寺温泉バス停で下車し、徒歩約5分で滝の上の展望台に到着します。
車の場合、日光宇都宮道路の清滝ICから約15kmですが、シーズンは相当混雑しますので、情報を確認の上お出掛けください。
華厳の滝の水源は中禅寺湖ですが、中禅寺湖自体は約2万年前に男体山が噴火して川を堰き止めたために出来たとされます。
その中禅寺湖から唯一流れ出すのが大尻川(大谷川)で、500mあまり流れて華厳の滝に落ちて行きます。
なお、一般的に滝口は水に浸蝕されるため徐々に崩れていきますが、華厳の滝も大昔は現位置よりもかなり下流にあったといわれています。
華厳の滝を開いたのは、奈良時代から平安時代の僧侶・勝道上人であると伝えられますが、上人は男体山など日光の山々で修行をし、輪王寺他の寺院などを開き、このエリアに多くの足跡を残しています。
そして、華厳の滝の名前も仏教の経典である華厳経からとっており、その他にも般若滝、涅槃滝など経典にちなんだ滝がいくつかあります。
華厳の滝を訪れるときのバスターミナル、あるいは車の場合の県営駐車場からすぐ近く(滝壺近くに行くエレベーター乗り場の横で)に無料の展望台があります。
ここから華厳の滝を正面から、滝口に近い高さで眺めることができ、全体が分かりますので十分楽しめます。
なお、時には猿が出てくることもありますので、一応用心してください。
次に滝壺近くにある観瀑台で、じっくりと華厳の滝をご覧ください。
前記無料の展望台の横にあるエレベーターを利用して約100m下に降りてから、トンネルを進むと観瀑台に出ます。
97mの落差を落ちる水の迫力、水飛沫やマイナスイオンをたっぷり浴びることができます。
なお、このエレベーターは有料で大人550円です。
華厳の滝は年間を通して楽しむことができます。
まず新緑から夏にかけては緑の美しさと水量の多い滝の豪快さのコラボレーションとなります。
なお、花も含めて楽しみたい方には、下りのいろは坂の手前右側にある花見平(通称)のヤシオツツジと華厳の滝の組合せもおすすめです。
次に秋は上の写真に見えるように紅葉が見事になり、もちろん滝近くも素晴らしいですが、少し離れた所、例えば明智平付近から、周囲全体が紅葉に彩られその中に華厳の滝がある風景も絶景といえます。
紅葉の見頃は、例年10月中旬から下旬ですが、いろは坂など紅葉の名所で渋滞となりますので、ご承知ください。
冬も滝壺近くの観瀑台に行くことができ、厳冬期には半氷結した華厳の滝の厳しくも美しい姿(下の写真)を眺めることができます。
なお、周りにある小さな滝(12滝といいます)は氷結しますが、華厳の滝の本体は基本は半氷結で一部は水の状態で落下しています。
ただし、数年前に完全に氷結したことがあります。
華厳の滝は前記のように勝道上人が開いたといわれ宗教性の強い所ですが、滝壺付近では滝のダイナミックなパワーを受け取れ、金運などを授かれると考える人もいます。
実際に効果があるかどうかは別として、そのようなプラス指向で観瀑されてはいかがでしょうか?
なお、華厳の滝は明治時代に学生が投身自殺したことで有名となり、その後も自殺が多かった所ですが、近年はほとんどありません。
住所 :栃木県日光市中宮祠
マップ: Googleマップ
電話番号 :0288-55-0030
営業時間 :エレベーターは基本8:00~17:00、12月1日~2月28日は9:00~16:30
日光は有数の観光地で観光スポットが多数ありますが、華厳の滝にゆかりがある代表的な所をご案内します。
華厳の滝の水源である中禅寺湖は、滝から500mほどしか離れていませんからぜひお訪ねください。
あるいは、中禅寺湖に車を駐めて華厳の滝まで歩くのもいいかもしれません。
中禅寺湖の湖畔を散策するのもおすすめで、そのうえ男体山の麓にある二荒山神社にお参りするなど、中禅寺湖でゆっくり過ごされてはいかがでしょうか?
なお、二荒山神社は男体山を御神体とし、本宮は東照宮の方面にあり縁結びの神様としても知られています。
そして、中禅寺湖畔には二荒山神社の中宮祠が置かれ、男体山の登り口にもなっています。
日光山輪王寺は東照宮の隣りにある古刹で、華厳の滝と同じ勝道上人が開いたお寺です。
広大な境内と多くの伽藍があり、一部は奥日光にも所在しています。
本堂は三仏堂といい国の重要文化財で現在修復工事中ですが、他に有名なものでは上の写真の大猷院(たいゆういん)があり、徳川三代将軍の家光公をお祀りしており、国宝となっています。
見どころが多いスポットですので、東照宮ともどもおすすめします。
輪王寺の住所は栃木県日光市山内2300、電話番号は0288-54-0531です。
袋田の滝は茨城県の日立市の北西に約30km、奥久慈にあり、日本三大滝に挙げられることもある名瀑で、日本の滝百選では人気No.1になっています。
滝の幅は約73mで、長さ約120mの四段ある岸壁を流れ落ち、変化に富んだ光景を造っています。
なお、流れる川は久慈川の支流で滝川と呼ばれます。
JRの場合水戸と郡山間を運行する水郡線の袋田駅からバスで滝本(終点)まで約10分ですが、本数は少ないので、タクシーも選択肢です。
3km程度ですので、徒歩ということも考えられます。
なお、シーズンは常陸太子駅からシャトルバスも運行されます。
車の場合は、常磐自動車道の那珂ICから約42km、通常は1時間弱で行くことができ、駐車場は滝から1kmあまりの所にあります。
袋田の滝は比較的低地にあり、その地層は太古に海底火山が噴火して隆起してできた地層を、川が侵食して絶壁と滝を造ったと考えられているようです。
袋田の滝という名前は、この辺りを袋田といいますので、地名からきていると考えられます。
また、袋田の滝には「四度の滝」という別名がありますが、この由来は滝が四段になって落ちることから来ているという説と、西行法師が「この滝の良さは四季それぞれ四度来ないと分からい」と言ったことからきているという説があります。
袋田の滝を眺めるには通常は有料(大人300円)の観瀑施設を利用することになります。
トンネルを通って滝の下部、滝壺近くに従来からある観瀑台(第1観瀑台)に出ますので、ここから飛沫やマイナスイオンを浴びながら、美しく躍動する袋田の滝を堪能できます。
ただし、ここからは最上部が見られません。
第1観瀑台の横にあるエレベーターで新しくできた第2観瀑台に行くことができ、滝の最上部まで眺められ、また途中の流れも近くから観察することができます。
なお、第2観瀑台には階段で第1デッキ、第2デッキ、第3デッキが設けられ、最高点は第1観瀑台から約51m高くなっています。
まず春から夏にかけては雪解け水や雨などで水量が豊富となり、木々も新緑や深緑など心地よい世界を体感できます。
条件が良ければ滝に虹がかかることもあります。
秋は紅葉で、鮮やかな彩りに囲まれた滝の絶景を堪能してください。
なお、紅葉の見頃は例年11月上旬から中旬ですが、相当混雑しますので、ご承知ください。
袋田の滝とその周辺では例年ライトアップが行われ、幻想の世界が出現しますので、チャンスがあればせひお出掛けください。
2016年のライトアップは11月3日から2017年1月29日で、期間内の金・土・日曜日および年末年始の日没から22時まででした。
紅葉や氷爆が浮かび上がりますのでお楽しみください。
袋田の滝の人気の一つは厳冬期に上の写真のような氷爆が間近で見られることです。
滝の上から下まで完全に凍結することは毎年あるわけではありませんが、かなりの部分が凍結して思いがけない表情を見せてくれ、特にライトアップされると別世界にいるような感じになりますので、おすすめします。
袋田の滝は2016年に恋人の聖地に認定され、プレートも観瀑台のトンネルの入り口に設置されています。
また、ハート形の花壇(上の写真)も地元の人の手で作られていたり、滝の中にハート形が見えるともいわれるなど、カップルにふさわしいスポットとなっています。
住所 :茨城県久慈郡大子町袋田
マップ: Googleマップ
電話番号 :0295-72-0285(大子町観光協会)
営業時間 :8:00~18:00、ただし11月から4月は9:00~17:00
常陸太田市にある竜神大吊橋は、長さが375mで本州一であり、高さが100mでバンジージャンプなどでも知られるスポットです。
袋田の滝からは車で約40km、渋滞がなければ約50分ほどで行けますので、滝とは違った開放的な風景を楽しんではいかがでしょうか?
同所の住所は茨城県常陸太田市天下野町2133−6、問合せ先電話番号は0294-87-0375です。
袋田の滝から南東方向に約57km、車で1時間半ほどになりますが、「国営ひたち海浜公園」へ回るのはいかがでしょうか?
同公園は海岸の広大な敷地に、草原、樹林、花畑、泉、観覧車他の遊具などが配置され、いま人気のスポットとなっています。
特に、ネモフィラ(4~5月)、コキア(紅葉は10月)などは多くの観光客の熱い視線を集めています。
同公園の住所は茨城県ひたちなか市馬渡字大沼605-4で、問い合わせ先電話番号は029-265-9001です。
吹割(ふきわれ)の滝は、群馬県沼田市の市街地から北東方向、尾瀬ケ原方面へ向かう途中にあり、国の天然記念物、名勝に選ばれ、また日本の滝百選にも入っています。
落差は約7m、幅は約30mですが、その姿から東洋のナイアガラとも呼ばれ、独特の光景で人気を集めています。
流れる川は片品川で、尾瀬方向にある黒岩山から流れ出し、吹割渓谷(片品渓谷)を造って利根川に合流します。
JRの場合上越線の沼田駅からバスで約40分です。
車の場合は、関越自動車道の沼田ICから国道120号線で20分ほどで到着できます。
吹割の滝の付近は、太古火山の噴火によって発生した火砕流が冷えて岩となったところへ、片品川が流れて侵食によりV字谷を造ったものといわれています。
そして、三つに分かれた川が集まって流れ落ちるようになり滝が形成されました。
岩の柔らかい部分が多くの裂け目、割れ目を生み、その様子が岩が吹き割れたようにも見えるところから「吹割の滝」と呼ばれます。
なお、滝の落ち口は侵食により1年間に約7cmも後退しているようで、遠い先には滝の姿もかなり変わっていくかもしれません。
吹割の滝の滝口辺りは、大きくて平らな岩が多く、水が流れている部分の近くまで近づくことができ、これが他の滝と較べて特徴となっています。
滝口の辺りでも、飛沫、マイナスイオンも浴びることも多く、虹も見るチャンスある所です。
なお、基本的に柵などはありませんので、水量などを見て自己責任で危険のない範囲で行動する必要があります。
吹割の滝付近の渓谷沿いには遊歩道が整備され、見どころも沢山ありますので、時間に応じて散策されるのがおすすめです。
例えば、鱒飛びの滝、般若岩、浮島などがあり、また多少のアップダウンもありますが高所から滝を眺めるなど絶景が堪能できます。
ますはじめに、吹割の滝は、安全のためもあり12月中旬から3月下旬まで閉鎖されますので、ご注意ください。
季節別には4月から6月にかけては雪解け水などで水量が豊かで、新緑とのコラボレーションで迫力ある滝がご覧になれます。
秋は素晴らしい紅葉を眺めることができますのでおすすめです。
なお、例年の見頃は10月下旬から11月上旬です。
住所 :群馬県沼田市利根町追貝
マップ: Googleマップ
電話番号 :0278-56-2111(沼田市利根支所)
老神温泉は、吹割の滝から3kmほど手前にある温泉郷です。
吹割の滝と同じ片品渓谷沿いにあり、十数軒の旅館・ホテルがあり、日帰温泉施設もありますので立ち寄られてはいかがでしょうか?
老神温泉の歴史は古く、赤城山の神(ヘビ)が日光男体山の神(ムカデ)に矢を射られ、身に刺さった矢を地面に突き刺したら温泉が湧いたと伝えられています。
そんな伝説と温泉に癒やされてみるのもおすすめです。
老神温泉旅館組合の住所は群馬県沼田市利根町老神607-1で、電話番号は0278-56-3013です。
沼田市から南西方向、車で15分ほどの所にあるロックハート城もおすすめの観光スポットです。
ロックハート城は1829年にスコットランドに建てられたお城ですが、それをそのままこの地に移転、復元した日本では大変珍しい施設です。
この事業には俳優の津川雅彦氏他大勢が関わっていますが、広大な敷地の中にはお城の他、教会、ギャラリー、ウェディング施設、恋人の聖地関連施設、レストランなどさまざまなものがあり、カップルや女性に大変人気のあるスポットとなっています。
また、映画やドラマの撮影にもよく利用される所としても知られています。
住所は群馬県吾妻郡高山村5583-1で、電話番号は0279-63-2101 です。
七ツ釜五段の滝というユニークな名前の滝は、山梨市の山間部の西沢渓谷にあり、日本の滝百選にも入っています。
ちょっとトレッキング的な所ですが、森林浴も兼ねて楽しめる所です。
滝の落差は上から下までで50mほどあります。
西沢渓谷を流れる川は笛吹川の源流エリアの川で、笛吹川は最終的に富士川に合流し、駿河湾に注ぎます。
七ツ釜五段の滝へのアクセスはやや不便ですが、まずJRを利用する場合は中央線の山梨市駅から市営バスで約1時間、西沢渓谷入り口で下車します。
ただし、バスの本数は少ないのでご注意ください。
なお、タクシーで約30分です。
車の場合は、中央自動車道の勝沼ICから西沢渓谷入り口まで約50分で、近くに無料駐車場があります。
西沢渓谷入り口からは徒歩で1時間30分から2時間の行程となりますが、詳細は後でご説明します。
この滝のある西沢渓谷は、奥秩父山塊に含まれる国師ケ岳(標高2591m)や奥千丈岳(標高2601m、奥秩父の最高峰)を水源として流れ下り、花崗岩などを侵食して滝を造っています。
七ツ釜五段という名前については、特別な解説は見当たりませんが、滝壺のことを「釜」と呼ぶこともありますので、滝壺が七つと段差が五つあるものと考えられます。
また、七つ釜という滝は新潟県十日市にもあります。
七ツ釜五段の滝の楽しみは、滝そのものももちろんですが、滝までの往復のトレッキングを楽しむことです。
遊歩道が整備されていますが、往復の距離は10kmほどあり、4時間程度の行程となりますので、靴や衣類などそれなりの準備をおすすめします。
なお、遊歩道は危険防止のため往路は川沿いに進み、復路は旧トロッコ道を帰ることになっています。
美しい渓谷には数々の小滝もあり、森林にも囲まれながら気持ちよく進むことができます。
小滝の例をご紹介しますと、初めに現れるのは大久保の滝で落差が30mほどあり、次には三重(みえ)の滝があり、落差は10mほどですが、三段になって流れ、青い滝壺など美しい滝です。
それから竜神の滝(落差6m)もダイナミックで見応えがあります。
七ツ釜五段の滝に通常ルートから近づくとまず滝の下部の5段目、4段目、3段目が目に入ってきます。
滝壺も青くきれいに見えることが多いのでお楽しみください。
さらに進むと、2段目、1段目など上部(上の写真)が見えてきますが、残念ながら全体を視野に入れることはできません。
変化に富んだ岩壁と清らかな水に癒やされること間違いなく、死ぬまでに一度は見たいともいわれるほどです。
七ツ釜五段の滝と周辺の西沢渓谷では季節ごとに違ったポイントで楽しむことができます。
まず春から夏にかけては、新緑に始まる鮮やかなグリーンに包まれ、心身ともにリフレッシュされます。
秋はもちろん紅葉ですが、西沢渓谷には国内に27種類あるカエデの25種類があるといわれ、その他ブナ、ミズナラなどが素晴らし光景を見せてくれます。
冬は登山の経験者だけが行くことができますが、別世界となります。
七ツ釜五段の滝そのものは日本の滝百選に入っていますが、西沢渓谷としても次のようにさまざまな選に入り、それだけすばらしい環境にあるといえます。
・日本の秘境百選
・平成の名水百選
・森林浴の森百選
・新日本観光地百選
住所 :山梨県山梨市三富
マップ: Googleマップ
電話番号 :0553-22-1111(山梨市観光協会)
七ツ釜五段の滝のトレッキングの後ですので、比較的近くで温泉などでゆっくりできる所をご案内します。
ほったらかし温泉は山梨市駅から車で10分ほどの山上にある日帰り温泉ですので、七つ釜五段の滝の疲れを癒やすには打ってつけです。
あっちの湯とこっちの湯の二つの良質な天然温泉と、海抜600mあまりにある露天風呂から見る富士山や甲府盆地の夜景などの絶景が素晴らしく、全国から愛好者が訪ねる人気のスポットです。
住所は山梨県山梨市矢坪1669-18で、電話番号は0553-23-1526です。
笛吹川フルーツ公園は、JR山梨市駅から車・タクシーなどで10分足らずで行ける広大な公園です。
広場や花畑、果樹園、レストラン、カフェなどの他、ホテルや日帰り温泉などがあり、それぞれのお好みでゆっくりすることができます。
また、恋人の聖地にも認定されており、カップルにも人気のスポットとなっています。
入場は無料で、年中無休、基本は24時間利用できます。
住所は山梨県山梨市江曽原1488番地で、電話番号は0553-23-4101です。
白糸の滝は、富士山の裾野の富士宮市にあり、1936年に国の名勝・天然記念物に指定され、また日本の滝百選に選ばれています。
早くから全国的に名前を知られた、人気の観光地となっている滝で、富士山エリアの世界遺産登録の構成資産ともなっています。
滝の落差は約20mですが、幅は滝壺を周るように約200mあります。
流れる水は、富士川水系の芝川の分流と滝の岩壁からの湧き水が流れ落ちています。
JRの場合は身延線の富士宮駅からバスで約30分で、車の場合は東名高速道路の富士ICまたは新東名高速道路の新富士ICから約30分です。
なお、バス停・駐車場から滝壺まで450mほどです。
白糸の滝の一帯は富士山の溶岩が流れた所で、滝壺の周りの岩壁は溶岩断層といわれます。
ここに前記の芝川の分流が流れ落ちると共に、溶岩断層からは無数の湧水が滴り落ち滝となっています。
芝川自体が富士山の湧水群が水源となっていますので、白糸の滝の水は基本的に富士山一帯の雪解け水や雨が地下に滲みて湧き出た水であるといえ、他所の滝と較べて大きな特徴となっています。
なお、水温は年間を通じて12℃程度に保たれています。
「白糸の滝」という名前は、無数の湧水が流れる様子が絹糸を垂らしたように見えるところから名付けられといわますが、同じ名前の滝は軽井沢や定山渓など全国に何箇所もあります。
また、この白糸の滝は、江戸時代に富士講の開祖といわれる長谷川角行が修行を行い、それに伴い富士講の人たちも修行・巡礼をしたために広まり、また世界遺産としても認められたということです。
まずは滝壺近くまで降りて、白糸といわれる滝の様子をお楽しみください。
太く落下する芝川の水よりも多いくらいの湧き水が岩壁から無数に流れ出していますが、細かにいうと溶岩断層の地質が上下で二つに分かれていて、その境目付近から湧き出していますのでご覧ください。
これらの水は富士の湧き水ですから非常に清らかで、滝壺の水も大変きれいに見えます。
このような所ですから、富士講の修行の場所となっているのかもしれませんね。
また、滝壺周辺は水蒸気やマイナスイオンが発生しやすく、虹も比較的よく見られるスポットです。
白糸の滝は年間を通して比較的安定した状態で楽しむことができますが、季節別の特徴としては、春から夏には滝を囲む緑とのハーモニーが美しく、秋には上の写真のようにウルシやカエデが見事に彩りますので、おすすめの季節です。
なお、例年の紅葉の見頃は11月中旬から下旬です。
白糸の滝の上にある岩窟にはお鬢水(上の写真)といわれる霊水が湧いています。
ここは鎌倉幕府を開いた源頼朝が訪れたとき、この水で鬢(びん)のほつれを直したと伝えられ、前記の角行も修行したといわれており、富士講の霊場とされるなど、パワースポットとなっています。
白糸の滝の滝壺に行くには下に降りなくてはなりませんが、足の弱い人向けには滝の上部(土産店近く)から眺められるように展望スペースがあります。
また、滝の右岸にも展望台があり、天気が良ければ写真のように富士山も眺められます。
白糸の滝の東側にはもう一つの滝、音止の滝がありますので、両方をお楽しみください。
この滝は前記の芝川の本流が落差25mの滝を造っているもので、白糸の滝とは対照的に豪快な姿を見せてくれます。
「音止め」という名前の由来は、曽我兄弟が仇討ちの相談をしたとき、滝の音が邪魔だったため念じたところ音が止まったと伝えられることからきています。
また、近くには曽我兄弟の隠岩もあります。
住所 :静岡県富士宮市上井出
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電話番号 :0544-22-1155(富士宮市観光課)
朝霧高原は富士山の西山麓の標高700mから1000mの広い高原です。
ドライブでもよし、さまざまな施設も点在しゆっくりしてもよい所ですので、おずすめします。
施設の例は、道の駅朝霧高原、富士花鳥園、まかいの牧場、富士養鱒場などです。
道の駅朝霧高原の住所は静岡県富士宮市根原字宝山492-14で、電話番号は0544-52-2230です。
なお、白糸の滝から道の駅朝霧高原までは車で20分ほどです。
富士宮のある浅間神社は、富士山を御神体とし、全国にある浅間神社の総本宮ですので、訪れてはいかがでしょうか?
本殿、拝殿、楼門などは徳川家康から寄進され国の重要文化財になっているなど見どころも多いスポットです。
住所は静岡県富士宮市宮町1-1で、電話番号は0544-27-2002です。
アクセスはJR富士宮駅から徒歩で10分ほどです。
那智の大滝は和歌山県の那智勝浦町にあり、国の名勝、日本の滝百選の登録され、さらに日本の三大滝の一つに挙げられることも多い名瀑です。
また、紀伊山地の霊場と参詣道の一部として世界遺産にも登録されています。
落差は133m・幅は13mもあり、一段で落下する滝としては日本一といわれ豪快な姿はテレビなの映像でもよく紹介されます。
熊野那智大社までのアクセスは、JRの場合は、きのくに線の紀伊勝浦駅または那智駅からバスで約25分で、その後徒歩で10分ほどです。
車の場合、大阪からは一部高速道路を利用しても5時間前後かかり、また名古屋からもやはり5時間ほどかかります。
JRにせよ車にせよ現地までは相当時間がかかりますので、宿泊前提の行程となりますね。
熊野地方の地層は、固い層と柔らかい層があって柔らかい層が侵食された結果熊野海岸の橋杭岩などが造られましたが、那智の大滝も同様に柔らかい層が侵食されたもののようです。
非常に古い時代から那智の大滝をはじめ多くの滝が修行の場として盛んとなり、神話の時代からという説もあるようですが、平安時代には熊野三社(熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社)への熊野詣が貴族などにも盛んに行われるようになりました。
那智の大滝付近の神社・寺院との関係では神仏習合や神仏分離の歴史があり複雑ですが、那智の大滝は、熊野那智神社の分社である「飛瀧(ひりょう)神社」の御神体となっています。
また、那智の一帯には滝が多く「那智四十八滝」ともいわれ、実際にはもっと多いようですが、この大滝はその他の滝と区別するために「大滝」と呼ばれることがあり、それ以外にも単に「那智滝」、「那智の滝」、「一の滝」と呼ぶこともあります。
この記事では「那智の大滝」と書きます。
那智の大滝にストレートに行くこともできますが、多くの人が通る参拝のルートがありますので、それに従ってご案内します。
まずは熊野那智大社に参拝しますが、入り口は上の写真のようになっており、大門坂から本殿のほうに進みます。
那智勝浦駅や那智駅からこちらへの道は「曼荼羅の道」といわれる熊野古道の一部ですので、歩く人もいますが、那智駅からでも約5kmあり、この先も山道がありますので、無理はおすすめできません。
熊野那智大社の本殿には五つの赤い小型の社があり、イザナミノミコト他が祀られていますが、普通は拝殿でお参りします。
国の重要文化財なども多数ありますので、ご覧ください。
青岸渡寺は熊野那智大社のすぐ隣りにあるお寺です。
お寺の興りは、インドから来た裸形上人が那智の大滝の滝壺で如意輪観音を得て祀ったことと伝えられますが、その後如意輪堂として修行に使われました。
明治時代の神仏分離によって他の仏教関係の施設は廃されましたが、如意輪堂は残り、後に青岸渡寺として復興しました。
境内にある三重塔(上の写真)は背景に那智の大滝があり、滝の風景写真としても人気の撮影スポットとなっています。
ある意味では神仏習合の象徴ともいえるようです。
次に飛龍(ひりょう)神社へ行き、上の写真のように那智の大滝を下から拝みます。
前記のように、この神社は那智の大滝自体を御神体としており、神社としての本殿がないユニークな構造となっています。
もともとは熊野の神々はここでお祀りされていたそうで、熊野の神社のルーツかもしれません。
また、下の写真のように滝口の上にも「しめ縄」が張られており、新年を迎えるにあたり神職が新しいしめ縄を張っているのをテレビが報道しています。
那智の大滝は温暖な気候でもあり、年間を通して比較的安定した姿を見せていますが、春の新緑から秋の紅葉などはやはりおすすめの季節です。
紅葉の見頃は11月下旬から12月上旬で、もみじ祭りも行われます。
その他、熊野那智大社には国の天然記念物になっている二本の桜があり、例年の見頃は枝垂れ桜は3月下旬から4月上旬、山桜は4月中旬から下旬です。
あじさいも例年6月中旬から下旬が見頃で人気となっています。
さらに、毎週土曜日と3連休の日曜日にはライトアップも行われるなどさまざに楽しむことができる所です。
住所 :和歌山県東牟婁郡那智勝浦町那智山1
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電話番号 :0735-55-0321
熊野川の舟下りですが、平安貴族たちも熊野本宮大社から熊野速玉神社へ向かうとき、舟を利用したといわれていますので、同じような体験をされてはいかがでしょうか?
乗り場は新宮市の川舟センターからで、熊野速玉神社近くまで所時間は約1時間30分です。
乗り場の住所は、和歌山県新宮市熊野川町日足で、センターの電話番号は0735-44-0987です。
JRきのくに線の新宮駅から乗り場まではバスで約35分です。
南紀勝浦温泉(単に勝浦温泉とも)は古くから開かれた温泉で、白浜温泉と共に和歌山県の代表的な温泉地です。
旅館・ホテルは十軒ほどあり、島にあるものもあり、舟で往き来するところがユニークです。
住所は和歌山県東牟婁郡那智勝浦町大字築地で、旅館組合の電話番号は0735-52-0048です。
震動の滝は、大分県の九重の山地にある滝で、上の写真で見られるように2本の滝があり、右側が雄滝で、左側が雌滝となっています。
雄滝は落差が約83m、幅が7mで、日本の滝百選に入っており、また、雌滝は落差が約93mもある美しい滝です。
流れる川は玖珠川ですが、付近は九酔渓となり、下流で筑後川となり有明海に注ぎます。
震動の滝近くにできた「九重"夢"大吊橋」から眺められ、またそこから徒歩10分ほどで雄滝の展望台に行くことができます。
同吊り橋へは、JR久大線の豊後中村駅(由布院から二つ目)からバスで約20分、車の場合は九州自動車道の九重ICから約20分で行くことができます。
滝のある一帯を飯田高原といいますが、この高原が玖珠川などによって侵食され200mもある断崖や九酔渓を造り、滝もいくつかありますが、その一つが震動の滝となったものです。
「震動の滝」の名前は、雄滝(上の写真)の水量が多いときに辺りを震動させるほどに激しいことから名付けられたといわれています。
また、かなりの山中にありますが、震動の滝は古くから知られており、室町時代の文書にも登場しています。
その他、雄滝の滝壺近くは温泉が湧出しており、この付近には筌の口(うけのくち)温泉などいくつかの温泉地もある所です。
震動の滝は、「九重"夢"大吊橋」からこの項の冒頭の写真のように雄滝・雌滝の両方を眺めることができます。
橋の横から震動の滝の展望台への道があり、10分ほどで行くことができますが、現在はあまり手入れされていない状況です(2017年9月現地確認済み)。
また、そこから先も滝壺への道があったのですが、現在は利用できないようです。
ということで滝には近づけない状況ですが、それでも大吊橋からの展望は素晴らしく、訪ねて遠望していただきたいスポットです。
前項でもご案内した九重"夢"大吊橋(ここのえゆめおおつりはし)ですが、2006年に完成され標高777mの高地にあり、橋の長さ390m、高さ173mもの大きなスケールとなっています。
天空の大吊橋、日本一高い歩行者専用橋と呼ばれ、震動の滝も含めた360度のパノラマ、特に秋の紅葉のときの素晴らしさはまさに絶景で、年間で100万人ほどの大勢の人が楽しんでいます。
紅葉の見頃は10月下旬から11月下旬です。
冬も基本的にはオープンしていますが、積雪することもあり、状況により閉鎖されることもあります。
入場料として大人500円が必要です。
住所 :大分県玖珠郡九重町
マップ: Googleマップ
電話番号 :0973-76-3150(九重町観光課)
由布院は由布岳の麓にある温泉郷で、温泉の湧出量は全国でも上トップクラスに入るほどです。
そこに上質の旅館・ホテルが多数あり、他の温泉地とは違うリゾート的な雰囲気が漂い、特に女性に人気のスポットとなっています。
震動の滝から由布院までは山並みハイウェイなどを通って40分ほどです。
住所は大分県由布市湯布院町で、観光協会の電話番号は0977-85-4466です。
震動の滝からの行き先としては、由布院の他、筋湯温泉などの温泉が多数ありますが、少し趣を変えて竹田市の岡城跡はいかがでしょうか?
車で1時間20分ほどの所ですが、竹田市は作曲家の滝廉太郎の出身地であり、「荒城の月」は岡城跡をイメージしているといわれています。
小じんまりとした城跡ですが、落ち着いて城郭内や城下の眺めを堪能できるとして、愛好者も多い所です。
市内には滝廉太郎記念館もあります。
城跡の住所は大分県竹田市大字竹田字岡で、電話番号は0974-63-1541です。
真名井(まない)の滝は、宮崎県の秘境といわれる高千穂峡の中にある滝で、日本の滝百選に選ばれています。
高千穂峡全体が国の名勝・天然記念物に指定されています。
滝の落差は約17mで、幅はとらえ方がいろいろですが15mとか20mとかいわれています。
真名井の滝の水源は滝の上部近くにある「おのころ池」で、その水が流れ出して滝となり、下を流れる五ヶ瀬川に流れ落ちます。
公共交通機関の場合、JR日豊本線の延岡駅から宮崎交通バスで約1時間30分で高千穂バスセンターに到着し、そこからはタクシーで5分ほどです。
以前は高千穂鉄道がありましたが廃線となり、現在ではその一部の5kmほどを「あまてらす鉄道」として、観光用に運行しています。
車で行く場合は、延岡から約50分、竹田から約1時間、熊本県東部の高森町(熊本市、福岡市方面からの経由地)から45分ほどです。
まず真名井の滝が落ちる高千穂峡についてご説明します。
この辺りは太古阿蘇山の火山活動で火砕流が流れて固まり柱状節理(マグマが柱状に割れて立ち並ぶもの)になりましたが、これは侵食されやすく、五ヶ瀬川によってV字状の渓谷ができ高千穂峡となったものです。
次に真名井の滝の水源である「おのころ池」ですが、天孫降臨伝説のある神話の里であるだけに、次のような話が伝わっています。
つまり、天孫降臨のとき天村雲命(あめのむらくものみこと)が、この土地に水がないために水をもたらしたところ「おのころ池」となり、流れた水が真名井の滝になったというものです。
高千穂峡は真名井の滝の辺りに遊歩道が整備されていますので、まずは遊歩道やそこにある滝見台、滝近くにある御橋(みはし)などから眼下に落ちる滝をご覧ください。
五ヶ瀬川の水面までは20mあまりとなり、峡谷の様子を俯瞰できます。
なお、遊歩道を1周すると約1kmあり、おおよそ30分ほどかかります。
写真で見られるようにこの辺りの川には貸しボートがあり、水上から真名井の滝や岩壁を見上げ、滝の飛沫やマイナスイオンを浴びるなど楽しむことができ、人気のスポットとなっています。
ボート乗り場は御橋の近くですので、時間があればぜひおすすめします。
真名井の滝や高千穂峡は年間を通して観光することができ、春は新緑、夏は深緑に囲まれ清涼感がいっぱいです。
また、秋は紅葉ですが例年11月中旬から下旬にかけて真名井の滝の辺りはモミジが真っ赤に色づき、五ヶ瀬川に映える光景は絶景となります。
冬はときにより雪が降ることもあります。
さらに、例年7月中旬から9月上旬にはライトアップも行われますので、昼間とは違う世界をお楽しみください。
真名井の滝から近い所で高千穂峡の見どころがありますので、併せて訪ねてみてはいかがでしょうか?
例えば、上の写真の「三段橋」で、一つの渓谷に三つのアーチ橋が視野に収まるのは珍しいとカメラ好きの愛好スポットとなっています。
また、遊歩道の対岸には「仙人の屏風岩」があり、柱状節理でできた高さ70mほどの岩壁もご覧ください。
「玉垂れの滝」は前記の「おのころ池」の上部にあるもので、滝といっても静かに滴り落ちる水ですが、池の水源として、また隣接する淡水魚水族館の飼育用にも利用されています。
住所 :宮崎県西臼杵郡高千穂町三田井御塩井
マップ: Googleマップ
電話番号 :0982-73-1213(高千穂町観光協会)
高千穂神社は真名井の滝からもほど近い所にあり、御祭神は日向三代ともいわれる、天孫降臨にもつながる皇祖の多くの神々となっています。
社殿は11代の垂仁天皇の時代(およそ1900年前)に作られたと伝えられ、国の重要文化財に指定されるなど、神話の里の中心の一つですので、ぜひお訪ねください。
また、境内の神楽殿では毎晩伝統の神楽が演じられていますので、有料ですがチャンスがあればご覧ください。
神社の住所は宮崎県西臼杵郡高千穂町大字三田井1037で、電話番号は0982-72-2413です。
国見ケ丘は標高513mの所にあり、阿蘇山や祖母山などの山々や高千穂盆地が一望できる絶景ポイントで、ミシュラングリーンガイドの一ツ星を獲得したこともあります。
特に有名なのは写真に見られるように雲海で、秋から初冬の早朝には別世界が広がりますので、お訪ねください。
なお、アクセスは高千穂町のバスデンターから車で15分ほどです。
住所は宮崎県西臼杵郡高千穂町大字押方で、問い合わせ先電話番号は0982-73-1213(高千穂町観光協会)です。
いままでご紹介したような滝ではなく、国土地理院の滝の基準にも入りませんが、多くの人から話題となっている濃溝(のうみぞ)の滝をご紹介します。
千葉県の君津市にある清水渓流広場という公園内にある亀岩洞窟にハート形が現れるということで、数年前から大勢の人が訪ねるようになりました。
亀岩洞窟は農業目的に岩をくり抜いた洞窟で、そこに近くを流れる笹川の水を流したものですが、そこに段差がありこれを濃溝の滝と呼んでいます。
JRを利用する場合は、久留里線上総亀山駅からディマンドタクシー(要予約)で15分ほどで清水渓流広場に到着します。
車の場合は館山自動車道路の君津ICから40分ほでです。
濃溝の滝(亀岩の洞窟)の呼び物は、写真のように洞窟に射し込む光が水面にも反射してハート形に見えることですが、これを見るには自然の条件が整う必要があります。
つまり最もよく見られるのは3月と9月の朝早くで、見るためにはかなりの努力が必要になりますが、出掛けられてはいかがでしょうか?
また、滝自体にも水流の関係でハート型が現れることがあるといわれています。
住所 :千葉県君津市笹1954-17
マップ: Googleマップ
電話番号 :0439-39-3113(君津市片倉ダム記念館)
※合わせて読みたい: SNSで話題の絶景スポット「濃溝の滝」と周辺の観光スポットを紹介
日本に多数ある滝の中から、ぜひ訪ねていただきたい所を10選としてご紹介しましたが、最後までご覧いただきありがとうございました。
滝と共に、滝の定義や種類そして選んだ滝の楽しみ方もご紹介し、さらに滝を訪ねるときは周辺も観光されることになりそうですので、その参考情報も付け加えさせていただきました。
今回ご紹介した所以外にも滝は数々ありますが、今回ご紹介した滝は基本的に日本の滝百選に入っていて、人気も高い所をピックアップしていますので、参考にして楽しい旅行にしていだだければ幸いです。
最終更新日 : 2022/10/26
公開日 : 2017/09/16