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2016年4月の熊本地震で被災されたみなさまに、改めてお見舞い申し上げます。
各地で復興に向けて懸命に努力が続けられていますが、場所や施設によっては相当長い年月を必要とすることと思います。
そんな中、無事に復旧し、再開を果たした観光施設も多く、皆様にご紹介することで復興の応援に繫がると考えています。
なお、本記事でご紹介している情報は2020年10月現在の状況ですので、被災地に行かれるときには必要によりその後の状況を公式HPやSNS等でご確認頂けると幸いです。
熊本の観光といえば、雄大な阿蘇山や 熊本城 などを思い浮かべる人が多いと思います。
それらの周辺には多くの観光名所がありますが、広い熊本県にはそれ以外にも魅力的なスポットが沢山あるため、本記事ではエリア別に取り上げていきます。
ただ、その前に「熊本県とはどんなところか」主なポイントを確認しておきましょう。
熊本県は九州の中央部に位置し、陸地では 福岡県 ・ 大分県 ・ 宮崎県 ・ 鹿児島県 に接していて、西側は有明海・東シナ海に面しています。
面積は九州で3番目に広い県です。
熊本県の自然を表す言葉としては火山・緑・水がよく使われていますが、地形的には北部はなだらかな山地、北東部は阿蘇山の火山地、東側は九州山地となっていて、全体に山地が多いといえます。
しかし、海岸近くは熊本平野などとなっており、中央部に熊本市、その周辺に宇土市や宇城市などがあり、その他は山地から流れる川の流域に主な都市、例えば北部には菊池市や山鹿市、玉名市、南部には人吉市や八代市などがあります。
また、湧き水が阿蘇方面や熊本市内外でも多く湧き出しているのも特徴です。
熊本県への交通の関係は、まずJR九州新幹線と鹿児島本線が海岸近くを走っています。
そして、大分方面との鉄道は豊肥本線があり、阿蘇方面への旅行には便利ですし、鹿児島方面への肥薩線は人吉方面の旅行に使えます。
空港は熊本空港が熊本市の東隣の益城町(熊本市の中心部からバスで40分ほど)にあり、羽田・成田・中部・小牧・関西・伊丹・那覇などと結ばれています。
高速道路は九州自動車道が、鉄道よりは少し内陸部を走っており、八代から南の海岸寄りには南九州自動車道の建設が進められています。
熊本の名物と言えば、知名度抜群のくまモン!
熊本を訪れたなら、街のあちこちでくまモンに出会えます。
美味しい物の宝庫でもある熊本では、食べたいものがたくさんあって時間が足りないかもしれません。
くまモンは国内だけでなく海外でも人気のゆるキャラですが、熊本県のあちこちで目にされると思います。
2011年に九州新幹線の開通を記念して、熊本県のPRのために作られたものです。
愛嬌たっぷりの表情で誰からも愛され、2011年のゆるキャラグランプリに選ばれています。
著作権は無料なので、非常に多くのグッズに利用されて熊本県をアピールしています。
くまモンは「熊」のデザインですが、もし「熊本」が清正以前の「隈本」であれば、くまモンは熊のデザインではなかったはずですから、清正はくまモンの生みの親といえるかもしれませんね。
熊本県民の気質を表すのに「肥後もっこす」という言葉があるので、旅行で接する人はどのような感じか参考にしてみてください。
この言葉は正義感に強く、規律・規則に厳しく、ちょっと堅苦しいというような性質で、頑固ともいわれます。
しかし、取っつきにくい反面、一歩踏み込めば親切で細やかであるともいわれていますのでご安心ください。
肥後もっこすの代表例は、元巨人軍監督の川上哲治氏や柔道の山下泰裕氏などがあげられますが、人気タレントのくりぃむしちゅー上田氏・有田氏のお二人はどうなんでしょうね。
熊本の郷土料理の一つに馬刺し(あるいは馬肉料理)があります。
熊本で馬刺しが盛んになった原因は、加藤清正が朝鮮で戦ったときに食料に困り、軍用の馬を食し、帰還してからも馬肉を食べる習慣が定着していったといわれています。
馬刺しは、熊本以外にも 長野県 などでも食べられていますが、熊本県は食用の馬肉の生産量が日本一で、馬肉の料理店も沢山ありますので、旅行に行かれたらお立ち寄りください。
馬刺しには一般的にはトロ・霜降り・赤身などの部位を食しますが、専門店では「タテガミ刺し」や「タテガミの脂=こうね」などの希少部位も試すこともできます。
熊本ラーメンは、豚骨を使った博多ラーメンの流れをくみますが、博多ラーメンと比べると豚骨の味、臭いが少しマイルドに抑えられています。
誕生秘話は、3人の友達が玉名にあるラーメン店に行ってその美味しさに感動して、その後熊本市でそれぞれがラーメン店を展開した結果、熊本ラーメンとして定着し、他地域にも進出するほどになっているということです。
スープは豚骨が基本ですが、鶏ガラを使用することもあり、マー油やニンニクを使うこともあります。
辛子蓮根は、蓮根を輪切りにし、穴に辛子味噌(蜂蜜や水飴で味付けをします)を詰めて、外側をターメリックなどを含んだ衣を付けて揚げたものです。
江戸時代に身体が弱かった領主の細川氏に辛子蓮根を勧めたのが始まりといわれ、また、蓮根は加藤清正が非常食としてお城の堀に植えたものであるなどと伝えられています。
蓮根には増血に、辛子は食欲増進に効果がありますので、広く利用されています。
また、蓮根の断面は細川家の家紋(九曜紋)ににていることから、門外不出とされたともいわれています。
多数のメーカーがありますが、例を挙げると「森からし蓮根」、「村上カラシレンコン」などがあります。
※合わせて読みたい: 熊本は美味しい食べ物の宝庫!絶対に食べておきたいおすすめのご当地グルメ12選
(注)上の図の紫色の部分が熊本市
本記事では熊本県を次の6つの地域に分けてご案内します。
阿蘇とは、熊本県の北東部で北側は大分県との県境まで広がり、市町村でいえば、中心部のカルデラ一帯は阿蘇市、北側は南小国町・小国町、東側は産山村、南側は高森町・南阿蘇村・西原町が含まれます。
エリアの中心は阿蘇五岳や阿蘇カルデラでほぼ全域が火山や山地、あるいは高原となっており、その中に風景を楽しむ所、レジャーパーク、温泉など沢山の観光スポットが点在しています。
交通関係は、中心部をJR豊肥本線が走っており、また阿蘇山の南側を走る「南阿蘇鉄道」がありトロッコ列車などで人気があります。
さらに、大分県から熊本県を横断する「やまなみハイウェイ」と「阿蘇くまもと路」があり、どちらも日本風景街道にも登録され、雄大な光景を楽しめる観光道路となっています。
熊本市の北側から福岡県との県境までを指し、また阿蘇山の西側のエリアとなりますが、主な市町村としては、玉名市・荒尾市・山鹿市・菊池市・荒尾市などがあります。
上記阿蘇を含めて県北と呼ぶこともあります。
農業が盛んな地域ですが、古くから文化があった所で、古墳や菊池一族などの遺跡、あるいは山鹿灯籠踊りなどの伝統も残るエリアです。
交通関係はJR九州新幹線や鹿児島本線があり、九州自動車道も利用できます。
熊本市は県庁がある人口約74万人の大都市で、熊本県の人口の約4割を占めています。
熊本市からは東北東にあたる阿蘇山から白川が流れ、熊本平野を造っていますが、その中央に熊本市が発展してきました。
熊本市の歴史としては、古い肥後国の国府が現在の熊本市にありましたが、近世としては前にもご説明したように、加藤清正が領主となり1607年にお城を築き、「隈本城」から「熊本城」に改め、52万石の国造りが進められました。
清正が造った熊本城は日本三名城といわれますが、清正はその他にも治水や干拓などにも力を入れ、その功績は現在にも数多く残されて、市民から親しまれています。
領主は1632年に細川氏に変わり幕末まで続きますが、その初期に領主の別邸として現・水前寺成趣公園が造られ、今も憩いの場、観光名所となっています。
なお、熊本市で特筆することは、湧き水が多いことで、これは阿蘇の伏流水が20年ほどかけて熊本市に現れるともいわれ、同市の水道水は100%地下水によっている珍しい都市です。
繁華街は隈本城近くの上通り、下通りなどになり、JRの熊本駅とは少し離れますが、市電が発達してネットワークができています。
交通関係はJR九州新幹線や鹿児島本線の他、阿蘇・大分方面に豊肥本線があり、さらに北熊本駅から菊池市を結ぶ熊本電鉄もあります。
高速道路は九州自動車道が通っており、植木ICと熊本ICが利用できます。
前記の熊本市を含めて県央ということもありますが、この記事では熊本市以外の県央を取り上げます。
このエリアの範囲は、熊本市の東側は阿蘇山の南麓を通って宮崎県との県境まで、熊本市の南側は大まかにいえば八代市の北側までが含まれ、主な市町村では、宇城市・宇土市・益城町・山都町などがあります。
東側には熊本県の最高峰の国見岳(標高1,739m)があり、山地が多い地形ですが、熊本空港のある益城町や甲佐町では次第になだらなかになり、宇土半島に続いています。
東側の山地から流れる緑川は、支流に通潤橋などがあり、下流域では宇城市の平野部を造りながら、熊本市と宇土市の境界で島原湾(有明海)に注ぎます。
交通関係は、九州新幹線と鹿児島本線が熊本市から八代市方面に通っており、また九州自動車道があり益城熊本空港ICや松橋ICなどが利用できます。
県南とは八代市から南側のエリアで、東は宮崎県との県境までとなり、ここに含まれる主な市町村としては、八代市・水俣市・人吉市などがあります。
地形的には八代海に面した海岸部に平野がありますが、東側は九州山地が広がっており、その中に「五木の子守唄」で有名な五木村もあります。
山地の水を集める球磨(くま)川は、人吉盆地を経て、北西方向に流れ、八代市から八代海に注ぎます。
このエリアの呼び方は、海岸部を芦北(あしきた)地区、人吉方面を球磨地区と呼んだり、天草も含めて県南ということもあります。
交通関係は、九州新幹線では新八代駅・新水俣駅があり、また、鹿児島本線が海岸近くを通っています。
なお、鹿児島本線は八代駅から鹿児島県の川内駅までは「肥薩おれんじ鉄道」として運行されている他、八代駅から肥薩線があり、人吉駅を経て鹿児島県の隼人駅まで運行され、人気のローカル線となっています。
道路関係では、九州自動車通が八代から山間部に入り、人吉ICを経て鹿児島県につながっています。
海岸部には八代から鹿児島県の出水方面に南九州自動車通が建設中で、八代~日奈久など一部が開通されていますので、この方面に出掛ける場合はご確認ください。
天草は約120ある天草諸島のことで、大きな島としては大矢野島・天草上島・天草下島などがあり、市町村としては上天草市・天草市・苓北町(れいほくまち)に分かれています。
1966年に天草五橋が完成し、本土(宇城市三角)と道路で結ばれ、生活上や観光でも大変便利になりました。
島ではありますが、標高数百メートルの山も多く、高台からの展望が素晴らしく、もちろん海岸で海のレジャーが楽しめます。
天草に天草四郎を中心とする天草の乱など隠れキリシタンの歴史残っているエリアですので、これも見逃せません。
交通関係は、天草五橋を使うバスが主体で、熊本市から天草市本土まで2時間30分ほど、JR三角駅からは50分ほどで行くことができます。
また、海路としては、三角港・水俣港・長崎県口之津港などからフェリーが運行されています。
その他、天草空港があり、熊本空港・福岡空港との間で空路も利用できます。
普通には阿蘇山と呼びますが、実は阿蘇五岳ともいわれるように5つの火山の集まりで、その中に中岳(標高1,506m)があります。
現在も噴煙を上げている活火山です。
ちなみに、五岳の他の山は最高峰が高岳(標高1592m=ヒゴノクニと覚えられます)で、他に根子岳・烏帽子岳・杵島岳があります。
活火山ですが、ロープウェイ(現在は代替バス、詳しく次項をご覧ください)や車で火口近くまで行くことができ、火口を覗いたり、中岳頂上までトレッキングするなど、雄大な阿蘇山を堪能できます。
中岳の火口は、直径600m、深さが130m、周囲が約4kmもある巨大なもので、活動が活発なときには入山規制が行われますが、万一に備えて避難壕も設けられています。
ローウェイの火口西駅(山頂の駅)から、すぐ近くで火口を覗くことができますが、さらにトレッキングする場合は、砂千里に設けられた遊歩道を進んで、中岳頂上に行くことができます。
なお、火山活動の状況によって入山が規制されます。
2020年10月現在でロープウェイ会社に確認したところでは、火口を覗くことができるとのことです。
中岳に行く方法には、ロープウェイとマイカーがありますが、ロープウェイについては2020年10月現在長期休止中で、代替バスの「ループシャトル」がロープウェイの乗り口から火口西駅まで運行されています。
また、マイカーでも山頂駐車場まで行くことができます。
熊本地震の影響でルートによっては阿蘇山に通行できない所もありますが、JR豊肥本線の阿蘇駅方面からは通行が可能となっています。
草千里は、ロープウェイ乗り場の手前、根子岳の北側の山麓にあり、元は火口であったところが大草原になっています。
雄大な草原に牛馬が放牧されており、のどかな風景を楽しむことができる他、草スキーをしたり、引き馬で草原を巡ることもできますので、阿蘇山へ上る途中にお立ち寄りください。
阿蘇火山博物館は草千里の一角にあり、阿蘇はもちろん世界の火山について展示・説明しており、中岳火口の様子も映像で確認することができます。
阿蘇山については、30万年前の誕生の様子から現在まで動態モデルで分かりやすく説明される他、阿蘇の自然も解説されていますので、阿蘇の理解が深まる施設です。
住所 :熊本県阿蘇市黒川
マップ: Googleマップ
アクセス :
JR豊肥本線の阿蘇駅からロープウェイ乗り場までバスで約35分、ただし肥後大津駅~阿蘇駅は震災により運休中です
バスの場合、熊本駅前から阿蘇駅前まで約2時間35分
車の場合、九州自動車道の熊本ICから約1時間
電話番号 :0967-34-0411
ループシャトルの営業時間 :3月20日から10月31日は8:30~18:00、11月1日から30日は8:30~17:00、12月1日から3月19日は9:00~17:00
料金 :ループシャトル 大人往復1,000円、小人往復500円
注意点 :ロープウェイ乗り口付近から上に行く有料道路は営業時間があり、3月20日から10月31日は8:30~18:00、11月1日から30日は8:30~17:30、12月1日から3月19日は9:00~17:00です
公式URL: 阿蘇山ロープウェイ
阿蘇神社はJR豊肥本線の宮地駅の北側にあり、同社によれば紀元前282年、孝霊天皇のときの創建とされ、日本でも有数の古い神社です。
御祭神は阿蘇を開拓した神武天皇の孫神他で、阿蘇山火口を御神体としています。
また肥後国の一宮であり、全国に500社ほどある阿蘇神社の総本社です。
宮司は現在に至るまで阿蘇氏が務め、全国的にも有数の古い家柄とされていますが、戦国時代には武士的な位置づけともなり、広大な領地を持つ勢力となっていました。
しかし、豊臣秀吉の九州平定を経て江戸時代には領地も縮小され、純然たる神社となった歴史があります。
社殿については、加藤清正や細川家などの寄進もあり、立派な社殿が揃い、6つの建造物が国の重要文化財となっていました。
ところが、熊本地震により、拝殿と楼門が倒壊するなど大きな被害を受けてしまいました。
現在復旧に向け取り組んでいる最中で、以前の姿は見られない部分もありますが、励ます意味も込めてお訪ねになられてはいかがでしょうか。
前記のように熊本地震によって被害を受けていますが、国の需要文化財となっている6つの建造物を主体にご説明します。
これらはいずれも1800年代に建築されたものです。
まず、前面には楼門を中心にして向かって右に神幸門(みゆきもん)、左に還御門(かんぎょもん)が並んでおり、中でも楼門は高さが18mもあり、2層の屋根を持つ仏閣の様式で、日本三大楼門の一つといわれています(ただし、地震で倒壊しています)。
楼門の後ろには拝殿があり(ただし、地震で倒壊しています)、更に3つの神殿が並んでおり、一の神殿・二の神殿・三の神殿と呼ばれますが、千鳥破風造りや回廊を持った荘厳な建物となっています。
上記の内、拝殿以外が重要文化財となっています。
このように、地震で被害を受けているため拝殿などには立ち入ることができませんが、すぐ近くに仮拝殿が設けられ参拝できるようになっています。
拝殿の右手には古くから「神石=願掛け石」があり、この石を3回なでてから願いごとを唱えると一つだけ願いが叶えられるという パワースポット となっています。
また、「縁結びの松」があり、女性は右りに2回、男性は左回りに2回まわると縁が結ばれるといわれ、特に女性に人気ですので、よろしければお参りください。
阿蘇山の周りは湧き水が豊富なことで知られていますが、阿蘇神社の門前町にも沢山の湧き水があり、「水基」と呼ばれて大切にされています。
商店などでふるまわれていますので、巡り歩くのも趣があります。
ボランティアガイドさんもいますので、お願いするのもオススメです。
住所 :熊本県阿蘇市一の宮町宮地3083-1
マップ: Googleマップ
アクセス :JR豊肥本線の宮地駅から徒歩約15分、ただし肥後大津駅~阿蘇駅は震災により運休中です
バスの場合、熊本駅前から宮地駅前まで約2時間40分
車の場合、九州自動車道の熊本ICから約1時間30分
電話番号 :0967-22-0064
定休日 :年中無休
参拝時間 :6:00~18:00
拝観料:無料
参考情報 :阿蘇神社からは南の方向、阿蘇山の北側に「仙酔峡」があり、5月中旬から6月上旬にミヤマキリシマが見事に咲くことでオススメです。
公式URL: 阿蘇神社
カドリー・ドミニオンはJR豊肥本線の阿蘇駅から徒歩20分ほどの所にある、動物園・テーマパークです。
もともとはクマ牧場としてスタートし、現在では世界のクマ7種類約180頭が飼育されている他、ダチョウ・ウマ・チンパンジー・犬・ネコなど100種類ほどの動物がいます。
「カドリー・ドミニオン」は英語で、「抱きしめたくなるような動物がいる所」という意味で、同園のコンセプトとしては、地球と人と動物が楽しく共生していくことを目指しています。
さらに、テレビでおなじみの志村動物園のパンくんやジェームズくん他の動物がいることで人気のスッポットとなっており、子供だけでなくカップルなども十分楽しめますので、お立ち寄りください。
パンくんなどの飼育をしている宮沢さんがプロデュースする「みやざわ劇場」はカドリー・ドミニオンの目玉の一つですのでご覧ください。
平日は11:30、13:30、15:30から動物ショーとして公演されており、土曜・日曜・祝日にはパンくんの子供であるプリンちゃんも加わりドラマ仕立てで公演されます。
このショーは無料ですが、パンくんは出演しません。
「パンくん」は大人になったため、「チンパンジーの学習の森」というコーナーに入っており、ガラス越しに会うことができます。
テレビでも志村園長がやっていましたが、呼び掛け用の穴があって、呼び掛けるとサービス精神(?)旺盛なパンくんが近寄ってくることもあるようです。
他に、「ベアバレー」にはツキノワグマやグリズリーなど6種類約160頭のクマが飼育されており、空中に設けられた透明の通路などから観察し、餌やりなどをすることができます。
「こぐま広場」では赤ちゃんこぐまと直接ふれあうことができ、滅多にない体験をすることができます。
2018年3月には、ここにデビューした赤ちゃんこぐまたちがNHKテレビの全国ニュースでも紹介されていました。
「カピバラの池」には7頭のカピバラがおり、ふれあったり餌やりができる他、「わんわん広場」ではトイプードル・パグなど世界の18種類44頭の犬がおり、小さい子供でもふれあうことができます。
同園からヘリコプターで遊覧飛行ができますので、阿蘇の上空を散歩してみてはいかがでしょうか。
きっと忘れがたい経験となることでしょう。
他に乗馬体験もでき、初心者でもスタッフが付き添い安全に誘導しますので、カップルでトライするのも素敵ですね。
園内にはメタセコイヤの並木もあり、2人で静かに散策するなど、大人向けのスペースもあります。
大観峰はカドリード・ミニオンの北の方向に車で20分ほどの所にあり、阿蘇外輪山の中で最高峰(標高9236m)で、大カルデラとその向こうに聳える阿蘇五岳の風景は絶景です。
昼間の雄大な風景だけでなく、朝夕や雲海のときなどが特に神秘的となりますので、そういうタイミングがありましたらぜひご覧ください。
なお、大観峰という名前は阿蘇山の姿が釈迦涅槃像に似ているといわれ、そこから明治から昭和のジャーナリスト・評論家の徳富蘇峰(熊本出身)が大観峰と名付けたものです。
住所 :熊本県阿蘇市黒川2163
マップ: Googleマップ
アクセス :
JR豊肥本線の阿蘇駅から徒歩で約20分、ただし肥後大津駅~阿蘇駅は震災により運休中です
バスの場合、熊本駅前から同園前まで約2時間30分
車の場合、九州自動車道の熊本ICから約50分
電話番号 :0967-34-2020
定休日 :12月~2月の火曜日・水曜日、ただし冬休み・祝日は営業
営業時間 :夏季は9:30~17:00(土曜・日曜・祝日は17:30)、冬季(2018年10月15日から)は10:00~16:30
料金 :高校生以上2,400円 小学・中学生1,300円 3歳以上700円
公式URL: 阿蘇カドリー・ドミニオン
阿蘇山の周辺には、火山の恩恵を受けた数多くの温泉が湧き出ています。
阿蘇を訪れたなら、温泉宿に宿泊するのがおすすめです。
阿蘇内牧温泉は、JR豊肥本線の阿蘇駅から北に6kmほどの田園地帯にある 温泉 です。
古くから温泉地として知られており、阿蘇には沢山の温泉地がありますがその中で内牧温泉は最も規模が大きく、30軒ほどの温泉宿があります。
内牧温泉は、他の温泉地のように温泉宿が密集して温泉街を作るのではなく、宿は点在しています。
いずれにしても、大きな阿蘇カルデラの中の平原で、阿蘇山や外輪山に囲まれつつ温泉に癒やされる所であり、また阿蘇山その他に行動するのに便利なロケーションにありますので、オススメしたいスポットです。
源泉は80か所あり、湯量も豊富で、7軒ある共同浴場も源泉かけ流しです。
入船は「温泉に癒やされ、お部屋で寛ぎ、美食に喜ぶ」をモットーとする和風旅館で、温泉については3つの泉質の温泉を楽しめる珍しい施設です。
客室は露天風呂付きデザイナーズ客室で、食事は自家菜園の食材を使用する創作料理を個室で頂くなど、こじんまりとして満足度の高い宿となっています。
料金は13,000円台からと比較的リーズナブルです。
住所 :熊本県阿蘇市小里834-2
マップ: Googleマップ
アクセス :JR豊肥本線の内牧駅から徒歩約10、ただし肥後大津駅~阿蘇駅は震災により運休中です
バスの場合、熊本駅前から阿蘇駅前まで約2時間35分、そこから内牧までバスで約8分
車の場合、九州自動車道の熊本ICから約55分
電話番号 :0967-32-0781
料金 :2名利用の場合1泊2食付き1人13250円~
公式URL: 湯の宿 入船
黒川温泉は阿蘇の中でも北東の角、大分県との県境に近い所にあり、一帯は瀬の本高原と呼ばれる山間地で、そこを流れる田の原川の渓流沿いに30軒ほどの温泉宿が並んでいます。
古くから傷に効く温泉として知られる秘湯でしたが、やまなみハイウェイなど交通の発達により、広く知られるようになりました。
特に渓谷に沿った湯治場の風情の残る佇まいが女性に人気となり、地元としてもその景観を大切にして、観光客をもてなしています。
泉質は硫化物含硫黄泉で、ほとんどの宿が露天風呂をもっていますが、入湯手形で他の宿の温泉を巡ったり、名物の共同浴場も楽しむことができます。
黒川温泉の奥まった所にある深山の山荘という趣の宿で、宿に入ったときの雰囲気としては田舎の家に帰ってきたような感じがします。
露天風呂は渓流に沿った所に男性用の幽谷の湯、女性用に森の湯があり、内湯から露天風呂のエリアへ入るには裸の散歩道ともいわれる所を通っていくのもユニークな体験となります。
部屋は全21室で、和室ですがいろいろなタイプがあり、一部はお風呂がないものもあります。
住所 :熊本県阿蘇郡南小国町黒川温泉
マップ: Googleマップ
アクセス :バスの場合、熊本駅前から熊本空港経由約2時間50分、他に福岡、大分などからもバスあり
黒川温泉近くのバス停から旅館までは迎えあり
車の場合、九州自動車道の熊本ICから約1時間30分
電話番号 :0967-44-0336
料金 :2名利用の場合の1泊2食付き1人18510円~
公式URL: 山みず木
菊池渓谷は、阿蘇山の北西部、大観峰の山麓辺りから流れる川が渓谷を造っているもので、菊池市から阿蘇市にまたがる広大なエリアを指します。
また、菊池川の源流域であり、菊池水源とも呼ばれますが、渓谷や清流が造る滝や淵・瀬などの美しさから究極の渓谷美ともいわれるほどです。
一帯にはブナ・カエデ・ケヤキなどの原生林が生い茂り、森は森林浴の森百選や水源の森百選に選ばれ、水は日本の名水百選に選ばれるなど、さまざまな分野で評価される貴重なエリアといえます。
今まで観光開発などがあまり行われていない所ですが、遊歩道は整備されており、四季それぞれに楽しむことができますので、この方面に行く機会があればぜひお立ち寄りください。
傍らを九州自然歩道が通っており、また県道の菊池阿蘇スカイラインが通っているなど、これらと結びつけて楽しむこともできます。
熊本地震で一時立ち入りが規制されていましたが、今は開放されていますのでご安心ください。
菊池市街から16kmほどの所に渓谷の入り口があり、渓谷そのものは約4km続きますが、入り口付近に遊歩道が設けられていますので、その辺りを散策するのがオススメです。
なお、現地では散策コースが設定されており、「癒やしコース」は、往復約1km、所要時間30分ほどのコースで、もう一つの「マイナスイオン満喫コース」は往復約2km、所要時間1時間ほどとなります。
四季を通して自然を楽しめますが、新緑の素晴らしさは格別で、それは秋の紅葉の美しさに変わります。
さらに、この辺りは標高が数百メートルあるため夏は涼しく、平均水温は13℃など避暑地となります。
冬には樹木が霧氷で化粧されますので、寒いですがこれも見応えがあり四季を楽しめる所です。
菊池渓谷には沢山の滝があり、マイナスイオンがいっぱいですが、代表的な滝は「四十三万滝」です。
四十三万滝(よんじゅうさんまんだき)は、日本の滝百選にも選ばれている名瀑ですが、名前の由来については、新聞社が滝の名前を公募したところ43万票集まったとか、水の量が43万石であるとかいわれていますが、はっきりしたことは不明です。
その他にも、黎明の滝・掛幕の滝など多くの滝があり、滝以外に紅葉ケ瀬や広河原などのポイントがあります。
さらに、夏には滝から立ち上る水蒸気に木漏れ陽が線状に射し込む光芒が見られ、広河原などがカメラマニアの人気のスポットとなっています。
菊池市の中心部には菊池城跡があります。
菊池城は古くは隈府城(わいふじょう)といいましたが、この地方で鎌倉時代から戦国時代にかけて大きな勢力を持っていた菊池氏の居城だった所です。
お城そのものの遺構はほどんとありませんが、城跡一帯が菊池公園になっていて、その中に菊池神社や歴史館があり、ゆかりの品物などが展示されています。
なお、菊池市について、昔はこの城下町は肥後北部の農産物の集散地であり、熊本と大分県の日田を結ぶ街道の要衝でもあるなど小京都と呼ばれたほど栄えた所です。
住所 :熊本県菊池市原5026(受付所在地)
マップ: Googleマップ
アクセス :菊池市中心部から車で約25分、九州自動車道の植木ICから約50分、大観峰から約30分
電話番号 :現地受付0968-27-0210 菊池市観光協会0968-25-0513
営業時間 :
4月から11月の8:30~17:00は管理人がいます
その他の期間・時間は無人ですが入場はできます
料金 :維持管理金として高校生以上に1人100円をお願いしています
八千代座は明治時代に建てられた古い様式の芝居小屋で、国の重要文化財に指定された貴重な施設です。
現在も公演などに使われていますが、見学もでき、舞台の奈落なども観ることができます。
建物の経緯をご紹介すると、明治時代の山鹿は物流や山鹿温泉などで栄えており、町の有力者たちが組合を作り、芝居小屋を作ることになりました。
そして、地元の人の設計・施工により1910年に完成し、大歌舞伎がこけら落としの公演をしました。
その後、演劇や音楽のコンサート・学芸会などさまざまに利用されてきましたが、テレビなどの影響で下火となり、1973年に一旦閉館してしまいました。
建物は山鹿市に移管されましたが、一方では老朽化も進んだため、数年後に募金活動などで修復する動きが起り、大修理も行われなど地元の熱意があって、現在の姿になっています。
八千代座の本体に併設して、「夢小蔵」という展示施設もあり、両方を案内人の説明で見学することができます。
ただし、八千代座が公演などで見学できない場合は、夢小蔵だけの見学となります。
見学ではマス席に座り、説明を聞いたり館内を眺めることから始まります。
そして、花道や回り舞台・楽屋などを観たら、下に移り奈落では人力で回り舞台を回したり、迫り(せり)の仕組みも観ることができます。
以上のような所を30分ほどで見学しますが、江戸時代や明治時代にタイムスリップしたような経験をお楽しみください。
夢小蔵は、八千代座の見学の受付もする所ですが、その中には八千代座や山鹿市の歴史やゆかりの品物・資料が展示されています。
また、坂東玉三郎さんが公演されたときの様子がなども紹介されていますのでご覧ください。
夢小蔵だけの見学の所要時間は15分程度です。
山鹿温泉は山鹿市の中心部にある温泉で、平安時代から利用されていたといわれる歴史があり、昔、鹿が葦原の湯に浸かっていたことから、「山鹿」の地名が使われるようになったとも伝えられています。
温泉宿は20軒近くあり、さらに立ち寄り湯も数軒あり、300円程度で利用できます。
泉質はアルカリ性単純泉で、湯量は豊富であり、浴用の他に洗濯などにも使われており、昔から「山鹿千軒たらいなし」ともいわれているほどです。
住所 :熊本県山鹿市山鹿1499番地
マップ: Googleマップ
アクセス :JR九州新幹線の新玉名駅からバスで約30分
車の場合、九州自動車道の菊水ICから約15分
電話番号 :0968-44-4004
定休日 :毎月第2曜日 12月29日~1月1日
料金 :大人530円 小人220円
公式URL: 八千代座
山鹿灯籠祭りは、お盆のときに千人もの女性が頭に金灯籠(かなどうろう)を乗せて踊るロマンにあふれたイベントで、熊本県を代表する風物詩です。
灯籠のいわれは定かではありませんが、有力な説は「景行天皇(日本武尊命の父)がこの地を巡行して道に迷ったときに、松明を灯して案内し喜ばれた」というもので、現在は大宮神社の例祭として行われています。
なお、昔は松明を使っていましたが、室町時代に和紙工芸が盛んになり金属の灯籠を和紙で作った「金燈籠(かなどうろう)」が使われるようになり、さらに女性の頭に乗せて踊られように変化してきたものです。
灯籠は大きな奉納灯籠もあり、神社などを和紙で精巧に作っていますが、5月頃から8月の燈籠祭りに向けて心血を注いだ作品となっています。
本番はお盆ですが、年間を通して灯籠を展示している「山鹿灯籠民芸館」があり、また前記の八千代座で山鹿灯籠踊りを披露するイベントも行われます。
千人踊りで使われる金燈籠の他に、奉納灯籠である神殿造り・城造り・座敷造りなどの豪華作品が展示されています。
また、灯籠師が実際に制作する所も見学できる興味深い所ですのでオススメします。
建物は旧安田銀行山鹿支店だったものですが、ロマネスク風のデザインであり、国の有形文化財に登録されています。
山鹿踊りが含まれるイベントが次のようにありますので、タイミングが合えばご覧ください。
「山鹿風情物語」として、山鹿灯籠踊りと山鹿太鼓のコラボが八千代座で行われます。
それと共に「山鹿灯籠浪漫・百花百彩」として灯りが灯され、この会場は八千代座の他、豊前街道・湯の端公園などで行われます。
このイベントは毎年時期が異なりますので、詳しくは山鹿観光協会(電話番号0968-43-2952)にお尋ねください。
住所 :熊本県山鹿市山鹿196番地(大宮神社)
マップ: Googleマップ
アクセス :
R九州新幹線の新玉名駅からバスで約30分
車の場合、九州自動車道の菊水ICから約15分
八千代座とは500mほどの距離です
電話番号 :0968-44-1257
グリーンランド・リゾートとは、荒尾市にある大型遊園地やホテル・ゴルフ場などがある総合レジャー施設です。
なだらかな丘陵地帯の250万㎡もある広大な敷地に沢山の施設が展開され、「遊びのすべてがここにある」をモットーに運営されています。
そして、年間300万人(同園のホームページ)もの人が集まる九州屈指の人気スポットとなっている所です。
全部で81種類のアトラクションがありますが、主なものは次のようなものです。
まず、観覧車は高さが105mで世界最大級であり、さらに丘陵の上に建っていますので上からの眺めは格別で、雲仙岳から阿蘇外輪山まで見渡すことができます。
次にジェットコースターは10種類あり、特に「NIO(ニオー)」は吊り下げ式で最強といわれ、また立ち乗りの「ミルキーウェイ」は彦星と織姫の出会いをイメージさせるなど、人気のコースターが並んでいます。
その他、「ドラゴンリバー」のように400mの激流下りのスリルを楽しむものや、急流すべりの「パニックジャングル」・2人乗りゴーカートなどでも楽しむことができます。
その他にも、ゲーム関係ではシューティング・アーチェリー・各種ゲーム機などが満載となっており、もちろんレストランや多数のショップも整っています。
カップルなどのためには、同園は「恋人の聖地サテライト」に認定されており、公式モニュメントやその他にもいろいろな仕掛けがあります。
季節によりイルミネーションや花火大会などのイベントもありますので、お出掛けのときはご確認ください。
広い場内を移動するのにはロードトレインを利用できるのも便利になっています。
遊園地に隣接して2つのオフィシャルホテルとしてホテルヴェルデとホテルブランカがあり、どちらも遊園地へ行くのに大変便利です。
どちらでも温泉が利用でき、ホテルヴェルデ内の温泉は宿泊者でなくても日帰り入浴ができます。
住所 :熊本県荒尾市緑ケ丘
マップ: Googleマップ
アクセス :JR鹿児島本線の荒尾駅からバスで約12分、大牟田駅から約20分、グリーンランド正門前下車
車の場合、九州自動車道の南関ICから約20分
電話番号 :0968-66-1112
定休日 :年中無休
営業時間 :基本は9:30~17:30、イルミネーション実施の場合は21:00まで
料金 :高校生以上入場料1,700円(フリーパス3,900円)、3歳以上中学生以下で身長120cm以上は入場料900円(フリーパス3,700円)、120cm未満は入場料900円(フリーパス2,700円)
公式URL: グリーンランド
熊本城は、熊本市に行ったらぜひ訪ねたい三名城の一つで、JR熊本駅からは約2km離れた、台地の先端部にあります。
日本三名城という場合諸説ありますが、熊本城を挙げることが多く、他に江戸城・名古屋城・大阪城などが挙げられます。
熊本城は前記のように戦国の武将(トラ退治などで有名)の加藤清正が1591年から築城したもので、その以前には台地の下に「隈本(くまもと)城」というものがあったのを、新しいお城を造り名前も熊本城と改めたものです。
加藤清正は築城の名手といわれ、実戦的にも優れ、見た目にも美しいと高く評価され、加藤家の後は細川家の居城として幕末まで使われました。
ところが、1877年(明治10年)に西郷隆盛を盟主とする勢力が明治政府と戦った西南戦争が起り、熊本城は政府軍の拠点となり激しい攻防戦が行われ、そのとき天守などが焼失してしまいました。
從って、現在の天守は立派なものですが再建されたものです。
幸い、その他の櫓や石垣・長塀などは当時のものが残り、13もの建造物が国の重要文化財に登録されています。
しかし、2016年の熊本地震により、熊本城の多くの建造物が大きな被害を受けてしまい、例えば天守の屋根が大きく破損する、飯田丸五階櫓の土台が崩れる、石垣や長塀がかなり崩壊したりしました。
現在もなお修復作業が進められていますが長期間にわたるようで、立ち入り禁止個所なども多数あります。
また、修復作業中ならではの、特別公開などもあるので、 公式サイト にてご確認ください。
天守は城内の最高点(海抜49m)に建てられ、大天守と小天守がありますが、1960年にコンクリート製で再建されたものです。
大天守の構造は3層6階で、白壁と黒の下見板が美しい建物で、再建ではありますが熊本城のシンボルとなっています。
上に上ると熊本市街が一望でき、オススメしたいところですが、屋根がかなり傷んでおりしばらくは立ち入りできませんので、周りから眺めるだけとなります。
櫓は監視所であると共に、攻めてくる敵を攻撃する拠点となる所で、熊本城には10か所ほどの櫓がありましたが、宇土櫓はその代表的なものです。
この櫓は3層5階で第3の天守閣といわれるほど、堂々たる構えで築城当時の姿を伝えるものですが、幸い熊本地震でもほとんど被害がなく、この堅牢さも評価されています。
なお、宇土櫓から南よりにある飯田丸五階櫓は地震で土台が崩れ、石垣の一角を1本足で支えるような光景がニュースで報道されましたが、懸命の復旧作業が続けられています。
熊本城の南側(熊本市役所側)の外堀(坪井川を利用)に沿って長塀が設けられています。
長さが242mもあり、日本一長い堀建築物といわれ、また桟瓦・白壁・下見板・石垣の構造は美しきもあり、国の重要文化財となっています。
地震により約80mが崩壊しています。
熊本城の築城当時の石垣は、下の方は緩やかですが上は傾斜がきつくなり、攻めてくる武者が登れないようになっていて、武者返しの石垣と呼ばれています。
これは加藤清正が近江から石工を連れてきて造らせたといわれ、美しくもあり、また地震でも多くは崩れなかったという優れものです。
加藤神社は熊本城の一角にある神社で、加藤清正を祀っています。
天守とも近く、結婚式の前撮りにも人気となっていますが、現在も修復工事中の天守を近くから眺めることができます。
境内には、熊本城築城時に加藤清正が手植えしたといわれる銀杏の木他があります。
2019年10月5日より、修復工事のない日曜、祝日に復旧が進む熊本城天守閣の大天守外観復旧を記念し、特別公開第1弾がスタート。
また、2020年6月1日より、地上6mの高さを通る「特別見学通路」が完成し、特別公開第2弾がスタートしています。
天守閣の中には入れませんが復興応援の意味も込めて、ぜひ訪れてみてください。
穴場情報として、熊本城の南側にある熊本市役所の14階に展望ロビーがあり、熊本城を眺める絶好のスポットです。
※合わせて読みたい: 日本三名城のひとつ・熊本城の魅力を解説!周辺のおすすめのグルメスポットやお土産もご紹介
住所 :熊本市中央区二の丸1番1-1号
マップ: Googleマップ
アクセス :
JR九州新幹線など熊本駅から、市電で約10分、熊本城周遊バスで約23分
車の場合、九州自動車道の植木ICから約40分
電話番号 :096-288-5600
定休日 :城彩苑の一部施設は年末休みあり
営業時間 :駐車場8:00~22:30 売店9:00~19:00 飲食11:00~22:00
公式URL: 熊本城
水前寺成趣園は単に水前寺公園ともいわれますが、熊本市街の南東方向にあり、面積69万平方メートルもある公園です。
熊本市は阿蘇の伏流水が豊富で、この水前寺成就園も湧き水を利用した池泉回遊式の庭園として高く評価され、熊本城と共に熊本市を代表する観光スポットとなっています。
同公園の始まりは、肥後藩の細川家の初代当主の細川忠利がこの地を気に入り「水前寺」を建立したことからです。
後にお寺は他所に移され、この地にお茶屋ができ、細川家3代目から別邸として庭園などを整備していったと伝えられています。
庭園の他に、古今伝授の間や出水神社など見るところもありますので、ゆっくりお楽しみください。
なお、「成趣」は、中国の詩人の陶淵明の「帰去来」の中の言葉です。
ちなみに、熊本出身の歌手の水前寺清子さんの芸名もこの公園にちなんで名付けられています。
この庭園は東海道五拾三次にちなんだ配置になっていて、池を太平洋に見立て、富士山とされる築山も配しています。
その他浮石や松の木・芝生などで、東海道の雰囲気を表現し、また、湧き出る水は年中枯れることもなく、国の指定史跡・名勝となっています。
熊本地震で湧き水が一時出なくなりましたが、幸い回復しています。
この茅葺きの風情ある建物は、元は京都御所内にあったものを1912年にここに移築したもので、細川忠利の祖父の幽斎が、桂宮智仁親王に古今和歌集を伝授したという由緒あるものです。
古今伝授の間として現存する唯一のもので、熊本県の重要文化財となっていますが、ここからの眺めが同公園のベストポジションであるといわれています。
現在はお菓子メーカーの「香梅」が施設を管理しており、有料で抹茶とお茶菓子を頂くことができます。
同園にあった茶店は西南戦争で破壊されてしまい、その跡地に細川家の当主を祀ろうとして創建されたのが、出水神社です。
当初は三代の当主だけでしたが、その後歴代となり、ガラシャ夫人も祀られています。
住所 :熊本市中央区水前寺公園8-1
マップ: Googleマップ
アクセス :
JR旧新幹線など熊本駅から市電で約35分、水前寺公園下車、徒歩約5分
あるいは、豊肥本線の新水前寺公園駅から徒歩約10分
車の場合、九州自動車道の益城熊本空港ICから約20分
電話番号 :096-383-0074
定休日 :年中無休
営業時間 :3月~11月は7:30~18:00、12月~2月は8:30~17:00
料金 :高校生以上400円 小・中学生200円
公式URL: 水前寺成趣園
上の写真は熊本城から北東方向を眺めた風景ですが、市街地の向こうにある小山・丘陵が立田山(標高152m)とその山麓で、そこに泰勝寺跡などがあります。
ちなみに、その手前には國立熊本大学や県立済々黌高校などがあります。
泰勝寺は、細川家の先祖の菩提所で、明治時代の神仏分離により廃寺となりましたが、ガラシャ夫人を含めてお墓や茶室などが残っています。
また、その一帯が立田自然公園となり、細川家のゆかりをしのんだり、静かな自然を楽しむ、市民の憩いの場となっています。
さらに、奥の方は「立田山憩いの森」となっており、スギやアカマツなどの林の他天然記念物の「立田山八重クチナシ」も生えています。
公園には遊歩道が整備されていますので、時間があれば散策をお楽しみください。
泰勝寺は、肥後細川家の初代の細川忠利が、先祖の霊廟をそれまでの領地であった小倉から当地に移して、お寺を創建したものです。
祀られたのは忠利の祖父母と父の細川忠興・母の細川ガラシャです。
ガラシャ夫人は明智光秀の娘で、本名を玉といいますが、忠興に嫁いだ後に熱心なキリシタンとなり、後に石田三成らに襲われたときに自刃し、殉教者として海外にも知られています。
悲劇の女性として人気があり、ここのお墓にも花を手向ける女性が訪れています。
生涯敗れることがなかった剣豪の宮本武蔵は晩年を熊本で過ごし、兵法の「五輪の書」も熊本で書き上げましたが、泰勝寺跡に供養塔(五輪の塔)があります。
これを武蔵の墓という意見もありますが、少し東に「武蔵塚」という墓もありますので、真偽は分かりません。
供養塔は熊本地震でも崩れることがなく、さすが武蔵ともいえるようです。
仰松軒は大正時代に造られた茶室ですが、茶人としても知られた細川忠興(ガラシャの夫)が原図を描いたといわれる天龍寺の茶室の図面を基にしたもので、現在も茶席として使われています。
屋根は寄棟の茅葺きで、自然の中に静かに佇んでおり、軒下の手水鉢は千利休や豊臣秀吉も使ったと伝えられています。
住所 :熊本市中央区黒髪4-610
マップ: Googleマップ
アクセス :
JR九州新幹線など熊本駅からバスで約30分、立田自然公園で下車徒歩約10分
車の場合、九州自動車道の熊本ICから約25分、JR九州新幹線など熊本駅から約25分
電話番号 :096-344-6753
定休日 :12月29日~12月31日
営業時間 :8:30~17:00
料金 :高校生以上200円 小・中学生100円
藤崎八旛宮は熊本城から数百メートル東にあり、古くから朝廷と関わりが深く、また熊本城の鎮守社となっていた神社です。
創建は935年で、朱雀天皇が平将門の乱を鎮めるために石清水八幡宮を国家鎮護の神とし、他に分社を置いたものの一つが藤崎八旛宮であるとされています。
当初の場所は、熊本城の西側の茶臼山(現・藤崎球場)で、勅使が鞭を地面に刺したところ藤の木が育ったため、藤崎八旛宮と呼ばれるようになったと伝えられています。
名前の「旛」の文字については、16世紀に後奈良天皇が扁額を書かれたときの文字で、その後その文字が使われるようになりましたが、とにかく朝廷とのつながりが深い神社で、また藩主の加藤家・細川家からも多くの支援を受けてきました。
しかし、明治になって西南戦争のときに、熊本城と隣接していたため神社の社殿は焼失してしまい、その後に現在地に再建されたという経緯があります。
広い境内を進むと鳥居があり、額に「藤崎八旛宮」と書かれています。
これは複製ですが、前記のように後奈良天皇の御真筆の文字をご覧ください。
主祭神は三神あり、まず「応神天皇」は最高の武と神であり、出世開運の神とされています。
次に「住吉大神」は厄払いや交通安全の神であり、さらに「神功皇后」は応神天皇の母であり、子宝・安産・子育てに霊験があるといわれています。
拝殿は本殿・拝殿・申殿・神楽殿・回廊などが朱色に塗られて壮麗に立ち並んでいますが、前記のように西南戦争後の再建はスムーズには進まず、現在の姿になったのは1985年の鎮座1050年式年のときであったとされます。
また、境内には多くの摂社・末社も祀られています。
まず、後奈良天皇の御真筆の扁額と綸旨が伝えられています。
他に木造「僧形八幡神坐像」があり、これは神でありながら僧侶の姿という珍しいもので、国の重要文化財となっています。
さらに、木造「女神坐像」も前髪の宝冠に阿弥陀如来が描かれており、これも国の重要文化財となっています。
その他具足類も熊本県の文化財となるなど、貴重なものが保存されています。
数多くある例祭の中でも、秋の例大祭は「放生会」とか「随兵」とか呼ばれ盛大に行われています。
祭りは境内だけでなく市中も含めて、武者行列、飾り馬、神輿などが朝と夕に往来する華々しく、また勇壮なものですので、機会があればご覧ください。
クライマックスは9月16日以降の休日、もしくは祝日に開催されることとなっています。
住所 :熊本県熊本市中央区井川渕町3-1
マップ: Googleマップ
アクセス :JR九州新幹線など熊本駅前から市電で約15分水道町電停下車、徒歩約15分
車の場合、九州自動車道の熊本ICから約20分
電話番号 :096-343-1543
定休日 :年中無休
拝観時間 :基本9:00~17:00
拝観料:無料
公式URL: 藤崎八幡宮
通潤橋は、阿蘇の外輪山の南側、益城郡山都町を流れる五老ケ滝川(緑川の支流)に架かる石造のアーチ橋で、国の重要文化財となっています。
造られたのは江戸時代末期の1854年で、当地の庄屋が川の反対側に水を流して開墾するために、橋を架けて上に水路を設置したものです。
橋自体が美しい上に、橋の上から放水する光景が評判を呼び、人気の観光スポットとなっています。
なお、通潤橋を含めた一連の用水は農林水産省の日本の疏水百選に選ばれ、付近の棚田風景も含めて国の重要文化的景観に選ばれるなど、いろいろな角度から評価されています。
しかし、熊本地震の影響で通潤橋近くへの立ち入りが一部禁止され、また放水も中止されていましたが、現在は無事に再開されています。
通潤橋は石を積み上げたものですが、橋の長さは75.6m、幅は6.3m、高さは20.2mもあり、また上部には石造りの水路が3本設置されています。
当時の石造りのアーチ橋としては日本最大級であり、技術的にも、美的にも高いレベルにあり、熊本城の石垣などを造った肥後の石工の技の素晴らしさが発揮されています。
橋の上を人が通ることができ、また下からも見上げることができますので、一日も早く立ち入り禁止が解除されることを願いたいですね。
橋の中央部には水路の水を抜くための放水口が両側に設けられており、農業に差し支えない時期に20分間程度の放水が行われます。
これは水路のゴミを取り除くために行うものですが、高い橋の上から放物線を描いて落ちる放水の様子は大変豪快であり、これを目当てに遠方からやってくる観光客も多くなっています。
放水のスケジュールは こちらから チェックしてください。
通潤橋を正面から眺められる所に、道の駅「通潤橋」があります。
場所は、国道218号線と国道445号線が接する所で、施設としてはレストラン・売店の他通潤橋のことなどを展示した資料館などがあります。
住所 :〒861-3661 熊本県上益城郡山都町長原
マップ: Googleマップ
電話番号 :0967-72-1158
熊本県は阿蘇山の伏流水が多くの所で湧き出していますが、嘉島町にも沢山の湧水があり、「六嘉湧水群」(あるいは下六嘉湧水群)といわれています。
六嘉というのは地名で、六嘉神社という神社もあります。
湧水群の中の一つが「浮島」と呼ばれる池で、一角に「熊野坐神社」とその森があり、その姿が浮島(実際は島ではありません)のようであることからこの一帯を「浮島」と呼ぶようになり、地元では「浮島さん」と親しまれています。
浮島は国の「平成の名水百選」に選ばれ、浮島周辺水辺公園ともなっており、静かに散策するにはオススメです。
池の面積は約3ヘクタールあり、湧水量は1日約13万トンといわれ、水温は年間を通して18℃です。
池にはヒメバイカモ・ヒラモという希少植物が見られ、他にチガヤやヨシ・セキショウ(石菖)などが植生しています。
さらに、メダカやオヤニラミなどの魚も棲息しており、水質が良いことの証でもあります。
その他、野鳥も季節にもよりますがカイツブリ・カモ・カワセミなどの姿が見られるなど、自然を楽しむことができる所です。
この池の水は周辺の農業用水などにも使われており、水質の維持には地元のボランティアが活動されています。
浮島神社(正式には浮島熊野坐神社・くまのますじんじゃ)は、イザナギ・イザナミの両神を御祭神としており、1001年の創建以来続いている由緒ある神社です。
社伝によると当時の領主に熊野権現から夢でお告げがあり、その通り屋敷の北山を崩したところ湿地の水が集まり、湿地が農地に変わったことから、神社を建立したということで、浮島池の出現につながるお話です。
ご利益については、御祭神は日本で最初に結婚した神であり、良縁・安産から開運などに霊験あるとされ、またお守りにはユニークなもの、例えば「釣りの浮き」の形をしたものもあります。
同神社は熊本地震により鳥居や狛犬などに被害があり、参拝はできますが、復興への支援を要請しています。
住所 :熊本県上益城郡嘉島町井寺2828
マップ: Googleマップ
アクセス :熊本市電の健軍停留所からタクシーで約10分
車の場合、九州自動車道の御船ICから約7分
電話番号 :096-237-1437
拝観時間:参拝は自由
公式URL: 浮島神社
御輿来海岸は、宇土半島の北側の島原湾(有明海)に面した海岸で、潮が引いた時は沖合約2kmまで干潟が現れますが、その風景が素晴らしい所として、日本の渚百選や夕陽百選に選ばれている所です。
「御輿来」の由来は、4世紀に景行天皇が九州巡行で当地を通りかかったときに、海岸の様子が美しかったために輿を停めて眺められたことから、そう呼ばれています。
同海岸は、遠浅の海と、対岸に雲仙普賢岳が見える景色の良い所ですが、美しい干潟は数キロメートルにわたる海岸から眺められ、一帯は御輿来海岸自然公園ともなっています。
有明海は潮の干満差が激しい所として知られ、差が大きい所では6mほどの差があるといわれます。
そして、この御輿来海岸では潮が引くときに、波と風によって三日月型などの模様(砂紋)が現れ、自然の彫刻ともいわれていますが、特に夕陽と重なるときが最高で、多くのカメラマンが集まってきます。
眺めるタイミングとしては、干潮のピークから前後1時間ほどが良いといわれています。
干潮と夕陽が重なるのは年間に十数回とされますので、このことを重視される場合は事前に確認する必要があります。
数キロにわたる海岸で干潟を眺めることができますが、車の駐車スペースなどオススメの所をご紹介します。
一つは「干潟景勝の地」と呼ばれる所で、JR三角線の網田駅から南西方向、天草街道(国道57号線)から海岸方向に少し進んだ所です。
グーグルマップでは海中に御輿来海岸がマークされており、天草街道の「干潟景勝の地」の看板は小さいので分かりにくいかもしれませんが、訪ねてみてください。
もう一つは前記の「景行天皇聖蹟記念碑」のある所で、上記の「干潟景勝の地」から500mほど南西方向の天草街道沿いですので分かりやすい所です。
さらに上記記念碑から南西に進むと道の駅・海の駅「宇土マリーナ」があります。
ここは御輿来海岸の隣となりますが、島原湾と雲仙岳などを眺めることができ、休憩スポットともなりますので、よろしければご利用ください。
住所 :熊本県宇土市下網田町
マップ: Googleマップ
アクセス :
JR三角線網田駅から徒歩約15分
車の場合、九州自動車道の御船ICから約40分
電話番号 :0964-22-1111(宇土市商工観光課)
宇土半島の先端の宇城市三角地区は、三角ノ瀬戸を挟んで向こう側は天草の大矢野島となる所ですが、明治時代に港が造られ栄えました。
その後に東側にもう一つ港が造られましたので、明治に造られた港は三角西港(あるいは旧港)、新しい方は三角東港(あるいは新港)と呼ばれています。
この三角西港は、明治政府・熊本県が殖産興業のために熊本県に近代的な港を造ろうとして、オランダ人技師のムルドルに土地の選定から築港まで指導してもらったものです。
完成・開港は1887年で、日本の近代的な港としては最初のものですが、その後、海運・流通の拠点として大いに栄え、裁判所・商船学校・海上保安庁や洋風の建築物が多数建設されるなどしました。
しかし、西港は背後に山があって敷地の拡張が難しいために、東港が整備され、さらにJR三角線が東港につながるなどして、三角西港はあまり使われなくなってしまいました。
その結果の産物といえますが、三角西港の設備や周辺の建物などの多くが当時のまま残り、文明開化の文化財などとして認められ、そして2015年には「九州・山口の近代化産業遺産群」の一部として世界遺産に登録されました。
明治期の港湾都市が当時のまま現存するのは三角だけです。
このように三角西港の世界遺産・文化財をレトロな感覚で楽しめるポットとして、さらに天草五橋の1号橋を眺められる所として、オススメします。
まず埠頭(前の写真をご覧ください)は756mありますが、対岸の飛山の石を積んで築いたものです。
この工事は、長崎の天主堂やグラバー邸などを手がけた天草の石工たちによって綿密に積み上げられ、その技術レベルの高さも評価されていますので、散策しながらご覧ください。
また、港から住宅地・山側に石積みの排水路(上の写真)が3か所設けられ、これは満潮時には海水が入り込み水路を浄化するためのものですが、後方排水路を含めて世界遺産の一部となっています。
この水路を渡る石造りの橋も同時に造られています。
なお、埠頭・水路3か所・石橋4基・後方水路が国の重要文化財となっています。
洋風建築の中の代表的なものをご紹介しますが、「浦島館」は明治時代にあった洋風建築の旅館で、当時はVIPなどをもてなす施設として繁盛していました。
しかし、後に解体し中国に運ばれてしまい、現在の建物は1992年に一部が復元され、休憩所・カフェなどとして利用されているものです。
当時熊本に滞在していたラフカディオ・ハーンが浦島館に宿泊し、美人の女将から着想し、短編小説「夏の日の夢」を書いたエピソードでも知られるスポットです。
「龍驤館(りゅうじょうかん)」は明治天皇の即位50年記念として計画されましたが、崩御されたため目的を変更し、公会堂・展示施設などの施設として1918年に建節された洋風建築です。
この施設は上記の浦島館の跡地に建てられています。
「旧・三角海運倉庫(和蘭館)」は1887年に建てられた倉庫ですが、白壁土蔵造りのしゃれた感じとなっています。
現在はレストランとなっていて、テラス席からは三角ノ瀬戸が眺められ、特に夕陽のころは最高です。
「ムルドルハウス」は、三角西港を造ったオランダ人の名前を偲んで付けた物産館です。
地元産業の振興を願って特産品や伝統工芸品を販売していますが、おしゃれな輸入雑貨などもあります。
小高い所に展望所が設けられており、三角港・三角ノ瀬戸・天草五橋の1号橋などの眺めが素晴らしいので、お立ち寄りください。
住所 :宇城市三角町三角浦1263-5
マップ: Googleマップ
アクセス :
JR三角線三角駅からタクシーで約5分
車の場合、九州自動車道の松橋ICから約50分
電話番号 :0964-53-1284
定休日 :水曜日ただし祝日の場合は翌日、年末2日間
営業時間 :8:30~17:30
料金 :無料
青井阿蘇神社がある人吉市は球磨地方の中心的な都市ですが、かっては交通関係など不便な所で、山深い所の人吉盆地に独特の風情のある城下町を作り小京都ともいわれています。
明治時代の終りころにJR肥薩線が通り、近年では九州自動車通も開通し、格段に便利になりましたが、反面人吉を通過するだけの人も多くなったともいわれています。
青井阿蘇神社は、その人吉市の中心部にある創建806年の古い神社ですが、名前の通り阿蘇にある阿蘇神社の御祭神のうち、建磐龍命(たけいわたつのみこと)など三神を分霊したのが始まりです。
「青井」は当地の地名と考えられますが、相良氏が領主となり氏神社とするなど庇護を受け、この地方の中心的な神社となっていきました。
特に同神社は文化財の宝庫ともいわれ、熊本県で唯一の国宝の建造物などがありますので、ぜひお訪ねください(詳しくは次項をご覧ください)。
主な社殿である楼門・拝殿・幣殿・廊・本殿が国宝となていますが、これらは創建当初のものではなく江戸時代に藩主などの発起で1610年から4年間をかけて造営されたものです。
これらが一連のものとして同時期に造られ、現在まで維持されていること自体が珍しいとされ、内容的にも桃山様式を採り入れながらも球磨地方の特色もある完成度の高いものであり、また球磨地方や南九州の寺社の建築にも影響を与えたことが、国宝に認められた理由のようです。
それぞれの建物の特徴をご説明しますが、まず入り口にある「楼門」については、高さが12mもある堂々としたもので、桃山様式と禅宗様式が調和しています(上の写真ご参照)。
屋根は茅葺きで、軒先には四隅に人吉方式といわれる鬼面が嵌め込まれており、また欄間や天井の彫刻も見事です。
拝殿の中は拝殿・神楽殿・神供所に分かれており、神楽殿では球磨神楽が演じられます。
拝殿から本殿につながる建物として幣殿と廊があり、茅葺きの屋根で、随所に彫刻などの彫刻が施されており、これらは見学が可能です。
銅板葺きの屋根を持つ建物で、神仏習合が感じられ、また球磨地方特有の造りとなっており、華麗な装飾も施されています。
神社に隣接して「文化苑」がありますが、ここは代々青井阿蘇神社の大宮司を務めた青井家の邸宅で、一時期手放されたこともありますが、再び元の姿にもどっており、公開(有料)されています。
中心的建物としては、継承殿といわれる主屋があり、ここは西南戦争のときには西郷軍の宿舎となったこともある所ですが、各部屋や襖絵や茶室など見どころがあります。
その他には各種の収蔵蔵があり、神社や宮司に関わるさまざまな事物が展示されている他、庭園も見応えがありますのでご覧ください。
青井阿蘇神社に行かれたら、小京都といわれる人吉の市街を散策されてはいかがでしょうか?
その場合の一つのスポットは「人吉城址」で、青井阿蘇神社からは球磨川を挟んで対岸にあります。
当地には 鎌倉 時代の初期から人吉城があり、相良家が領主として立派な城下町を作ってきた所ですが、お城そのものは江戸時代の終りころ焼失してしまいました。
一度は再建されたものの、明治時代に取り払われてしまい、現存するするのは石垣・石段・古井戸などですが、当時を偲ぶことができます。
また、最近はお城を再建する動きもあるようです。
その他、「人吉温泉」はいかがでしょうか。
同温泉は明治時代に掘削されたものですが、泉源は30か所ほどあり、温泉施設も立ち寄りを含めて20軒以上があります。
温泉から球磨川の向こうに人吉城跡を眺められ、またこの辺りは霧が立ち込めることも多い所ですので、温泉と共に霧に包まれた風情を楽しむことができるかもしれません。
住所 :熊本県人吉市上青井町118
マップ: Googleマップ
アクセス :
JR肥薩線の人吉駅から徒歩約5分
車の場合、九州自動車道の人吉ICから約10分
電話番号 :0966-22-2274
定休日 :神社は年中無休、文化苑は月曜日
営業時間 :神社は自由、文化苑は10:00~16:00
料金 :神社は無料、文化苑は大人300円 子供100円
公式URL: 青井阿蘇神社
球磨川(くまがわ、通常は漢字で表記されます)についてですが、宮崎県との県境付近から九州山地の水を集めて人吉市の中心部を流れて、八代市から八代海へ注いでいます。
そして、最上川や富士川と共に日本三大急流といわれ、「くまがわ下り」という舟遊びやラフティングが盛んに行われています。
なお、球磨川は昔は瀬が多いなど舟の運行ができなかったのですが、江戸時代初期に領主の相良氏の叔父が私財を投じて、岩を砕いたり浅瀬を掘削して舟が通行できるようにしたもので、その後木材の運搬や人の交通に利用され地域の発展に大いに貢献しました。
しかし、その後ダムができたり、JR肥薩線が開通すると業務用としては舟は利用されなくなり、現在は観光用の「くまがわ下り」などに利用されています。
「くまがわ下り」は人吉市の中心部から約20km下流までの球磨川を木舟で下るもので、2人の船頭さんに操られる櫂と艫に委ねて途中の景色とスリルを楽しみます。
乗船のコースはいろいろあり事前予約になっており、また一部を除き年間を通して利用できますが、具体的には次項をご覧ください。
球磨川は全部が急流というわけではなく、「くまがわ下り」が設定されている中では、人吉市街に近い部分は流れが比較的穏やかですが、その下流の方が急流エリアとなっています。
コース別には、「ミドルコース」は、市街上流にある人吉発船場(JR肥薩線鉄橋の約500m下流)から乗船し、温泉町着船場(西人吉駅の近く)まで行くもので、比較的緩やかな流れを約50分の船旅で楽しみます。
もっと短時間で楽しみたい場合は「ショートコース」があり、人吉発船場から相良町着船場までの30分間で、料金は大人1人2160円となっています。
急流を楽しむ場合は、「激流コース」があり、乗船は球磨村の一勝地発船場で、コース終点の鎌瀬着船場(芦北町、球泉洞の近く)まで約45分間のスリルを楽しむことができます。
人吉との往復は無料シャトルバスがあり、料金は大人1人3,240円です。
「ロングコース」は人吉発船場からコース終点の鎌瀬着船場まで行く「ロングコース」もありますが、貸切だけとなります。
さらに、冬場の風物詩となる「こたつ舟」がミドルコースと同じコースで運行されますが、これも貸切だけです。
運行期間については、ミドルコースとショートコースは1年中、激流コースとロングコースは4月から10月、こたつ舟は12月から2月までとなります。
前記のように「ミドルコース」などは比較的緩やかな流れで、人吉城跡や人吉温泉街などの景色を楽しみながら進みます。
また、球磨川の水の透明度は高いため水中の様子も見ることができ、例えばアユなども泳いでいるかもしれませんので、探してみてください。
球磨川はかっては球磨川百瀬ともいわれたように沢山の瀬(流れが急な所)がありましたが、現在では改修やダムで48瀬とよばれています。
多くは「激流コース」にありますが、代表的なものには、熊太郎の瀬・高曽の瀬・二股の瀬・網場の瀬・槍倒の瀬が5大瀬といわれます。
ちなみに、槍倒しというのは昔お殿様が参勤交代のとき舟で下るのに、本来立てるべき槍を倒さざるを得ないほど急流だったということで、船頭さんからも説明があると思います。
※2020年10月現在、くまがわ下りは熊本南部豪雨で大規模被災をしたため、無期限で休止中です。
球磨川の激流を自分たちで漕ぐゴムボートで下るラフティング(九州で唯一です)にチャレンジしてみませんか?
指導者が付きますので、泳げない初心者でも安全に楽しむことができます。
コースは2つあり、「ファイティング」は一勝地から球泉洞駅までで、所要時間は約1時間30分で料金は大人一人8,000円、「オールラウンド」は渡発船場から球泉洞駅までで、所要時間は約3時間で、料金は大人8,100円です。
※2020年10月現在、オールラウンドコースは休止中です。
住所 :人吉市下新町333-1(人吉発船場の近く)
マップ: Googleマップ
アクセス :
JR肥薩線人吉駅から徒歩約20分
車の場合、九州自動車道の人吉ICから約20分
電話番号 :0966-22-5555
営業時間 :
ミドルコースの平日は9:00~13:30(4月~9月は14:30まで、土日祭日は延長あり)
ショートコースの3月~11月の平日は9:00~14:50(土日祭日は15:20)、12月~2月は貸切
激流コースは11:15
料金 :記事中に記載の通り
注意点 :事前予約制です
公式URL: 球磨川下り
球泉洞は九州最大の鍾乳洞ですが、球磨川が人吉の方から北西方向に流れてきて北の八代方向転換する曲がり角にあります。
その場所は球磨川の槍倒しの瀬の近くの岩壁の上になっており、前記の「くまがわ下り」の終点近くとなっています。
この球泉洞は、以前からコウモリの巣穴があることが知られていた所を、1973年に愛媛大学の探検隊が調査して鍾乳洞があることを発見したもので、その後内部を調査、整備して1975年に一部を一般公開した比較的新しいスポットです。
鍾乳洞の地層は約3億年前に海中で造られた石灰岩が隆起したもので、それが雨水によって侵食されて鍾乳洞となったと考えられています。
内部は第1本洞と第2本洞に分かれ、総延長は4800mほどあり、九州では最も長く、全国では6番目の長さです。
鍾乳洞の特徴であるさまざまな鍾乳石による芸術的な造形に感動すること間違いありません。
例えば、石の滝や水が流れるような模様がシート状に固まっているフローストーン、鍾乳石でできた自然の橋、カーテンのような鍾乳石、ドーム状に盛り上がったホマーテ型石筍などが見られます。
「一般ルート」は普通の見学用に周回コースが整備されており、30分ほどでさまざまな鍾乳石を見ることができます。
さらにもっと地底を見たい人のためには「探検コース」があり、追加料金(800円)が必要ですが、渡される長靴・ヘルメット・ヘッドランプを装着して、奥に進みます。
地下200mの世界で鍾乳石の他、大量の地下水脈が球磨川に流れる様子などを約1時間で観察できます。
施設内にレストランや売店があり、焼き立てパンなども販売されています。
また、「焼酎のむら」コーナーでは、人吉球磨の全28の蔵元の焼酎が勢揃いしているうえ、洞内で自分の焼酎を20年以内で保管する「球泉洞スピリアル」もあります。
※2020年10月現在、球泉洞は熊本南部豪雨の影響により当面休館中です。
住所 :熊本県球磨郡球磨村大字大瀬1121番地
マップ: Googleマップ
アクセス :
JR肥薩線の球泉洞駅から徒歩約20分、なお球泉洞駅・一勝地駅・白石駅から送迎バスあり(要連絡)
車の場合、南九州自動車道の芦北ICから約20分、九州自動車道の人吉ICから約30分
電話番号 :0966-32-0080
定休日 :年中無休
営業時間 :基本8:30~18:00、ただし7月~8月は18:30まで、11月~3月は17:30まで
料金 :
高校生以上1,100円 中学生800円 小学生600円 3歳以上450円
なお、探検コースは別に800円必要
公式URL: 球泉洞
八代市は熊本市に次ぐ県内で2番目の人口を持ち、県南の中心都市ですが、その中心部に松浜軒と八代城跡があります。
松浜軒は、三代目の八代城主の松井氏が母親のために造った別邸で、代々の城代の清遊の地として使われてきた所で、別名を「浜の茶屋」といわれる風流な所ですが、昭和天皇が香淳皇后と共に当地に来られたときには宿舎ともなった施設でもあり、国の名勝にも指定されているスポットです。
この松浜軒と関係の深い八代城は、松浜軒から300mほどの距離にありますが、元々は加藤清正の次男がそれまでのお城が地震で倒壊したために新たに築城したものです。
その後、加藤家に代わり細川家が熊本藩の領主となりましたが、そのとき藩主の父親が隠居所として八代城に入り、その後に松井家が代々城主(城代といわれることもあります)として治めてきました。
八代城は立派な天守のあるお城でしたが、天守などは江戸時代に焼失したうえ、明治時代に廃城となりました。
しかし、石垣や堀などがあり当時を偲べる所ですのでご覧ください。
松浜軒はおよそ9000㎡ある敷地の中に、重厚な邸宅と工夫された庭園を持っています。
もともとは浜と松林が近くにあり、さらに八代海や宇土半島から雲仙岳などを借景にしており、さらに球磨川の水を引き入れるなど大きな構想で造られています。
現在では借景の状況はかなり変わっていますが、江戸時代初期の大名庭園の素晴らしさを保っています。
庭内には四季折々の花を楽しめますが、特に5月中旬から6月中旬ごろには、肥後花菖蒲が咲き誇り、大勢の人が訪れる所となっています。
なお、この時期には抹茶の振る舞い(有料です)も行われます。
敷地内には以前の厩を改造して資料館が作られており、松井家に伝わる茶道具や絵画・雛人形などが展示されています。
その他、敷地内に児宮(ちごのみや)があり子供の成長を祈ったり、また稲荷神社もあり商売繁盛を祈るスポットとなっています。
前記のように、お城の建物などは残っていませんが、石垣やお堀などから大きく立派なお城であったことが伺えます。
お城の周辺にあった外堀は埋められ再開発されているものの、水堀に囲まれた本丸のエリアは昔の様子がしのばれますし、お堀の外側は北の丸も公園として整備されていますので、散策にオススメです。
また、春先の季間限定ですがお堀の船巡りがあり、さらに週末だけですが人力車でお城の付近を巡ることもできます。
住所 :熊本県八代市北の丸町3-15
マップ: Googleマップ
アクセス :
JR九州新幹線の新八代駅からバスで市立博物館前下車、鹿児島本線の八代駅からバスで市役所下車、徒歩約10分
車の場合、九州自動車道の八代ICから約20分
電話番号 :0965-33−0171
定休日 :月曜日ただし6月は無休、お盆 年末年始
営業時間 :9:00~17:00
料金 :一般500円 小・中学生250円
宇土半島から天草五橋の第1号橋を渡って大矢野島に入って間もなくすると天草四郎公園があり、その中に天草四郎ミュージアムがあります。
天草のキリシタンを語るうえで欠かせない天草四郎について、さまざまな話や資料があります。
天草四郎は天草四郎時貞とも呼ばれますが、江戸時代初期にキリシタン大名であった小西家の家臣の増田氏の子供と伝えられています(諸説があります)。
幼児からカリスマ性があり、1637年に発生した天草・島原の乱(一揆)で、その総大将に担がれ、結局は3か月の籠城の末に敗れ、天草四郎も10代半ばで殺されてしまいます。
この公園は国道266号線沿いにあり、1万平方メートルほどの広い敷地には、シュロやソテツ・ヤシなど南国の樹木や花々があり、開放的な空間が広がります。
公園は丘陵となっていて丘の上には、天草四郎の銅像がそびえ立っており、近くには天草四郎の墓碑と隠れキリシタンの墓碑も建てられている厳粛な一角となっています。
それとは別に園内には「愛の鐘」があり、相手への想いを込めて鐘をつくと思いが相手に伝わるといわれていますので、トライしてはいかがでしょうか。
このミュージアムは、建物自体も教会風でユニークなもので話題になっていますが、中には天草四郎の本人と天草・島原の乱の様子が、南蛮文化などの背景を織りませて紹介されています。
天草四郎と民衆の本当の姿が資料と映像で分かりやすく説明されますのでご覧ください。
なお、ショップでは天草四郎が焼印された「ハート型絵馬」が売られており、想いを書いて、柵にかけると願いが叶うといわれています。
天草四郎公園の通りの向かい側にある「上天草さんぱーる」は道の駅・物産館ですので、天草諸島の入り口として観光案内・情報収集や休憩所として便利な施設です。
物産館では天草の特産品やお土産が豊富に揃えられており、例えば天草晩柑・パール柑・車海老・天草大王(地鶏)などがオススメです。
レストランでは天草の海鮮などを使った食事を頂くことができます。
天草は真珠の養殖が盛んで、天草五橋を結ぶ道路をパールラインと呼びますが、「さんぱーる」も真珠にちなんだ名前のようですね。
住所 :熊本県上天草市大矢野町中977-1
マップ: Googleマップ
アクセス :
JR三角線の三角駅から本渡行きバスで約20分、さんぱーるバス停下車すぐ
熊本市バスセンターからバスで約1時間20分、さんぱーるバス停下車
車の場合、九州自動車道の松橋ICから約1時間
電話番号 :0964-56-5311
定休日 :12月29日~1月2日、1月と6月の第2水曜日
営業時間 :9:00~17:00、ただし
料金 :大人600円 中学生以下300円 幼児は無料
公式URL: 天草四郎ミュージアム
天草諸島は本土から離れた島々で、本土との交通は以前は船しかありませんでしたが、1966年に「天草五橋」が完成し、人びとの生活や産業・観光は格段に便利になりました。
天草五橋は宇土半島の三角から、大矢野島・永浦島・大池島・前島を経て天草上島の松島までを結ぶ5つの橋で、国道266号線が通っていますが、真珠養殖が盛んなエリアにちなんでパールラインと呼ばれています。
第1号橋(天門橋)の横には、さらに新天門橋が開通しました!
もともと風光明媚な所ですが、5つの橋もそれに溶け込んで絶景を作り上げていますので、ドライブはもちろん、周辺あるいは海上から眺めるなどの観光ポイントとなっています。
天草松島は、大矢野島と天草上島の間にある30あまりの島々の光景が宮城県の松島と似ていることから、この辺り一帯を観光的に「天草松島」呼んでいます。
なお、行政的には上天草市の松島町の〇〇となっており、例えば5橋の終点は天草上島にある松島町合津(あいつ)地区となります。
天草五橋については、道路近くに展望所が設けられている所もあり、あるいは最寄りの海岸で橋を眺めることもできますが、もっと堪能するには遊覧船で橋を巡るのがオススメです。
遊覧船は次のように2つの会社が運行しており、どちらも5号橋と2号橋の間を往復するものです。
「パールラインめぐり遊覧船」は、3月から11月まで、乗り場は合津港で所要時間約40分のクルージングです。
出航時刻は9:00、10:00、11:00、13:00、14:00、15:00となっており、料金は大人1,500円、子供700円です。
詳しくは、パールライン観光(電話番号0969-56-0678)にお尋ねください。
「天草五橋めぐり遊覧船(シークルーズ)」は、基本的に年間を通して運行し、乗り場は前島港で所要時間は約30分となっています。
出航時刻は、9:20、10:20、11:20、13:20、14:20、15:20、16:20(4月~9月)で、料金は中学生以上1,500円、3歳以上700円です。
多くの島が点在する松島を高い所から眺めるのは格別ですが、絶景ポイントの一つが千巌山(せんがんざん)で、奇岩が点在する国の名勝にも指定されています。
千巌山は松島合津地区の南側にあり、標高は160mあり、そこからは天草五橋全体はもちろん、雲仙岳から天気が良ければ阿蘇山まで望むことができます。
一説には、天草四郎が出陣前の宴を催したともいわれている所です。
千巌山は公園となっており、子供連れでも遊べる所ですが、桜の木も沢山ありますので、その時期は特にオススメです。
行き方は国道266号線の合津から車で約10分で、頂上下の駐車場まで行くことができ、そこから展望台まで約300m歩く必要があります。
松島地区のその他の観光スポットとしては、前島にある「わくわく海中水族館シードーナッツ」があります。
ここは隣接する天草パールセンターが運営する、船を浮かべた水族館で、世界の7つの海に分けて魚を観察できる他、イルカとふれあうこともできる楽しいスポットです。
松島町の合津から島の海岸を西へ行った有明町に「サンタマリア館」があり、隠れキリシタンの悲しい歴史など400点もの資料が展示されています。
関係資料の散逸を心配した館長が収集したもので、隠れキリシタンが圧迫を受けて変容していく様子などを理解してほしいとのことです。
また、2階には天草の人たちが泥で作った山姥・お雛さまなど土人形(泥人形)や、徳利などの展示コーナーもあります。
さらに、向かい側には道の駅「リップルランド」もあり、海沿いの景色の美しい所です。
住所 :熊本県上天草市松島町
マップ: Googleマップ
アクセス :
松島町合津まで、熊本市バスセンターからバスで約1時間30分。
車の場合、九州自動車道の松橋ICから約1時間
電話番号 :0964-56-5602(天草四郎観光協会)
大江天主堂(大江教会)は、天草下島の西の海岸近くにあり、島の中心部の本渡から車で40分ほどかかりますが、丘の上に建つ白亜の天主堂として人気のスポットです。
天草でのキリスト教信仰は16世紀に始まり、禁教令が出てからも厳しい監視の中で300年ほど信仰が続けられました。
明治時代に禁教令が廃止されてから、地元の人たちによって天主堂が作られましたが、来日したフランス人のガルニエ神父によって現在の大江天主堂が1933年に建設されました。
なお、大江天主堂から近い所に「天草ロザリオ館」があり、天草の隠れキリシタンの資料が展示されています。
この天主堂はガルニエ神父が私財を投げうって、地元の人と協力して作りあげたもので、現在も天草のキリシタンのシンボルとなっている所です。
建物はロマネスク様式で、白く輝き見た目にも美しく、またお高台からの眺めも素晴らしいスポットですのでご覧ください。
また、敷地内にはガルニエ神父の像や聖母マリアの像があります。
さらに天主堂に関するエピソードとして、大江天主堂の話に感動した若いころの与謝野鉄幹・北原白秋・木下杢太郎・吉井勇・平野万里の5詩人がガルニエ神父に会いにきており、5人の九州旅行の紀行文が「五足の靴」として発表されました。
詩人たちは大江天主堂を訪ねて感銘を受け、後に北原白秋は「邪宗門」を書き、吉井勇は歌を作り天主堂の前に歌碑を残しています。
「五足の靴」にちなんだ遊歩道などが、大江地区から少し北の下田地区にあります。
例年クリスマス前後には1か月程度ライトアップ・イルミネーションが行われ、大変幻想的となります。
同館は天草のキリシタンの歴史や生活を物語る貴重な資料や遺物を展示している施設です。
内容の例としては、マリア観音像や儀式で使われた聖水の壺・経消しの壺などがあり、また「隠し部屋」では密かに行われた礼拝の様子がジオラマやミサの音声で再現されています。
その他には映像ホールもあり、ここでは映像によりキリシタンの信仰や生活が紹介されています。
また、隣接して「まちのおもちゃ箱」があり、ここでは天草の土人形の他、各地の玩具を展示したり、民芸品を作る体験コーナーもあります。
住所 :熊本県天草市天草町大江1782
マップ: Googleマップ
アクセス :
バスの場合、本渡バスセンターから牛深港行きで約45分一丁田中央前下車、老人ホーム春光苑行きに乗り換え約40分大江天主堂入り口下車徒歩約5分、本渡までは熊本駅からバスで約2時間10分
車の場合、九州自動車道の松橋ICから約2時間40分、天草空港から約1時間5分
電話番号 :0969-22-2243(天草宝島観光協会)
定休日 :年中無休
営業時間 :9:00~17:00(教会行事中は入館をご遠慮ください)
公式URL: 天草ロザリオ館
天草諸島は海に囲まれており、野生のイルカが近くの海にいるかもしれませんが、観光客が普通に目にすることはあまりありません。
ところが、野生のイルカを95%(中には99%ということも)くらいの確率で見ることができるエリアがあります。
それは、天草諸島の中で一番大きい下島(天草市の中心地があります)の、北側の島原半島との間に浮かぶ通詞島(つうじじま)周辺で、イルカが300頭ほど生息しているといわれています。
この辺りの海にはイルカの餌になる魚が豊富にあるため、年間を通して付近を回遊していて、下島の海岸の二江地区や通詞島などから多数の業者が船を出して、観光客をイルカウォッチングに案内しています。
下島と島原半島との間の早崎瀬戸のイルカはミナミハントウイルカという種類で、このエリアにイルカが多いのは餌となるボラ・イカ・アジなどが多いこともありますが、さらに海流が速くて定置網漁が行われ難いため、イルカが安心して棲んでいるのではないかともいわれています。
イルカたちは海岸から比較的近くにいることがあり、港を出発して10分くらいでイルカに会うこともあり、またイルカは人間にも興味があるのか船に寄ってくることもあり、サービス(?)でジャンプをすることもあるようです。
さらに春から夏にかけては、イルカの出産シーズンであり、子供連れのこともあり、たまには餌を食べる訓練をしているのを見かけることもあるとのことです。
下島側の業者の例では「五和町観光イルカ発着所」があり、予約なしでも乗船できます。
出発時刻は基本9:00、10:00、11:00、12:00、13:00、14:00、15:00、16:00、17:00で、11月から3月は9:00と17:00がありません。
料金は中学生以上2,500円です。
次に、通詞島については、全長180mの通詞大橋があり、バスや車で渡ることができ、島の高い所からは肉眼でイルカを見ることができます(ただし双眼鏡がオススメです)。
「イルカクラブ」は、専用クルーザーで初心者にも丁寧な説明をするガイド付きで案内しています。
出発時刻は、10:00、11:30、13:00、14:30、16:00で、料金は大人2,500円です。
宿泊の場合「民宿イルカ館」は専用のクルーザーがあり、運が良ければ部屋からイルカが見られることもあります。
宿泊料金は1泊2食付きで9,700円からで、イルカウォッチングは3人までの場合は1人2,250円追加となります。
本渡からイルカウォッチングへ向かう途中に オリーブ園のAVILO (アビーロ) があります。
ここはオリーブの観光農園で、本場イタリア人の指導のもとに、オリーブの栽培から搾油まで完全国産のオリーブオイルを生産しています。
同時に、園内のツアーや手絞りやオリーブオイルのテイスティングなどを体験し、エキストラバージン・オリーブオイルなどを入手できる所として女性に特に人気のスポットとなっています。
住所 :熊本県天草市五和町二江4687-10
マップ: Googleマップ
アクセス :
バスの場合、本渡バスセンターから約40分二江小学校下車、本渡までは本渡までは熊本駅からバスで約2時間10分
車の場合、九州自動車道の松橋ICから約2時間、天草空港から約15分
電話番号 :0969-33-1378
定休日 :基本無休
営業時間 :基本9:00~17:00(詳しくは記事中に記載)
料金 :中学生以上2,500円 2歳以上1,500円
熊本のおすすめ観光スポットを地域別にご紹介しました。
ご案内しましたように、熊本県にはまず、シンボルの阿蘇山とそ周辺に景色やレジャーなどを楽しむ沢山の観光スポットがあり、さらに熊本県の中心である熊本市には天下の名城の熊本城や水前寺成趣園などがありました。
その他に、県北には菊池渓谷や山鹿の八千代座、県央には通潤橋、県南には人吉の青井阿蘇神社や「くまがわ下り」などがあるうえ、天草には天草五橋や天草松島の絶景の他キリシタン関係のスポットまどがありましたね。
このように、熊本県は山から海までバラエティに富み、また歴史やキリシタンを含めて幅広いスポットが並んでいる、魅力いっぱいの場所です。
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最終更新日 : 2023/04/06
公開日 : 2018/04/24